「感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン」には、 「予防的抗菌薬投与を行うことが強く推奨される手技に
耐性菌ができると、抗生物質を飲んでも聞かない細菌が存在することになり、今後歯科治療だけでなく、本当に感染予防として抗生物質が必要な治療の際に効き目が薄れる場合があるため、
・感染性心内膜炎の高リスク患者(人工弁置換患者、IE の既往患者、先天性心疾患等)に対し
歯肉組織や根尖部へ操作が及ぶ、あるいは口腔粘膜を穿通するすべての歯科処置。これには生検、抜糸なども含む
当院の問診票には全身疾患を記入する欄がある。
以前、初めて来院した患者が、こんなに問診票を書くのは嫌だ、歯だけ治療しろと言ってきたことがあった。
そこは記入していただけなければ、診療できませんといったところ、ならええわと出て行ってしまったことがった。
[PDF] 感染性心内膜炎発症予防のための 歯科処置時抗菌薬投与の今後
上記にリストされたものを除いては、抗菌薬の予防投与は他の先天性心疾患に対してもはや推奨しない
安全性に優れたくすりです。10年以上前はわたくしもこれ1本でした。かっては非常に良く効き、いまでも使っている先生は多い薬です。ただ最近は抗菌力が落ちてとても使う気になりません。
使うとすれば500mgを1日4回です。これぐらい回数と量を飲まなければ効果が期待できません。
古くから感染性心内膜炎(IE)と歯科処置時に生じる菌血症との関連性が指摘されてい
前述しましたようにクラビットの効果は濃度に依存します。濃度を濃くしても副作用が出にくい薬剤といわれています。いままでクラビットは100mg1日3回投与が標準でしたが、2009年500mg1回投与が認められました。新しい方法ですので様子をみているところです。効果や耐性菌の点で魅力的ですが、まだ処方したことはありません
今回は、心疾患の中でも歯科とのかかわりが非常に強い感染性心内膜炎について。
感染性心内膜炎は、細菌が心臓の心内膜に感染し、病巣を作った状態。
健全な健康状態では起こらないが、先天性心疾患や弁膜症の既往がある場合は注意を要する。
他には、糖尿病、肝硬変、腎疾患、ステロイド剤服用患者など。
その病態は、致死性が高く、自然治癒は見込めない。
その原因は、歯科治療における血中への細菌の流入が大きく関係する。
「歯科治療時における感染性心内膜炎予防」、感染性心内膜炎の予防投与の対象 ..
中等度リスク群(必ずしも重篤とならないが、心内膜炎発症の可能性が高い患者)には、高度、低リスク群を除く先天性心疾患、閉塞性肥大型心筋症、弁逆流を伴う僧帽弁逸脱を含む。
ただし、高齢者、基礎疾患、心内膜炎などのリスクがある方や、通常の抜歯以外の歯科手術、炎症を起こした歯牙の抜歯の場合は、服用が必須となることがあります。
感染性心内膜炎高リスク患者の抜歯に推奨されている抗菌薬は? 【選択肢】
セフェム系のエステル型(セフェム第三世代)です。安全性でいまでも使われているケフレックス(セフェムの第一世代 ですが、今効かせようとすると相当量出さなければなりません)と同じ系統です。2002年のデーターですが、300mg投与で有効率91%とかなり高率です。現在でも歯性感染症には90%の抗菌力があり衰えていません。βラクタマーゼ産生菌には弱いので4-5日で効かないようでしたら薬をクラビット等に変えます。この薬の特徴は出しやすさにあります。プロドラッグですので胃腸障害が少ないです。また他剤との相互作用や患者様の状態によって重篤な疾患を招くことがありません。薬にはなることはあっても毒にはなりません。歯科の第一選択のひとつです。
[PDF] 歯科処置に関連した菌血症と感染性心内膜炎 抗菌薬予防投与の現在地
処方されるかどうかは主治医の判断によって異なるので、抜歯前に事前に処方されるか気になる方は主治医に尋ねてみましょう。
感染性心内膜炎-病因、病理生理学、症状、徴候、診断および予後についてはMSDマニュアル-プロフェッショナル版へ。
妊娠中も胎児への障害も同様に報告されていないので同じように投薬可能です。抗菌剤の胎盤移行率は20-30%ですが胎児は薬物代謝機能が未熟ですのでちょっと不安ではあります。
抜歯前に感染性心内膜炎ハイリスク患者にサワシリンを2グラム予防投与したいのですが、保険請求はどのようにしたらよろしいでしょうか。
以上2つの理由から、昔は抜歯後に抗生物質が処方されるのが当たり前のようになっていました。
先天性心疾患患者で最も注意しなければならない合併症の一つに感染性心内膜炎があります. ..
感染性心内膜炎(IE)は、抜歯などの歯科処置による菌血症によって惹起されることが知られている。
驚くべきことに、歯科処置に伴う菌血症の発症率は、抜歯などではほぼ 100% 。
[PDF] 歯科治療時の抗菌薬投与:感染性心内膜炎(IE)の予防
そのため、抜歯などの外科処置や歯石除去などの歯周処置、麻酔による穿刺のは注意を要する。
感染性心内膜炎へのリスクが高い場合には緊急を要する処置意外は可能な限り避ける。
避けられない場合は、予防投薬をおこなう。
#1 予防投与が必要な患者. ・人工弁. ・心内膜炎の既往. ・先天性心疾患. ・根治的に修復されていないチアノーゼ性心疾患.
