また細菌性髄膜炎に対するデキサメタゾンの補助療法の有効性に関しては、過去30 ..


髄膜炎菌感染症が集団生活者において発生した場合、しばしば二次感染を起こす。このため、ご本人・母親に了承を得た後、学校側と連携をとって予防投薬の検討に入った。学校内で特別に濃厚接触している生徒はいなかったが、吐物を素手で処理した教員が2名いることが判明した。予防投薬対象者は寮で同室の男子生徒15名および吐物を処理した男性教員2名とした。


髄膜炎への投与も勧められていない(推奨度3)。髄膜炎菌およびHibによる髄膜炎 ..

臨床経過
病歴、身体所見および髄液所見から髄膜炎と診断し、デキサメタゾン6.6 mg単回静注後にセフトリアキソン 2g 1日2回点滴静注にて入院加療を開始した。入院翌日朝、髄液培養中の液体培地にてコロニーの出現あり、グラム染色にてグラム陰性球菌が認められ、髄膜炎菌性髄膜炎の可能性が非常に高いと考えられた。

予防投薬対象者全員が、入院翌日午後に当院を受診することができた。予防投薬の内容は参考文献1,2)を参考にリファンピシン600mg1日2回、2日間の内服とした。発症1カ月後の学校への聞き取り調査では、生徒および職員で髄膜炎菌性髄膜炎を発症した者は認めなかった。

髄膜炎菌細菌性髄膜炎では,約 25%に紫斑を伴う斑状丘疹がみられる 8) .しかし ..

起 炎菌としては、アフリカではA群が圧倒的に多く、8〜12年周期で地域での起炎菌となっており、またアジア(ベトナム、ネパール、モン ゴル)、ブラジルでも流行の原因株となっている。B群はヨーロッパに最も広く認められ、C群は米国、ヨーロッパに多く見られる。1998年にはイングラン ドでC群による流行性髄膜炎が発生し、1,500人以上が発症して150人が死亡し4)、C群混合ワクチン導入のきっかけとなった(治療・予防の項参照)。2000年から2001年にかけては、メッカへの巡礼者を介したW-135群の感染例が発生し、WHOの報告によると世界で患者約400人、死亡者約80人の犠牲者を出したとされている5)。近年においては2005年1月に、1カ月間で中国・安徽省を中心に髄膜炎の感染者が続出し、患者258人、死者16人もの犠牲者が出たとされた6)。また、フィリピンでは2004年10月から2005年1月にかけて、髄膜炎菌による患者98人、死者32人7)、インドでは2005年3月下旬から5月下旬までの短期間に、髄膜炎菌による患者が368人で死者が37人も発生した8)との報告がある。
一般的に患者としては、生後6カ月から2年の幼児、及び青年が多い。
一般的に髄膜炎菌は患者のみならず、健常者の鼻咽頭からも分離され、その割合は世界では5〜20%程度とされている9)。しかし近年の研究結果から、わが国においては健康保菌者は約0.4%程度であることが明らかとなっている10)11)。わが国における低保菌率と髄膜炎菌性感染症の低発生率の関連性は非常に興味深いが、詳細は不明である。

この時点でListeria の可能性が極めて高いと考えられました。「Listeria 髄膜炎の第一選択薬に変更していこう!」

Pros & Cons 細菌性髄膜炎患者へのステロイド薬の適応

13). 肺結核(粟粒結核、重症肺結核に限る)(抗結核剤と併用する)、結核性髄膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性胸膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性腹膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性心のう炎(抗結核剤と併用する)。

しかし、世界全体としては毎年30万人の患者が発生し、3万人の死亡例が出ている3)。特に、髄膜炎ベルト(meningitis belt)とよばれるアフリカ中央部において発生が多く、また先進国においても局地的な小流行が見られている。

