(2)一晩大量デキサメサゾン抑制試験:前日深夜に大量(8mg)のデキサメサゾン ..


糖尿病とはインスリンに関する何らかの問題により、血液中の糖を細胞内にうまく取り込めなくなり高血糖や尿糖が持続的に認められる病気です。糖尿病には「①インスリンの分泌量が少なくなる」・「②肥満や基礎疾患が原因でインスリンの効きが悪くなる」・「③妊娠中に分泌されるホルモンの影響でインスリンの効きが悪くなる」など、大きく3つの要因が報告されています。①は「インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)」と呼ばれており、①が原因の場合はインスリン製剤による治療によく反応します。②は「インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)」と呼ばれており、②が原因の場合はインスリン製剤による治療の他に原因疾患の治療が非常に重要になります。原因疾患には「クッシング症候群」・「慢性膵炎」・「甲状腺機能低下症」・「ステロイドなどの薬剤」・「腎不全」などがあり、原因疾患の治療が糖尿病管理の鍵を握ります。③は「妊娠糖尿病」と呼ばれており、③が原因の場合は避妊手術を行うことにより糖尿病から脱却できる可能性もあります。
犬で比較的多いと言われている「①インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)」の原因はよくわかっていませんが、遺伝的要因や肥満、感染、膵炎など、複数の要因が重なりあって起こっていると考えられています。猫でよく認められる「②インスリン非依存型糖尿病(2型糖尿病)」は肥満やストレス・運動不足といった環境要因や、膵炎やその他全ての疾患が誘因になっていると考えられています。

糖尿病の主な症状は「多飲」・「多尿」・「多食」・「体重減少」です。「多食」ですが「体重減少」が認められます。糖尿病ではインスリンのトラブルにより栄養素が細胞に取り込むことができず、どんなに食べても栄養不良に陥り急激に痩せていきます。また糖尿病の症状がさらに悪化すると、血液中にケトン体という有害な物質が増加して「糖尿病性ケトアシドーシス」という状態になります。糖尿病性ケトアシドーシスは内科疾患の中でも生命に影響する重篤疾患の一つとして知られており、集中的な入院管理を行っても命を落とす可能性があります。
糖尿病を基礎疾患として合併症を発症することもあります。犬の場合、急性に進行する白内障や慢性的な細菌感染による皮膚炎、膀胱炎などです。雌犬では子宮蓄膿症を起こすこともあります。また猫の場合、白内障や糖尿病による失明の報告は少ない傾向があります。糖尿病性ケトアシドーシスにまで症状が進行した場合、運動失調や虚脱といった神経症状が認められる機会が多いです。
好発犬種としてよく知られているのはトイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ピンシャー、ビーグルなどで、特に中年齢以降の肥満犬での発症が目立ちます。猫では5歳以上の肥満の去勢雄に発症が多い傾向がありますが、好発品種は特にありません。

糖尿病の診断は比較的単純で、主に「血液検査」と「尿検査」になります。ただし血糖値は糖尿病以外にもストレスや薬剤・基礎疾患による影響でも高血糖になりますので診断には注意が必要です。その為、当院では血液検査で血糖値の他に主に「糖化アルブミン」や「フルクトサミン」という項目をみていきます。尿検査では主に「尿糖」や「ケトン体」の有無を確認していきます。

