・この薬は、活性代謝物のデキサメタゾンが抗炎症作用を示し、関節リウマチの
★印の附されている適応に対しては、外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いることとされたものを示す。
特集2 関節リウマチ医療 格段に速くきき、効果が確かな薬が登場
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
■効き目の遅いDMARDs
「疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARDs)」は、効果がでてくるのが遅く、3~6カ月かかります。しかも薬の効き目も期待されたほど高くなく、効果が現れても一時的で、だんだん効き目が弱くなる現象がみられます。
関節破壊は発症6カ月で現れ、もっとも進行速度が速い時期は発症2年以内です。そのため、ステップ・アップ方式では、関節破壊が現れる前に病気の進行を抑えることはむずかしいことが明らかになってきたのです。
デキサメタゾンエリキシル0.01%「日新」の薬剤情報・副作用
(禁忌)
2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者〔10.1参照〕。
(重要な基本的注意)8.1.本剤の投与により、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。
・投与に際しては特に適応、症状を考慮し、消炎鎮痛剤、金剤等で抑制できない難治例に使用すること。・投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにすること。
・連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと(離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること)。8.2.特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
・本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。・水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。水痘又は麻疹への感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
・水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること〔11.1.2参照〕。8.3.本剤の長期あるいは大量投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させることがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しないこと〔11.1.2参照〕。
8.4.連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい〔9.1.1、11.1.3参照〕。8.5.褐色細胞腫の合併を認識していなかった状態でデキサメタゾン製剤(経口剤及び注射剤)を投与した際に褐色細胞腫クリーゼを発現したとの報告がある(本剤投与後に著明な血圧上昇、頭痛、動悸等が認められた場合は、褐色細胞腫クリーゼの発現を考慮した上で適切な処置を行うこと)〔9.1.10参照〕。
8.6.リンパ系腫瘍を有する患者にデキサメタゾン製剤(経口剤及び注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群があらわれたとの報告がある(本剤投与後に急激な電解質異常や急性腎障害等が認められた場合は、腫瘍崩壊症候群の可能性を考慮し、適切な処置を行うこと)。(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
(1).有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者:免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがある〔11.1.2参照〕。(2).消化性潰瘍の患者:肉芽組織増殖抑制作用により、潰瘍治癒(組織修復)が障害されることがある。
(3).精神病の患者:大脳辺縁系の神経伝達物質に影響を与え、症状が増悪することがある。(4).結核性疾患の患者:免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがある〔11.1.2参照〕。
(5).単純疱疹性角膜炎の患者:免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがある〔11.1.2参照〕。(6).後嚢白内障の患者:症状が増悪することがある〔8.4、11.1.3参照〕。
(7).緑内障の患者:眼内圧の上昇により、緑内障が増悪することがある〔8.4、11.1.3参照〕。(8).高血圧症の患者:電解質代謝作用により、高血圧症が増悪することがある。
(9).電解質異常のある患者:電解質代謝作用により、電解質異常が増悪することがある。(10).血栓症の患者:血液凝固促進作用により、症状が増悪することがある。
(11).最近行った内臓の手術創のある患者:創傷治癒(組織修復)が障害されることがある。(12).急性心筋梗塞を起こした患者:心破裂を起こしたとの報告がある。
(13).コントロール不良の糖尿病の患者:糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。9.1.2.感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・全身の真菌症を除く>の患者:免疫機能抑制作用により、感染症を増悪させるおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.3.糖尿病<コントロール不良の糖尿病を除く>の患者:症状を増悪させるおそれがある。9.1.4.骨粗鬆症の患者:症状を増悪させるおそれがある。
