マイコプラズマ肺炎の治療では、主にマクロライド系の抗生剤を用います。


2つ目はマイコプラズマを分離する培養法です。確実ではありますが,先に述べたようにPPLO培地を用いなければならず,また培養に日数を要することが難点です。


本邦で、2011年〜2012年にかけて、マイコプラズマ肺炎の流行期がありました。

マイコプラズマをその日のうち、もしくは1~2日のうちに診断する方法は2種類ほど存在します。

同じ成分の薬です。どちらも先発品です。製造会社が異なりますがどちらもクラリスロマイシンであることには変わりありません。薬価には多少の違いがありますが、先発品とジェネリック薬ほどの大きな差はありません。

マイコプラズマに感染すると、一般の肺炎とは異なる症状があらわれます。

マイコプラズマ感染の診断には、①lgMという感染後初めに上昇する抗体(自分自身の体が作る病原体をやっつける物質)を検出する方法と、②喉のぬぐい液からマイコプラズマのDNAを増やして検出する方法があります。

●マイコプラズマ肺炎とは

●IASRマイコプラズマ肺炎 2023年現在

●感染症発生動向調査週報(IDWR)過去10年間との比較グラフ

●感染症発生動向調査年別報告数一覧(定点把握)

●厚生労働省 マイコプラズマ肺炎

●IDWR 2012年第39号<注目すべき感染症>マイコプラズマ肺炎

●IDWR 2012年第35号<注目すべき感染症>マイコプラズマ肺炎

●IDWR 2012年第21号<注目すべき感染症>マイコプラズマ肺炎

●マイコプラズマ肺炎 IDWR注目すべき感染症(1999年から2011年までの記事一覧)

マイコプラズマ肺炎を疑う場合、胸部レントゲン検査とCT検査をおこないます。

マイコプラズマに感染したからといって、全員が肺炎になるわけではありません。かるいカゼとしか思えない、軽症のマイコプラズマ感染も存在します。

臨床経過は3期に分けられる。
1)カタル期(約2週間持続):通常7~10日間程度の潜伏期を経て、普通のかぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなる。
2)痙咳期(約2~3週間持続):次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となる。これは短い咳が連続的に起こり(スタッカート)、続いて、息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出る(笛声:whoop)。この様な咳嗽発作がくり返すことをレプリーゼと呼ぶ。しばしば嘔吐を伴う。
発熱はないか、あっても微熱程度である。息を詰めて咳をするため、顔面の静脈圧が上昇し、顔面浮腫、点状出血、眼球結膜出血、鼻出血などが見られることもある。非発作時は無症状であるが、何らかの刺激が加わると発作が誘発される。また、夜間の発作が多い。年齢が小さいほど症状は非定型的であり、乳児期早期では特徴的な咳がなく、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止と進展することがある。合併症としては肺炎の他、発症機序は不明であるが脳症も重要な問題となり、特に乳児で注意が必要である。1992~1994年の米国での調査によると、致命率は全年齢児で0.2%、6カ月未満児で0.6%とされている。
3)回復期(2, 3週~):激しい発作は次第に減衰し、2~3週間で認められなくなるが、その後も時折忘れた頃に発作性の咳が出る。全経過約2~3カ月で回復する。
成人の百日咳では咳が長期にわたって持続するが、典型的な発作性の咳嗽を示すことはなく、やがて回復に向かう。軽症で診断が見のがされやすいが、菌の排出があるため、ワクチン未接種の新生児・乳児に対する感染源として注意が必要である。これらの点から、成人における百日咳の流行に今後注意していく必要がある。
また、アデノウイルス、マイコプラズマ、クラミジアなどの呼吸器感染症でも同様の発作性の咳嗽を示すことがあり、鑑別診断上注意が必要である。
臨床検査では、小児の場合には白血球数が数万/mm3に増加することもあり、分画ではリンパ球の異常増多がみられる。しかし、赤沈やCRPは正常範囲か軽度上昇程度である。

マイコプラズマ感染症の薬は確かに苦いですが、工夫次第で飲みやすくなります。

1点目は, ガイドライン等による小児のマイコプラズマ感染症に対する抗菌薬の適正使用である。これまでは, 小児のマイコプラズマ感染症に対しては, ほぼマクロライド系抗菌薬が使用されていたが, マクロライド使用後も48時間以上改善がない場合は, ニューキノロン系抗菌薬のトスフロキサシン(乳児除く)もしくはテトラサイクリン系抗菌薬(8歳以上)への変更がなされるようになり, マクロライド耐性MPも効率よく除菌されるようになったこと, である。

3つめは,保険適用となっているキットのイムノカード「マイコプラズマ抗体キット」です。IgM を検出する本キットは迅速性に優れていますが,特異抗体の上昇には数日かかることや,乳幼児や成人でもまれに特異抗体が上昇しない例があることです。また,偽陽性がみられる場合もあります。


[PDF] 小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方

マイコプラズマ肺炎の感染症発生動向調査に関する詳細な情報と最新の状況については、以下を参照いただきたい:

[PDF] 「マイコプラズマ肺炎」来襲でも落ち着いて。小児科専門家の助言1


マイコプラズマ肺炎の治療は、病状に合わせて行う必要があります。適切な抗菌薬の選択と症状の軽減を目指す対症療法が中心です。症状に合わせた治療を行いながら、十分な休息を心がけましょう。

マイコプラズマ肺炎に対する第1選択はマクロライド系抗菌薬で、アジスロマイシン、エリスロマイ

マイコプラズマ感染症の治療において、抗生剤の使用が一般的ですが、すべての症例で絶対に必要というわけではありません。

肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae: M

マイコプラズマに感染するとマイコプラズマが増殖するのには2~3週間かかります。 その後、感染した人の体が マイコプラズマを認識し免疫反応が始まります。その結果肺炎が進行します。その後遅れてIgMという抗体が日単位で上昇します。マイコプラズマ肺炎があっても、感染初期ではIgMが検出されないこともあるわけです。

マイコプラズマ肺炎は肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)による細菌性肺炎 ..

