そこで今回は、花粉症の薬の選び方について説明したいと思います。


毎年花粉症症状が強い患者さんの場合には、初めから併用することもあります。


以下を参考にしてみて、ご自身にあった花粉症薬を探してみましょう。

アレルゲン免疫療法のモチベーションキープのためには、開始前より使用する薬剤が減ったなど、目に見える効果が大切ですし、それがあると患者さんやご家族の納得感も高まります。アレルゲン免疫療法は、治療開始から1年目よりも2年目、2年目よりも3年目と、徐々に治療効果が向上し、効果が安定してきます。
花粉症ではありませんが、通年性アレルギー性鼻炎に対するアレルゲン免疫療法は、3~5年治療継続すると7~8年効果が持続するとされています。良好な効果が得られればそのまま治療を終了しますので、実臨床ではアレルゲン免疫療法を実施している花粉症の患者さんを長期フォローアップする機会が少ないのが実情です。そのため、花粉症についてはまだ効果持続の明確なデータがありませんが、通年性アレルギー性鼻炎のアレルゲン免疫療法と同程度の持続力の可能性はあるのではないかと考えられています。
また、効果が著しい方とそうでない方の差を見極めるためのバイオマーカーの確立なども今後の期待となります。アレルゲン免疫療法はこの10年で、花粉症治療においてより大きな存在となってきたと思います。

先述のとおり、既存治療で効果不十分な重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎に対して、2019年にはIgEモノクローナル抗体オマリズマブ(ゾレア®)が適応になりました。
オマリズマブは、スギ花粉症と確定診断され、鼻噴霧用ステロイド薬およびケミカルメディエーター受容体拮抗薬による治療を行ってもコントロール不能な症状が1週間以上続いている、といった投与条件があります(表6)。また、オマリズマブによる治療を行った次のシーズンに再度投与を検討する場合には、前シーズン同様に、既存治療で1週間以上コントロール不良かどうかを確かめる必要もあります。

花粉症の薬として最も一般的に使われるのが抗ヒスタミン薬の内服です。

先ほど挙げたダニ、ハウスダスト、花粉などが鼻へ入ればくしゃみ、鼻汁、鼻閉と言った症状をきたします。

一方で、絶対に使用を避けるべき市販薬もあります。それが、第一世代の抗ヒスタミン薬です。これらの薬は、効果は強いものの、眠気が非常に強く、運転や仕事に支障をきたす可能性があります。例えば、以下のような市販薬には注意が必要です。

効き目が強い抗ヒスタミン薬をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

抗ヒスタミン作用を主とする抗アレルギー薬です。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンという体内物質をおさえる作用があります。そして、花粉アレルギーによる目のかゆみ、結膜充血、涙目、目やに などの諸症状を改善します。早めの使用が勧められますが、必ずしも予防的に事前使用する必要もありません。ですので、軽いうちでしたら 点眼後30分くらいで充血がひいてきます。ただし、効き方には個人差があり、有効率は60%程度です。

A. ウイルスによる風邪は3-4日(長くても1週間)で治りますが、花粉症は長引きます。粘膜のあらゆる部分が症状を来す可能性があるので、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、喉のいがいが、咳、肌のかゆみなどの多彩な症状をおこします。症状の初期には一般の風邪薬(抗ヒスタミン薬が含まれている)を処方しますが、花粉症の場合は薬をやめるとぶり返します。

漢方薬が花粉症に効く、というとあまりピンとこない方もおられるかもしれません。

根本的な治療法として重要な位置付けにあるアレルゲン免疫療法は、従来からの皮下注射による皮下免疫療法(治療用標準化アレルゲンエキス皮下注「トリイ」スギ花粉)に加え、舌下免疫療法(シダキュア)も保険適用になりました。
アレルゲン免疫療法は、皮下と舌下のいずれも、治療開始から半年程度は具体的な効果を実感できないことも多く、導入初期の期間で患者さんが治療から脱落しないようにすることが大切です。しっかり治療をしようという意識の高い方がアレルゲン免疫療法を開始される傾向にはありますが、特に舌下では花粉が飛散していない時期も毎日服用が必要になりますので、花粉のシーズンが過ぎて花粉症の症状が出なくなっても翌年のために治療を継続するという、治療に対するモチベーションの維持も必要になります。

また、日本を対象にしたオマリズマブ162例とプラセボ群175例を比較したランダム化比較試験でも今までコントロール不良であった花粉症の目の症状や鼻の症状を有意に改善させ、生活の質もよくしたことが報告されています。


花粉症は、日本人の30〜40%もの人が悩んでいる国民病ともいえる病気です。

もちろん、効果は強く、今までどの薬剤を使用しても無効であったスギ花粉症20例で行った結果によると、治療終了後に行ったアンケート調査では回収できた18例のうち15例が「今年オマリズマブを使用してよかった」と回答しています。

抗ヒスタミン薬と同様に、花粉症に強く効く抗アレルギー薬は、眠気などの ..