9.1.5.甲状腺機能低下のある患者:症状を増悪させるおそれがある。9.1.6.脂肪塞栓症の患者:症状を増悪させるおそれがある。
9.1.7.脂肪肝の患者:症状を増悪させるおそれがある。9.1.8.重症筋無力症の患者:使用当初、一時症状が増悪することがある。
9.1.9.B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者:B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがあるので、本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意し、異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている〔11.1.2参照〕。9.1.10.褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者:褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある〔8.5参照〕。
(腎機能障害患者)9.2.1.腎不全の患者:症状を増悪させるおそれがある。
(肝機能障害患者)9.3.1.肝硬変の患者:症状を増悪させるおそれがある。
(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(新生児に副腎不全を起こすことがあり、また、血圧上昇、心筋壁肥厚を起こすとの報告がある、動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用(臍ヘルニア、口蓋裂)等が報告されている)。
(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中に移行したとの報告がある)〔16.3.2参照〕。
(小児等)9.7.1.小児の発育抑制があらわれることがある。
9.7.2.長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。9.7.3.低出生体重児で、一過性肥大型心筋症が起こることが報告されている。
(高齢者)長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。
(相互作用)本剤は、肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。また、CYP3A4の誘導作用を持つ。
10.1.併用禁忌:デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>〔2.2参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(機序は不明である)]。
10.2.併用注意:1).バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール)、フェニトイン、リファンピシン[本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること(バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される)]。
2).サリチル酸誘導体(アスピリン、アスピリンダイアルミネート、サザピリン)[併用時に本剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること(本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する)]。3).抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること(本剤は血液凝固促進作用がある)]。
4).糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、インスリン製剤等)[糖尿病用薬の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること(本剤は肝臓で糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する)]。5).利尿剤<カリウム保持性を除く>(トリクロルメチアジド、アセタゾラミド、フロセミド)[低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意すること(本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある)]。
6).シクロスポリン[シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること(本剤はシクロスポリンの代謝を阻害する)]。7).HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル等)[本剤のAUCの上昇あるいはこれらの薬剤のAUCが低下するおそれがある(チトクロームP450に対して競合する可能性があり、また、本剤がチトクロームP450を誘導することにより、これらの薬剤の代謝が促進される可能性がある)]。
8).マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン)[本剤の作用が増強するおそれがあるので、併用する場合には用量に注意すること(本剤の代謝酵素(CYP3A)が阻害されるおそれがある)]。9).非脱分極性筋弛緩剤(ベクロニウム臭化物、パンクロニウム臭化物)[他のステロイド剤との併用により非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること(機序は不明である)]。
(適用上の注意)14.1.薬剤投与時の注意