国内外の疫学調査研究では、マイコプラズマ肺炎は3~7年程度の間隔で大きな流行が起きることが報告されている。2024年第1~35週の定点当たり累積報告数は周期的な大流行の年となった2016年に次いで多かった。また、2024年は新型コロナウイルス感染症流行前の2019年以前とほぼ同様に、第20週付近から定点当たり報告数が増加し始め、第27~33週は継続して前週より増加し、第31~35週は、2014年以降最も多い水準で推移していた。2020~2023年の報告数は年間通じて少なかったが、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、人々に求められていたマスク着用、手洗いの励行等、基本的な感染症対策が緩和された。そのため、マイコプラズマ肺炎の流行が今後、さらに拡大することが危惧される。より一層の注意深い監視が必要である。

マイコプラズマ感染症 | 池袋ながとも耳鼻咽喉科 | 北池袋駅徒歩2分

この菌自体は自然治癒することが多いといわれていますが、咳が非常に長く続き(1ヶ月以上のことも)、また重症の肺炎や様々な合併症を起こすことも多いのです。よってこの菌を考えた適切な抗生剤投与が必要です。抗生剤はマクロライドやテトラサイクリンと呼ばれている系列のものを使います。ただこれらの薬には問題があります。まずマクロライドですが、基本的にとても苦い薬です。当院ではクラリス、ミオカマイシンの2剤がありますが、特にクラリスは苦いです。しかし効果はクラリスの方がよいですので、薬を飲めそうな子はクラリスを第一選択にしています。5歳以上の子供は小さい錠剤がありますのでこちらにしてみるとよいでしょう。クラリスの粉は苦い味を苺味でコーティングしていますので、これを溶かさないように工夫が必要です。ジュース、スポーツドリンク、ヨーグルトなどで飲ますのは避け、水、牛乳、バニラアイスで飲ませるとよいでしょう。またムコダインという痰をきる薬と混ぜると苦くなります。それでもダメな場合はミオカマイシンを使います。もう一つのテトラサイクリンは当院ではミノマイシンを使っていますが、乳幼児の歯や骨の発育を阻害する副作用があるため6歳以下には重症例を除き使いません(8歳以上から)。そして最も大事なことは最低10日間は内服する必要があります。通常3日?1週間で発熱や咳嗽は改善しますが、このマクロライドやテトラサイクリンは菌を殺すより、押さえ込んでそのうち死ぬという薬なので、中途でやめるとまた菌が復活し、ぶり返すことになります。

[PDF] マイコプラズマ肺炎流行に対する日本小児科学会からの注意喚起

マイコプラズマ感染に対して、抗生剤を使うことをおすすめはしますが、全員が必要なわけではありません。

また,マイコプラズマ肺炎はその肺炎像から異型肺炎と呼ばれていまし ..

また、近年ではマイコプラズマが薬物耐性を持ち、抗生剤が効かないケースが報告されており、特に子どもの90%近くはマクロライド系抗生剤で十分な効果が得られないことが多いといわれています。

(4) 日本マイコプラズマ学会 : 肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指 ..

【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。さくらんぼさんのFBで見せていただきましたが、すごい雪です。これ以上降らないことを願っています。お友だち、連休なので予約が取りにくいのでしょうか? マイコプラズマを見つけた看護師さんはすごいです。医者でもなかなかわからないことが多いようです。

マイコプラズマ肺炎は肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)による細菌性肺 ..

COVID-19流行以降, マイコプラズマ感染症の流行は抑制されているが, 既に海外ではマイコプラズマ感染症の検出が増加しており, 中国でも, 小児の間でマイコプラズマ肺炎の流行があったというニュースもある。

[PDF] 肺炎マイコプラズマ感染症の検査 -マクロライド耐性 ..


マイコプラズマ肺炎が疑われる場合や他の疾患との鑑別のため、いくつか検査をおこなう必要があります。

マイコプラズマ肺炎の症状は、1990年代頃までは「マクロライド系抗菌薬」を使用することで素早く抑えることができていました。

『私どもの小児マイコプラズマ肺炎例における検査値データの集計によりますと,年齢によって多少の相違はありますが,一般的には, i) WBCは正常値よりやや高い程度で平均値は6,600 cells/μl (2.300-19.800)であること, ii) 好中球優位であること, iii) CRP の平均値は 1.8 mg/dL (0.1-13.4)程度であること, iv) 血沈が亢進している場合が多いことなどが明らかにされています。』

肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日ぜき菌(Bordetella ..

したがって, 日本国内で再びマイコプラズマ感染症が小児で流行し始めるのも時間の問題であり, 今後も引き続き, その流行状況に留意が必要である。

マイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)急増にあたり、その対策について(一部修正) ..

テトラサイクリン系抗生剤は、主に8歳以上の小児や成人に使用されます。マイコプラズマに対しては、ほぼ効くイメージを持っていますが、8歳未満のお子さんに対して使うと歯が黄色くなるため使えません。