睡眠相後退症候群は体内時計が遅れているため、睡眠が遅い時間帯のほうにずれて ..
夜間なかなか寝付くことができず、午前2~3時過ぎ、あるいは明け方になってやっと眠れ、寝付くとほぼ正常な眠りがとれるので、起床時間がずれ込み、昼近くまで眠ったり、時には夕方ころにやっと目が覚めます。社会生活のため起床時刻は通常と同じであるため、慢性的な寝不足と過眠がみられます。また、起床困難に伴い学校や会社に遅刻する場合が多く、しまいには不登校や欠勤に至るなど、社会生活に支障をきたす場合があります。睡眠相後退型は概日リズム睡眠覚醒障害の中で最も多いもので、思春期や若年成人では7~16%にみられるとの報告もあります。
睡眠相後退症候群に対するメラトニン製剤の使用 : メタ分析(海外文献)
副作用及び注意事項
メラトニンは非毒性ですが、大量に摂取した場合に頭痛や眠気、吐き気、腹痛等の症状が起こる場合があります。
妊娠中または授乳中の方、例外を除き子供や未成年の服用は控えて下さい。慢性関節リウマチ等の自己免疫疾患や悪性
リンパ腫や白血病等の免疫細胞の腫瘍の場合、メラトニンの服用は症状を悪化させる可能性があります。
メラトニンには血液凝固を抑える作用があるため、ワルファリンやアスピリンのような血液凝固翌製薬との併用は注意が必要です。
抗鬱剤等の鎮静薬と併用は、過度の眠気を引き起こすおそれがあります。
このメラトニンが分泌され始める時間を「DLMO:デルモ」と言い、体の中では(主観的な)夜が何時に来たのかを示す大事な指標です。DLMOは通常は19~20時なのですが、夜まで仕事をしていたり、明るい場所にいたりすると、分泌される時間がどんどん遅くなってしまい、体はいつまでたっても「まだ夜が来ていない」と勘違いして、睡眠相後退症候群(DSPS)のような状態を引き起こします。
【症例3】24歳女性、季節性うつ病、睡眠相後退 秋田県で生まれ育つ。19歳頃より秋 ..
概日リズム睡眠・覚醒障害(CRSWD)のうち,睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)の有病率は全人口の1%前後,若年者に絞れば7~16%に及ぶと考えられている。「朝起きられない」ことへの周囲の不理解から「怠け」「気合が足りないだけ」とみなされ,退学・退職につながる,あるいは自殺に至るケースもあり社会的影響が大きい疾患である。
その原因の一つが、体内時計の乱れにより睡眠のリズムが後ろの方向にずれてしまう睡眠相後退症候群(DSPS)です。
DSWPD(睡眠覚醒相後退障害)に対する超少量ラメルテオンの有用性
志村 CRSWDは社会的に望ましいタイムスケジュールと自身の体内時計リズム(以下,リズム)とが乖離を起こすことで多様な問題が生じる疾患群を指します(表)。中でも多数を占めるのが10代や若年成人に多い睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)で,極端な夜更かしや朝寝坊が特徴です。対照的に高齢者では,夕方には寝てしまい深夜に起床してしまう睡眠・覚醒相前進障害もありますね。それから睡眠時間帯が毎日1時間ずつずれるNon-24と呼ばれる型も困難を来しやすいです。また,夜勤・日勤の繰り返しでリズムが狂う交代勤務障害は看護師や客室乗務員などの退職原因となることが多く,他の型と同様に治療の重要度が高いです。広い意味では時差障害(時差ボケ)も該当しますね。
睡眠日誌と諸症状から睡眠覚醒相後退障害(DSWPD)と診断された初診患者30名のうち、睡眠衛生指導を行ったものの症状がほとんど改善せず、かつ、再診に来院した23名について報告を行いました。年齢は14~46歳(平均23.5歳)、男性15名・女性8名で、全例に夜間の不眠症状と朝早い時間の覚醒困難が認められました。また、18名(78.3%)は、過去に通常用量のラメルテオン(8mg)を処方された経験がありましたが、いずれも効果不十分あるいは眠気の持ち越しや倦怠感等の問題により、初診時には服用していませんでした。
なお、不眠症に対する治療に取り組む前に、うつ、睡眠時無呼吸症候群 ..
現代社会では交代勤務,ジェット飛行,生活様式の多様化などによる人為的で不規則な生活が恒常化しつっある。これに伴って概日リズム睡眠障害とこれに起因した種々の疾患が急速に増加している。ヒト概日リズムの調節手段としてはこれまでに高照度光が有効であることが知られている。最近ではさらに概日リズム睡眠障害の治療薬としてメラトニンの有用性が報告されるようになった。メラトニンの生理作川として概日リズム調整作川,催眠作用,深部体温降下作川が報告されている。
睡眠相後退症候群については睡眠相の遅れと共にメラトニン分泌リズムにも遅れがみられることから,通常の睡眠開始時刻の数時間前にメラトニンを投与する。その結果睡眠相も前進し,睡眠が改善する。非24時間睡眠覚醒症候群には睡眠相が望ましい時刻にきた時期から人眠前の一定時刻にメラトニンを投与する。高齢者,痴呆老年者,脳・代謝障害を持つ子供にみられる不規則睡眠・覚醒リズムや不眠についてもメラトニンが奏効する場合がある。これらの疾患では夜間メラトニン分泌量が低下していたり,分泌リズムが不規則であることから,夜間にメラトニンを補充する治療法である。現在,使用されているメラトニン製剤については薬理特性,副作用などの面で今後の検討が必要である。
全身症候群、睡眠相後退症候群がこれにあたる。 なかには引き ..
