DIクイズ3:(Q)ザイティガにステロイドを併用する理由:日経DI
用法は、「プレドニゾロンとの併用において、通常、成人にはアビラテロン酢酸エステルとして1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する。」となっている。
また、他の抗がん剤(ドセタキセル、ジェブタナ、イクスタンジ、ザイティガ)との併用は現在の所推奨されていません。
それを防ぐために、ザイティガを投与する際は、コルチゾールを補給する目的で、コルチゾール様ホルモンのプレドニゾロンを併用する。
プレドニゾロンを併用する。
ザイティガは、アンドロゲン合成酵素であるCYP17の活性を阻害し、アンドロゲンであるテストステロンなどの合成を抑えることで、抗腫瘍作用を示す。
ただしCYP17阻害により、糖質コルチコイドであるコルチゾールの産生も減少するため、フィードバック作用が働いて鉱質コルチコイドが過剰に合成され、高血圧、低カリウム血症、体液貯留などの症状が発現しやすくなる。
これらを防ぐため、糖質コルチコイドであるプレドニゾロンを併用する必要がある。
[PDF] 腎・泌尿器科領域の薬物治療における医薬品適正使用に関する臨床
ザイティガの副作用予防目的でのステロイド併用とは別に、前立腺癌に対して「低用量ステロイド療法」が行われることがある。
デキサメタゾン(0.5~2.25 mg/日)、プレドニゾロン(10~20 mg/日)、ヒドロコルチゾン(40 mg/日) などが二次ホルモン療法として用いられる。
デキサメタゾンは、ヒドロコルチゾンやプレドニゾンに比べ、グルココルチコイド活性が高く、ミネラルコルチコイド活性が弱い。
これまでの報告では、PSA減少(50%以上)の効果が、ヒドロコルチゾンやプレドニゾロンに比べ、デキサメタゾンの方が高いが、RCTではないため明確ではない。またいずれのステロイド薬も生存期間を延長させる効果は明らかではない。
飲み忘れたときの基本的な対応としては、当日気付いた場合は、当日中に空腹時を選んで1回分を服用する。
翌日に気付いた場合は、通常のタイミングで1回分のみ服用するよう指導するのが適切とされている。
ザイティガ(アビラテロン)は投与後8~12時間でトラフ値近傍まで低下することから、国内の臨床試験では最低8時間の投与間隔を空けることが好ましいとされていた。
次回服用まで8時間を切らない程度なら服用しても差し支えないと考えられる。