アイピーディカプセル100の基本情報(作用・副作用・飲み ..
第一世代と第二世代抗ヒスタミン薬の主な薬剤
第一世代:レスタミン(ジフェンヒドラミン)、ポララミン(クロルフェニラミン)、アタラックスP(ヒドロキシジン)、ピレチア(プロメタジン)など
第二世代:アレグラ(フェキソフェナジン)、アレジオン(エピナスチン)、アレロック(オロパタジン)、エバステル(エバスチン)、クラリチン(ロラタジン)、ザイザル(レボセチリジン)、ジルテック(セチリジン)、タリオン(べポタスチン)、デザレックス(デスロラタジン)、ビラノア(ビラスチン)、ルパフィン(ルパタジン)など
ロイコトリエン受容体拮抗薬の主な薬剤
キプレス、シングレア(モンテルカスト)、オノン(プランルカスト)など
尚、現在は、副作用の関係もあり、抗ヒスタミン薬では第二世代が主に使われていますので、以下には第二世代に関してまとめてみました。
また、総合感冒薬のPL顆粒やPA錠には、第一世代の抗ヒスタミン薬(プロメタジン)が混合されていますので、眠気が強くでるようですし、抗コリン作用で、口渇や便秘、排尿困難などの症状がでる場合もあるようです。
アイピ-ディカプセル100mg,アイピーディドライシロップ5%
近年、黄砂飛散日に咳嗽や喘息症状が悪化すると訴える患者さんも珍しくないのではないでしょうか。市瀬によると、黄砂に含まれる有害成分として、ミネラル粒子中のSiO2(シリカ。アスベストの成分でもありますが、アスベストは針状になったものを言います)、微生物由来成分であるβ-glucan(カビの一成分)やリポポリサッカライドがあります。大気汚染物質と黄砂との反応生成物に、二酸化硫黄(SO2)と黄砂の混合物である硫酸イオンなどがあります。肺に炎症を起す成分はSiO2、β-glucan, リポポリサッカライド、硫酸イオンで、黄砂、SiO2等にはアレルギー増悪作用があるといわれています。黄砂のみをマウスの気管内に投与しても、アレルギー反応や喘息様の病態は起きませんが、黄砂にダニ抗原あるいは卵白抗原をミックスして投与すると、抗原を単独投与した場合よりも遥かにアレルギー炎症の悪化が見られたという報告があります。
◉ 抗アレルギー薬
① アレロック,ジルテック,ザイザル,ルパフィン
(眠気強/運転禁止)
② アレジオン,タリオン,エバステル
(眠気中/運転注意)
③ クラリチン,アレグラ,ビラノア,ディレグラ,デザレックス
(眠気少〜無)
④ ザジテン,セルテクト,ペリアクチン,ポララミン,アリメジン
(眠気鎮静強)
* ④ は抗アレルギー薬として花粉症等に
使用されることは余りありません。
* 眠気が強い薬ほど効果も強い傾向に
ありますが、効果や眠気には個人差が
あります。
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◉ ケミカルメディエイター遊離抑制薬
キプレス(シングレア)、オノン、
アイピーディー、アレギサール
* 効果はそれ程強くありません。
症状が軽い時や、小児の喘息の予防と
して使用されることが多い薬です。
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◉ ステロイド剤
リンデロン、プレドニン
セレスタミン(抗ヒスタミン+ステロイド)
* ステロイドは、点鼻や点眼として使用
されることが多く、内服での使用は症状
がひどい時に限られます。
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◉ 漢方薬
小青竜湯、葛根湯加川芎辛夷
麻黄附子細辛湯 etc.
* 症状・年齢・体質により4〜5種類から
選んで使います。漢方希望の方は相談を
お願いします。
【花粉症の方必見】薬局で買えるアレグラとアレジオンの違いって?
