(アジスロマイシン)が推奨されている。しかし、これらの薬剤による単剤療法や併用療法の有効性の違い ..
さて、マクロライド系抗生物質は、一部の患者さんで心臓の不整脈を引き起こす可能性があることが分かっていると、最初にお話しましたね。
・ クラリスロマイシンと本薬との使い分けについては、臨床効果及び安全性は同程度であ ..
タクロリムス(グラセプター®、プログラフ®)やシクロスポリン(ネオーラル®)は肝臓の薬物代謝酵素CYP3Aで代謝されますが、抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス®、クラリシッド®)、エリスロマイシン(エリスロシン®)は、この代謝酵素を阻害する作用があります。そのため、タクロリムスやシクロスポリンを服用中の人がクラリスロマイシン、エリスロマイシンを服用すると、タクロリムスやシクロスポリンの血中濃度は急に高くなってしまい、免疫状態はとても不安定になります。
(肝臓の薬物代謝酵素については、をご覧下さい。)
アジスロマイシン水和物(ジスロマック)の主成分であるアジスロマイシンは、マクロライド系抗生物質に属する革新的な抗菌薬です。
代表的なマクロライド系抗生物質としては、初期のエリスロマイシンから始まり、改良されたクラリスロマイシンやアジスロマイシンがあります。
A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)感染症や百日咳、中等症または重症の急性鼻副鼻腔炎など細菌が原因で起こる感染症に対して抗生物質・抗菌薬が使われます。…今回は病名や病状が記載されていることに気付かれたでしょうか?
急性上気道炎(かぜ)の原因はウイルス(アデノ、インフルエンザ、ライノ、コロナなど)であり、細菌ではないため抗生剤は効果がありません。不要な抗生剤の内服は、効果がないところか、体内に薬剤耐性菌を誘導してしまう恐れがあります。薬剤耐性菌を保菌していると本当に抗菌薬が必要な時、例えば手術や菌血症などの重症細菌感染症にかかった時に、抗菌薬が効かなくて治療に難渋します。世界的に多剤耐性菌が出現し、効果のある抗菌薬の種類は減っている一方で、新規の抗菌薬の開発は限界にきているともされています。いまある抗菌薬を適切に使用して、耐性菌を作らない取り組みがクリニックなどの日常診療でも必要です。実際、小児科の外来では、抗生剤を使う場面は限られています。薬剤耐性菌からお子様を守り、無用な薬剤耐性菌を作らないためにクリニックでは、抗菌薬は、本当に感染症が疑われるときのみに限定して処方するようにしています。
マクロライド系抗生物質の多機能性 | EDUONE MEDIA
1980年代に誕生したこの薬剤は、従来のマクロライド系抗生物質とは一線を画す特性を持ち、現代の感染症治療において重要な役割を果たしています。
一般的に、とされています。そのため、たとえば「練乳」や「バニラ味のアイスクリーム」などは、薬の苦味をマスクするのに非常に適していることになります。実際、「バニラ味のアイスクリーム」は“飲みづらい”ことで有名なマクロライド系抗菌薬の「クラリスロマイシン」や「アジスロマイシン」のドライシロップ製剤でも“飲みやすくなる”とされているなど、子どもの服薬支援に非常に役立つアイテムと言えます。
それともクラリスロマイシン? (medicina 54巻1号) | 医書.jp
▲図1.エリスロマイシンAの構造式
14員環マクロライドとしてはエリスロマイシンのほか、クラリスロマイシンやロキシスロマイシンなどがあり、15員環マクロライドとしてはアジスロマイシン、ツラスロマイシン、ガミスロマイシンなどが、16員環としてスピラマイシン、タイロシン、チルミコシン、ミロサマイシンなどが知られています。
