骨髄腫細胞は放射線に感受性が高く、腫瘍の縮小や痛みの緩和のために、放射線治療が行われることもあります。
胸部を数か所2cm程度切開し、胸腔鏡という内視鏡と手術機器を挿入して行われる手術です。胸腔鏡の先端には小型のカメラが装着されており、カメラで映し出されたモニターを使って手術は行われます。胸腔鏡下手術には、2つの方法があります。開胸手術ほど大きくは切開せず、小さく開いた切開部から直接胸の中を見ながら、補助的に胸腔鏡を使用する「胸腔鏡補助下手術」と、大きな開胸を伴わず、内視鏡で映し出したモニター画面を見ながら行われる「完全胸腔鏡下手術」です。
放射線療法による神経系の損傷 -原因、症状、診断、および治療については、MSDマニュアル-家庭版のこちらをご覧ください。
小細胞肺癌のSTIについての多施設後方視的観察研究では,1個,2~4個,5~10個でそれぞれ生存期間中央値が11カ月,8.7カ月,8.0カ月と報告されており,全脳照射と比較しても中枢神経転移の無増悪期間は短くなるもののOSに差は認められなかった。多発脳転移に対する全脳照射のエビデンスの強さはC,ただし総合的評価では行うように推奨(1で推奨)できると判断した。また,10個までの脳転移に対するSTIのエビデンスの強さはD,ただし総合的評価では行うように提案(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
5個以上の脳転移に対するSRSの有効性については,前向き観察研究で5~10個の脳転移と2~4個の脳転移に対する治療成績の比較によって,生存率に差がなかったとする結果が本邦から報告されており,有害事象の出現率にも差を認めなかった(9% vs 9%,P=0.89)。ただし,本研究の適格基準として最大径3cm未満,最大腫瘍体積10mL未満,合計体積15mLなどが挙げられており,この結果を適応できる患者は限られる可能性がある。一方で,全脳照射後の認知機能低下について複数の報告がされている。これらのことから,同対象に対して定位照射も治療選択肢として提案できる。エビデンスの強さはC,また総合的評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。また個数にかかわらず定位照射を選択した場合には,しばしば後発転移が生じることから定期的な画像診断を継続することが必要である。
化学療法,放射線治療が原因でないがん患者の食欲不振に対して,六君子
現在, 抗がん薬の副作用である悪心・嘔吐の評価方法としては, CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Event) v4.0-JCOG が用いられているが,これは制吐療法の評価方法ではない(→)。従来のわが国の制吐療法における臨床試験では,悪心・嘔吐が「ない」,「我慢できる」から,「ほとんど食べられない」といったチェック項目を患者に提示して個々の治療効果を示してもらうなどの方法がとられていた。最近の臨床試験では,がん薬物療法施行後0~120 時間の完全制御割合,0~24 時間の完全制御割合(急性),24~120 時間の完全制御割合(遅発性)などが評価項目として用いられている()。しかし,医療者は過小評価の傾向が指摘されており,悪心・嘔吐の予測がどの程度できているかの評価も重要である。また, 患者自身による主観評価にあたる Patient-Reported Outcome (PRO) の重要性も認識されてきており, がん臨床試験における患者の自己評価に基づき, 有害事象評価の正確性と高い精度のグレーディングを追及したツールとしてPRO-CTCAEが公開されてきており(), 日常診療として客観的評価とどのようにして関連づけて評価していくか等に関する検討が必要になるであろう。
以上より,多発性脳転移に対する全脳照射,4個以下で腫瘍径3cm程度までに対するSRSは複数の前向き試験でその有効性が示唆されている。エビデンスの強さはC,ただし総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
北海道大学大学院医学研究院 放射線治療学教室/放射線治療科, 委員
胸腔鏡下手術のメリットは、開胸手術に比べて傷が小さく術後の痛みが少なくてすむことです。デメリットは、とっさの対応が遅れて途中から開胸手術へ変更される場合があることです。また完全胸腔鏡下手術では、カメラで映し出されたモニターを見ながら手術機器の操作が行われるため、新しい手技の習練と手術器具が必要です。そのため、限られた施設でのみ行われています。
米国、カナダ、欧州およびイスラエルの 94施設で実施された臨床試験に、669人の再発または 難治性多発性骨髄腫患者が参加しました。患者全員が以前に、ボルテゾミブ以外の治療を 1~3種類受けていました 。どの治療がいっそう有利に病気の進行を防ぐかを特定することを主要な目的にして、患者は、ボルテゾミブの治療かデキサメタゾン大量投与の標準治療のいずれかに無作為に割り当てられました。 APEXは、安全で有効であると認められた小規模の臨床試験後に実施された最初の大規模無作為比較対照臨床試験(癌研究の最も基準であると考えられる)でした。
放射線治療を行う場合、全身的な副作用として倦怠感(だるさ)、食欲不振 ..