糖尿病の治療として、ごく初期であれば食事と運動管理による治療法を検討します。ただし動物においては比較的症状が進行してから診断する機会が多いので、通常はインスリン治療を選択します。犬の場合はインスリン注射を生涯にわたって続ける必要があります。しかし猫ではインスリン分泌能が残っていることもあり、極稀にインスリン治療から脱却できることがあります。
インスリン製剤には効果の発現から持続時間により様々な種類が存在します。犬では主に「中間型インスリン」、猫では「持効型溶解インスリン」を当院では選択する機会が多いです。また糖尿病性ケトアシドーシスの場合は「超速効型インスリン」を使用いたします。実際当院で糖尿病の治療を行う場合、インスリン製剤の種類や投与量の決定は症状・食事内容・体調・体重・基礎疾患の有無などを勘案しながら、入院して2時間おきに血糖値を測定し血糖値曲線(グルコースカーブ)を描きながら判断いたします。さらにインスリン治療の効果を高めるため、肥満の改善・避妊手術・感染症や基礎疾患の治療も同時に行っていきます。適切な食事の回数や内容を考慮した食事療法や、適度な運動をおこなう必要もあります。
糖尿病性ケトアシドーシスを発症している場合、生命に影響する場合が多いため入院治療が必要となります。ほとんどの場合、重度の脱水を伴っていますので急速輸液による脱水の改善と超速効型インスリンによる血糖値の改善およびブドウ糖液とインスリン製剤併用による点滴治療により糖尿病性ケトアシドーシスからの脱却を図ります。

近年では血糖値を測定できる簡易血糖測定器を装着させて、通院しながらご自宅でも血糖調整が出来る場合もあります。糖尿病の予防は適度な食事と運動を心がけ、肥満にならないように日常生活に注意することがとても大切です。また糖尿病を発症した場合は生涯にわたり治療を継続していくことになります。糖尿病の継続治療は定期的な通院による血糖値や糖化アルブミンによるチェックが重要になります。特に「低血糖」が最も重要なインスリン治療における副作用であり、低血糖は直接的に生命に影響を与えます。低血糖を起こさず適切な血糖値に長時間維持することが糖尿病コントロールの一番のポイントです。当院では多くの糖尿病管理を行っており、常に糖尿病管理に関するアップデートを行っています。糖尿病に関するご質問・ご相談などございましたらお気軽に当院までお問い合わせください。


クッシング症候群、デキサメタゾン抑制試験についてまとめました#病態・薬物治療#クッシング症候群#デキサメタゾン抑制試験.

クッシング症候群にはその発生機序により、脳下垂体の腫瘍、副腎皮質の腫瘍、医原性の3つのタイプに分かれます。

糖質ステロイドホルモンの代表であるコルチゾールが過剰に分泌されますので、長期にわたると前腕や下肢の皮膚が薄くなり、皮下の毛細血管が透けて見えてピンクのまだら模様になります。やがておなかが出ている割に手足、特に上腕部や大腿部が細くなってきます。さらに物にぶつかった自覚がなくとも皮下出血しやすくなり、顔もむくんだ赤ら顔になります。さらには多毛、にきび、腹部や臀部に赤い筋ができます。子供で発症すると背が伸びなくなります。うつ傾向もでてきます。ACTHが多くなると、皮膚のこすれるところや関節部の皮膚が黒っぽくなります。病気が進行すると感染に弱くなり、 で亡くなることがあるので注意が必要です。これら典型的な症状以外にも多くの例で、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症など生活習慣病と類似した合併症を発症します。

Cushing 病のスクリーニング検査として、一晩少量デキサメタゾン抑制試験を行います。その後、

クッシング症候群では前述のような特徴的な外見がみられますが、これらをきっかけに診断されることはまれです。多くは若年性や難治性の高血圧、高血糖(糖尿病)や高コレステロール血症、白血球増加の原因検索により診断に至ります。最近はCTやMRIで偶然見つかった副腎腫瘍をきっかけに診断される患者さんが増えています。
クッシング症候群を診断するための検査として、血液中のコルチゾールやACTH濃度の測定、24時間蓄尿中のコルチゾールの量の測定を行います。コルチゾール、ACTHの濃度を正確に評価するため、採血は午前中の早い時間に安静の状態で行う必要があります。さらに、コルチゾール濃度を早朝や深夜に測定したり、検査用の薬(デキサメタゾン)を内服した後に測定する検査も行います(文献3)
コルチゾールが病的に多いことが確認されたら、その原因を調べるため副腎や脳下垂体などの画像検査(CT検査、MRI検査、シンチグラフィなど)を行います。
クッシング症候群と診断されたら、コルチゾールの過剰によって生じる全身の合併症の有無を調べるための検査を行います。具体的には、血糖値やコレステロール、心臓や血管の検査、ウイルスや真菌、細菌などへの感染の有無を調べる血液検査、骨密度の検査、視野を調べる眼科検査などを行います。

29歳女性.出産後2カ月目から動悸と息切れが生じ,家族に前頸部の腫大を指摘されたため来院した.児に母乳栄養中である.身体所見:洞性頻脈84回/分,甲状腺腫大あり.血液所見:FT4 3.90 ng/dL,FT3>30 pg/mL,TSH 0.003 μIU/mL.本症例で鑑別診断をするために有用な検査はどれか.2つ選べ.