一般的にマクロライドは肺への移行性が良いことから主に呼吸器感染症の治療薬として使用されており、主にブドウ球菌などのグラム陽性菌やマイコプラズマ、クラミジアなどのほか、ヘモフィルスやカンピロバクターなどの一部のグラム陰性菌に対して抗菌力を示します。その機序は、細菌のリボソームの50Sサブユニットに選択的に結合し、ペプチド転移反応を阻害することにより、タンパク質合成を阻害することによります。また、リンコマイシンやクリンダマイシンなどのリンコマイシン系抗生物質は、マクロライドと化学構造はまったく異なるものの、作用部位及び作用機序はマクロライドと同様で、リボゾームの 50Sサブユニットに結合してペプチド鎖の伸長を阻害するため、マクロライドとの交差耐性や作用部位の競合が認められ、作用部位が同じストレプトグラミン系と合わせて、Macrolide-Lincosamide-Streptogramin B class(MLS)とも称されています。
一方、マクロライドは先に述べた微生物に対して抗菌力を示すほか、様々な機能を有していることが知られています²⁾。例えばエリスロマイシンは抗菌作用以外にも消化管運動機能亢進作用を示すことです (表1) ³⁾。
これは消化管蠕動ホルモンであるモチリンのアゴニストとして作用することによります。このことからエリスロマイシンとその誘導体をモチリン受容体作動薬(モチライド)と称されることがあります。モチライドとしてのエリスロマイシンは、感染症治療に用いられる用量より少量で十二指腸平滑筋のモチリン受容体に結合し腸管蠕動運動を起こすとされています。またエリスロマイシンは難治性である慢性のびまん性汎細気管支炎に有効であることが知られています。
この病気は、肺胞に繋がる気管の末端である呼吸細気管支を中心に慢性の炎症を起こす病気で、発症の詳しい原因は分かっておらず、治療法も確立していませんでした。1987年に日本の医師が理由は分かりませんがエリスロマイシンを少量長期投与することで症状が改善することを報告し注目されました。当初は学会発表も不評で無益な治療と批判を浴びたようでしたが、追試でもこの治療法の有効性が確認されました。この作用は本来の抗菌作用ではなく、慢性気道炎症を取り巻く免疫炎症細胞を介する抗炎症作用を誘導することで、好中球の血管内皮への接着を抑制したり、IL-8の遊離を阻害することによるとされています。現在では気道炎症の改善を目的に、マクロライドの少量長期療法(半年から2年以上服用)が一般的な治療法となっています。一人の医師の奇想天外な治療法が難病に一筋の光明を与えた事例として大変興味深く思われました。
さらにマクロライドの細菌に対する作用で注目されるのは、本来抗菌作用を示さない緑膿菌に対して低濃度の接触により、病原性の発現を制御することです。これはクオラムセンシング(Quoram sensing)機構と呼ばれ、生体内で緑膿菌が自らの数が優位になったということを感知して、病原因子の発現を一斉に開始するシステムになります(図2)。
代表的な薬は「クラリスロマイシン(薬剤名:クラリス)」や「アジスロマイシン(薬剤名:ジスロマック)」。 ..
『ジスロマック』は、相互作用が少なく、服用の手間も少ないです。
『クラリス』は、値段が安く、経済的負担が少ない薬です。
また、妊娠中の安全性評価でも『ジスロマック』の方がやや優れているため、患者の併用薬や妊娠などの状況によって使い分けることがあります。一方で、には『クラリス』しか保険適用がありません。
与群(1回 200 mg, 1日2回14日間投与)との比較試験
マクロライド系抗生物質、特にエリスロマイシンとクラリスロマイシンは、心臓の動きを電気的な信号で記録する心電図で観察できる、QT間隔という値を延長させることがあります。QT間隔とは、心臓が1回拍動する間の特定の時間を表す値です。
抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
どのようなメカニズムでこのようは相互作用が起こるのかについては、少し専門的な話になりますが、クラリスロマイシン(クラリス®、クラリシッド®)、エリスロマイシン(エリスロシン®)自身も肝臓の薬物代謝酵素CYP3Aで代謝されます。代謝されて一部化学構造が変化したクラリスロマイシン(クラリス®、クラリシッド®)、エリスロマイシン(エリスロシン®)は、CYP3Aのヘム鉄と複合体を作ることで、CYP3Aは酵素として働くことが出来なくなくなります。
1年間の累積発現率を比較すると、アジスロマイシンの単独療法はリ ..