睡眠相後退症候群は入眠困難と覚醒困難が慢性的に持続し、睡眠相前進症候群は夕方の眠気や早朝覚醒を呈する。
睡眠障害(不眠症、むずむず脚(レストレスレッグス)症候群、レム睡眠行動障害)
睡眠相後退症候群(DSPS)の特徴は、「夜型人間」あるいは「宵っ張りで朝寝坊」などと表現されるように、なかなか寝付くことが出来ず、お昼ごろにならないと起きられないことです。
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睡眠相後退症候群は、社会的に望ましい時刻に入眠および覚醒することが慢性的に困難であり、多くの場合午前3時~6時のある一定の時刻になってやっと寝付くことができます。
学校の試験などの大事なスケジュールがある時でも決められた時刻に起床することができず、なんとか無理をして起床したとしても、午前中は眠気や頭痛・頭重感・食欲不振・易疲労感などの身体的不調のために勉学や仕事を行うことが困難な状態になります。
大学生の中には、夜型の生活を続けているうちに、同様の睡眠・覚醒パターンになっている場合が見られますが、この場合は試験や遊びなどで、どうしても朝起床しなければならない時には起きることができるという点が異なっています。
リズム性睡眠障害、あるいは睡眠相後退症候群(すいみんそうこうたいしょうこう ..
一方で、人の眠りには概日リズムだけでなく「Sプロセス」と呼ばれるものが関わっています。Sプロセスは部分的にはアデノシンという分子によって制御され、人に疲れを感じさせます。人が起きている間にはアデノシンが生み出され、眠るとアデノシンが一掃されます。
概日リズムとSプロセスが共に機能することで覚醒と休息がコントロールされますが、時差ぼけや夜型への遷移、薬の使用などによって2つのシステムがそれぞれ別の指示を送ってしまうことがあります。この時、人は朝に疲れを感じたり、夜ベッドに入ってもなかなか眠りにつくことができない、という状況に陥るとのこと。
メラトニンは2つのプロセスの両方に関わっている物質です。Sプロセスにおいては「催眠剤」として関わり、概日リズムにおいては「体が『何時頃に眠ればいいか』を認識すること」に関わっています。
◆1:メラトニンには催眠効果があるのか?
メラトニンに催眠効果があることは、満場一致で認められています。ただし、どれほどの催眠効果があるかということについては意見が分かれるところであり、「非常に弱い」と考えている研究者も。日本では手軽に手に入れることはできませんが、メラトニンのサプリメントがドラッグストアなどで購入できる国もあります。このサプリメントを飲むとどれくらい睡眠に入る時間が早くなるのか?ということを調べた研究では、わずか「10分」という結果も示されています。睡眠導入剤として使われるの3分の1ほどの効力ですが、副作用がずっと少なく、睡眠導入剤としての効果はあると言えるそうです。
◆2:メラトニンの正しい服用量
メラトニンは、不眠障害の入眠困難及び概日リズム睡眠-覚醒障害群の睡眠相後退型に対する
初診時の平均睡眠スケジュールは平日が3:21~11:03、休日が3:45~12:30でした。体内時計/クロノタイプの指標として知られるMSFsc(生理的な睡眠時間帯の中間時刻)は7:41でした。初診時は平均18:10(中央値18:00)に、平均0.653mg(中央値1/14錠)のラメルテオン投与が行われ、うちいくつかの症例では投与直後の眠気/倦怠感のためにさらに減量が行われ、最終的に平均投与量は0.571mg (1/7~1/50錠)となりました。この結果、平均約40日後の時点で、平均睡眠スケジュールは平日が0:17~8:43、休日が0:30~9:27、MSFscは4:46と、約3時間の大幅な前進が見られました(対応のあるt検定:p
高照度光療法やメラトニン投与などは専門の医師による診察が必要となります。
まず自分で2~4週間ほど就寝・起床時間を記録する睡眠表をつけてみましょう。 これは主観的な睡眠の記録ですが、睡眠のリズムを調べるにはとても役に立ちます。客観的に調べるためにアクチグラフを用いることもあります。ほかの睡眠障害の合併が疑われる場合は、睡眠ポリグラフ検査(PSG)で詳しく調べます。朝型夜型尺度でクロノタイプを調べることが有用な場合があります。
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睡眠相後退症候群の場合には、本人にとって非常に重要なスケジュールがある時でも起床することができず、その結果社会的不利益を受けることになります。発症年齢については、思春期から青年期が好発年齢であると考えられています。治療としては、朝の高照度光療法または夜のメラトニン投与などで生体リズムの位相を前進させる方法が有効です。
睡眠覚醒リズム障害のメラトニン療法 (神経研究の進歩 45巻5号)
睡眠相前進症候群は、夕方の眠気や早朝覚醒を呈するもので、高齢者に多いものです。加齢に伴う生体リズムの周期の短縮が関与していると考えられています。治療としては、入眠前の高照度光療法が有効とされています。これは夕方の光の体内時計に対する作用により、生体リズムの位相が後退することを目的とした治療法です。
[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]
アメリカではメラトニンを10mg含むサプリメントも販売されていますが、メラトニンの正しい服用量は0.3mgとのこと。
メラトニン研究の多くは高齢者を対象にしてものです。高齢者は若い年代の人々よりもメラトニンの生成が少なく、ゆえにメラトニンのサプリメントに対して敏感に反応します。、3mgのメラトニンを投与された被験者より0.3mgのメラトニンを投与された被験者の方がよく眠れ、副作用も少なかったことが報告されています。でも0.3mg以上の投与が効果に影響を与えないこと、一方で副作用のリスクが上がることが示されています。
◆3:概日リズム睡眠障害とは?