1mgデキサメタゾン抑制試験(1mgDST)における負荷後血中コルチゾール濃度(1mgDST-F)

原因のほとんどが下垂体腺腫ですので、手術的に下垂体腺腫を摘出することが最も良い方法です。ただし、ACTHを産生する下垂体腺腫は小さいことが多いため、通常のMRI検査で見つけにくい場合もあります。一度手術をした後でも、腫瘍が再発した場合には、再度手術を考慮します。下垂体腺腫から産生されるACTHを確実に抑える薬がないため、手術療法で改善しない場合には、内服薬や注射薬で効果のありそうなものを試すか、副腎に作用して直接にコルチゾール産生を抑える薬を用いる場合もあります。下垂体腺腫に対して放射線療法を試みる場合もありますが、副作用として正常な下垂体機能が損なわれる下垂体機能低下症を発症することがあるため、注意が必要です。

クッシング症候群を完治させる治療薬がないため、治療の第一選択は原因となる副腎や脳下垂体の腫瘍を手術で摘出することです。腫瘍が完全に摘出できればクッシング症候群は治癒します。完全に摘出できない場合でもコルチゾール過剰による症状や合併症を軽減・予防するため、腫瘍減量手術(デバルキング手術)を行う場合があります。
手術ができない場合や手術で腫瘍がとりきれなかった場合は、薬の治療(薬物治療)、放射線治療などを組み合わせて追加治療を行います。

CRH負荷試験、8mgデキサメタゾン抑制試験はCDの診断基準に従った。頭部MRI画像診.

副腎で合成・分泌されるコルチゾール(副腎皮質から分泌されるホルモンの一種)の作用が過剰になることで、体重が増えたり、顔が丸くなったり、血糖値や血圧が高くなったりという症状を引き起こす病気を「クッシング症候群」と言います。

副腎のコルチゾールの分泌を調節しているのは脳の下垂体から分泌されるACTHというホルモンです。このACTHが過剰になることでコルチゾールが過剰に分泌された状態を「クッシング病」や「異所性ACTH産生腫瘍(いしょせいさんせいしゅよう)」と言います。一方、コルチゾールが過剰でも特徴的な身体的徴候がみられないものを「サブクリニカルクッシング症候群」と言います。

1965年から1986年の調査では、日本全国で1年間に約100例と報告されていますが、CT検査など、調査機会が増えた昨今では頻度は増加傾向にあると考えられます。

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これらが高値であれば、さらにデキサメサゾン抑制試験を行い、診断材料にします。 詳しく説明すると

様々な刺激が脳の視床下部からコルチコトロピン放出因子(CRF)分泌を促し、これを受けて下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が分泌されます。
副腎はACTHの刺激を受けてコルチゾールを放出します。
そしてコルチゾール分泌を受けて、視床下部、下垂体では、コルチゾールがこれ以上分泌されないように、CRF、ACTHの分泌を抑制します。(ネガティブフィードバック)

ゾン抑制試験は、液体クロマトグラフィー・タンデム型質量分析法を用いた

脳下垂体の腫瘍によって副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が持続的に過剰分泌され、両副腎が腫大し、コルチゾールが過剰に分泌されます。
下垂体腫瘍の多くは良性で、自然発生のクッシング症候群のうち、80〜85%を占めています。

Go to channel · クッシング症候群(クッシング症候群、デキサメタゾン抑制試験)

治療をしない場合、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症などの悪化のみならず、著しく免疫力が低下するため感染による敗血症で死に至る危険性があります。また、鬱状態が強くなり、記憶力が低下することもあります。一方、下垂体手術で腫瘍が全部取れた場合、下垂体の腫瘍以外の正常な部分からのACTH分泌は、手術前のコルチゾール過剰の影響で抑制されており、それが回復するのに通常は1年、人によっては2年近くかかります。

③ 一晩少量デキサメサゾン抑制試験:前日深夜に少量(0.5mg)のデキサメサゾンを ..

