ジャンポール・ベルモンドさんが今月の6日に亡くなりました。 犬神明、コブラ、ルパン三世のモデルとなったといわれるフランスの大俳優です。
では、傑作選3の目玉ともいうべき『華麗なる大泥棒』に話を移そう。これは率直に言ってヤバイ映画だった。日本ではオリジナルフランス語版が1971年に公開され、その後、英語版の吹き替えがテレビの洋画劇場にも掛かったそうだから、僕も10代の頃、テレビで見ていても不思議はないのだが、こんなヤバイ映画は記憶にない。トップシーンから25分、いきなり金庫破りの緊迫したシーンなのだ。ベルモンド率いる怪盗一味が富豪の屋敷を襲う。屋敷に忍び込むときぺらぺらしゃべる怪盗一味はいないからセリフがほとんどない。わかりますか、トップシーンから25分、ほとんどセリフなし。吹き替え版のとき、どうしたんだろうと思う。
仏名優ジャン=ポール・ベルモンド逝去に元仏代表ジダンら追悼 仏では『ルパン三世』『コブラ』に影響と報道も(1/2 ページ)
ベルモンドがスタントマンを演じた『ムッシュとマドモアゼル』(1977年)は、飛行機の翼の上に命綱なしで立ってみせるという命知らずのスタントシーンが大きな見どころです。
「ベルモンド本人も、『これまでやってきたスタントの中でいちばん危険なものだった』と語っています。ラストシーンも注目です。ベルモンドが花嫁を抱くカットがあるのですが、宮崎駿監督の劇場アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)にもそっくりなカットがあります。
また、ベルモンドは顔が瓜二つなスター俳優とスタントマンとの二役を演じており、ジャッキー・チェン主演作『ツイン・ドラゴン』(1992年)の元ネタとしても楽しめます。映画界の裏側を描いているところは、つかこうへい原作の『蒲田行進曲』(1982年)にも確実に影響を与えています」(江戸木純氏)
他にも、ハードボイルドタッチの『恐怖に襲われた街』(1975年)の宣伝写真は、寺沢武一氏の人気SFマンガ『コブラ』のイメージの源泉のひとつになるなど、ベルモンドは多くのクリエイターたちのインフルエンサーだったそうです。
「ベルモンドは現在87歳。足は少し不自由になったようですが、まだまだ元気です。主演作が日本で久しぶりに上映されることを、とても喜んでいます。無茶なアクションに挑戦しているように見えますが、実は一流のスタントマンたちが事前にやってみせてから、ベルモンドは演じていたんです。一流のスタッフと一流のキャストがそろっていたから、できた作品ばかりなんです」
ベルモンド一味は男3、女1の黄金比だ。それを執拗につけまわすザカリア警部(オマー・シャリフ、実は悪いヤツ)は基本、単独行動。そうなのだ、『華麗なる大泥棒』は「実写版ルパン三世」とも言われるオリジンなのだ。ベルモンド映画は『ルパン三世』『コブラ』等のルーツとして知られるが、『華麗なる大泥棒』を見ると、本当に影響を与えてる(というかそっくり)のに驚く。絵の作り方など、随所で既視感にとらわれる。が、もちろんベルモンドが先で「ルパン」が後だ。既視感の順序があべこべ。
ベルモンド(1933年4月9日生まれ、87歳)。 「ルパン三世」や「コブラ」の ..
アニメ「ルパン三世』ファンを自称する人に観てほしいのが、『大盗賊』(1961年)です。ルパン三世の祖父であるアルセーヌ・ルパンと関係のある作品です。
「ベルモンドがアクションスターとして売り出したのが『大盗賊』。これは18世紀のフランスに実在した義賊カルトゥーシュこと、ルイ・ドミニク・ブルギニヨンが主人公です。彼をモデルにしてモーリス・ルブランは『怪盗紳士ルパン』を執筆したと言われています。
大泥棒に扮したベルモンドが相棒たちと金貨を盗み出し、美女とのロマンスもあります。これは、もう元祖ルパンと呼んでいい作品です。ちなみに『大盗賊』は日本語吹き替え版がVHSビデオとしてリリースされたことがあり、ベルモンドの声はルパン三世の声でおなじみの山田康雄さんが演じていました」(江戸木純氏)
大掛かりな列車強盗を企む『大頭脳』(1969年)は、コメディタッチの粋な作品。ライバルを演じたデヴィッド・ニーヴンとの駆け引きで魅了します。
「『大頭脳』のおしゃれでコミカルな雰囲気は、TVアニメ『ルパン三世』第1シリーズによく似ています。クライマックスに自由の女神像が登場しますが、TVスペシャル第1作『ルパン三世 バイバイ・リバティ・危機一発!』の脚本家・柏原寛司さんはこのシーンにインスパイアされたそうです」
『ラ・スクムーン』 LA SCOUMOUNE
(1972年/仏・伊合作映画/106分)ベルモンド総選挙第10位
原作・脚本・監督:ジョゼ・ジョヴァンニ 音楽:フランソワ・ド・ルーベ
共演:クラウディア・カルディナーレ、ミシェル・コンスタンタン
※<死神>と呼ばれた男の壮絶な生き様! 『勝負をつけろ』から11年、巨匠ジョヴァンニが自作「ひとり狼」を自らリメイクした、男泣きノワールの最高傑作!
