頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎 ..
通常、膀胱に貯留する尿は無菌状態です。しかし、会陰部や膣などに存在していた大腸菌を中心とする腸内細菌などが上行性に尿路に侵入することによって感染が成立します。いったん膀胱内に菌が侵入したならば、そこで菌は増殖し、時には腎盂・腎実質へ上昇していきます。尿路感染が成立するための菌側の因子としては、大腸菌の血清型や線毛による上皮への付着能力等があり、それに対して宿主側としては尿路上皮への菌の付着に対する抵抗性・免疫機能、排尿に伴う物理的防御機構等があります。また、女性ホルモンによる膣内のLactobacillusの増加に伴う膣内pH低下も膣内での雑菌の増殖を抑制しています。これらの防御機構が破綻した場合、感染が成立しやすくなります。性交渉・避妊装置・婦人科手術・尿道カテーテル留置・前立腺肥大症による排尿障害などは尿路感染発症の危険因子となります。代表的な疾患における症状・治療法は次の通りです。
排尿痛があり泌尿器科を受診し、膀胱炎と診断されてクラビット錠(一般名 ..
外来で最もよく見る疾患です。若い女性に多く、起因菌の大多数は大腸菌です。その他、ブドウ球菌や、Proteus、Klebsiellaなども起因菌として分離される事があります。典型的な症状は、排尿時痛、頻尿・残尿感・血尿等です。これらの症状のいくつかと検尿所見での白血球増多を認めれば診断は容易です。膀胱炎のような下部尿路の感染症では発熱を伴うことはありません。治療には①キノロン系抗生剤、②ペニシリン・セフェム系抗生剤、③ST合剤、④ホスホマイシンのいずれかを用います。日本感染症学会・日本化学療法学会の感染症治療ガイドでは①、②が第一、第二選択薬とされ、米国のサンフォードガイドでは③が第一選択、①、④が第二選択薬です。重要なのは尿路分離菌のLocal Dataで、地域における各抗生物質に対する耐性率が20%以上であった場合その抗生剤は第一選択としては使いにくくなります。
腎盂腎炎は、膀胱炎の症状に加え上部尿路の局所症状として側腹部痛や感染をきたしている側の肋骨・脊椎角部叩打痛などや、全身症状としての発熱が加わります。時に、悪心、嘔吐などの消化器症状も加わります。起因菌の種類は膀胱炎と同様グラム陰性菌が多くなっています。診断も上記症状に加え検尿所見で白血球の増多が確認できます。全身症状が加わるので採血でも白血球上昇、CRP高値、赤沈亢進などが確認できます。症状の程度によっては外来加療も可能な例もありますが、入院が必要となる場合も多くあります。入院加療の場合、抗生物質の点滴静脈投与による治療となります。治療には①セフェム系抗生物質、②点滴静注キノロン系抗生物質、③βラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗生物質などが考えられます。Empirical Therapyとして開始し、3日を目安に改善が無い場合、尿培養・感受性試験を確認し切り替えます。通常14日間の治療を要します。次に述べる複雑性尿路感染としての腎盂腎炎の場合、非常に重症化する例も見られ、集学的治療を要する場合もあり注意が必要です。
単純な膀胱炎から、より複雑な尿路感染症まで、幅広い症状に対して効果を発揮し ..
膀胱炎の予防という点から考えると水分摂取は意味のあることです。しかし、水分摂取を増やしたからといって「再発性膀胱炎」を予防できるというものでもないようです。水分摂取の意味についてはに記載しています。
膀胱炎を起こさない女性は、特に水分を多く取っているということもなく、普通の日常生活を送っています。このように正常の場合は、膀胱炎症状を繰り返すということはあり得ないので、原因は他にあると考えなければなりません。
細菌尿の原因として、で、1)膀胱内異物、2)感染性尿路結石、3)尿道憩室、感染性の傍尿道腺、4)左右何れかの感染性の萎縮腎、5)膀胱腟瘻などについて触れました。
しかし、再発性の膀胱炎の原因としてはこのようなことが原因になっていることはまれで、ほとんどは膀胱から尿道にかけての器質的あるいは機能的な問題に限定できるようです。原因治療が重要になるわけです。
再発性の膀胱炎になったとき、どのような抗菌剤を用いたらよいのかという点についても、「水分摂取」と同じレベルの考え方にすぎません。現在感染している細菌に有効であればよいわけで、数日間の内服で効果がないようであれば、その薬は効果がないのだとあきらめることの方がが大切です。
クラリスロマイシン 膀胱炎について | 医師に聞けるQ&Aサイト
1ヶ月ほど前から喉の痛みや痒みがあり内科と耳鼻科にかかり、アレルギーと逆流性食道炎を疑われ、カルボシステインとクラリスロマイシンを数週間、ネキシウムを二週間、フルティコートの処方を受けて症状は良くなり薬を飲み終えて4日が経過しました。
ここで伺いたいのですが、飲み終わって4日ほどなのですが、上記薬(特にクラリスロマイシン)では膀胱炎はおさえられないのでしょうか?