人が眠りたい、起きたいと思っている時間に概日リズムがマッチしないことを、概日リズム睡眠障害と呼びます。概日リズム睡眠障害を患いやすいのは、まず、メラトニンのサイクルが自然と後ろにずれてしまう10代の少年少女。彼ら、彼女らは深夜になるまで眠る気にならず、朝の遅い時間にならないと起きることができません。体のサイクルが学校というシステムにあっていないため、10代の少年少女は睡眠不足になったり、体が求めていない時間に眠ることで適切な睡眠がとれなかったりします。
大人になってもこのような傾向が続いたり、あるいは悪化したりするようになると、(DSPS)と呼ばれるようになります。軽度のDSPSは「夜型」と呼ばれますが、重度になると不眠症のような状態になることも。ただし、不眠症は「23時にベッドに向かうも深夜2時まで眠れず寝返りをうち、朝の7時にアラームに起こされる」という状態ですが、DSPSの場合は例え朝何時に起きようとも「午前2時」という決まった時間になれば必ず眠れるようになることが特徴です。
このほかに、DSPSの逆で高齢者に多い(ASPS)や、入眠時間が毎日1時間ずつ後退していくなどもあります。メラトニンはこのような睡眠障害の治療に役立てられます。
例えばDSPSの治療の場合は「起床の9時間後、就寝時間の7時間前にメラトニンを摂取する」「ブルーライトをブロックする」「朝に運動を行う」といった方法が、ASPSの場合は「起床後すぐにメラトニンを摂取する」「ブルーライトをブロックする」「夕方に運動する」という方法が取られるとのこと。
◆4:時差ぼけにメラトニンは使えるか?
・メラトニンは、睡眠までに要する時間を短縮し、睡眠時間を増加させ日中の活力をサポートします。 ..
午後の遅い時間帯や夕方の早い時刻に眠気が生じ、睡眠開始が早く、早朝自然に目覚めてしまいます。そのため通常よりも早い時間帯に就寝するようになり、夕方に強い眠気におそわれます。1週間以上、睡眠表とアクチグラフを記録すると睡眠開始と終了が習慣的な時間に比べ早くなっていることがわかります。まれに遺伝因子が明確に同定される例がありますが、軽度の朝型傾向はもともと朝型であった高齢者に多いようです。ただ生活上の支障が少ない場合は、ほとんど臨床的な問題にはなりません。
[PDF] 非線形開放系物理現象が造る体内秩序と攪乱因子としての 現
初診時の平均睡眠スケジュールは、平日が3:21~11:03、休日が3:45~12:30だった。/クロノタイプの指標として知られるMSFsc(生理的な睡眠時間帯の中間時刻)は7:41だった。初診時は平均18:10(中央値18:00)に、平均0.653mg(中央値1/14錠)のラメルテオン投与が行われ、いくつかの症例では投与直後の眠気/倦怠感のため、さらに減量が行われ、最終的に平均投与量は0.571mg(1/7~1/50錠)となった。
位相を変化させる刺激には光やメラトニンなどがある。 関連ワード
これまでに行われた研究では、新しいタイムゾーンで寝る前にメラトニンを0.3mg摂取することが効果的だとされているそうです。ただし、Alexanderさんは「時間が5時間巻き戻る場所に移動することは、10代の少年少女の概日リズムを持つことに等しいから、DSPDの治療法にのっとり起床の9時間後、就寝の5時間前にメラトニンを摂取すべきなのでは?」と疑問を投げかけています。
◆5:メラトニンを取ると変な夢を見るようになるのか?
これはAlexanderさんの経験に基づくもの。ただしに対しスタンフォード大学の睡眠医学教授であるラファエル・ペラヨ博士は「メラトニンが鮮やかな夢を生み出すとは考えていない」と答えました。睡眠障害に悩む人が薬などを飲むと、レム睡眠の抑制が起こると言われており、逆に薬を止めると悪夢を見たり不眠になったりする「レムリバウンド」が起こると考えられているためです。
◆6:メラトニンは精神状態と関係しているか?