★未ブルーレイ化 ★HD リマスター版による49年ぶりの劇場公開
《ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2》ルパン三世やコブラのモデルにしてフランスの大スター再び!
「ルパン三世」風のタイトルコールで始まるこの予告編には、銃撃戦やカーチェイスに加え、ヘリ、セスナ、列車、地下鉄、屋根の上でのアクションをベルモンド自ら演じたシーンも収録。「」にてベルモンドが虎と格闘する様子も収められたほか、、、、演じるヒロインたちの姿も。最後は映画評論家・の「ベルモンドがいなかった世界を想像してほしい。もしかしたら、ヌーヴェルヴァーグもコブラもジャッキー・チェンも。ルパン三世もいなかったかもしれないんだよ!」というコメントで締めくくられる。
『ラ・スクムーン』
〈死神〉と呼ばれた男の壮絶な生き様!『勝負をつけろ』から11年、巨匠ジョヴァンニが自作「ひとり狼」を自らリメイクした、男泣きノワールの最高傑作!
原作・脚本・監督/ジョゼ・ジョヴァンニ
音楽/フランソワ・ド・ルーベ
共演/クラウディア・カルディナーレ、ミシェル・コンスタンタン
1972年/仏・伊 合作映画/106分/原題:La scoumoune
※未ブルーレイ化
※HDリマスター版による49年ぶりの劇場公開
※ベルモンド総選挙第10位
ルパン三世のモデルはジャン=ポール・ベルモンドらしいですが、ビジュアルで言ったらコブラはまんまベルモンドなんですよね。 ツイート添付画像.
冒険好きで、美女も大好き。悪党だけど、憎めない男。モンキー・パンチ氏が1967年から連載をスタートさせたコミック『ルパン三世』は、1971年からTVアニメ化され、今でも大変な人気があります。男の美学で貫かれたアニメ『ルパン三世』を観て育ったファンにとって、気になる映画の特集上映が2020年10月30日(金)から始まります。『ルパン三世』のモデルになったと言われている、フランスの人気俳優の主演作をセレクトした「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」です。
撮影後にジャン=ポール・ベルモンドはそう公言しました。しかし、それは脚本が存在せず、色々な撮影の流れに不満があってのことではありませんでした。その理由は、アンナ・カリーナとゴダール監督の撮影中のムードに対してすごく不快感を感じていたからです。そういう環境では二度と仕事をしたくないという思いからでした(ちなみに1965年にベルモンドは『カトマンズの男』で競演したウルスラ・アンドレスと恋愛関係になる愛の始まりの時期だった)。
『ルパン三世』のモデルになったと言われている、フランスの人気俳優の主演作をセレクトした「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」です。 ..
そう思って久しかったところ、10月30日から新宿武蔵野館ほかにて、ベルモンドの特集上映が行なわれるというではないか! 上映作品は『大盗賊』『オー!』『大頭脳』『恐怖に襲われた街』『危険を買う男』『ムッシュとマドモアゼル』『警部』『プロフェッショナル』。全作品が未DVD&ブルーレイ化、国内未ソフト化、数十年ぶりの劇場公開にあたり、『プロフェッショナル』にいたっては今回が初公開とのこと。ジャン=リュック・ゴダール監督作品での演技や、アラン・ドロンとの共演とはまた異なる、でもしっかりダンディなところ、くずれたところ、粋なところ、ひょうきんなところは味わえるし、いうまでもなくアクションの魅力もたっぷり発揮されている。トリックがふんだんに盛り込まれたスリリングな展開、カメラのうまさ、まさにここというところで入り込んでくる音楽などなど、「約2時間、一気に引き込み、時の経過をまったく忘れさせる」マスターたちが集まった作品は、本当に時を超えて言葉の壁を越えておもしろいというしかない。
「ジャン=ポール・ベルモンド」。この名を聞いて、すぐにピンと顔を思い浮かべることができる人はどれぐらいいるだろうか?