• 抗アレルギー薬の眠気の副作用は薬によりまちまちです。ザジテンやアゼプチンなどは、やや眠くなりやすいです。眠くなくても、集中力や判断力が低下することがありますので、車の運転など危険な作業は避けたほうがよいでしょう。一方、アレジオンやアレグラ、オノンなどはほとんど眠くなりません。
ヒスタミンはアレルギー反応を起こす化学伝達物質の代表的な一種です。抗ヒスタミン薬は、この物質の作用を止めることで、くしゃみ、鼻水の症状を緩和します。
一方、ヒスタミンは脳内の神経伝達としても働いており、記憶や覚醒に関係します。このため、抗ヒスタミン薬が脳内で作用してしまうと、眠気、集中力低下といった副作用が生じます。そこで、脳内で作用しにくい構造にして、こうした副作用を軽減した第2世代抗ヒスタミン薬が、現在は主に使用されています。
第2世代抗ヒスタミン薬はいくつも種類がありますが、直接効果を比較した研究がほぼありません。このため、「どの薬が最も強い」というはっきりした指標が分かりません。インターネットで抗ヒスタミン薬の強さについて調べると、もっともらしい図が出てくるものの、サイトによって順番が違っていたり、「私見です」「経験によるものです」と注意書きがついているのは、このためです。効果は個人差が大きい印象があり、経験的に強い作用と言われているものが効かず、弱いと言われているものが効く患者さんも少なくありません。そこで、薬を使ってみても効果の実感があまりない場合、薬の構造が違うタイプの薬に変えてみることをお勧めしています。
アレグラは、TVのCMでもありますね。薬の名前は聞いたことがある方も多いと ..
当院でよく処方する抗アレルギー薬にはアレグラ、クラリチン、アレロック、エバステル、ジルテック、ザイザルなどがあります。 また、喘息などの症状が出る場合もあり、そのような非常に症状の強い患者様にはセレスタミンやリンデロンなどのステロイド薬を短期間のみ頓用で使用してもらうこともあります。
実際に花粉症である私が、薬を飲んだ印象をあげてみました。
花粉症とはが、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされるに分類される疾患の一つです。
は風邪の特徴的な症状ですが、風邪以外でこの症状を示すのがであり、花粉の飛散期に発症する季節性アレルギー性鼻炎の代表が花粉症です。また花粉症では、結膜の充血などのの症状もみられ、それ以外にも目の周りや顔面・襟足の発赤、かゆみ、腫れなどの皮膚症状、のどの不快感、頭痛・微熱・倦怠感などの全身症状も生じます。
この薬は、スプラタストトシル酸塩(商品名 アイピーディー)です。
「液だれが苦手」な方には、粉末スプレータイプがおすすめです。非常に細かい粉なので、噴霧しても空気が入っている感覚しかないため、違和感がほとんどありません。また薬剤が鼻粘液と癒合し、花粉をブロックする作用があります。1日1回噴霧するだけの。5歳以上から使用できるなどがあります。
アレグラFX、クラリチンEXともに「してはいけないこと」として併用不可とされている成分は?
アレグラドライシロップ5%(フェキソフェナジン塩酸塩シロップ用)
花粉を吸いこんだり、花粉が身体に付いてしまったりした時に、生体がそれを異物(アレルゲン)として捉えてマクロファージが貪食し、その情報をリンパ球に伝えます。その後、次にこれらが侵入してきた時に排除できるよう「抗体(IgE抗体)」をつくります。抗体は血液や粘膜内にある「肥満細胞」にくっつきます。再び花粉などのアレルゲンが体内に侵入すると、肥満細胞の表面でアレルゲンと抗体が結合。それが引き金となって、炎症を引き起こすアレルギー誘発物質であるヒスタミンが遊離することで鼻水やくしゃみを起こしたり、生理活性脂質のロイコトリエンが遊離されると鼻づまりの原因になったりします。このようなメカニズムに対応する薬が開発されています。
スチン®、タリオン®、アレグラ®、アレロック®、クラリチン®、ザイザル® b ..
エリスロマイシンを服用中の人は、アレグラFX、クラリチンEXともに併用できません。またほかのアレルギー用薬(皮ふ疾患用薬,鼻炎用内服薬を含む)、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬など(かぜ薬、鎮咳去痰薬、乗物酔い薬、催眠鎮静薬など)もアレグラFX、クラリチンEXともに併用が不可となります。
□エバステル □オノン □キプレス □クラリチン □ザイザル □ザジテン
なお、制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)はアレグラFXと併用できず、シメチジンはクラリチンEXとの併用ができません。
アゼプチン錠、アレグラ錠、アレジオン錠、アレロック、エバステル錠、クラリチン、ザ ..
