デキサメタゾンとバリシチニブの優位性の検証は現在行われているところである41]が、標準


日本イーライリリーは4月23日、関節リウマチなどの薬として国内で承認されているヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤「オルミエント錠」(一般名:バリシチニブ)について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎の治療薬として適応追加の承認を取得したと発表した。国内で承認された新型コロナ感染症(COVID-19)治療薬としてはレムデシビル(商品名:ベクルリー)、デキサメタゾン(商品名:デカドロン)に続いて3つ目となる。


[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 4 1

新型コロナウイルス感染症と診断された場合や、療養期間終了後に職場等で勤務を開始する場合に、職場等へ診断書や治癒証明書を提出する必要はありません。
必要がある場合は、検査の結果が分かる書類等を提示してください。

※1 療養証明書以外に新型コロナウイルスに罹患したことが確認できる代替書類として利用可能性のある書類例
(該当の可否については、提出先へ確認してください。)

・医療機関等で実施されたPCR検査や抗原検査の結果が分かるもの
・診療明細書(医学管理料に「二類感染症患者入院診療加算」(外来診療・診療報酬上臨時的取扱を含む)が記載されたもの)
・コロナ治療薬(※2)が記載された処方箋・服用説明書
・保健所と陽性者がやりとりしたメールの写し(令和5年5月7日以前)
・保健所から陽性者に出された案内文(健康観察や生活支援の留意点などが記載、令和5年5月7日以前)
(注) マイハーシスによる療養証明書の表示機能は令和5年9月30日をもって停止しました。

※2 新型コロナ治療薬とは、以下のいずれかです。
・ロナプリーブ(カシリビマブ・イムデビマブ)
・デキサメタゾン(副腎皮質ステロイド薬)
・ゼビュディ(ソトロビマブ)
・アクテムラ(トシリズマブ)
・パキロビッドパック(ニルマトレルビル・リトナビル)
・オルミエント(バリシチニブ)
・ラゲブリオ(モルヌピラビル)
・ベクルリー(レムデシビル)
・ゾコーバ錠(エンシトレルビル)
・エバシェルド(チキサゲビマブ・シルガビマブ)

2021年4月現在、日本国内で承認されている治療薬は3種類のみで、レムデシビル(ベクルリー®)、ステロイドのデキサメタゾン、バリシチニブ(オルミエント®)です。レムデシビルはエボラ出血熱の治療薬として開発され、中等症から重症の患者に効果があるといわれています。ステロイドのデキサメタゾンは、全身の炎症を抑える作用によって効果発揮し、レムデシビルとデキサメタゾンはいずれも強力な特効薬というよりも対症療法という扱いです。
続きは、是非下記の記事よりご確認ください。

デキサメタゾン(1 回 6mg 1 日 1 回 10 日間)を投与する。ベクルリー ..

薬品名(商品名)レムデシビル(ベクルリー)抗ウイルス薬ファビピラビル(アビガン)デキサメタゾン免疫抑制薬バリシチニブ(オルミエント)トシリズマブ(アクテムラ)呼吸管理・酸素吸入抗ウイルス薬免疫抑制薬抗血栓薬用法・用量初日200mg2日目以降100mg1日1回点滴静注5日間(最長10日間)初日3,600mg2日目以降1,600mg内服10日間(最長14日間)6mg 1日1回(経口・経管・静注)10日間4mg1日1回内服最長14日間8mg/kg単回点滴静注発症早期前半ウイルス増殖軽症ファビピラビルレムデシビル対象臨床試験(対照群との比較)回復までの期間短縮 10日 vs 15日死亡率改善傾向 11.4% vs 15.2%症状改善、ウイルス陰性化までの期間短縮 11.9日 vs 14.7日死亡率改善人工呼吸管理例 29.3% vs 41.4%酸素吸入例 23.3% vs 26.2%症状回復までの期間短縮7日 vs 8日死亡率改善 31% vs 35%中等症~重症軽症~中等症中等症~重症中等症~重症中等症~重症後半中等症Ⅰ中等症Ⅱ酸素吸入デキサメタゾンバリシチニブトシリズマブヘパリン免疫反応重症人工呼吸管理/ECMO表1 COVID-19の主な治療薬図1 薬物療法。重症度に応じて、感染前半には抗ウイルス薬、後半以降は免疫抑制薬を用いる。薬 YEARBOOK '21/'22 デキサメタゾンは重症のアレルギー疾患、自己免疫疾患など多くの疾患、病態の治療に用いられてきた。COVID-19においてコルチコステロイドの抗炎症作用が過剰な炎症を抑制することが期待され、用いられる。臨床試験において死亡率を人工呼吸管理患者では41.4%から29.3%に、酸素投与を必要とした患者では26.2%から23.3%に低下させた2。ただし、酸素投与を必要としなかった患者では予後改善効果を認めなかった。6mgを1日1回10日間(経口・経管・静注)する。副作用として血糖値上昇、易感31特集1 歯科医師が知っておきたいCOVID-19の基礎知識3.免疫抑制薬症状発現から72時間以内、かつ基礎疾患などの重症化リスク因子を有する50歳以上の感染者を対象に新たな臨床試験が行われており、その結果が待たれる。1錠200mgの錠剤を初日3,600mg(1,800mg 1日2回)、2日目以降1,600mg(800mg 1日2回)を10日間、最長14日間内服する。注意点として、妊娠していないことを確認して投与すること、また、投与期間中および投与終了後14日間は避妊法を徹底すること、男性では投与期間中および投与終了後10日間まで避妊法を徹底することが必要である。副作用として尿酸値上昇があり、相互作用をきたす薬剤としてテオフィリン、スリンダクなどがある。