市販薬の場合、薬の選択は自己責任となります。自分の症状やライフスタイルに合わせて自ら薬を選ぶため、ある程度の知識が必要になります。例えば自動車運転の注意や他の薬との併用など、医療機関で医師・薬剤師から説明される項目は添付文書をよく確認しましょう。元々医療機関で処方され、使い慣れている薬剤がスイッチOTC医薬品として販売されている場合は安心です。お子さまや妊婦・授乳中のお母さまの治療に関しては、医師への相談がおすすめです。

【2025春】花粉症対策のクスリ。目と鼻に効く処方薬・市販薬一覧

市販薬は処方薬と違って1本の目薬の中にいろいろな成分が入っています。例えば充血用の目薬にも保湿、抗菌、ビタミン、抗炎症、清涼感成分などいろいろな成分が入っているものがあります。いっぱい入っていてお得と思われるかもしれませんが、どうして炎症を起こしているのか分からず、やみくも点眼すると症状が悪化したり治りにくくなる場合があります。

抗ヒスタミン薬の薬とのしての強さは成分によってかなり差があり、最も弱いものがフェキソフェナジン(アレグラ)です。 ..

市場全体を見渡すと、抗アレルギー薬には多くの成分で後発品の浸透が見られます。厚労省のNDBオープンデータ(20年4月~21年3月)によると、処方金額が最も多いのは165億円のビラノアですが、これに次ぐのはロイコトリエン受容体拮抗薬「キプレス/シングレア」のオーソライズド・ジェネリック(AG)である「モンテルカスト『KM』」(キョーリンリメディオ)。後発品としては、「フェキソフェナジン塩酸塩『SANIK』」(日医工、先発品はアレグラ)や「ベポタスチンベシル酸塩『タナベ』」(ニプロ、先発品はタリオン)も処方金額で上位に入っていますが、これらもAGです。

花粉症 hay fever--医療法人社団 松伯会山王クリニック

第一世代抗ヒスタミン薬は、花粉症の主な治療薬として古くから処方されていた薬です。

【2025年最新版】抗ヒスタミン薬の強さランキング一覧 | 健康コラム

マスト細胞(アレルギー細胞)が放出するアレルギー物質 ヒスタミンをブロックする、抗ヒスタミン薬を主に使用します。ヒスタミン受容体は頭にも存在しています。頭のヒスタミンは、ストレスや眠りに影響を与えます。そのため、抗ヒスタミン薬を内服すると、眠くなる副作用があります。花粉症として主に使用する薬剤としては、眠気の少ない(頭へ移行することが少ない)抗ヒスタミン薬を主に使用していきます。

市販薬で花粉症を治すときに、知っておきたいこと | 医師ブログ

なお、関東、中部地方は花粉症の患者さんが非常に多いです。山梨県などに杉の木が多いから、とされています。

花粉症、喘息などによる、皮膚の腫れや痒み、鼻炎(くしゃみや鼻みずなど)、咳などの症状を改善する薬

花粉症の治療は耳鼻科、目薬は眼科、と渡り歩く必要はありません。花粉症の治療は内科を受診して、内服薬、目薬、点鼻薬とセットで処方を受けるのが一番スムーズです。

花粉症シーズンであり、もともと制酸剤を服用している方にフェキソ ..

しかし強い眠気や倦怠感を伴う、鎮静作用や口の渇きや便秘、心毒性を伴う抗コリン作用が強い副作用が出ることがあるため、今では一般的な花粉症の治療に用いることが少なくなってきてきました。

お昼休みや仕事の帰り道、土日などでも花粉症薬を受け取れます。 ..

早い方では年明け頃から花粉症症状が出始めていきます。3月、4月頃になると本格的な流行になりますが、症状が強くなる1ヶ月以上前から薬を服用開始することが推奨されています。花粉症はマスト細胞(アレルギー細胞)に火が付いて生じますが、火が付いたあとでは症状鎮火が難しいため、1〜2ヶ月前から服用することで火を付けないようにすることが重要です。

そのため、より選択性が高く、強い効果を持つ抗ヒスタミン薬を開発 ..

現在内服している花粉症の薬の効きが悪いので、もっと強い薬が欲しいというのは、度々受ける相談です。

鼻炎の症状を抑えることができる抗ヒスタミン薬ですが、眠気が強いこと、口が渇くことがあることが問題となります。 ..

ヒスタミンは本来、身体を守るために放出される物質ですが、花粉の量が多いと分泌量も多くなってしまうため、花粉症の症状がより重くなってしまうのです。

花粉症の薬物療法の主な薬剤は,第 2 世代抗ヒスタミン薬であるが1),日本 ..

はい、症状が軽いうちから続けて使っておくことで、花粉症の症状が現れないようにする、ということもできます。既に症状があるようでしたら、今日から使い始めてみてください(※2)。

くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を抑える薬です。 医薬品名, 成分名, 剤形, 対象年齢(小児)

第一世代抗ヒスタミン薬は、現在、花粉症の治療薬としてではなく、次のような用途で使用されることが多くなっています。

花粉症による鼻詰まり・くしゃみなどの症状が強い場合もしっかり抑えてくれます。

このように、同じH1 blockerでもその特徴は様々ですので、当院では患者さん毎にそれぞれの薬のメリットが十分活きる処方に心掛けています。