■「すべての“カッコいい”の原点」 冒険好きで、美女も大好き。悪党だけど、憎めない男。モンキー・パンチ氏が1967年から連載をスタートさせたコミック『ルパン三世』は、1971年からTVアニメ化され、今でも大変な人気があります。男の美学で貫かれたアニメ『ルパン三世』を観て育ったファンにとって、気になる映画の特集上映が2020年10月30日(金)から始まります。『ルパン三世』のモデルになったと言われている、フランスの人気俳優の主演作をセレクトした「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」です。 ジャン=ポール・ベルモンドは日本では『勝手にしやがれ』(1960年)や『気狂いピエロ』(1965年)の主演俳優として知られていますが、フランス本国や世界各国ではアクションスターとして大人気でした。二枚目ではないものの、危険なアクションにスタントマンなしで挑み、ひょうひょうとしたユーモラスなキャラクターぶりで『リオの男』(1964年)や『カトマンズの男』(1965年)を大ヒットさせています。「すべての“カッコいい”の原点」。そんなキャッチコピーで始まる「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」の予告動画を見てもらえば、ベルモンドが『ルパン三世』だけでなく、世界中のエンタメ作品に大きな影響を与えたことが伝わってくるのではないでしょうか。■命綱なしで演じた危険なアクション 今回の特集上映は、日本ではDVD化されていないベルモンド主演のアクション映画8本が選ばれています。特集上映を企画した映画評論家の江戸木純氏に、ベルモンド映画の面白さを語ってもらいました。「若い世代は、ジャン=ポール・ベルモンドと聞いても『誰?』と思うかもしれませんが、1960年代~1970年代は米国のスティーブ・マックイーンと肩を並べる世界的なアクションスターだったんです。イケメンではありませんが、舞台出身で演技力があり、サッカーやボクシング経験があって身のこなしが軽やか。当時はCGがなかったので、危険なシーンも命綱なしでやっています。高層ビルでのアクションも、下に敷いたマットがカメラに映ることを嫌い、マットを外したと資料に記されています」 涼しい顔で、ビルからビルへと飛び移り、ヘリコプターのロープにぶら下がってみせる怖いもの知らずのベルモンドの活躍は、まさに『ルパン三世』の原点だと言えそうです。「スター俳優が怪我をすることを恐れて、危険なシーンはプロデューサーが止めるものですが、ベルモンド自身がプロデューサーも兼ねていたので可能だったんです。ジャッキー・チェンやトム・クルーズの先駆者と言えるでしょうね。当然、撮影中に大怪我をしたこともありますが、ジャッキー・チェンと違ってNGシーンを見せることはありませんでした。彼の美学を感じさせます」 人気女優ジョアンナ・シムカスと共演した『オー!』(1968年)など、美女とのラブシーンがとてもシャレているのも、ベルモンド映画の魅力です。■ルパンとベルモンドには、つながりがあったルパンのルーツと関わりがある、『大盗賊』(1961年) CARTOUCHE a film by Philippe de Broca (C) 1962 / STUDIOCANAL - TF1 DA - Vides S.A.S (Italie) アニメ「ルパン三世』ファンを自称する人に観てほしいのが、『大盗賊』(1961年)です。ルパン三世の祖父であるアルセーヌ・ルパンと関係のある作品です。「ベルモンドがアクションスターとして売り出したのが『大盗賊』。これは18世紀のフランスに実在した義賊カルトゥーシュこと、ルイ・ドミニク・ブルギニヨンが主人公です。彼をモデルにしてモーリス・ルブランは『怪盗紳士ルパン』を執筆したと言われています。 大泥棒に扮したベルモンドが相棒たちと金貨を盗み出し、美女とのロマンスもあります。これは、もう元祖ルパンと呼んでいい作品です。ちなみに『大盗賊』は日本語吹き替え版がVHSビデオとしてリリースされたことがあり、ベルモンドの声はルパン三世の声でおなじみの山田康雄さんが演じていました」(江戸木純氏) 大掛かりな列車強盗を企む『大頭脳』(1969年)は、コメディタッチの粋な作品。ライバルを演じたデヴィッド・ニーヴンとの駆け引きで魅了します。「『大頭脳』のおしゃれでコミカルな雰囲気は、TVアニメ『ルパン三世』第1シリーズによく似ています。