抗生剤と聞いて、「あれ?抗生剤最近まで飲んでたなあ。」と思ったのですが、先生には話していません。膀胱炎以外の病気を疑った方がよいのでしょうか?
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尿を溜める臓器である膀胱に炎症が起こった状態です。主な炎症の原因は細菌感染になります。症状は発熱・倦怠感(だるさ)・筋肉痛・寒気などが主なものになります。膀胱炎の診断は、症状に加えて尿の中にどの程度白血球や細菌がいるかを参考にして、尿の塗抹検査と培養検査で確定します。しかし、細菌の検査で診断がつかない場合は、膀胱鏡検査で膀胱の中を観察して原因をさらに調べることもあります。治療は細菌感染が原因であれば抗菌薬を使用しますが、治療しても再発を繰り返す場合があります。再発予防のために、骨盤底筋体操を行ったり漢方薬を用いたりする場合もあります。膀胱炎を疑っている人や困っている人は、泌尿器科や感染症内科を受診して下さい。
ケフラール細粒小児用は、泌尿器科領域で膀胱炎、腎盂腎炎の適応があり、用量・用法は、体重 kg あたり 1 日 20~40 mg(力価)を 3 回に分割で経口投与するとされている。今回の処方と比較して用量が少量であり、用法も 1 日 1 回と少ないことから、泌尿器科領域における適応外処方(尿路感染症の予防)である可能性が考えられた。
膀胱炎や百日咳、とびひにかかったときなどに飲むのも、種類は異なり ..
<症例2>
32歳の独身女性が、予約なしに飛び込んできた。「外陰部がかゆくてムズムズして、仕事にならないんです」
「分泌物が増えませんでしたか?」
「白っぽくてポロポロとしたおりものが出てきます」「最近、性交渉はありましたか?」
「彼氏と別れて、ここ1年くらい性交渉はありません」「最近、風邪をひいたり、抗生物質を服用したりしませんでしたか?」
「風邪はひいていませんが、先週、歯科で親知らずを抜いたので、3日間ほど抗生剤をもらって服用していました」「抗生剤を服用したせいで、膣カンジダになったんだと思いますよ」
診察台に上がってもらうと、外陰部が真っ赤に腫れあがり、ところどころ、皮膚がずり剥けている。「かゆくて、相当、かきむしってしまったようですね」
「夜もかゆくて眠れず、思い切り引っかいてしまったんです。そうしたら、今度は痛みまで加わって、踏んだり蹴ったりです」
「引っかいたことで、二次的に皮膚炎を起こしてしまったのですよ。外陰部の皮膚は柔らかいですから、爪で引っかいたりしたらダメですよ」
膣分泌物検査の結果、やはりカンジダが陽性だった。「膣カンジダはカンジダ・アルビカンスという名前の真菌にかかることによって発症し、患部にかゆみをもたらします。女性のかゆみの原因のほとんどが膣カンジダといっても過言ではないくらいなんですよ」「真菌って、何ですか?」
「聞き慣れない言葉でしょうが、ひらたく言えばカビのことです。水虫の親戚だと思ってください。水虫はスリッパなどの接触によって感染して、患部がかゆくなりますよね。膣にもカビが繁殖すればかゆみがでてくるのです」「膣カンジダは性感染症なのですか」
「広義で性感染症に含めることもありますが、膣カンジダは性交渉とは関係なく感染することがあるんですよ」「普通に生活していても感染するのですか?」
「そうです。空中にいるカビですから」
「へェ」
私は、彼女にカンジダの治療薬である膣錠と併せて、外陰部に塗る軟膏を処方した。「外陰部が皮膚炎をおこしているので、まず炎症をとる軟膏を先にお出しします。お風呂あがりに清潔な手で外陰部に塗ってください。まずは皮膚の回復を待ちましょう。そのためにも、通気性の良い下着を身につけるようにしてください。皮膚を圧迫するガードルやスパッツ、おりものシートなどは極力避けてください」「エッ、おりものが多いのに、おりものシートも使ってはいけないのですか?」
「おりものシートには防水機能がありますから、蒸れやすいのです。長くつけていると雑菌が繁殖しやすい環境になりますので、通気性のよい下着をこまめに取り替えた方がいいのですよ」
「それは知りませんでした」「あなたの場合は皮膚炎をおこしていますから、寝ている間だけでもパンツをはかない方が早く治ります。炎症をおこした外陰部は空気にさらしておいた方がいいのです」
