販売名, 配合量, 服用感(調製後30分間), 服用感(調整14日間), 安定性の変化(著しい変化が認められない期間)


抗菌剤は腸内細菌叢に影響を与え腸内のビタミンKを産生する腸内細菌を減らすために、ビタミンKが少なくなり、相対的に抗凝固薬のワーファリン®の血中濃度の上昇が報告されています。著明な影響は少ないので併用することは多いです。


商品情報 腸内菌叢の異常による諸症状の改善。 通常、成人1日3~6錠を3回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

薬剤により経口避妊薬(ピル)の血中濃度を低下及び抗凝固薬のワーファリン®の血中濃度の上昇が報告されています(ペニシリンの項参照)。

フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。

・使い慣れており、安心感がある。効能は高く、満足している。(50歳代病院勤務医、精神科)

マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。

ビオフェルミンRといえば「抗菌薬とセットで処方される整腸剤」ですが、
ビオフェルミンRとの併用が保険適応上問題となる抗菌薬についてまとめていきます。

<処方>80歳の男性。病院の消化器科。 ラックビー錠: 3錠 1日3回 毎食後30日分; 他10種類

A薬剤師は、医療用のミヤBM錠と同じ宮入菌製剤として、強ミヤリサン錠が市販されていることは認識していた。両剤の添付文書を確認し、菌末含有量に基づき単純に両剤の相当量を比較し、菌末の含有量が医療用に比べて医薬部外品の方が2倍以上もが多いことに驚いたが、用法用量に従って使用すればよいと考えるだけであった。
しかし、宮入菌の菌数まで気にすることはなく、それ以上の詳細を調べなかった。その後、B薬剤師から両剤の乖離を指摘されて初めてメーカーに詳細を確認し、菌末の重量だけでは単純に比較できず、菌数で比較する必要があることが判明した。
危うく、患者対応および医師への情報提供に誤りをおかすところであった。

添付文書上で、ビオフェルミンRの併用ができる抗生剤は下記の通りとなっています。

通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日400mg(力価)を2

基本的には適応以外の抗生物質と併用されている場合は疑義照会し、ビオフェルミンやミヤBMなどの整腸剤に変更してもらうのが無難かと考えられます。

元々便秘気味で、市販のビオフェルミンs細粒を飲んでおり、便通が良くなったのですが、鼻づまりと咳があり、耳鼻科にて、薬が処方されました。メイアクトとミヤBM、アスベリン散とカルボシステインです。ミヤBMも整腸剤の為、昨日からビオフェルミンは飲んでいないのですが、昨日と今日の排便が硬く、ウサギの糞のような感じです。今日はお尻が切れてしまいました。小児科から処方されている酸化マグネシウムを昨日から内服させています。明日も排便が硬いようなら、浣腸を考えているのですが、整腸剤はミヤBMではなく、ビオフェルミンs細粒を内服させても大丈夫なのでしょうか?


大して成分が変わらないのなら、ミヤBMを飲もうかなと思っているのですが…

整腸剤としてビオフェルミン,ミヤBM,ラックビーなどがあるが,どのように使いわければよいか。(福岡県 S)

簡単に言うと、抗生剤は細菌を殺す薬です。

もともとあるアレルギー性鼻炎に副鼻腔炎が悪化して、2週間前にアモキシシリンを7日分、2日おいて、一昨日からクラリスロマイシンを飲んでいるのですが、こないだまでアモキシシリンを飲んでいた時はミヤBMがなくても下痢をしませんでした。医師は抗生物質を飲むと下痢をすることがあるのでミヤBMも一緒に処方はしてくれたのですが、飲むと逆にお腹が張ってしまって便秘気味になったので後半からは飲みませんでした。飲まなくても軟便くらいで済んでいたので。ところが、クラリスロマイシンに変わってから、飲んだ翌日の昼過ぎ、つまり昨日、ひどい腹痛と下痢、最終的には水様便でなかなか症状が治りませんでしたが、クラリスロマイシンになってからなぜかミヤBMが処方されなかったので、どドラッグストアの薬剤師に聞いて、市販のミヤリサンならミヤBMに近いと言われて飲みました。飲みはじめてからも夕食後腹痛は多少ありましたが、下痢は治り、朝も腹痛はなく、排便はあったけれど下痢ではなかったです。しかし、昼過ぎになるとやはり昨日と同じくらいは苦痛を伴う下痢がありました。まだお腹がシクシク痛いです。ミヤBMと、ミヤリサンは近いけど違うものですか?ちゃんと病院で抗生物質と一緒に出してもらうミヤBMの方が抗生物質に伴うお腹の不調には効果が高いのでしょうか。また、アモキシシリンの時は下痢はなくお腹の調子も悪くなかったのにクラリスロマイシン飲みはじめてから急にすごい下痢になったのですが、クラリスロマイシンは他の抗生剤より下痢しやすいとかありますか?以前もクラリスロマイシンは何度も飲んだことはありますが、概ね整腸剤も一緒に出されていたのでこんなひどいことにはならなかったです。本当は昨日病院に行けば良かったのでしょうが、土曜日なので午後は休診、本日も休み、なのでミヤリサンは結構錠数が多く高かったけれど購入しました。やはりミヤBMのがいいですか