その後、第二世代と言われる抗ヒスタミン薬が開発され、これは比較的眠気の副作用が少なく汎用されています。眠気の副作用は、薬が脳内に運ばれやすいかどうかで決まります。脳内の抗ヒスタミン作用が強いほど、眠気を起こしやすいため、車の運転や危険な作業に従事することに注意が必要になります。
眠気の副作用を起こさないことで有名なフェキソフェナジン(アレグラ®)は、パイロットに対する操作ミスが少ないことから、脳内の作用がないことを立証した薬です。このためアレグラ®の添付文書には車の運転に注意しなさいという注意事項は書かれていません。このほかこの類の注意書きがない薬(眠気の副作用が少ない薬)には、ロラタジン(クラリチン®)、デスロラタジン(デザレックス®)、ビラスチン(ビラノア®)があります。在宅訪問栄養食事指導で車を使うといった管理栄養士の方で花粉症の薬を要する場合、これらの抗ヒスタミン剤を処方してもらうとよいと思います。アレグラ®やクラリチン®は市販品としても販売されているため、入手しやすい抗アレルギー薬です。
このような抗アレルギー薬は、花粉が飛ぶ少し前(2週間程度前)から始めることで、症状の軽減や期間短縮が見込まれます。また症状が軽くなって薬を止めてしまう方も見られますが、花粉量が増えた場合に症状が悪化するため、花粉情報を頼りに花粉の飛んでいる季節はできるだけ服薬を継続することが大切です。
おもな薬:アレジオン、エバステル、ジルテック、アレグラ、アレロックなど ..
また鼻づまりに汎用される薬には、喘息治療薬であり抗ロイコトリエン作用をもつオノン®(プランルカスト)、シングレア®(モンテルカストナトリウム)、これら違う作用を持つドメナン®、ブロニカ®、バイナス®さらにアイピーディ®や漢方薬のなども追加して使われます。このほか重症のアレルギー性鼻炎では、分子標的薬であるオマリズマブ(ゾレア®)という注射薬が使えるようになりました。もともとは重症喘息患者に使われていた薬です。とても高価な薬ですが、ほかの治療で効果が見られない重症例では前述したIgE抗体に対して強い抑制作用を持つことから2週間という期間を限って使用されます。
このような特定の分子を対象とした注射薬は、アレルギー性の息やアトピー性皮膚炎、じん麻疹などの重症例に対して用いられるようになってきています。このほか、減感作療法といって、最初に少量のアレルゲンを注射して、少しずつ濃度を上げていって身体に免疫を付けさせる方法も行われます。花粉症の始まる3ヵ月以上前から開始し、2年以上続けます。根気のいる治療法ですが、花粉症で悩まれる方は多く、強い効果も確認されているため、どうしても花粉症を根治させたいという方には勧められる治療法です。
最近ではアレルゲンを注射する方法に変えて舌下に花粉抽出物を含ませるなどといった方法も試みられています。
アレグラ錠60mgTab 06 · アレグラ錠30mg 03 · エバステル錠10mg ..
1位のオロパタジン塩酸塩(製品名:アレロックなど)、2位のフェキソフェナジン塩酸塩(製品名:アレグラなど)、3位のエピナスチン塩酸塩(製品名:アレジオンなど)のトップ3は全て、第1世代に比べて副作用が少ない第2世代の抗ヒスタミン薬だ。アレルギーを引き起こす化学伝達物質の一つであるヒスタミンの働きを抑えるもので、薬物治療の中心。主にくしゃみと鼻水に効果がある。
③ クラリチン,アレグラ,ビラノア,ディレグラ,デザレックス (眠気少〜無) ④ ..
抗ヒスタミン薬と同様に、花粉症に強く効く抗アレルギー薬は、眠気などのリスク・副作用も強いと考えられてきました。
最近の研究では、ことが分かってきています。
抗アレルギー内服薬のリスク・副作用(眠気)の強さには、脳内ヒスタミンのブロック率が関係しています。
なお、抗アレルギー薬には眠気以外に肝機能障害と薬疹のリスク・副作用もあります。
アレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩)についてまとめました【X】 https ..
このように、抗アレルギー薬は、薬の有効成分そのものによって、脳内への入りやすさに差があり、その結果脳内ヒスタミンをブロックする程度に違いがあります。
脳内ヒスタミンをブロックする程度が低い抗アレルギー薬は、眠くならないのです。
ゾレア(オマリズマブ)とアイピーディ(スプラタストトシル酸塩)の比較.
2.