Brada M, et al.: Temozolomide versus procarbazine, lomustine, and vincristine in recurrent high-grade glioma. J Clin Oncol 28: 4601-4608, 2010
再発の悪性神経膠腫の患者さん447人に行なわれた大規模試験です。PCV (porcarbazine, lomustine, vincristine)が224人の患者さんに投与され,TMZ (temozolomide) 200 mg/m2を5日間投与が112人の患者さんに,。従来のテモゾロマイド5日間投与を受けた患者さんで生存期間中のQOLが良かったとのことです。この結果は当たり前で,テモゾロマイド5日間が副作用(有害事象)が最も軽いということは容易に予想がつくことです。
将来の動向:より新しいプロトコールでは、腫瘍に関する生物学的な情報を取り入れた治療法が導入されることでしょう。現在の治療で治る腫瘍については、長期的な副作用(※訳注:晩期合併症のこと)を少なくするように注意深く治療を減らしていく試みがなされています。
圧迫性の転移性硬膜外腫瘍は通常椎体(椎骨体部)から外科的に切除し,その後放射線療法で治療する。
脳腫瘍に対する放射線照射の有害事象として治療後のQOLの低下が問題となることがある。手術やSRSに全脳照射を追加することで,活動性の低下や認知機能障害が生じることを示す報告がある一方で,評価の方法や時期の違いの影響から差がなかったとする報告もある。一方,全脳照射を省くことで脳内再発によって認知機能の悪化がみられることがある。
[PDF] Cx:化学療法 Sx:手術 Rx:放射線治療 Mo
サイエンスカフェを開催し、医用理工学分野の現状やワークショップなどを通して、放射線とがん治療のことを学んで頂きます。プロジェクトの成果報告などについてもお話します。徳島大学蔵本キャンパスでサイエンスカフェを開催します。
・デキサメタゾン前治療:神経学的事象、サイトカイン放出症候群、及び腫瘍崩壊 ..
クッシング症候群は症状、身体検査、尿検査、血液検査、エコー検査、ホルモン検査(ACTH刺激試験、低用量デキサメタゾン抑制試験、高用量デキサメタゾン抑制試験、内因性ACTH血中濃度測定など)から、総合的に診断します。
「デキサメタゾンは、膠芽腫患者の脳浮腫に伴う症状や脳腫脹の治療でしばしば処方される強力な副腎皮質ステロイド剤です 」とDavid A
放射線治療:通常、全脳および脊髄への放射線治療を行います。これは、後々の転移(腫瘍の進展)のリスクを減らすためです。3歳未満の幼児については、知能の発達への影響を減らすために放射線治療の開始を遅らせたり照射量を減らしたりするか、またはその両方を行いながら化学療法を先に実施します。
未治療限局期鼻NK/T細胞リンパ腫に対する放射線治療とDeVIC療法との同時併用療法 ..
リンパ節郭清は、肺葉ごとに転移しやすいリンパ節がある程度予測できるようになってきたため、転移しやすいリンパ節のみを郭清するようになってきています。
放射線治療を併用した治療が行われる。しかし治癒後に2次がん,場合によっては ..
当社は、がん免疫の科学をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、IO/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。
放射線治療との併用では28日ごとにくりかえす。 4コースとする。 制吐療法などの ..
