注2) クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)、アモキシシリン水和物



ジゴキシンの代謝には腸内細菌が関わっているのをご存じだろうか?ジゴキシンとエリスロマイシンの併用によってジゴキシンの血中濃度が上昇するといわれている。添付文書には「エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テトラサイクリンとの併用によってへの影響による本剤の代謝の抑制、あるいは、P糖タンパク質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度が上昇するとの報告がある。」とされているが、クラリスロマイシンはCYP3A4阻害薬でありP糖タンパク質の阻害薬であることは今となっては誰でも知っているが、テトラサイクリンにはそのような阻害作用はないはずだ。ではエリスロマイシンはどうなんだろう、というのが今回のテーマだ。


アセトアミノフェン · クラリスロマイシン · セフジニル · リファンピシン · レボフロキサシン水和物.

1.作用
ジゴキシンは、代表的なジギタリス性強心配糖体である。

ジギタリス製剤の主な作用は、心筋収縮力増強作用、迷走神経興奮作用、神経伝導系抑制作用(主に房室結節)、下位自動能亢進作用、中枢神経系に対する作用などである。

ジゴキシンは消化管から60~85 %程度吸収され、体内ではほとんど代謝を受けず大部分が腎臓より排泄される。半減期は約36時間である。排泄が腎依存性のため腎機能低下者の維持量はクレアチニンクリアランスによって決定されるが、簡便には通常投与量に血清クレアチニンの逆数を乗じた量を投与する方法が用いられる。

2.禁忌
房室・洞房ブロックのある患者、ジギタリス中毒の患者、閉塞性心筋疾患のある患者、ジスルフィラムを投与中の患者には投与しない。

3.採血時期
経口:次回投与直前(トラフ)または投与後6時間以降。
注射剤:次回投与直前(トラフ)または静注後3時間以降。

CYPの阻害作用(CYP3A)が強く、この経路で代謝されるほかの薬剤の血中濃度が上昇し薬物有害事象が問題となる恐れがある。(アゾール系抗真菌薬も同様である)

[PDF] 【金属含有薬剤と相互作用を起こすおそれのある薬剤】

薬剤部
有効治療濃度 :1.0~2.0 ng/ml

副作用・中毒症状
食欲不振 ・悪心 ・嘔吐 ・期外収縮 ・二段 脈 ・A-Vブロック ・洞性不整脈 ・発作性心房性頻拍・心室性頻拍 ・心房細動 ・心室細動 ・頭痛 ・ うとうと状態 ・錯乱 ・霧視

採取容器:


変動要因
1.溶血(赤血球からの放 出)↑
2.腎機能低下↑
3.甲状腺機能低下 ↑
4.内因性ジギタリス様物質↑
5.併用薬 (キニジン,プロパンテリン,ジルチアゼム,カプトプリル,ニフェジピン,プラゾシン,ベラパミル,スピロノ ラクトン)↑
6.甲状腺機能亢進↓
7.吸収不全↓

検体採取条件
1.採血時間 経口: 投与後8時間~次回投与直前(消失相)
2.静注:投与後4時間~次回投与直前(消失相)

注意事項
他のジギタリス製剤の一部(β-メチルジゴキシン,ラナトシド,デスラノシド)は交差反応を利用してゴジキシンとして測定されるので注意する事。
ビタミン剤投与直後では,その蛍光 により測定が妨害されることがあるので採血には注意が必要である。

製品名,薬剤名等:ジゴシン,ジゴキシンサンド

クラリスロマイシンは、P糖蛋白(P-gp:排出トランスポーター)阻害薬である。
相互作用を受ける薬物(P-gpの基質):ジゴキシン(併用によってジゴキシンの腎クリアランスが低下し、血清中濃度が2.5倍に上昇する)。(実践薬学,p.103,104(図4))

