保存治療を行った膿瘍形成虫垂炎と Uncomplicated appendicitisの比較


必ず出る症状は腹痛です。腹痛は上腹部、またはおへそ周辺に突然始まり、時間とともに右下の腹部(回盲(かいもう)部)に移ってきます。時に嘔吐、吐き気がおこります。ガスが出たり、便がでなくなったりします。虫垂に穴があき、汎発性のをおこすと、お腹全体の強い痛みが生じます。37~38度の発熱と白血球が増加することもあります。


急性虫垂炎患者のうち、複雑性虫垂炎(壊疽性/穿孔性/膿瘍形成性 ..

触診:
腹部触診で虫垂、回盲部の位置を圧迫した時や、直腸触診で直腸の右周辺を圧迫した時に腹痛を生じます()。直腸触診だけで発見されることもあります。

急性虫垂炎は、乳児から高齢者まで幅広い年齢層で下腹部痛の原因となりうる疾患として最も一般的です。進行が早く、破裂して腹膜炎という症状を呈することも珍しくありません。

虫垂炎などの市中腹腔内感染症でもルーチンで培養と感受性検査を行うべきである ..

急性虫垂炎は、異物やなどが原因で、虫垂内の閉塞(へいそく)がおこり、二次的に細菌感染を起こす化膿性の炎症です。虫垂に穴のあいた場合は、性虫垂炎といいます。手術する時期を逃すと、などの重い合併症を起こす可能性があります。

虫垂は、通常右下腹部にあり、大腸の始まり部分の盲腸にぶら下がっている小指くらいの腸のことです。
虫垂炎は、この虫垂の内部で細菌が増殖して炎症が起こった状態です。
典型的な症状は「最初胃(みぞおち)の辺りが痛くなり、その後徐々に右下腹部に痛みが移動、吐き気や発熱が起こってきた」といったものです。
重症化すると虫垂の壁が破れて穴が開くことがあり、これを「穿孔性虫垂炎」といいます。虫垂が穿孔すると溜まっていた便や膿が腹腔内にもれて腹膜炎などの合併症を起こし、重篤化することがあります。
急性虫垂炎は急性腹症(最後にまとめ)の中で内科、外科を問わずに日常的に遭遇しうる頻度の高い疾患であり、その生涯罹患率は7-14%と、権威のあるジャーナルの文献(Flum DR : Clinical practice; Acute appendicitis; appendectomy or the “antibiotics first” strategy. N Engl J Med. 2015; 372 : 1937-1943 )が記しています。
10~20歳代に最も多く、加齢に伴い減少していくとされてきましたが、最近は高齢化の進行に伴い、高齢者症例が増加しており、しばしば腹膜炎による重篤化を認め、私が非常勤として勤務する急性期病院では集中治療を要する症例も認めます。

抗菌薬と手術、小児の虫垂炎に最善の治療法はどちら? 2024/12/26 医療一般 ..

虫垂内腔の閉塞と考えられています。この閉塞部に細菌が侵入して感染が成立し(カタル性虫垂炎)、虫垂の蜂巣炎から壊死・穿孔そして腹膜炎に至る経過がこの疾患の病態と推察されています。閉塞の原因として何らかの理由でできる便の固まりが指摘されることがあり、「糞石(ふんせき)」と呼ばれます。

現在の治療法として、外科手術によって虫垂を取り除く方法(虫垂切除術)または、薬剤によって炎症を抑える方法(抗菌薬治療)があること、外科手術には開腹手術と腹腔鏡下手術があることを情報共有します。

5) 虫垂炎・胆嚢炎・絞扼性イレウス(小範囲)で、周囲組織・臓器を汚染 ..

ほとんどの患児は、初発症状として腹痛を訴えます。右下腹部以外の腹痛は虫垂の炎症から惹起された関連痛と考えられていますが、実際に胃腸炎を合併していることもあります。腹痛が強い場合には、触診所見の推移、超音波検査で病状把握に努めます。

右下腹部の圧痛のみでは、虫垂炎だけではなく、ほかの疾患も鑑別する必要があるので、血液および超音波検査を実施します。治療方針を決定するのに最も有用な画像診断は超音波検査ですが、肥満が強い患児や腸管内ガスが多い患児にはCT検査を実施します。