特に抜歯を行うことになったそもそもの原因が、虫歯や歯周病など、口腔内の細菌によるものであれば、抗生物質を処方されることが多くなるかもしれません。
心疾患を持った患者さんが自分の医院に来たら気をつけたいこと。 それは観血的処置をする際には、感染性心内膜炎の予防投与が必要ということです。
保護者やお子さんご本人が先天性心疾患とつきあっていく上での健康観の育成については、国立循環器病研究センター(国循)の一連の動画が歯科関係者にもとても参考になりますのでリンクさせていただきます。(残念ながらその後動画は非公開になってしまいました。)
経口の第一選択薬はアモキシシリン(サワシリン®、アモリン®、パセトシン®)です。 ..
ここで最も注意を要するのが、抗菌薬の選択。
私は歯科治療が原因の感染性心内膜炎は、歯科医師が抗菌薬の選択を間違えていることに大きな原因があると考えている。
使用すべき抗菌薬は、アモキシシリン、代表薬はサワシリン。
古い薬だと馬鹿にして、用意もしていない歯科医師のなんと多いことか。
アモキシシリンが使えない場合は、クリンダマイシン。
抗菌薬の予防投与については、これまでの日本およびAHAのガイドラインともに変更はなく、 経口投与
血液の凝固を阻害する薬です。脳血管や心臓血管に障害があるときに出されています。血液が固まるときにそのシステムの何箇所かでVitaminKが必要なのですが腸管からの吸収を阻害します。VitaminKを静脈注射することで3-6時間で凝固が回復します。アスピリン(小児用バファリン)などと違ってコントロールしやすいので良く処方されています。 ところで腸内細菌もVitaminKを産生しています。抗菌剤は腸内細菌をやっつけますので、すべての抗菌剤は併用注意となっています。しかし短期間の投与ではそれほど影響はないと思います
感染性心内膜炎(IE)は年間 10 万人あたり 5〜10 人と低頻度な感染性疾患である ..
・将来の健康観の育成や周囲の理解
お子さんが小さいうちは、歯科治療時に抗菌薬の投与が必要なお子さんの服薬の管理は主に保護者が担っていくわけですが、将来成人後にひとりで歯科医院を受診する際にも上記のような対応が必要であることをお子さんご自身にも徐々に理解していただくことが望まれます。
私たち歯科医師の責務は歯の健康を維持していくことがIE予防に直結することを保護者やご本人にも理解していただくよう努めながら、そのお子さんのリスク(先天性心疾患と歯科疾患双方の)や個性、生活習慣に応じた方法で歯科治療や予防を実施し、定期診査を続けていくことかと思います。
↓担当の歯科医(医師)に呈示して下さい。 対象, 抗菌薬, 投与方法
歯科医師の予防投薬で多いのが、比較的新しく抗菌スペクトルの広いフロモックス。
しかしながら、フロモックスでは役不足。
主な感染菌の連鎖球菌へのMIC、アモキシシリンはMIC90、MIC50ともにフロモックスの7分の1。
つまりフロモックスがアモキシシリンと同じ効果を得ようとするなら、7倍の血中濃度が必要。
しかも、フロモックスは吸収が悪く血中濃度が上がりにくい。
アモキシシリンはフロモックスの約3倍の血中濃度に達する。
(小児)アモキシシリン 50mg/kg ※体重20kgの小児は100mg
要はその歯が将来にわたっても再感染することなくIEの感染源にならない状況を作ることができれば良いということではないでしょうか。
この部分はラバーダムの常用を含めた歯科医師の診療環境等にも左右されるのかもしれません。
日常的にラバーダムを使用せず、乳歯の感染根管治療の予後が不安定だったり再治療が多いような状況の歯科医院ではむしろ抗菌薬投与下での抜歯という選択の方が確実なIE予防につながるのかもしれません。
*2 なんらかの理由でアモキシシリン 2 g から減量する場合は,初回投与 5〜6 ..
・歯科医師側で判断が必要な場合
またそれ以外の歯科治療についても日本循環器学会のガイドラインからは解釈しきれない部分もあります。
先ごろ、日本小児歯科学会のオンラインシンポジウムでこのテーマを取り上げてくださったこともあり歯科医師側の論点も整理されつつあります。(月刊小児歯科臨床2021年4月号 東京臨床出版 にその一部が掲載されています。)
ラバーダムの使用そのものに際しても投薬すべきこともありますし(ラバーダムについては当ブログをお読みください)事前に歯髄の状態を判定することが困難なこともある(ので、そのようなときにはより重度な状況を想定して投薬するかどうかを決めることになります。
[PDF] 歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン 2020
通常の生え替わりの乳歯を抜くのに比べて長く薄く残った歯根のために多少の技術や経験を要します。
事前の抗菌薬投与が必要なお子さんの場合は服薬いただいて積極的に抜歯しなければなりません。