クライマックスに自由の女神像が登場しますが、TVスペシャル第1作『ルパン三世 バイバイ・リバティ・危機一発!』の脚本家・柏原寛司さんはこのシーンにインスパイアされたそうです」■『カリオストロの城』や『コブラ』にも影響 ベルモンドがスタントマンを演じた『ムッシュとマドモアゼル』(1977年)は、飛行機の翼の上に命綱なしで立ってみせるという命知らずのスタントシーンが大きな見どころです。「ベルモンド本人も、『これまでやってきたスタントの中でいちばん危険なものだった』と語っています。ラストシーンも注目です。ベルモンドが花嫁を抱くカットがあるのですが、宮崎駿監督の劇場アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)にもそっくりなカットがあります。 また、ベルモンドは顔が瓜二つなスター俳優とスタントマンとの二役を演じており、ジャッキー・チェン主演作『ツイン・ドラゴン』(1992年)の元ネタとしても楽しめます。映画界の裏側を描いているところは、つかこうへい原作の『蒲田行進曲』(1982年)にも確実に影響を与えています」(江戸木純氏) 他にも、ハードボイルドタッチの『恐怖に襲われた街』(1975年)の宣伝写真は、寺沢武一氏の人気SFマンガ『コブラ』のイメージの源泉のひとつになるなど、ベルモンドは多くのクリエイターたちのインフルエンサーだったそうです。「ベルモンドは現在87歳。足は少し不自由になったようですが、まだまだ元気です。主演作が日本で久しぶりに上映されることを、とても喜んでいます。無茶なアクションに挑戦しているように見えますが、実は一流のスタントマンたちが事前にやってみせてから、ベルモンドは演じていたんです。一流のスタッフと一流のキャストがそろっていたから、できた作品ばかりなんです」 すべての“カッコいい”の原点。ぜひ、スクリーンで堪能してください。(長野辰次)
ベルモンド作品がこちらも初公開以来で当館のスクリーンに帰ってきます! ..
『勝負(かた)をつけろ』
28歳のベルモンドがクールに演じた〈死神〉と呼ばれた伝説のギャングの愛と友情。ジャン・ベッケル監督が初めてメガホンを取った「ひとり狼」最初の映画化にしてフレンチ・フィルム・ノワールの傑作!
ルパン三世のモデル!ジャン=ポール・ベルモンド特集!by江戸木純
アラン・ドロンと双璧をなす人気俳優ですが、フランス国内でのベルモンドの人気は圧倒的で、70年代にはフランス映画界で最も出演料の高い俳優にもなっていました。フランスに対する思いがとても強い人物で、英語圏の国が製作する映画には出演しなかったことで有名。
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1960~70年代、スティーヴ・マックイーンやクリント・イーストウッドと肩を並べた、アクション界のレジェンドにして、ジャン=リュック・ゴダール監督作『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』にも出演、本国フランスで人気を誇ったスター、ジャン=ポール・ベルモンド。『ルパン三世』や『コブラ』のモデルとも言われるベルモンドの出演作が、今回リマスター版で上映される。
寺沢武一先生は、76年に北海道から上京し手塚治虫に師事し、77年に週刊少年ジャンプで「コブラ」にてデビュー。
60~70 年代、スティーブ・マックイーン、クリント・イーストウッドと肩を並べた<アクション界のレジェンド>にして、本国フランスでは アラン・ドロンを遥かに凌ぐ人気を誇った国民的スーパースター、ジャン=ポール・ベルモンド(1933 年4月9日生まれ、87 歳)。
ルパン三世やコブラのモデルといわれ、ジャッキー・チェンやトム・クルーズらの先駆として、 体を張ったスタントで世界を魅了した男の中の男。
「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」大ヒット御礼オープニング集
『勝負(かた)をつけろ』 UN NOMMÉ LA ROCCA
(1961年/仏・西独合作映画/106分)
監督:ジャン・ベッケル 原作:ジョゼ・ジョヴァンニ
共演:クリスチーネ・カウフマン、ミシェル・コンスタンタン
※28歳のベルモンドがクールに演じた<死神>と呼ばれた伝説のギャングの愛と友情。ジャン・ベッケル監督が初めてメガホンを取った「ひとり狼」最初の映画化にしてフレンチ・フィルム・ノワールの傑作!
★未DVD&ブルーレイ化 ★HD リマスター版による60年ぶりの劇場公開