14.1.1.本剤の投与は静脈注射で行い、原則として点滴注射は避けること。14.1.2.静脈内投与により、血管痛、静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するため、注射部位、注射方法等について十分注意し、注射速度はできるだけ遅くすること。
(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報
副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチンを接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光保存すること。(保管上の注意)
室温保存。
デキサメタゾンとは、癌だけではなくリウマチや喘息・アレルギーや皮膚疾患など多くの治療で使われる薬です。また様々な作用がある中、抗がん剤の副作用である吐き気止めの作用を強くしたり、血液系のがんに使われることもあるステロイド系抗炎症薬の一つです。
関節リウマチ患者:1.54±0.41 時間(デキサメタゾンとして 2.5mg 投与)
関節炎が続くことにより関節破壊がおきるため、発症後できるだけ早く関節炎を抑えることが治療の重要なポ イントとなります。そのためには発症早期から強力な薬を使い、必要なら複数の薬を併用する治療法が考え出されました。そして効果が出てきたら量を減らし、 あるいは効果の弱い薬にかえていく治療法がステップ・ダウン方式(図2)といわれるものです。
デキサメタゾン抑制試験は、クッシング症候群(「」の項参照)が疑われた場合に行う検査で、デキサメタゾン(商品名:デカドロン)は副腎(腎臓の上にある小さな内分泌臓器)で作られるコルチゾールの作用を強力にした内服薬です。
Table: コルチコステロイドの使用法と副作用-MSDマニュアル家庭版
・炎症をしずめ、免疫系を抑える効果があるステロイド薬
・原因を問わずあらゆる炎症、アレルギー疾患、免疫疾患に有効
・「デカドロン」と同じ成分でありながら処方箋なしで購入可能
・薬のタイプ:錠剤
私たちの体内には様々なホルモンが存在し、その中の一つに副腎で作られるステロイドホルモン(corticosteroid:CS)があります。これを治療薬として使用する場合、通称ステロイドと呼ばれます。
SS14-1 LLLIとデキサメタゾンが関節リウマチ滑膜細胞に与える影響のトランスクリプトーム解析
ピロキシカム (piroxicam)
非ステロイド抗炎症薬として国内でも承認されている医薬品。一般的に関節リウマチ、変形性関節症などの関節痛に使用。副作用としては胃腸障害や吐き気、胃痛や皮膚症状などが知られており、消化性潰瘍またはその既往歴のある患者には禁忌。ワルファリン等と併用すると作用を増強する可能性があり、注意が必要。
デキサメタゾン投与の効果があるか判断できないことである。次いで、デキサ
ステロイドは副作用が多いのではないか?他のステロイドとは何が違うのか?など疑問をもたれる方も少なくありません。
このページではデキサメタゾンについて主な作用など詳しくご紹介しますので、参考にしていただければと思います。
有効成分であるデキサメタゾンは国内で新型コロナ治療薬として承認されています。
使用するDMARDsも強力なメトトレキサートが主流で、それでも効果が十分でなければサラゾスルファピリジンなど他のDMARDsを併用します。関節炎が激しい場合はステロイドも併用します。
最近になって、このステップ・ダウン方式で関節破壊が実際に防止できたという成績が数多く報告されています。
[PDF] 合成副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾンパルミチン酸エステル注射液
ステロイド内服薬は多数ありますが、主な違いは効果持続時間です。
また各薬物によって糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の強さが異なります。
臨床で期待される抗炎症、免疫抑制などの効果は糖質コルチコイド作用の強さに依存しています。
鉱質コルチコイド作用はナトリウムの再吸収亢進とカリウムの排泄亢進があり、高血圧や電解質異常等の副作用として現れることがあります。
下の表に、当院採用薬の生物学的半減期、糖質コルチコイド作用の等価用量、糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の効力比(ヒドロコルチゾンを1とした場合)をまとめました。
等価用量とは、同等の効果を発現させるのに必要な用量(mg)のことです。
通常成人1回1アンプル(デキサメタゾンとして2.5mg)を2週に1回静脈内注射する。 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。 ..
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.重大な副作用11.1.1.ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、蕁麻疹、喉頭浮腫等があらわれることがある。
11.1.2.誘発感染症、感染症増悪(いずれも頻度不明):B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある〔8.2、8.3、9.1.1、9.1.2、9.1.9参照〕。11.1.3.緑内障、後嚢白内障(いずれも頻度不明)〔8.4、9.1.1参照〕。
11.2.その他の副作用1).内分泌系:(頻度不明)続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、月経異常。
2).消化器:(0.1~5%未満)下痢、悪心・嘔吐、(頻度不明)消化性潰瘍、膵炎、腹部膨満感、食欲亢進、胃痛、胸やけ、口渇。3).精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、(頻度不明)精神変調、うつ状態、多幸症、痙攣、不眠、眩暈。