ウイルス感染症に抗生剤は効きません。

お返事拝見しました。
腸内有益細菌であるミヤBM’(酪酸菌)とビオフェルミン(ビフィズス菌でした)ですが 酪酸菌は芽胞と呼ばれる強い外殻を持っていますので酸・アルカリ・高温に強く胃酸によるダメージを受けにくく腸に届くことが出来ます。
一方 乳酸菌やビフィズス菌などはこの芽胞をもってないので腸に届く前に胃酸でダメージをうけやすいという違いがあるとされています。

また一般的にビフィズス菌や乳酸菌は小腸から大腸で有害菌増殖抑制作用をもち腸の粘膜を保護します。
酪酸菌は大腸で作用します。

どれを処方するかは医師によって(好みによって)異なることもあります。

ヒトの健康体は、常在菌と共生しているのです。

そこで、A薬剤師は患者が次回消化器科を受診するまでに、市販薬より含有量は少ないが、ミヤBM錠を処方してもらえないか医師に相談すると患者に約束した。この時点で、A薬剤師は市販薬の強ミヤリサン錠の方が、1日に摂取する宮入菌の含有量が多いと判断していた。
しかし、別のB薬剤師から、医療用より医薬部外品の方が1錠当たりの含有量が多く、1日摂取量が2倍以上も多いのは、どう考えてもおかしいのではないかと指摘を受けた。
そこでメーカーに詳細を確認したところ、ミヤBM錠と強ミヤリサン錠はどちらも宮入菌であるが、そもそもの両剤の製法自体が異なるため(いわゆる濃度に該当するものが異なる)、菌末の重量だけでは単純に比較できず、菌数で比較すると、ミヤBM錠1錠(20mg、菌数107個以上)、強ミヤリサン錠9錠(270mg、菌数106以上)になることが分かった。

抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (前編)

まつさん こんにちは。ご質問拝見しました

ミヤBMは抗生剤を内服する時にはよく処方されますが、やはり同じミヤリサンでも市販薬より医師が処方する薬のほうが有効成分が多いと考えられます。よって処方薬の方が効果が期待できると思います。
抗生剤によって下痢が起こりやすい場合があります。まつさんにとってはクラリスロマイシンはそうである可能性がありそうですね。

ビオフェルミンRと併用できない抗生物質は?疑義照会は必要?

ミヤBMとは、酪酸菌(別名、宮入菌:Clostridium butyricum MIYAIRI)を主成分とする整腸剤です。整腸剤は腸内の環境を改善することで、おなかの症状を改善する薬です。名前の由来としては「ミヤ」は宮入(ミヤイリ)菌から、「BM」は butyricum MIYAIRI のイニシャルからとって、「ミヤBM」と名付けられています。ミヤBMに含まれる酪酸菌はもともと動物の体内に生息している菌で、日本人の宮入博士によって1933年に発見されました。酪酸菌には腸内環境の乱れを改善するはたらきがあるため、ミヤBMは腸の不調を改善させる薬として用いられています。即効性はありませんが、化学的な物質ではないため副作用も少なく、とても安全に使えるお薬です。

ミヤBMより強ミヤリサンの方が宮入菌末量が多いと勘違い

多くの整腸剤は基本的に腸内細菌のはたらきを利用して腸内環境を整える薬です。含まれる菌の種類によっても特徴は異なりますが、ミヤBMに含まれる酪酸菌の特徴は芽胞(がほう)という強い膜に覆われていることです。そのため胃液や胆汁酸や消化酵素などの影響を受けにくく、生きた状態で腸に到達して整腸作用を発揮します。また、芽胞があることによって抗生物質の影響も受けにくいです。多くの整腸剤は抗生物質によって死滅してしまうため抗生剤とは同時に服用できませんが、酪酸菌は併用可能です。もちろん抗生物質の副作用で生じた下痢に対する治療薬としても使用することができます。

ミヤBMとビオフェルミン

ミヤBMは腸内で増殖することによって効果を発揮する薬です。腸内細菌は生き物であるため、体内で増えるのには時間がかかります。整腸効果を発揮し始めるのは内服してからおよそ5時間後からで、効果の持続時間は1〜2日間といわれています。ただし作用時間には個人差がある点と、用法・用量を守って服用しないと十分な効果が発揮されない可能性がある点はご了承ください。

クラリスロマイシン200とミヤbm処方されました ..