は、平成29年11月に発売されましたが、こちらは、従来の第二世代抗アレルギー剤としての抗ヒスタミン作用に加え、を併せ持つ、新しい作用機序の経口アレルギー性疾患治療剤です。ヒスタミンはアレルギー反応を引き起こす化学伝達物質としてよく知られていますが、PAFも血管拡張や血管透過性の亢進、知覚神経刺激、白血球の活性化などを誘導することで、くしゃみや鼻水、鼻閉などの症状を引き起こすなど、アレルギー性疾患の病態に深く関与しています。ルパタジンフマル酸塩錠は、これら2つの化学伝達物質を抑える、DUAL作用(抗PAF作用と抗ヒスタミン作用)によって強力な効果を発揮し、も含めアレルギー性疾患における症状を抑制します。
ルパタジンフマル酸塩錠10mgとデスロラタジン錠5mgは化学構造式が類似しています。
ルパタジンフマル酸塩錠は1錠中にルパタジンを10mg含有しているのですが、体内に入ると一部はルパタジンのまま未変化体として存在します。よって体内に入ったルパタジンフマル酸塩錠は、を有し、を発揮するということになります。
デスロラタジンは、効果発現にやや時間がかかりますが、定期服用での力価は高いので、頓服薬としてルパタジンフマル酸塩錠10mgを携帯し、通年性や季節性など長期間抗ヒスタミン剤を服用する場合は力価の高いデスロラタジン5mgを服用するのもいいかもしれません。
また、で、これは近年発売された抗アレルギー剤にはない特徴です。ルパタジンフマル酸塩錠の場合、10mg(1錠)にて効果不十分の場合は、20mg(2錠)まで増やしていいということです。特に重症の蕁麻疹を治療する際には、「薬剤の倍量処方ができるかどうか」が重要となってくるため、この点においてルパタジンフマル酸塩錠は効果的な使い方ができるかと思います。
さらに抗PAF作用は、エピナスチン塩酸塩同様、気管支喘息におけるするため気管支喘息を軽減します。そのため喘息発作に追加する抗ヒスタミン剤としては有用な薬剤の一つと考えられます。
ただしその反面、するため、「本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること」という使用上の注意があります。デスロラタジン錠、ビラスチン錠にはそのようなリスク・副作用がないため、「医師としても処方しやすい」という有利な面もあります。(眠気が出た人の割合は、オロパタジン塩酸塩でも7.0%。一方ビラスチンは0.6%、デスロラタジンは1.0%と優秀。)
[PDF] 簡易懸濁法 調剤薬リスト 2010.10.20 版
セチリジン塩酸塩の主成分は、「セチリジン塩酸塩」です。一方、レボセチリジン塩酸塩の主成分は、「レボセチリジン塩酸塩」ですが、レボセチリジンは、セチリジンと同じ物質であり、「光学異性体」とよばれるものになります。
セチリジンには、鏡像関係にある「R体」と「S体」とよばれる2つの物質が存在しますが、「R体」は、「S体」と比べて、ヒスタミン受容体をブロックする作用が強く、ブロックし続ける時間が長いうえ、眠気の作用を起こしづらいなどの性質があります。その「R体」だけの物質をとりだしたお薬が、レボセチリジン塩酸塩になります。
レボセチリジン塩酸塩の方が①効果が持続する②リスク・副作用である眠気が出にくい③効果が持続する、とされレボセチリジン塩酸塩はセチリジン塩酸塩から眠気成分をとり除いたものになるため、効果は維持したままリスク・副作用が抑えられています。し(レボセチリジン塩酸塩は通常5mgで服用、セチリジン塩酸塩は通常10mgで服用)、1日1回の服用で24時間、効果がしっかり持続します。
鼻水(やや粘性のある)、鼻づまりに。 アレグラFX、アレジオン10、.