健康成人において、クラリスロマイシン錠剤(250mg)を経口投

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.重大な副作用
11.1.1.ジギタリス中毒(頻度不明):高度徐脈、二段脈、多源性心室性期外収縮、発作性心房性頻拍等の不整脈があらわれることがあり、また、さらに重篤な房室ブロック、心室性頻拍症あるいは心室細動に移行することがある。初期症状として消化器症状、眼症状、精神神経系症状があらわれることが多いが、それらの症状に先行して不整脈が出現することもある〔8.4、9.1.3、9.1.5、9.1.6、9.2.1、9.2.2、9.7小児等、9.8高齢者の項、11.2、13.1、13.2参照〕。
11.1.2.非閉塞性腸間膜虚血(頻度不明):腸管壊死に至った例も報告されているので、激しい腹痛、血便等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2.その他の副作用
1).*消化器:(頻度不明)食欲不振、悪心・嘔吐、下痢等。
2).*眼:(頻度不明)視覚異常(光がないのにちらちら見える、黄視、緑視、複視等)。
3).*精神神経系:(頻度不明)めまい、頭痛、失見当識、錯乱、譫妄等。
4).肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇。
5).血液:(頻度不明)血小板数減少。
6).過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、紫斑、浮腫等。
7).その他:(頻度不明)女性型乳房、筋力低下。
*)〔11.1.1参照〕。

クラリスロマイシンは、OATP1B1(取り込みトランスポーター)阻害薬である。
相互作用を受ける薬物(OATP1B1の基質):グリベンクラミド(「併用注意」添付文書では機序不明の記載有り)など。p.87

薬物相互作用検索ツール | ゾコーバ | 塩野義製薬 医療関係者向け情報

18.1作用機序
モルモットの摘出左心房標本において、電気的駆動による心収縮力に対するメチルジゴキシン及びジゴキシンの作用を比較した試験で、両薬物の心収縮力最大増加率及びその時の薬物濃度並びに心停止を起こす濃度は同等であった。また、イヌを用い、血圧、心拍数、心電図、左室内圧及び一次微分(dp/dt)を測定した結果、メチルジゴキシンはmax.dp/dtを著明に増加し、軽度の血圧上昇及び心拍数の減少を起こし、これらの作用はジゴキシンとほぼ同程度であった。また、心室性期外収縮及び心停止発現量はメチルジゴキシンとジゴキシンの間に差はみられなかった。

70歳女性、体重55kg、血清クレアチニン値1.3mg/dL
クラリスロマイシン錠200mgを処方したい。
投与量あるいは投与間隔を知りたい。


[PDF] DI トピックス Ca 拮抗薬–クラリスロマイシンの相互作用と急性腎障害

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.重大な副作用
11.1.1.ジギタリス中毒(頻度不明):高度徐脈、二段脈、多源性心室性期外収縮、発作性心房性頻拍等の不整脈があらわれることがある。また、さらに重篤な房室ブロック、心室性頻拍症あるいは心室細動に移行することがある。
初期症状として消化器症状、眼症状、精神神経系症状があらわれることが多いが、それらの症状に先行して不整脈が出現することもある〔8.3、9.1.3、9.1.5、9.1.6、9.2.1、9.2.2、9.7小児等、9.8高齢者の項、11.2、13.1、13.2.1-13.2.5参照〕。
11.1.2.非閉塞性腸間膜虚血(頻度不明):腸管壊死に至った例も報告されているので、激しい腹痛、血便等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2.その他の副作用
1).*消化器:(0.1%以上)悪心・嘔吐(0.8%)、食欲不振(0.6%)、下痢、(0.1%未満)下腹部不快感、腹部膨満感、腹痛。
2).循環器:(0.1%以上)不整脈(0.5%)、動悸、(頻度不明)頻脈。
3).*眼:(0.1%未満)霧視、羞明、(頻度不明)光がないのにちらちらみえる、黄視、緑視、複視。
4).*精神神経系:(0.1%以上)頭痛、(0.1%未満)めまい、(頻度不明)失見当識、錯乱、譫妄。
5).肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇。
6).血液:(頻度不明)血小板数減少。
7).過敏症:(0.1%未満)発疹、(頻度不明)蕁麻疹、紫斑、浮腫。
8).その他:(0.1%未満)女性型乳房、(頻度不明)筋力低下。
*)〔11.1.1参照〕。

クラリスロマイシンは,1991年3月に承認されたマクロライド系抗生物質である。 ..