[PDF] 抗菌薬選択に難渋した Listeria monocytogenes 髄膜炎の 1 例

髄膜炎の起炎菌は培養結果により髄膜炎菌と確定した。7日間のセフトリアキソン投与により、髄膜炎は治癒し、特に後遺症なく退院となった。後日、保健所を通じて県の地方衛生研究所にて髄液の凍結保存検体から髄膜炎菌の血清群の同定を試みたが、血清群は判明しなかった。

2日後――。細菌検査室から主治医へ連絡がありました。
「2日前に提出していただいた髄液検体から、たった1コロニーでしたが菌が検出され、質量分析の結果、Listeria 属(グラム染色所見とカタラーゼ試験陽性)と判明しました(図1、2)。あと数日で菌名が同定できると思います。また、抗酸菌塗抹は陰性、ヘルペス属PCRもすべて陰性でした」


HIV 関連クリプトコッカス髄膜炎におけるデキサメタゾンの補助的使用

「初期治療としては想定される起因菌をカバーできているようだ。髄液検査も2日前と比べてだいぶ改善しているように見える。少なくとも抗菌薬の効果がまったくないというわけではない。しかし、現在の治療で外しているとすれば(1)抗酸菌(結核)、(2)真菌、(3)ヘルペス属があるだろうか。もう一度、本日採取した髄液で抗酸菌塗抹、ヘルペス属ウイルスPCRを提出して、さらに細菌培養検査ももう一度提出してみよう!」

18 結核性髄膜炎(tuberculous meningitis)

考 察
髄膜炎菌は飛沫感染することで知られ、国内外で集団発生の報告も数多く認められる。本邦において、髄膜炎菌性髄膜炎の発生報告件数は戦後をピークに徐々に減少しているものの、近年も年に10件前後の患者発生を認めている。早期に適切な治療がなされなかった際の致死率、後遺障害の可能性は非常に高く、今もって注意が必要な疾患である。

髄膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性胸膜炎(抗結核剤と併用する ..

「2回目に行った髄液検査では細胞数や蛋白が減ってきていて改善傾向にあるようだ。でも、そのわりに臨床症状の改善が乏しい。本当に初期治療はMEPM+VCMでよかったのか」。主治医は不安に思いました。もう一度教科書を読み返しながら考えます。

髄 膜 炎の うち,dexamethasone(DXM)使 用の93

入院後経過
身体所見および髄液所見より細菌性髄膜炎を疑ったが、入院時に採取した髄液のグラム染色では菌は見えず、経験的治療としてメロペネム(MEPM)とバンコマイシン、さらにデキサメタゾンを併用して治療を開始した。入院第4病日の朝に髄液の増菌培養で発育がみられ、グラム染色でグラム陰性球菌を認めたために髄膜炎菌を疑った。この時点で速やかに保健所に連絡し、同時に接触者調査を開始した。病院の調査に基づき気管内挿管などに携わった医療従事者17名が予防内服を行った。また、保健所の接触者調査は190名に及び、家族・職場同僚15名が髄膜炎菌に対する予防内服を行い、残りの175名は10日間の健康観察を受けた。さらに各市町村の医師会に対しての情報提供も行われた。一部の接触者は咽頭ぬぐい培養も行ったが、髄膜炎菌が検出された者はおらず、また、その後に髄膜炎菌感染症を発症した者もいなかった。入院第8病日には薬剤感受性結果で髄膜炎菌がペニシリン感受性であることが判明し、MEPMからアンピシリンに変更し、第14病日に終了、第24病日に患者は軽快退院となった。

髄膜炎菌(血清型A、C、Y及びW-135)による侵襲性髄膜炎菌感染症の予防

感染症法が施行された1999年以降では8〜22例が報告されている 1)。わが国では、髄膜炎菌性感染症の起炎菌としては、BおよびY群髄膜炎菌が同定されることが多い1)2)

自己免疫性脳炎,無菌性髄膜炎,脊髄炎,脱髄性ニューロパチー(ギラン・バレー.