et al.:J Asthma.50:932-937,2013改変 長引く咳で受診した患者さんで最も多い病気が咳喘息です。咳喘息は、喘息の前段階とも言うだけあり、適切な治療を行わずに放置していると、咳喘息を発症した人のうち6人に1人は喘息に移行するとも言われています。 咳喘息のうちなら、それだけで命に関わることはまずありませんが、喘息に移行すると、そうとは言えなくなります。咳喘息にかかったら、出来るだけ早期の段階で治療するのが望ましいと言えます。 喘息と同じく、ハウスダストやダニ、ホコリなどを原因物質とするアレルギー反応により発症すると考えられています。詳しいメカニズムはまだ明らかになっていませんが、多くの場合、風邪をひいた後に発症する傾向があります。風邪をひいている時は、誰でも気道が敏感になっています。通常、風邪が完治すればおさまりますが、中には風邪が完治し他の症状が出なくなっても、気道の過敏性(気道が敏感な状態)だけが残ってしまうことがあります。そうなると、冷たい空気やホコリを吸ったとき、喋り過ぎなどで喉を酷使した時など、ちょっとしたことをきっかけに、再び気道が炎症を起こし、咳が出やすくなります。また、春や秋など特定の季節に症状がひどくなる場合もあり、患者数は年々増加しています。 ※上記1・5の2つを満たすことで、咳喘息と簡易的に診断することもあります。 結核や肺癌、COPDなど、咳をきたすその他の疾患を否定しておくことが大切です。 当院では、喘鳴の有無の他に、呼吸機能検査の結果も見て、喘息か咳喘息かの鑑別をさらに確証あるものにしています。咳喘息では気道が過敏になっていて、咳が出ている時には狭くなっているので、当然、呼吸機能も正常時よりは低下しますが、その程度は喘息よりは軽微です。 フローボリューム曲線*では、少なくとも下降線の途中から最後の方に軽度のへこみができるのが特徴です。この、下降線の最後の部分は、息を吐き切る直前にあたります。息を思いきり吐くとき、吐いた直後は太い気道から、吐き切るときには細い気管支に残っている呼気が出ていきます。咳喘息では、気管支に炎症があるため、息を吐き切るところで呼気の出る勢いが落ちてしまうのです。フローボリューム曲線の最後にへこみが出来るのは、そうした理由からです。 へこみの程度は、同じ咳喘息の症状であっても個人差が出ます。特に、鼻炎を合併しているケースの中には、気管支にそれほど炎症が起きていないこともあります。 *フローボリューム曲線:努力性肺活量(一気に息を吐いた時の空気の量)をグラフにした際に表れる曲線 喘息の治療と同じ、吸入ステロイド薬(ICS)と気管支拡張薬(β2刺激薬)を用いるのが一般的です。咳喘息の治療は、狭くなった気管を広げることと、気管の過敏性を抑えることを目的に行われます。 咳喘息では喘息と同じように、気管が炎症を起こしています。その程度は喘息よりは弱いものの、ちょっとした刺激に反応しやすい状態になっていますので、それを改善することに重きが置かれます。吸入ステロイド薬は、気管支の炎症を抑え、咳症状を鎮める作用があります。 長期間にわたって吸入を続けることによって、咳喘息の症状を抑え、予防することができます。 症状が軽い場合から用いることが一般的で、症状がひどくなった場合は、ステロイドの量をより多く含む吸入薬を使用していきます。ステロイドというと副作用が強いというイメージをお持ちの方も多くいらっしゃいますが、吸入ステロイド薬は体内に悪影響を与えることはほとんどありません。 気道の炎症が治まるには数か月かかります。短期間でやめてしまうと再発しやすい傾向があるため、症状が改善したからといって自己判断で中断せずに、指示された期間、用法・用量をしっかり守って使用することが大切です。 咳喘息を発症した人の約30%は喘息に移行すると言われていますが、吸入ステロイド薬の早期導入は喘息への移行を予防する効果も期待できます。 ※pMDI:加圧式定量噴霧吸入器 気管支拡張薬(β2刺激薬)は、気管支を拡張することで咳喘息症状を抑える作用があります。 気管支に存在しているβ2受容体を刺激することで、気管支を拡げ空気の通りを良くし、咳を抑えます。気管支拡張薬(β2刺激薬)の吸入で、咳が止まる・呼吸が楽になるなどの一時的な改善が見られますが、それだけでは根本治療にはならず、繰り返し再発する恐れもあります。 喘息同様、吸入ステロイド薬も使用し、過敏性を抑えることが完治への近道です。