コルチゾールの過剰によって生じる特徴的な外見や症状として、満月様顔貌(顔が丸くなる)、中心性肥満(腹部肥満)、首や肩周りの皮下脂肪増加、手足にあざができやすい、ざ瘡(にきび)、体毛の増加、腹部や大腿の皮膚の赤紫色の線(皮膚線条)、手足が細くなり筋力が低下するなどがあります。生理不順や無月経、不眠、うつ状態も見られます。
自覚症状がない合併症として、高血圧、血糖値の上昇(糖尿病)、コレステロール値の上昇、骨密度の低下(骨粗鬆症)、電解質異常(低カリウム血症、低リン血症)、緑内障や白内障、消化管潰瘍、血栓症などを認めることもあります。さらに、コルチゾールが多いと、通常は感染しにくい細菌や真菌、ウイルスに感染症し(日和見感染症)、重症化する場合があります(文献1)。
コルチゾールが過剰であるのにクッシング症候群に特徴的な症状が見られない状態をサブクリニカルクッシング症候群といいます(文献2)。

デキサメタゾン抑制試験の検査・診断する病気・下垂体と副腎の関係

甲状腺とは食べ物に含まれるヨウ素を原材料に甲状腺ホルモンを作り出す器官です。甲状腺ホルモンは身体の発育を促進し新陳代謝を活性化するホルモンで、身体の恒常性を維持するために必要なホルモンの一つです。甲状腺機能低下症とは甲状腺に機能的・構造的な問題が発生し、甲状腺ホルモンの分泌量が低下した病気です。中高齢の中型犬・大型犬で診断される機会が多く、猫で診断されることはほぼありません。ただし最近では若い小型犬でも診断されることが増えてきています。

甲状腺機能低下症の原因として、主に免疫介在性のリンパ球性甲状腺炎と、特発性甲状腺萎縮によって引き起こされるといわれています。この病気の一部には遺伝的要因の関与も考えられています。また、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)などの他の病気が甲状腺ホルモンのはたらきを阻害し、同様の症状を引き起こすこともあります。

甲状腺機能低下症を発症すると、一般的には皮膚症状や神経症状などの症状が認められるほかに、「元気がなくなる」・「すぐ疲れる」・「動きたがらない」・「体重が増える(肥満傾向)」といった症状が認められます。皮膚の症状としては、「毛が薄くなる(薄毛)」・「毛が抜ける(脱毛)」・「皮膚が乾燥してフケが多くなる」・「皮膚が黒ずむ(色素沈着)」・「皮膚が厚くなる(皮膚の肥厚)」・「細菌感染を繰り返して起こす(膿皮症)」などが認められます。また、全般的に犬の顔が哀しそうに見えてくることもあります(悲劇的顔貌)。この他、心拍数が遅くなったり、発情が止まったりといった症状が見られることもあります。重篤になると、昏睡に陥ったり、意識障害を起こしたりする場合もあります。好発犬種はゴールデン・レトリーバー、シェルティ(シェットランド・シープドッグ)、柴犬、ダックス、ドーベルマン、ミニチュア・シュナウザー、プードル、ボクサーなどの中・大型犬に多く見られていましたが、最近では小型犬で診断する機会が増えてきており、小型犬でも注意が必要です。

甲状腺機能低下症の主な診断方法は血液検査およびホルモン検査による甲状腺ホルモン(T4)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定です。また頸部超音波検査にて甲状腺のチェックも必要に応じて行います。