気道を介してまず血中に入り、 1)菌血症(敗血症)を起こし、高熱や皮膚、粘膜における出血 斑、関節炎等の症状が現れる。引き続いて 2)髄膜炎に発展し、頭痛、吐き気、精神症状、発疹、項部硬直などの主症状を呈する。3)劇症型の場合には突然発症し、頭痛、高熱、けいれん、意識障害を 呈し、DIC(汎発性血管内凝固症候群)を伴い、ショックに陥って死に至る (Waterhouse-Friderichsen症候群)。
菌血症で症状が回復し、髄膜炎を起こさない場合もあるが、髄膜炎を起こした場合、治療を 行わないと致死率はほぼ100%に達する。抗菌薬が比較的有効に効力を発揮するので、早期に 適切な治療を施せば治癒する。

化膿性髄膜炎におけるデキサメタゾン療法: G-CSFとの関連について

化膿性髄膜炎のうち、髄膜炎菌を起炎菌とするものを髄膜炎菌性髄膜炎という。髄膜炎を起こす病原性細菌はいくつか知られているが、大規模な流行性の髄膜炎の起炎菌は髄膜炎菌のみであることから、流行性髄膜炎ともよばれる。

細菌性髄膜炎 Bacterial meningitis(髄膜炎菌、肺炎球菌

検 査
髄液培養から得られた髄膜炎菌株を国立感染症研究所細菌第一部へ送付し、検査した。血清群はB群、遺伝子型(sequence type)は687であった。

細菌性髄膜炎で難聴予防のためのデキサメタゾン(今や経験なし)ってあったけど、理にかなっていたのか.

14). 脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(但し、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること)、末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、筋強直症、重症筋無力症、多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、小舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎。

髄膜炎菌性髄膜炎(Meningococcal infection)

「起因菌が不明で、患者さんの状態は良くならない」。そこで主治医は、少しでも手がかりを得たいと、髄液検査・血液培養の再検を行いました。髄液検査の結果は以下の通りです。

基本的には,抗菌薬の投与の 10〜20 分前に,デキサメタゾンを 0.15mg/kg・6 時間 ..

日本国内の感染症サーベイランスシステム(NESID)を参照すると、髄膜炎菌性髄膜炎は2006~2012年の7年間で合計80例の報告が認められる。5歳ごとの年齢別内訳では15~19歳が10例と最も多く、次いで20~24歳が9例となっており、青年層でも注意が必要な疾患である。2011年5月には宮崎県で寮生活を営んでいた男子高校生の発症を機に、寮関係者を中心とした集団発生が報告されており3)、本事例でも集団発生する可能性は十分にあったと考えられる。なお、2012年に学校保健安全法施行規則の一部改正があり、髄膜炎菌性髄膜炎は第2種の学校感染症に追加されており、他者への感染の恐れがないと認められるまで出席停止が義務付けられている。また、これまで感染症法における5類感染症として「髄膜炎菌性髄膜炎」が指定されていたが、2013年4月1日より「侵襲性髄膜炎菌感染症」に変更となり、髄液または血液から髄膜炎菌が検出された際に保健所への届出が義務付けられている。

Dexamethasone therapy for bacterial meningitis in children

その2日後――。発熱や項部硬直などの所見はほとんど変化なく、意識レベルも悪いままです。転院時に採取した血液培養、髄液培養は陽性とならず、起因菌も同定できないままでした。心エコーでも感染性心内膜炎の合併は認めていません。頭部CTでは両側側脳室の拡大があり水頭症の所見が認められました。

Dexamethasone in adults with bacterial meningitis

考 察
髄膜炎菌性髄膜炎の臨床像:髄膜炎菌による急性全身性感染症は(1)髄膜炎、(2)敗血症を伴う髄膜炎、(3)髄膜炎を伴わない敗血症の3つの病態に大別される2)。本症例では抗菌薬の前投与はなく、髄膜炎菌は血液培養では検出されず、髄液培養検査でのみ検出された。