「目から鱗です」「エヘン、これを“ノーパン療法”といいます。私が名付けた治療法です。昼間にノーパンという訳にはいかないでしょうから、せめて寝ている間だけでもノーパン療法に取り組んでください。3日くらい続けると、皮膚は見違えるほど回復しますよ」
「わかりました、やってみます」
1週間後、彼女は来院した。
「先生、ノーパン療法は劇的に効きました。おっしゃったとおり、ノーパンにして3日後には、皮膚の炎症がおさまり、痛みも引きました。膣錠を使ったら、かゆみもおさまり、おりものも減りました」
「それは良かった!」こうしてノーパン信者が一人増えたのであった。
先週末から膀胱炎の症状みたいな… 陰部のヒリヒリやトイレ後にしみる…(2023/12/20)
前立腺炎の中でも慢性前立腺炎は会陰部や腰部、下肢などの鈍痛といった不定愁訴が強いので患者さんは大変です。特に椅子に腰掛けて仕事をしなければならない人にとっては大きな問題です。
成人男性の70%位の方は大きさや数はともかく前立腺結石を持っているようです。前立腺結石が感染していない場合はほとんど症状がないため問題になることはありません。また症状のない方は自分の前立腺に結石があるとは知らないでいる方も多いと思います。症状がなければそれでよいのですが。慢性前立腺炎の方では前立腺分泌液の炎症所見の他に多数の方でこの感染性と考えられる結石を認めます。 通常の検尿では炎症所見は認めません。前立腺分泌液を採取して初めてこの診断が出来るわけです。
前立腺組織の中に、効率よく薬剤を到達させるためにはいろんな工夫をしなければなりません。膀胱炎などのように、内服あるいは注射した薬剤が尿中に高濃度で排泄される場合と同じに考えるわけには行きません。
前立腺炎の中のプロスタトディニアでは考え方が異なりますが、この問題の正解は○にしました。
皮ふ感染症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎・急性気管支炎、膀胱炎、中耳炎、淋病や ..
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
膀胱炎 · クラミジア・淋病 · 梅毒 · トリコモナス症 · コンジローマ · 抗HIV剤 ..
前項で述べた膀胱炎、腎盂腎炎以外の泌尿器感染症として男性における前立腺炎・精巣上体炎があります。前立腺・精巣上体は精液に関わっている臓器で、性器感染症に分類します。
[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠
敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、中耳炎
治療はアジスロマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリン、レボフロキサシンな どの内服を行います。
ここで述べる前立腺炎とは急性細菌性前立腺炎です。NIHの分類ではI型前立腺炎とされています。症状は膀胱炎様症状つまり排尿時痛・頻尿などに加え前立腺の炎症による腫大から排尿障害が加わります。場合によっては尿閉となることもあります。また、会陰部不快感、会陰部痛なども前立腺炎の症状として訴える事があります。また、全身症状として発熱を伴う事が多いです。診断はこれらの自覚症状に加え、検尿所見での白血球増加、そして直腸診上前立腺の熱感のある腫脹、圧痛があります。直腸診による前立腺の触診は菌血症をきたす場合があるので注意が必要です。治療としては前立腺に移行性の良い抗生剤が有効で①キノロン、②ST合剤などがよく用いられます。尿閉の場合、尿道カテーテル留置よりは超音波ガイド下恥骨上穿刺膀胱瘻が理想的です。
[PDF] 効能・効果,用法・用量,使用上の注意(案)及びその設定根拠
膀胱炎が再発を繰り返し、半年に数回もおこるようだと慢性化が疑われます。
原因疾患(膀胱癌、結石、子宮癌や直腸癌の膀胱浸潤など)を検査する必要があります。
治療としては抗生剤の内服が必要ですが、抗生剤が効きにくい(耐性菌)が発生している可能性あり専門医で診察を受けましょう。
[PDF] 効能・効果、用法・用量及び使用上の注意改訂のお知らせ
下腹部痛、頻尿、残尿感、排尿時痛などの症状あり
急性膀胱炎と違い尿に細菌を認めない膀胱のアレルギー性病変と言われています。
治療は水圧拡張、抗アレルギー薬の投与、膀胱内注入療法(キシロカイン、DMSO)などを行います。