4).筋・骨格系:(頻度不明)骨粗鬆症、大腿骨頭無菌性壊死及び上腕骨頭無菌性壊死等の骨頭無菌性壊死、ミオパチー、筋肉痛、関節痛。5).脂質・たん白質代謝:(0.1~5%未満)満月様顔貌、(頻度不明)野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝。
6).体液・電解質:(0.1~5%未満)浮腫、(頻度不明)低カリウム性アルカローシス、血圧上昇。7).眼:(頻度不明)中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出。
8).血液:(0.1~5%未満)白血球増多、(頻度不明)血栓症。9).皮膚:(0.1~5%未満)発疹、皮膚そう痒、顔面発赤、発汗(発汗異常含む)、(頻度不明)ざ瘡、多毛、皮膚色素沈着、皮下溢血、紫斑、皮膚線条、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・皮膚脆弱化、脂肪織炎、脱毛。
10).その他:(0.1~5%未満)動悸、発熱、疲労感、(頻度不明)ステロイド腎症、精子数増減及び精子運動性増減、しびれ感、しゃっくり、体重増加。
副腎皮質ステロイド | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)
このように、コートリル®20mgとプレドニン®5mgが同等の糖質コルチコイド作用を示すので、1錠あたりの量が少ないから効果が弱いというわけではありません。
③⻑時間型:ベタメタゾン(商品名:リンデロン)、デキサメタゾン(商品名:デカドロン)
ステロイドとは、腎臓の上にある副腎という臓器で分泌される、人間が生きていくうえで欠かすことのできないホルモンの一つです。副腎皮質ホルモンを薬として使用すると、抗炎症作用、異常免疫の抑制作用、抗アレルギー作用のほか広範囲にわたる代謝作用を示し免疫異常によっておこる疾患の治療に広く用いられます。
○関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)、リウマチ性多発筋痛
・抗炎症作用
炎症とは、組織傷害に対して生体がその因子を排除し、組織を修復するために生じる一連の防御反応のことを指します。
その際に炎症や免疫、アレルギーに関与するサイトカイン(IL−1、IL−6、TNF−αなど)や炎症、発痛に関与するプロスタグランジンといった物質が作られます。
ステロイドはこのような炎症を起こす物質をブロックして炎症を拡大させる白血球の働きを抑える作用があります。
痛みや炎症を抑えます。 ・次の病気の人に処方されます。 関節リウマチ
合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)のひとつであるデキサメタゾン(商品名:デカドロン®)は、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用などの作用を有することが知られています。重症感染症を含めた種々の適応症を有しており、1960年代から現在に至るまで、様々な疾患に対して汎用されてきた薬剤です。
2 デキサメタゾン>プレドニゾロン>ヒドロコルチゾンの順で代謝が亢進する ..
18.1作用機序
本剤は、炎症巣に取り込まれた後エステラーゼ様の酵素により緩徐に加水分解され、活性代謝物デキサメタゾンになり、抗炎症効果を発揮する(invitro、ヒト、ラット)。18.2抗炎症作用
ラットカラゲニン足浮腫を用いた急性炎症に対しては、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムと同程度の効力を示したにすぎなかったが、ラットのホルマリンろ紙肉芽腫、ラットのカラゲニン肉芽腫及びラットのアジュバント関節炎に対しては、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに対し、2~5倍の抗炎症作用を示した。18.3炎症部への分布
ラットのアジュバント関節炎の炎症部への分布は、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに比べ約2倍高いことが、3H‐リメタゾンを用いた実験で、その放射活性から明らかにされた。この炎症巣への分布は、ラットのアジュバント関節炎、ラットのカラゲニン肉芽腫の全身オートラジオグラフィー、ミクロオートラジオグラフィーによっても明らかにされている。[16.3.1参照]18.4マクロファージに対する作用
ラットのカラゲニン胸膜炎を用いた胸水のゲルろ過分析により炎症巣へは、遊離のデキサメタゾンとともに乳剤状で、本剤が移行し得ることが示された。このことは、ラットのカラゲニン肉芽腫の炎症巣の電子顕微鏡像によっても示されている。すなわち、乳剤状リメタゾンは、炎症巣マクロファージに積極的に貪食され、遊走能、貪食能、活性酸素生成能にみるマクロファージ機能を水溶性のデキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに比べより効率よく抑制することが示された。
関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウ
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.1.1国内第II相試験活動性関節リウマチ患者78例を対象に、本剤を1回0.1~3.0mL(デキサメタゾンとして0.25mg~7.5mg)、延べ106回単回投与した有効率は、67.9%(72/106)であった。
副作用発現頻度は3.8%(3例/78例)であった。副作用の内訳は血管痛1.3%(1例/78例)、かゆみ1.3%(1例/78例)、頭痛1.3%(1例/78例)であった。17.1.2国内第III相試験
関節リウマチ患者72例を対象とした二重盲検比較試験(クロスオーバー法)においても、本剤2週に1回、1回1mL(デキサメタゾンとして2.5mg)を8週にわたり(計4回)投与した試験を行い、対照薬に比べて本剤の有用性が認められている。副作用発現頻度は8.3%(6例/72例)であった。主な副作用は熱感2件、下痢1件、全身倦怠感1件であった。
注)本剤の承認用量は1回1アンプル(1mL)である。