クラリスロマイシン錠 250mg を経口投与した場合(2 回測定)と同量のクラリスロマイシンラクトビオン酸塩を静脈注射した場合の薬物速度論的パラメータを比較検討した.結果,未変化体のであった。
健康成人に 14C-クラリスロマイシン 250mg を単回経口投与し、放射能の排泄を測定したところ、投与後 5 日までに投与総放射能の,40.2%が糞中に排泄された。
(クラリシッド・インタビューフォーム)

医療用医薬品 : ジゴキシン (ジゴキシン錠0.125mg「AFP」 他)

臨床的意義
ジゴキシンはジギタリス配糖体の中で最も使用頻度の高いものの一つであり、Na+-K+ATPaseを阻害して間接的に心筋細胞中カルシウム濃度を上昇させることにより強心作用を示す。ジゴキシンは主たる消失経路である腎臓の機能や薬物相互作用などにより血清中濃度が変動しやすい。さらに、治療有効濃度と毒性発現濃度が接近しているため、適切な用量設定により血清中ジゴキシン濃度を有効治療濃度域に維持することが重要である。測定方法 : CLIA法

測定機器:Architect i2000 SR(アボットジャパン株式会社)

相関(平成25年8月1日)
y=0.999x-0.001 R=0.987(N=53)