整腸剤の使いわけのエビデンスは確立されていないが,菌種で消化管部位に対する親和性や抗菌薬に対する耐性の有無などに違いがあり,これらの特徴に応じて使いわけられることがある。
整腸剤は,大きく生菌製剤と耐性乳酸菌製剤にわけられる。これら製剤の添付文書における効能・効果については,生菌製剤は「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」,耐性乳酸菌製剤は「抗生物質,化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善」とされている。
整腸剤の効果や機序に関する報告は多数ある。その主なものとして,(1)菌体成分による宿主免疫応答の修飾,(2)菌体または産生される酵素による腸管内の物質代謝や栄養素の補完および吸収改善,(3)産生されるバクテリオシンや有機酸による腸管感染症の予防および治療効果,(4)免疫応答および短鎖脂肪酸の産生による腸管内の炎症や潰瘍の抑制作用,(5)発がん関連酵素の活性低下による大腸癌の予防または治療効果,などがあり,消化管感染症や抗菌薬関連下痢症(Clostridium difficile腸炎)の予防および治療,炎症性腸疾患の寛解導入および維持,過敏性腸症候群の緩和などに臨床的有用性が認められている(文献1)。
生菌製剤は,同一の適応症を持ち,製剤間における大規模臨床比較試験は行われていないため,使いわけのエビデンスは確立されていない。しかしながら,製剤により菌種が異なる,または含まれる菌種の数が異なるため,各菌種の特徴を理解した上で,選択するのが望ましいと考えられる。
表1に示すように,生菌製剤に含まれる菌種には,ビフィズス菌,乳酸菌(ラクトミン),酪酸菌,糖化菌がある。菌種各々の特徴は以下に示すが,菌種によって,消化管部位に対する親和性,付着性,酸化還元電位に対する感受性および物質代謝能が異なる(文献2)。
ビフィズス菌は偏性嫌気性菌であり,小腸下部から大腸にかけて増殖し,乳酸および酢酸を産生する。有害菌増殖抑制作用,腸管運動促進作用がある。
乳酸菌は通性嫌気性菌であり,小腸から大腸にかけて増殖し,乳酸を産生する。増殖性ならびに乳酸生成能が高く,有害菌の発育を阻止することにより,腸の粘膜を保護する。
酪酸菌は偏性嫌気性菌であり,芽胞を形成する。酪酸の産生能が高く,大腸で増殖する性質を有する。
糖化菌は偏性好気性菌であり,芽胞を形成する。小腸上部より増殖を始め,乳酸菌の増殖促進作用がある。
糖化菌と乳酸菌の流動混合培養では,乳酸菌の単独培養に比べ,菌数は12.5倍に増加する。また,乳酸菌と酪酸菌の流動混合培養では,酪酸菌の単独培養に比べ,菌数は11.7倍に増加することから,共生作用が確認されている(文献3)。したがって,より効果の増強を期待したい場合は,理論上,合剤の使用が妥当と考えられる。
実際,重症型薬疹や薬剤性過敏症症候群,bacterial translocationによる敗血症などの重症疾患において,複数の菌種の合剤による治療が有効であったとの報告がある(文献3,4)。
抗菌薬関連下痢症に対して使用する場合,抗菌薬により失活する整腸剤がある。たとえ耐性乳酸菌製剤を使用する場合でも,限定された抗菌薬にのみ耐性を示すため,注意が必要である。大半の耐性乳酸菌製剤の添付文書における効能・効果は,「下記抗生物質,化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善:ペニシリン系,セファロスポリン系,アミノグリコシド系,マクロライド系,テトラサイクリン系,ナリジクス酸」である。ただしラックビーR散は,テトラサイクリン系に対する適応はない。また生菌製剤の中でも,酪酸菌製剤は,芽胞を形成するため,人為的な耐性を付与せずとも抗菌薬の影響を受けがたく,小児における抗菌薬関連下痢症に対して有効であったとの報告がある(文献5)。
しかしながら,現在のところ抗菌薬を併用した場合の整腸剤の効果については,不明な点も多い。また,新規抗菌薬も年々上市されており,併用可能な耐性乳酸菌製剤がない抗菌薬に対してどの整腸剤を選択すべきかについて断定するにはエビデンスに乏しい。今後,適正使用に資する臨床効果の検討が必要である。

[PDF] 各種乳酸菌製剤の抗生物質感受性について


1) 高橋志達, 他:臨と微生物. 2006;33(2):147-51.
2) 森下芳行:医のあゆみ. 2003;207(10):815-8.
3) 長嶺敬彦:未病と抗老化. 2003;12(1):63-7.
4) 長嶺敬彦:Prog Med. 2004;24(7):1791-4.
5) 倉田 晉, 他:小児臨. 1988;41(10):2409-14.
6) DRUGS IN JAPAN日本医薬品集フォーラム:日本医薬品集医療薬. じほう, 2014.

クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。

先ほども述べたとおり、ミヤBMはもともと生物の体内にいる菌を薬にしたものです。そのため副作用は非常に少ないと考えられています。添付文書にも副作用の記載はありません。ただし人によっては内服後に体調の変化を感じる可能性はあります。何か身体の異変を感じたときは医師や薬剤師までご相談ください。