発作時に用いる気管支拡張薬(β2刺激薬)は単独使用で問題ありませんが、長期的にコントロールするために用いる場合、吸入ステロイド薬と併せて処方されることがほとんどです。 ※pMDI:加圧式定量噴霧吸入器 吸入ステロイド薬を何らかの理由で使用できない症例では、以下の抗アレルギー薬による単剤治療を考慮しても良いと言われています。また、重度の鼻炎がある場合は、吸入ステロイド薬と気管支拡張薬(β2刺激薬)を使っても楽にならないことが多々あります。 鼻炎による後鼻漏(鼻水が喉の方へ流れ落ちてくる症状)は、気道の炎症が改善しても止まらないからです。この場合は、吸入ステロイド薬と気管支拡張薬(β2刺激薬)に加え、抗アレルギー薬で鼻炎の症状を緩和します。 急に咳がひどくなった時やステロイド吸入により咳が誘発される場合は、経口ステロイド薬 プレドニン(プレドニゾロン)を短期間処方する場合もあります。 咳喘息とともに近年増えていると言われているのがアトピー性咳嗽です。 咳喘息と同じく気道のアレルギー性疾患に分類され、症状だけでは咳喘息との見分けがつきにくい病気ですが、病態は少し違っており、治療法も異なるので、咳喘息と取り違えのないよう適切な診断を受けることが重要です。 また、咳喘息とは異なり、喘息には移行しにくいと言われています。アトピー性咳嗽は太い気管部分の炎症が主なので、よほど悪化しない限り、細い気管支まで炎症が広がっていくことは考えにくいからです。 咳受容体の感受性が亢進していることが原因と考えられます。気道に存在する咳受容体が刺激されると脳に信号が伝わり、咳をするように命令が出されます。 アトピー性咳嗽では、この感度が上がっているため、通常では反応しないようなわずかな刺激(タバコの煙や会話など)によって、必要以上に反応してしまい、咳が誘発されます。通常、咳は、気道に入ってしまった異物を外に出そうとして起こる体の防御機能で、「咳反射」と呼ばれます。本来なら咳の必要がない程度の状態でも咳き込むので、長い咳症状が続いてしまいます。 *アトピー素因:アレルギー性疾患の既往歴(病歴)がある、家族にアレルギー疾患の方がいるなど、アレルギー疾患を発症する可能性のある素因、という意味です。ここでは、喘息以外のアレルギー疾患の既往や合併、血液中の好酸球やIgE値といった、アレルギー反応の結果産生される物質の増加などを指します。 症状は咳喘息とよく似ています。そしてほぼ100%鼻炎が合併しています。 ・胸部レントゲン検査
結核や肺癌、COPDなど、咳をきたすその他の疾患を否定しておくことが大切です。・血液検査(末梢血好酸球数、総IgE値、特異的IgE抗体など)、皮膚テスト
アトピー素因を調べます。・呼吸機能検査
当院では呼吸機能検査の結果を加味することで、より早く精度の高い診断を目指しています。アトピー性咳嗽の患者さんのフローボリューム曲線はおおむね図2のようになります。喘息や咳喘息のカーブと比べてピークフロー*の低下が目立ち、フローボリューム曲線は下降線がほぼ直線なのが特徴です。細い気管支までは狭まっていないため、下降線の後半部分のへこみは少ないのです。 *ピークフロー:力いっぱい息を吐きだした時の息の速さ 抗アレルギー薬の一つであるヒスタミンH1受容体拮抗薬が第1選択薬となり、その有効率は約60%とされています。アトピー性咳嗽は、気道にアトピー(アレルギー反応)が起こるために発症する病気で、ヒスタミンが多く分泌されます。 そこで、ヒスタミンの過剰な分泌を抑える、抗ヒスタミン薬が有効というわけです。代表的なお薬としては
・ザジテン(ケトチフェンフマル酸塩)
・ゼスラン(メキタジン)
・アレジオン(エピナスチン塩酸塩)
などがあります。 効果不良の場合には、咳喘息と同様、吸入ステロイド薬の追加を行います。 それでも効果を示さない場合には、経口ステロイド薬 プレドニン(プレドニゾロン)の投与を行います。 アトピー性咳嗽の治療終了後およそ4年間で、アトピー性咳嗽を再発する人は2人に1人というデータもありますので、治療が終わっても十分な注意が必要です。咳が長引く場合は、咳喘息やアトピー性咳嗽の他にも、様々な病気の可能性が考えられます。漫然と市販の咳止めを飲み続けるのではなく、医師の正確な診断を受けることが大切です。短期間の咳はもちろん、長引く咳でお困りの場合も、当院にお気軽にご相談ください。