超音波検査では、探触子(プローブ)の圧迫による当該部位の圧痛と、虫垂の直径が6mm以上であったときに本症と診断します。虫垂の直径が10mm以上、膿瘍形成、腹腔内液貯留のいずれかの所見がみられたときには、可及的すみやかな手術治療が必要です。CT検査でも超音波と同様の所見で治療方針を決定します。

「たかがアッペ、されどアッペ」
“アッペ”とは虫垂炎(appendicitis)のこと
というフレーズは多くの外科医が口にし、外科手術書にも記述が残る。
虫垂炎診断や手術難易度の奥深さを象徴する言葉であります。
私が外科医として働き初めた頃(30年前)には 右下腹部痛で腹膜刺激症状(腹部を圧迫してその圧迫を解除した際に起こる激痛)があれば昼でも夜でも「即緊急手術」という指導をされてきました。
それは昭和戦前の大学病院の外科病棟の入院患者は半数以上がアッペによる腹膜炎患者であったという経験によるものです。
1935年慶應大学茂木らの報告(第36回日本外科学会宿題報告「急性虫垂炎」)によると「急性虫垂炎の死亡率0.39%は米国1.52%より低いが、腹膜炎死亡率は日本2.93%に対して米国0.16%である」と述べ、急性虫垂炎が穿孔し腹膜炎を発症した場合には極めて重篤な状態に陥り、命を失う症例が3%もあるという事実である。」という事実は、注目を浴び、腹部所見で虫垂炎の診断が付けば即手術、と言った時代背景があります。


虫垂炎に対するN000 病理組織標本作製の算定は、原則として年齢にかかわ.

手術:
兆候が出始めて24時間以内に(穴があく)をおこす可能性があることから、虫垂炎が疑われたら、まず開腹手術を行います。この虫垂切除は、感染を起こしやすいため、抗生物質を使います。
また腹腔鏡(ふくくうきょう)下切除を行うこともあります。手術操作が内で行われるため、合併症としての傷口感染を起こしにくいメリットがあります。

右下腹部痛の場合には虫垂炎との鑑別を要します。ただ虫垂炎に見られる ..

近年、抗生剤の進歩により虫垂切除なしで虫垂炎を治療可能な症例、すなわち「抗生剤で散らす」ことが可能な症例も増えてきましたし、むしろ、現在では正確な画像診断・抗菌薬の進歩に伴い、単純性急性虫垂炎を緊急手術することは外科医や看護師などのマンパワーの問題などから、夜間の緊急手術は回避される傾向にもあります。

虫垂炎,胆嚢炎,絞扼性イレウス(小範囲)で,周囲組織・臓器を汚染する

「急性単純性虫垂炎における抗生剤と手術は同等の有効性と安全性を示す」ことがランダム化試験(RCT)の結果をもって示された。内容:急性虫垂炎のうち穿孔性や膿瘍形成性虫垂炎などの複雑性虫垂炎は全体の20%程度であり、残りの多くの単純性虫垂炎において1年後まで症状なく経過したものは63%で手術群にくらべ合併症の相対リスクが31%減少するということであった。しかしながら、抗生剤初期治療に成功した群でも約40%は1年後までに何らかの症状が再燃し、20%は再入院となり手術が必要であった。再入院になった症例のうち穿孔や膿瘍形成などの複雑性虫垂炎に進展していたものは21%にのぼっていた。

胆囊炎は虫垂炎に次いで 2 番目に多い妊娠中の外科的疾患であり,1,600 ~ 1 万件 ..

Safety and efficacy of antibiotics compared with appendicectomy for treatment of uncomplicated acute appendicitis: meta-analysis of randomised controlled trialsBMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e2156

背景:
急性虫垂炎の患者のうち、複雑性虫垂炎(すなわち、壊疽性・穿孔性・
膿瘍形成性虫垂炎)は全体の20%くらいである。単純性虫垂炎には
抗菌薬治療も代替肢になると考えられているものの、
その有効性と安全性に関するエビデンスは乏しい。

目的:
急性単純性虫垂炎に対する一次治療として
抗菌薬投与と虫垂切除術について安全性と有効性を比較するため
メタアナリシスをおこなう。

患者:
血液検査、超音波、CTなどで急性単純性虫垂炎と診断された成人患者。

方法:
患者を、抗菌薬投与と虫垂切除術のアウトカムを比較する
ランダム化試験へ組み込んだ。プライマリアウトカムは、
それぞれのスタディが共通報告していた合併症とした。すなわち、
抗菌薬群:穿孔性・壊疽性虫垂炎または腹膜炎と
後に虫垂切除術を受けた患者の創感染
虫垂切除術群:穿孔性虫垂炎または腹膜炎と創感染の発生件数
セカンダリアウトカムは、入院期間、再入院、複雑性虫垂炎の罹患率など。