ニュースなどで多くの方がご存じかと思いますが、たとえ新型コロナウイルス感染症を発病しても、ほとんどの患者さんは風邪のような症状をへて軽症のまま治ってしまいます。
しかし、一部の患者さんでは重症化して酸素吸入が必要になったり、更に悪化して人工呼吸器やECMOで生命を維持する治療が必要になったり、最悪の場合亡くなってしまったりします。
このような重症化が起こるメカニズムとしては、ウイルスの感染をきっかけに免疫システムが、いわゆる「サイトカイン・ストーム」を起こし、制御不能な炎症が肺を始めとした臓器に生じてしまうという説が有力です。
このため、新型コロナウイルス感染症の治療としては、①発症早期にはウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を、②サイトカイン・ストームで重症化した場合には炎症を制御する薬剤を、という二段構えの戦略が必要になります。
新型コロナウイルス感染症に対する治療薬として国内承認された薬剤のうち、昨年5月に承認されたレムデシビル(ベクルリー®)は①の働きを持つ薬であり、昨年7月に承認されたデキサメタゾンは②の働きを持つ薬剤でした。
今回国内承認されたバリシチニブ(オルミエント ®)は②の働きを持つ薬剤ですが、デキサメタゾンと比較してどちらが有効性・安全性で優れているかは今の所わかっていません。
米国の疾病対策予防センター(CDC)のガイドラインでは、②の薬剤としてはデキサメタゾンを優先し、副作用の問題(高血糖など)でステロイドホルモンが使用できない症例では、バリシチニブの投与を検討するように記載されているようです。
一方、日本国内では、昨年末あたりからバリシチニブの保険適応外での使用が認められ、重症のコロナウイルス感染症の患者さんに投与が開始されていましたが、
①肺炎の陰影がCTスキャンで確認され、酸素飽和度が低下し始めるとレムデシビルの投与を開始
②悪化して酸素吸入が必要な状態になると、レムデシビルにデキサメタゾンを追加
③デキサメタゾン投与でもさらに悪化すると、上記2剤にバリシチニブを追加
という形で、デキサメタゾンとバリシチニブのどちらかを選択するというよりは、両剤を併用する医療機関が多いようです。
どちらが治療戦略として最適なのか、明らかになるにはしばらく時間が必要かもしれません。
近々改定されるであろう、厚生労働省の「COVID-19診療の手引き」では、本剤がどのような位置づけで記載されるのか興味があるところです。
第4波の到来による医療機関の逼迫が毎日のように報道されている今日このごろですが、バリシチニブの正式承認によって、投与する医療機関が増加→重症患者のICU滞在日数が短縮→重症病床の逼迫状態が改善、という流れが多少なりとも生じることを期待したいと思います。

[PDF] 中等症~重症患者の COVID-19患者への治療薬の特徴

バリシチニブ(Baricitinib)は、関節リウマチに対する治療薬として、2017年よりオルミエント ®という名前で日本国内でも市販されていた飲み薬です。
体内で炎症が起こると、サイトカインという細胞間の情報伝達を行うタンパク質がリンパ球などから放出され、これが様々な細胞の表面にある受容体というタンパク質に結合することで、細胞の中に炎症のシグナルが伝わります。
バリシチニブは、受容体から細胞の中に信号を伝える際に必要な、ヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することで、サイトカインによって細胞で炎症が起こることを抑える働きを持っています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を重症化させる、いわゆるサイトカイン・ストームに対して有効な薬剤として、米国では昨年11月より抗ウイルス薬レムデシビルとの併用治療が緊急使用許可されていました。
日本では、イーライ・リリー社によって昨年12月にCOVID-19の治療薬として承認申請が行われ、4月21日の厚生労働省の審議会で承認されました。
COVID-19の治療薬としては、レムデシビル、デキサメタゾンに続く3剤目となります。
今回は、承認の決め手となったと思われる、国際二重盲検試験(ACTT-2)の成績を報告した論文を読み解いてみたいと思います。
論文が掲載されたのは、The NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE 誌の2020年12月11日号です。

原文(英語)や図表は、下のリンクからお読みいただけます
Baricitinib plus Remdesivir for Hospitalized Adults with Covid-19

新型コロナウイルスの治療薬として、リウマチなどの治療薬「オルミエント」の使用について、厚生労働省の部会が了承しました。国内の新型コロナの治療薬は3例目となります。

国内では3例目となる新型コロナの治療薬に了承されたのは、日本イーライリリーが販売しているリウマチなどの治療薬「オルミエント」です。

対象は、新型コロナウイルスによる肺炎で酸素吸入が必要な中等症から重症の患者で、既に新型コロナウイルスの治療薬として特例承認されている抗ウイルス薬「レムデシビル」と併用するとしています。

これまでの新型コロナの入院患者への国際共同試験では、レムデシビル単体で使用した場合と比較して「オルミエント」を併用した場合、症状が改善するまでの期間が平均1日程度、短縮したということです。

国内では、新型コロナの治療薬として「レムデシビル」、ステロイド薬の「デキサメタゾン」が既に承認されていて、「オルミエント」は3例目となります。

デキサメタゾンなどの糖質コルチコイド受容体に作用する薬剤は、炎症を抑制する ..