として1回750mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤

クラリスロマイシンの用法・用量(通常感染症)
1回200mg、1日2回投与

第101回薬剤師国家試験 問274〜275(実践問題) 過去問解説

(禁忌)
2.1.房室ブロック、洞房ブロックのある患者[刺激伝導系を抑制し、これらを悪化させることがある]。
2.2.ジギタリス中毒の患者[中毒症状が悪化する]。
2.3.閉塞性心筋疾患(特発性肥大性大動脈弁下狭窄等)のある患者[心筋収縮力を増強し、左室流出路の閉塞を悪化させることがある]。
2.4.本剤の成分又はジギタリス剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1.本剤を投与する場合には観察を十分に行い、過去2~3週間以内にジギタリス剤又はその他の強心配糖体が投与されているか否かを確認したのち、慎重に投与量を決定すること。
8.2.本剤の至適投与量は患者により個人差があるので、少量から投与を開始し、観察を十分に行い投与量を調節すること。
8.3.本剤は種々の薬剤との相互作用が報告されているが、可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用したり、本剤又は他剤を休薬する場合は本剤の血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、慎重に投与すること〔10.相互作用の項参照〕。
8.4.ジギタリス中毒症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること〔9.1.3、9.1.5、9.1.6、9.2.1、9.2.2、9.7小児等、9.8高齢者の項、10.2、11.1.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1.急性心筋梗塞のある患者:心筋収縮力増強により心筋虚血を悪化させるおそれがある。
9.1.2.心室性期外収縮のある患者:中毒が発現した場合鑑別ができないおそれがある。
9.1.3.心膜炎、肺性心のある患者:少量で中毒を起こすおそれがある〔8.4、11.1.1参照〕。
9.1.4.WPW症候群のある患者:副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が悪化するおそれがある。
9.1.5.電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症、低マグネシウム血症等)のある患者:少量で中毒を起こすおそれがある〔8.4、11.1.1参照〕。
9.1.6.甲状腺機能低下症のある患者:本剤の血中濃度が高くなり、作用が増強し、中毒を起こすおそれがある〔8.4、11.1.1参照〕。
9.1.7.甲状腺機能亢進症のある患者:本剤の血中濃度が低くなり、作用が減弱し、大量投与を要することがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1.腎疾患のある患者:本剤の排泄が遅延し、中毒を起こすおそれがある〔8.4、11.1.1参照〕。
9.2.2.血液透析を受けている患者:本剤の排泄が遅延し、また、透析により、血清カリウム値が低下する可能性があるため、中毒を起こすおそれがある〔8.4、11.1.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ジゴキシンはヒトで母乳中へ微量ながら移行する)。
(小児等)
少量から投与を開始し、血中濃度や心電図等を監視するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること(ジギタリス中毒があらわれやすい)〔8.4、11.1.1参照〕。
(高齢者)
少量から投与を開始し、血中濃度等を監視するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること(ジギタリス中毒があらわれやすい)〔8.4、11.1.1参照〕。
(相互作用)
本剤はP糖蛋白質の基質であるため、本剤の血中濃度はP糖蛋白質に影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられる〔8.3参照〕。
10.2.併用注意:
1).解熱・鎮痛・消炎剤(インドメタシン、ジクロフェナク等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
2).トラゾドン〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序は不明であるが、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
3).スキサメトニウム塩化物水和物[併用により重篤な不整脈を起こすおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、スキサメトニウム塩化物水和物を投与しないこと(スキサメトニウム塩化物水和物の血中カリウム増加作用又はカテコールアミン放出が原因と考えられている)]。
4).抗コリン剤(アトロピン系薬剤、プロパンテリン等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(腸管運動を抑制し滞留時間が延長されるため、本剤の吸収が増大し、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
5).不整脈用剤(アミオダロン、キニジン、ピルメノール、フレカイニド、ピルシカイニド塩酸塩水和物、プロパフェノン、ベプリジル等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序不明なものも含まれるが、本剤の腎排泄が抑制されることによる血中濃度上昇、あるいは、薬力学的相互作用による刺激伝導抑制等があらわれることがある)]。
6).β遮断剤(プロプラノロール、アテノロール、カルベジロール等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがあり、また、カルベジロールでは本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある)]。
7).利尿剤(カリウム排泄型利尿剤(チアジド系利尿剤、フロセミド等)、アセタゾラミド)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(過度の利尿により、血中カリウム値が低下しやすくなるとの報告がある)]。
8).利尿剤(スピロノラクトン)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
9).利尿剤(トルバプタン)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
10).血圧降下剤(レセルピン系薬剤)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがある)]。
11).アンジオテンシン2受容体拮抗剤(テルミサルタン)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序は不明であるが、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
12).カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
13).HMG-CoA還元酵素阻害剤(フルバスタチン)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序は不明であるが、本剤の最高血中濃度の上昇が認められたとの報告がある)]。
14).HMG-CoA還元酵素阻害剤(アトルバスタチン)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度の上昇が示唆されている)]。
15).ポリスチレンスルホン酸塩〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下するとの報告がある)]。
16).交感神経刺激剤(アドレナリン、イソプレナリン等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(薬力学的相互作用により不整脈があらわれることがある)]。