レジオネラ症は、レジオネラ肺炎を引き起こす。レジオネラ肺炎は市中肺炎の1~10%を占め、致死率は6.4%という報告もある。『JAID/JSC感染症治療ガイド2023』では、第1選択薬として、キノロン系抗菌薬(レボフロキサシン、シプロフロキサシン、ラスクフロキサシン、パズフロキサシン)、マクロライド系抗菌薬(アジスロマイシン)が推奨されている。しかし、これらの薬剤による単剤療法や併用療法の有効性の違いは明らかになっていない。そこで、忽那 賢志氏(大阪大学大学院医学系研究科 感染制御学 教授)らの研究グループは、DPCデータを用いて、レジオネラ症に対するキノロン系抗菌薬単独、マクロライド系抗菌薬単独、これらの併用の有効性を比較した。その結果、併用療法と単剤療法には有効性の違いがみられなかった。本研究結果は、International Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2024年2月15日号で報告された。
研究グループはDPCデータを用いて、2014年4月1日~2021年3月31日までにレジオネラ症により入院した3,560例の患者情報を分析した。対象患者を入院から2日以内に投与された抗菌薬に基づき、キノロン系単独群(2,221例)、マクロライド系単独群(775例)、併用群(564例)に分類した。傾向スコアを用いた逆確率重み付け法により、併用群を対照として院内死亡率、入院期間、入院費用を比較した。
主な結果は以下のとおり。
・調整後の院内死亡率は、キノロン系単独群4.6%、マクロライド系単独群3.1%、併用群4.5%であり、併用群と各単独群との間に有意差は認められなかった。
・調整後の入院期間は、それぞれ12日、11日、13日であり、併用群と各単独群との間に有意差は認められなかった。
・調整後の入院費用は、それぞれ53万4千円、50万9千円、55万7千円であり、併用群と各単独群との間に有意差は認められなかった。
著者らは、本研究結果について「レジオネラ症の治療において、キノロン系抗菌薬とマクロライド系抗菌薬を併用しても、単独療法と比較して大きな利点がないことが示唆された。副作用が増加する可能性を考慮すると、併用療法を選択する際には慎重な検討が必要である」とまとめた。
よりアジスロマイシン及びクラリスロマイシンのMIC値を測定した。
風邪の原因の多くはウイルス感染であり、抗生物質・抗菌薬は効きません。抗生物質・抗菌薬は細菌感染を治療する薬です。※1 今回は抗生物質・抗菌薬と処方された薬の正しい使い方について紹介します。
慢性気道感染症については, 1993年(平成5年) 12月よりクラリスロマイシンを対照薬として二重
『クラリス』には、多くの薬の代謝・分解に関わる酵素「CYP3A4」の働きを阻害する作用があります1)。そのため一緒に使ってはいけない1)。
『ジスロマック』はこの代謝酵素「CYP3A4」にほとんど影響しないため、他の薬と相互作用を起こすリスクは低く「併用禁忌」の薬もありません2)。
1) クラリス錠 添付文書
2) ジスロマック錠 インタビューフォーム
[PDF] 小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方
妊娠中や授乳中の場合にはクラリスを使用できないわけではありませんが、気軽に内服できるわけでもありません。妊娠中に高容量のクラリスを投与すると胎児に心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等の異常が生じる可能性があると動物実験にて報告されています。また、クラリスは母乳にも移行します。病気の種類に応じて、治療を行うメリットと治療を行わないデメリットを比較・検討し、担当医と十分に相談して治療に当たりましょう。
クラリスロマイシン(CAM)、15員環系のアジスロマイシン(AZM)などがあり、今日のML薬の主流となっています。 ◇ML薬の有効菌種
一日一回2錠を3日間飲んで1週間薬が効いています。マクロライドの薬ですので代謝酵素のチトクロームP-4503A4(CPY3A4)の阻害作用があるはずですが、15員環のジスロマックの場合14員環クラリスなどに比べてその作用はかなり弱くp450による代謝は確認されていません。白血球などに取り込まれて炎症箇所の長くとどまるので、1週間効果があります。
B.2 肺炎 Hospital acquired pneumonia
実際、『クラリス』では相互作用による血中濃度の上昇が報告されている3)や4)、『テオドール(一般名:テオフィリン)』4)といった薬について、『ジスロマック』であればほとんど影響しないことが報告されています2,5)。
また、DOACを使っている患者においても、『ジスロマック』で治療を受けた人は『クラリス』で治療を受けた人より出血リスクが低かったという報告もあります6)。
グラム陽性球菌スペクトラムを強化したのがクラリスロマイシン、グラム陰性桿菌やクラミジアなどへスペクトラムを広げたのが、アジスロマイシン。
1952年に実用化された最初のML薬である14員環系のエリスロマイシン(EM)は今も使われていますが、抗菌活性や消化管吸収性がやや低く、それを改善したものとして1960年代に16員環系薬が相次いで開発されました。さらに、EMの胃酸に対する不安定性や組織移行性の低さ、抗菌活性や抗菌スペクトラムが狭いなどの弱点を克服したのが1990年代以降のニューマクロライドと称されるML薬であって、14員環系のクラリスロマイシン(CAM)、15員環系のアジスロマイシン(AZM)などがあり、今日のML薬の主流となっています。
ジスロマック(アジスロマイシン)の⻑期投与が喘息の急性増悪や肺気腫 ..
『マクロライド』とは、ギリシャ語で「大きな」を意味する『マクロ』と、ラクトン環という化学構造を指す『ライド』がくっついてできています。つまり、マクロライドとは「大きなラクトン環」という意味で、環の大きさやその他の構造の違いから、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど、いくつかの種類があるのです。