4個以下の脳転移に対するSRSと,SRS+全脳照射との併用療法を比較した試験は複数あり,ランダム化比較試験のメタアナリシスで局所制御率については併用群で有意に良好であった(HR 2.61,95%CI:1.68-4.06,P<0.0001)が,OSに有意差を認めなかった(HR 0.98,95%CI:0.71-1.35,P=0.88)。4個以下の脳転移に対して,3cmを超える病変に対して手術が行われ,手術後残存腫瘍に対して全脳照射または再発時SRSを比較したランダム化比較試験が行われた。OSは両群ともに15.6カ月で,非劣性仮説に対する片側P値=0.027(HR 1.05,90%CI:0.83-1.33)であり,SRS群の全脳照射群に対する非劣性が証明された。
Ⅲ期(根治可能な)非小細胞肺がん:weeklyTC+放射線治療→TC
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下垂体の腫大があるならば、放射線治療か下垂体の摘出が勧められます。
Stupp R, et al.: Effects of radiotherapy with concomitant and adjuvant temozolomide versus radiotherapy alone on survival in glioblastoma in a randomised phase III study: 5-year analysis of the EORTC-NCIC trial. Lancet Oncol. 10:459-466, 2009
先のヨーロッパでの大規模研究の最終報告です。573人の膠芽腫の患者さんが85施設で治療を受けました。放射線単独治療では5年全生存割合は1.9%でしたが,テモゾロマイドを併用すると9.8% でした。統計学的に差が明らかとなっています。
高齢者は,全脳照射後 1 年以上生存すると認知機能低下をきたしやすい
プロテアソーム阻害剤とは、多発性骨髄腫などの再発または難治性(治療効果のない)血液癌の患者により有効と思われる新世代の標的治療です。第 Ⅱ相臨床試験で実際に効果を発揮した初めての治療法がボルテゾミブ(ベルケード )です。一部の癌に活性の高いたんぱく質に的を絞ることによって、ボルテゾミブは腫瘍の増殖を遅らせ、放射線および化学療法の殺細胞効果を高めます。
とされてきたが,脳転移例の 16%で治療前から認知機能低下が認められ,30 Gy/10 回/2 週の全
最も重篤な (グレード4)副作用の発生率が両治療群とも同様であったのに対し、それほど重篤ではないがそれでもなお深刻であるグレード3の有害事象が、デキサメタゾン治療群では44%に対し、ボルテゾミブ治療群は61%でした。患者の血液および神経に対するグレード3の毒性は、ボルテゾミブ治療群が有意に際立っていましたが、このような副作用は治療可能でした。湿疹、不眠、骨および四肢の痛みおよび筋けいれんが、デキサメタゾン治療群において有意に悪化しました。
名)を,経口デキサメタゾン 3 mg 群,経口デキサメタゾン 6 mg 群,プラセボ群の ..
髄芽腫は、子どもに最も多い悪性の脳腫瘍です。脳の後下部(後頭蓋窩(※訳注:主に小脳))で発症し、全身の他部位に広がることもある成長の早い腫瘍です。患児の3分の1では診断時に腫瘍が髄膜および脊髄まで広がっています。これらの患児は診断時に嘔吐、頭痛、平衡感覚障害などの症状があることが多く、たまって脳脊髄液を排出させるためにシャントを設置する必要があります。
デキサメタゾン大量療法のみで, 歩行不可能であった7例のうち1例(14.3%)が自力歩行での退院となった
Taphoorn MJ, et al.: Health-related quality of life in patients with glioblastoma: a randomised controlled trial. Lancet Oncol 6:937-944, 2005
572人の患者さんの追跡調査です。テモゾロマイドを飲んだ患者さんと,飲まないで放射線治療だけ受けた患者さんの生存の質 HR-QOL が,違うかどうかの調査がなされました。結論はテモゾロマイドの副作用のためにQOLが著しく低下することはなかったとのことです。この意味でも副作用(有害事象)の軽い制がん剤と言えます。