17).プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ラベプラゾール等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(胃酸分泌抑制作用により本剤の加水分解が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
18).副腎皮質ホルモン剤〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こるためと考えられている)]。
19).ビタミンD製剤(カルシトリオール等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている)]。
20).カルシウム(注射剤)(カルシウム値の補正に用いる場合を除く)(グルコン酸カルシウム水和物<注射剤>、塩化カルシウム水和物<注射剤>)〔8.4参照〕[静注により急激に血中カルシウム濃度が上昇するとジゴキシン毒性が急激に出現することがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、カルシウム注射剤を投与しないこと、やむを得ず投与する場合には、急激にカルシウム濃度を上昇させるような使用法は避けること(本剤の催不整脈作用は、心筋細胞内カルシウム濃度に依存すると考えられている)]。
21).カルシウム<経口剤>、カルシウム含有製剤<カルシウム注射剤を除く>(カルシウム含有高カロリー輸液等)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている)]。
22).習慣性中毒用剤(ジスルフィラム)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(ジスルフィラム-アルコール反応時に過呼吸により血中カリウム値が低下したとの報告がある)]。
23).シクロスポリン〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
24).抗生物質製剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テトラサイクリン)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(腸内細菌叢への影響による本剤の代謝の抑制、あるいは、P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
25).抗生物質製剤(アジスロマイシン)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序の詳細は不明であるが、P糖蛋白質を介した本剤の輸送が阻害されるとの報告がある)]。
26).抗生物質製剤(アムホテリシンB、エンビオマイシン)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(これらの薬剤により血中カリウム値が低下するためと考えられている)]。
27).HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質を介した本剤の排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
28).エトラビリン〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
29).C型肝炎治療剤(レジパスビル・ソホスブビル)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(レジパスビルのP糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
30).化学療法剤(イトラコナゾール、スルファメトキサゾール・トリメトプリム)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(本剤の腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
31).抗甲状腺剤(チアマゾール、プロピルチオウラシル)〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(甲状腺機能亢進の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
32).ベムラフェニブ〔8.4参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
33).カルバマゼピン[本剤の作用を減弱することがある(併用後、本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある)]。
34).コレスチラミン<経口>、コレスチミド<経口>[本剤の作用を減弱することがある(消化管内での吸着により本剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下すると考えられている)]。
35).消化性潰瘍剤(スクラルファート水和物<経口>)[本剤の作用を減弱することがある(消化管内での吸着により本剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下するとの報告がある)]。
36).制酸剤<PPI以外><経口>(水酸化アルミニウム<経口>、水酸化マグネシウム<経口>等)[本剤の作用を減弱することがある(消化管内での吸着により本剤の吸収を阻害し、血中濃度が低下するとの報告がある)]。
37).抗生物質製剤(リファンピシン)[本剤の作用を減弱することがある(P糖蛋白質、肝薬物代謝酵素の誘導作用により、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある)]。
38).サルファ剤(サラゾスルファピリジン)[本剤の作用を減弱することがある(本剤の吸収が阻害され、血中濃度が低下するとの報告がある)]。
39).甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン)[本剤の作用を減弱することがある(甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、本剤の血中濃度が低下するとの報告がある)]。
40).アカルボース、ミグリトール[本剤の作用を減弱することがある(併用により本剤の血中濃度の低下が認められたとの報告がある)]。
41).セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’sWort)[本剤の作用を減弱することがある(本剤の排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること)]。
42).ブピバカイン塩酸塩水和物[ブピバカイン塩酸塩水和物の副作用を増強したとの報告がある(薬力学的相互作用によると考えられている)]。
43).ヘパリン[ヘパリンの作用を減弱するおそれがある(抗凝血作用に拮抗すると考えられている)]。
44).制吐作用を有する薬剤(スルピリド、メトクロプラミド、ドンペリドン等)〔8.4参照〕[ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・食欲不振等>を不顕化するおそれがある(これらの薬剤の制吐作用のため本剤の中毒症状が判別しにくくなる)]。
(過量投与)
13.1.症状
過量投与時、ジギタリス中毒が起こることがある〔11.1.1参照〕。
13.2.処置
次のような処置を行う〔11.1.1参照〕。
・薬物排泄
過量投与時、胃内のジゴキシンの吸収を防止するために活性炭が有効と報告されている。
・心電図
過量投与時、直ちに心電図による監視を行い、ジギタリス中毒特有の不整脈の発現に注意する。
・重篤な不整脈の治療法
過量投与時の徐脈性不整脈及び徐脈性ブロックにはアトロピン等が用いられる(徐脈性不整脈に通常用いられる交感神経刺激剤はジギタリス中毒には用いない)。
過量投与時、重篤な頻脈性不整脈が頻発するときは塩化カリウム、リドカイン、プロプラノロール等が用いられる。
・血清電解質
過量投与時、特に低カリウム血症に注意し、異常があれば補正する。
過量投与時の高カリウム血症には、炭酸水素ナトリウム、グルコース・インスリン療法、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が用いられる。
・腎機能
過量投与時、ジゴキシンは腎排泄型であるので腎機能を正常に保つ(一般に血液透析は無効である)。
(適用上の注意)
14.1.薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(保管上の注意)
室温保存。