結果:
4つのランダム化試験が条件を満たした。合計900人の患者が
登録されており、470人が抗菌薬、430人が虫垂切除術に割り付けられた。
抗菌薬群に適用された薬剤は、
・アモキシシリン+クラブラン酸を継続使用:1件、
・セフォタキシム+メトロニダゾール投与後に
シプロフロキサシン+メトロニダゾールにチェンジ:1件、
・セフォタキシム+チニダゾール投与後に
オフロキサシン+チニダゾールにチェンジ:2件
345人が抗菌薬投与により治療成功と判定。うち277人(80%)は
1年後まで症状なく、長期治療成功であった。
残りの68人は再入院し、うち3人は抗菌薬再投与のみで再度治療成功と判定。
65人は虫垂切除術を受けたが、4人は虫垂炎ではなかった。
48人が蜂窩織炎性虫垂炎、13人が複雑性虫垂炎だった。
虫垂切除術を受けた患者は、患者420人に抗菌薬群からの
クロスオーバー93人を加えた513人であった。手術の結果
21人が虫垂に異常は確認されず、20人が他の診断を受けた。
残る472人が虫垂炎と診断され、そのうち343人が蜂窩織炎性虫垂炎、
129人が複雑性虫垂炎であった。術後再発はなかった。
プライマリアウトカムの1年間の合併症の発生率は、
虫垂切除群(430人中108人、25%)に比べ、
抗菌薬群(470人中84人、18%)で有意に低かった。
リスク比は0.69(95%CI 0.54-0.89、I2=0%、P=0.004)で、
抗菌薬群における合併症の相対リスクは31%減少。

結論:
急性単純性虫垂炎患者に対する一次治療として、抗菌薬治療は有効で安全である。

非複雑性の急性虫垂炎は内服治療だけで治療できる?|Nasuketore

AMPC/CVAによる非手術的治療は、 小児の急性虫垂炎に対して手術の代替治療となる可能性がある。 これらの結果を確認するために、 現在進行中の研究の結果を待つ必要がある。

急性単純性虫垂炎の治療(NEJM総説) | 病棟薬剤師&DIやん

昨日小腸と大腸の間が炎症を起こしていると言われました。「虫垂炎ではありません」病名はなんというのでしょうか、調べても出てこないです。
あと薬はオーグメンチンとアモキシシリンを処方してもらったのですが飲酒は可能でしょうか?
お願いします。

急性虫垂炎(盲腸)(きゅうせいちゅうすいえん・もうちょう)の疾患、症状、検査、治療について、詳しくわかる解説ページです。

初期の虫垂炎で、虫垂がわずかに腫大する程度です。
抗生物質での治療も可能です。

急性虫垂炎 | ガイドライン(鑑別・症状・診断基準・治療方針)

急性虫垂炎に対して手術を行うことが多いですが、(抗生剤、)を用いた治療も有力です。ただし、抗生物質を用いた場合、治療後に再発することがあります。再発後の治療と合わせて説明します。

クランブラン酸を投与している. 解析1として,対象症例をAA群とUA群に分け,

急性虫垂炎に対しては手術が治療の基本になります。感染を起こしている虫垂を切除して感染源を排除することが目的です。一方で、抗生物質(抗菌薬、抗生剤)を用いた治療も有力です。俗に「散らす」と呼ばれるもので、抗生物質が感染を抑えることを期待した治療です。

アモキシシリン・クラブラン酸; レボフロキサシン+メトロニダゾール; シプロフロキサシン+メトロニダゾール

例えば、虫垂が腫れ上がり破裂するリスクがあると考えられる場合には手術を選ぶことになりますし、入院することができない状況で軽症の急性虫垂炎であれば飲み薬の抗生物質を用いて治療することも可能です。

NEJM, May 14,2015, Clinical Practice

に対して抗生物質を用いるとき、感染の原因となっているに有効なものを用いる必要があります。そのため、急性虫垂炎の原因となる細菌を見定めなければなりません。急性虫垂炎は腸の中で起こる感染ですので、腸の中にいる細菌が起炎菌となります。例を挙げます。