甲状腺機能低下症の治療は体内で生産出来なくなった分の甲状腺ホルモンを内服薬で補っていきます。基本的に甲状腺機能低下症の治療は一生涯続けなくてはいけません。ただし適切な量の甲状腺ホルモンを投与すると甲状腺機能低下症で認められた食欲や元気・皮膚病症状などが改善します。ただし甲状腺ホルモンを必要以上に内服すると甲状腺機能亢進症を発症してしまいます。甲状腺機能亢進症は「呼吸促迫」・「性格に攻撃性が出てくる」・「多飲多尿」・「食欲旺盛」・「体重減少」などが認められます。そのため甲状腺ホルモン投与開始時は少なくても1ヶ月に1度、甲状腺ホルモンの血中濃度が落ち着いてきたら3ヶ月に1回程度は定期的に甲状腺ホルモン(T4)を測定し、適切な量でのコントロールに努めていきます。

甲状腺機能低下症には予防法はありません。定期的な体調管理が重要になります。一般身体検査にて甲状腺機能低下症の可能性がある場合、当院では血液生化学検査およびホルモン検査を推奨しています。ちなみに当院の検査室にはホルモン測定機器が導入されていますので約30分後には結果を提示し、当日治療内容を検討していきます。甲状腺機能低下症に関するご質問等ございましたら、お気軽にご相談下さい。

Cushing症候群・副腎性 subclinical Cushing症候群の 診断と治療

3歳男子.新生児マス・スクリーニングで甲状腺機能低下症を指摘され,以来ホルモン補充療法を受けている.今回,病型診断のため来院した.甲状腺はびまん性に腫大し,軟らかい.甲状腺ホルモン投与中止後の検査は,FT4 0.4 ng/dL,TSH 56 μIU/mL,Tg 3 ng/mL,TgAb 0.5 IU/mL以下であった.甲状腺ヨード摂取率70%,パークロレイト放出試験は陰性であった.異常が最も疑われる遺伝子はどれか.

[PDF] クッシング病の診断の手引き(平成21年度改訂) 1

手術前に体内のコルチゾールを低下させる必要がある場合、手術で腫瘍がとりきれなかった場合は、メチラポン(メトピロン)やオシロドロスタット(イスツリサ)などの飲み薬を用いて治療を行います。脳下垂体ACTH産生腫瘍の場合はACTHを低下させる注射薬(パジレオチド;シグニフォーLAR)を用いることがあります。
コルチゾール過剰による合併症の対策のため、クッシング症候群の治療と並行して、必要に応じて日和見感染症予防や電解質調整、骨粗鬆症予防などの薬剤治療を行います。
副腎がんや異所性ACTH産生腫瘍が悪性の場合は、抗がん剤も含めた様々な方法で治療を行います。

ンを内服した翌朝 (8-10 時)の血中コルチゾール値が 5 μg/dl 以上を示す(注

クッシング病は、下垂体にACTHを産生する ができてACTHの過剰分泌を生じることが原因と考えられています。ACTHを産生する下垂体腺腫がなぜできるかについては、現在研究段階です。

[PDF] クッシング症候群 問 189(国家試験問題)CHECK!

腫瘍が完全に摘出されればクッシング症候群が治癒しますが、体内のACTH、コルチゾールの分泌状態が正常に戻るまで約1~1年半を要します。その間、少量のステロイドの補充療法が必要です。補充療法用のステロイドには主にヒドロコルチゾン(コートリル)の飲み薬が用いられます。ACTHとコルチゾールの分泌状態の回復を血液検査で定期的に確認しながら、ステロイドの内服量を段々と減らし、最終的に補充療法を終了します。
腫瘍のタイプによっては再発する場合があるため、手術後も定期的な検査が必要です。

[PDF] 副腎性潜在性クッシング症候群:病態、成因、臨床的意義と新診断基準

副腎の腫瘍により自立性にコルチゾールが過剰分泌されます。通常病変は片側性に腫大します。下垂体へのネガティブフィードバックによりACTH分泌が低下するため、逆側の副腎は萎縮します。
自然発生のクッシング症候群の15〜20%がこの副腎皮質の腫瘍で、そのうちの半分が悪性の腺癌で、半分が良性の腺腫です。