ジゴキシン錠 ₀.₁₂₅ mg ₁ 回 ₁ 錠( ₁ 日 ₁ 錠)

結論2)腎機能低下者の投与間隔=通常投与間隔/補正係数(G)
=12時間/0.5 ⇒ 1回200mg(1日1回投与)
ただし、PK/PD理論から考えて、クラリスロマイシンの投与間隔を延長する考え方は成り立つのか?

[PDF] 循環器薬の薬物血中濃度モニタリングに関する ガイドライン

(禁忌)
2.1.房室ブロック、洞房ブロックのある患者[刺激伝導系を抑制し、これらを悪化させることがある]。
2.2.ジギタリス中毒の患者[中毒症状が悪化する]。
2.3.閉塞性心筋疾患(特発性肥大性大動脈弁下狭窄等)のある患者[心筋収縮力を増強し、左室流出路の閉塞を悪化させることがある]。
2.4.本剤の成分又はジギタリス剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1.本剤を投与する場合には観察を十分に行い、過去2~3週間以内にジギタリス剤又はその他の強心配糖体が投与されているか否かを確認したのち、慎重に投与量を決定すること。
8.2.本剤の至適投与量は患者により個人差があるので、少量から投与を開始し、観察を十分に行い投与量を調節すること。
8.3.ジギタリス中毒症状(悪心・嘔吐、不整脈等)があらわれることがあるので、消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること〔9.1.3、9.1.5、9.1.6、9.2.1、9.2.2、10.2、11.1.1、13.1参照〕。
8.4.本剤は種々の薬剤との相互作用が報告されているが、可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用したり、本剤又は他剤を休薬する場合はメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、慎重に投与すること〔10.2参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1.急性心筋梗塞のある患者:心筋収縮力増強により心筋虚血を悪化させるおそれがある。
9.1.2.心室性期外収縮のある患者:中毒が発現した場合、鑑別ができないおそれがある。
9.1.3.心膜炎、肺性心のある患者:少量で中毒を起こすおそれがある〔8.3、11.1.1参照〕。
9.1.4.WPW症候群のある患者:副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が悪化するおそれがある。
9.1.5.電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症、低マグネシウム血症等)のある患者:少量で中毒を起こすおそれがある〔8.3、11.1.1参照〕。
9.1.6.甲状腺機能低下症のある患者:メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が高くなり、作用が増強し、中毒を起こすおそれがある〔8.3、11.1.1参照〕。
9.1.7.甲状腺機能亢進症のある患者:メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が低くなり、作用が減弱し、大量投与を要することがある。
(腎機能障害患者)
9.2.1.腎疾患のある患者:メチルジゴキシン及びジゴキシンの排泄が遅延し、中毒を起こすおそれがある〔8.3、11.1.1参照〕。
9.2.2.血液透析を受けている患者:メチルジゴキシン及びジゴキシンの排泄が遅延し、また、透析により、血清カリウム値が低下する可能性があるため、中毒を起こすおそれがある〔8.3、11.1.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(小児等)
少量から投与を開始し、血中濃度や心電図等を監視するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること(ジギタリス中毒があらわれやすい)〔11.1.1参照〕。
(高齢者)
少量から投与を開始し、血中濃度等を監視するなど、観察を十分に行い、慎重に投与すること(ジギタリス中毒があらわれやすい)〔11.1.1参照〕。
(相互作用)
メチルジゴキシン及びジゴキシンはP糖蛋白質の基質であるため、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度はP糖蛋白質に影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられる。
10.2.併用注意:
1).カルシウム(注射剤)(カルシウム値の補正に用いる場合を除く)(グルコン酸カルシウム水和物<注射剤>、塩化カルシウム水和物<注射剤>)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[静注により急激に血中カルシウム濃度が上昇するとジゴキシン毒性が急激に出現することがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと、急激にカルシウム濃度を上昇させるような使用法は避けること(本剤の催不整脈作用は心筋細胞内カルシウム濃度に依存すると考えられている)]。
2).スキサメトニウム塩化物水和物〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[併用により重篤な不整脈を起こすおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(スキサメトニウム塩化物水和物の血中カリウム増加作用又はカテコールアミン放出が原因と考えられている)]。
3).カルシウム<経口剤>、カルシウム含有製剤<カルシウム注射剤を除く>(カルシウム含有高カロリー輸液等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている)]。
4).解熱・鎮痛・消炎剤(インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(メチルジゴキシン及びジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
5).トラゾドン塩酸塩〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序は不明であるが、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
6).抗コリン剤(アトロピン系薬剤、プロパンテリン等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(腸管運動を抑制し滞留時間が延長されるため、メチルジゴキシンの吸収が増大し、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
7).不整脈用剤(アミオダロン塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、ピルメノール塩酸塩水和物、フレカイニド酢酸塩、ピルシカイニド塩酸塩水和物、プロパフェノン塩酸塩、ベプリジル塩酸塩水和物等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序不明なものも含まれるが、メチルジゴキシン及びジゴキシンの腎排泄が抑制されることによる血中濃度上昇、あるいは、薬力学的相互作用による刺激伝導抑制等があらわれることがある)]。
8).β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、カルベジロール等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがあり、また、カルベジロールではメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇したとの報告がある)]。
9).利尿剤(カリウム排泄型利尿剤(チアジド系利尿剤、フロセミド等)、アセタゾラミド)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(過度の利尿により、血中カリウム値が低下しやすくなるとの報告がある)]。
10).利尿剤(スピロノラクトン)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(メチルジゴキシン及びジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
11).利尿剤(トルバプタン)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質を介したメチルジゴキシン及びジゴキシンの排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
12).血圧降下剤(レセルピン系薬剤)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発があらわれることがある)]。
13).アンジオテンシン2受容体拮抗剤(テルミサルタン)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序は不明であるが、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
14).カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩、ニフェジピン等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(メチルジゴキシン及びジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
15).HMG-CoA還元酵素阻害剤(フルバスタチンナトリウム)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序は不明であるが、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の最高血中濃度の上昇が認められたとの報告がある)]。
16).HMG-CoA還元酵素阻害剤(アトルバスタチンカルシウム水和物)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質を介したメチルジゴキシン及びジゴキシンの排泄の抑制により血中濃度の上昇が示唆されている)]。
17).ポリスチレンスルホン酸塩〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下するとの報告がある)]。
18).交感神経刺激剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(薬力学的相互作用により不整脈があらわれることがある)]。
19).プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウム等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(胃酸分泌抑制作用によりメチルジゴキシンの加水分解が抑制され、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
20).副腎皮質ホルモン剤〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こるためと考えられている)]。
21).ビタミンD製剤(カルシトリオール等)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている)]。
22).習慣性中毒用剤(ジスルフィラム)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(ジスルフィラム-アルコール反応時に過呼吸により血中カリウム値が低下したとの報告がある)]。
23).シクロスポリン〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(メチルジゴキシン及びジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
24).抗生物質製剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ガチフロキサシン水和物、テトラサイクリン塩酸塩)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(腸内細菌叢への影響によるメチルジゴキシンの代謝の抑制、あるいは、P糖蛋白質を介したメチルジゴキシン及びジゴキシンの排泄の抑制により血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
25).抗生物質製剤(アジスロマイシン水和物)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(機序の詳細は不明であるが、P糖蛋白質を介したメチルジゴキシン及びジゴキシンの輸送が阻害されるとの報告がある)]。
26).抗生物質製剤(アムホテリシンB、エンビオマイシン硫酸塩)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(これらの薬物により血中カリウム値が低下するためと考えられている)]。
27).HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質を介したメチルジゴキシン及びジゴキシンの排泄の抑制により、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
28).エトラビリン〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質阻害作用により、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
29).C型肝炎治療剤(レジパスビル/ソホスブビル配合錠)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(レジパスビルのP糖蛋白質阻害作用により、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
30).化学療法剤(イトラコナゾール、スルファメトキサゾール・トリメトプリム)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(メチルジゴキシン及びジゴキシンの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
31).抗甲状腺剤(チアマゾール、プロピルチオウラシル)〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(甲状腺機能亢進の改善に伴いクリアランスが正常になるため、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
32).ベムラフェニブ〔8.3、8.4、13.2.1-13.2.5参照〕[本剤の作用を増強することがあり、ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・不整脈等>があらわれることがある(P糖蛋白質阻害作用により、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が上昇するとの報告がある)]。
33).カルバマゼピン〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(併用後、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度の低下が認められたとの報告がある)]。
34).コレスチラミン<経口>、コレスチミド<経口>〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(消化管内での吸着によりメチルジゴキシンの吸収を阻害し、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が低下すると考えられている)]。
35).消化性潰瘍剤(スクラルファート水和物<経口>)〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(消化管内での吸着によりメチルジゴキシンの吸収を阻害し、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が低下するとの報告がある)]。
36).制酸剤<PPI以外><経口>(水酸化アルミニウム<経口>、水酸化マグネシウム<経口>等)〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(消化管内での吸着によりメチルジゴキシンの吸収を阻害し、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が低下するとの報告がある)]。
37).抗生物質製剤(フラジオマイシン)〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(メチルジゴキシンの吸収が阻害され、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が低下するとの報告がある)]。
38).抗生物質製剤(リファンピシン)〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(P糖蛋白質、肝薬物代謝酵素の誘導作用により、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が低下するとの報告がある)]。
39).サルファ剤(サラゾスルファピリジン)〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(メチルジゴキシンの吸収が阻害され、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が低下するとの報告がある)]。
40).甲状腺製剤(乾燥甲状腺、レボチロキシンナトリウム水和物、リオチロニンナトリウム)〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、メチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度が低下するとの報告がある)]。
41).アカルボース、ミグリトール〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(併用によりメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度の低下が認められたとの報告がある)]。
42).セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品〔8.4参照〕[本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合にはメチルジゴキシン及びジゴキシン合計の血中濃度をモニターするなど慎重に投与し、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(メチルジゴキシン及びジゴキシンの排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがある)]。
43).ブピバカイン塩酸塩水和物〔8.4参照〕[ブピバカイン塩酸塩水和物の副作用を増強したとの報告がある(薬力学的相互作用によると考えられている)]。
44).ヘパリン〔8.4参照〕[ヘパリンの作用を減弱するおそれがある(抗凝血作用に拮抗すると考えられている)]。
45).制吐作用を有する薬剤(スルピリド、メトクロプラミド、ドンペリドン等)〔8.3、8.4参照〕[ジギタリス中毒の症状<悪心・嘔吐・食欲不振等>を不顕化するおそれがある(これらの薬剤の制吐作用のため本剤の中毒症状が判別しにくくなる)]。
(過量投与)
13.1.症状
過量投与時、ジギタリス中毒が起こることがある〔8.3、11.1.1参照〕。
13.2.処置
13.2.1.薬物排泄:過量投与時、胃内のメチルジゴキシンの吸収を防止するために活性炭が有効と報告されている〔10.2、11.1.1参照〕。
13.2.2.心電図:過量投与時、直ちに心電図による監視を行い、前記のジギタリス中毒特有の不整脈の発現に注意する〔10.2、11.1.1参照〕。
13.2.3.重篤な不整脈の治療法:過量投与時の徐脈性不整脈及び徐脈性ブロックにはアトロピン等が用いられる。過量投与時、重篤な頻脈性不整脈が頻発するときは塩化カリウム、リドカイン、プロプラノロール等が用いられる〔10.2、11.1.1参照〕。
13.2.4.血清電解質:過量投与時、特に低カリウム血症に注意し、異常があれば補正する。
過量投与時の高カリウム血症には、炭酸水素ナトリウム、グルコース・インスリン療法、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が用いられる〔10.2、11.1.1参照〕。
13.2.5.腎機能:過量投与時、メチルジゴキシン及びジゴキシンは主として腎から排泄されるので腎機能を正常に保つ(一般に血液透析は無効であるとされている)〔10.2、11.1.1、16.5参照〕。
(適用上の注意)
14.1.薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(保管上の注意)
室温保存。