伝染性膿痂疹(とびひ)(Impetigo bullosa) – 感染症


アクロマイシン軟膏と同じ成分の市販薬はありません。ただし、アクロマイシン軟膏と同じように抗生物質が配合されている外用薬は、ドラッグストアなどでも購入できます。
もっとも、市販の外用抗菌薬はアクロマイシン軟膏とは適応が異なります。対象となる菌種も同じとは限りません。また、抗生物質を含む外用薬は、誤った使い方をすると耐性菌が発現することもあります。したがって、市販薬をアクロマイシン軟膏の代わりに使用するのはおすすめできません。


伝染性膿痂疹 (とびひ)について | 府中市東府中の小児科・アレルギー科

とびひとは民間で言われる俗名で、皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹と言います。細菌による皮膚の感染症です。ブドウ球菌や溶連菌などが原因菌です。接触によってうつって、火事の飛び火のようにあっと言う間に広がるから、たとえて“とびひ”と言うのです。あせも・虫刺され・湿疹などをひっかいたり、転んでできた傷に二次感染を起してとびひになります。また、鼻孔の入り口には様々な細菌が常在しているため、幼児・小児で鼻を触るくせがあると、鼻の周囲からとびひが始まったり、その手であせもや虫刺されなどをひっかくことでとびひになってしまいます。 とびひはだいたい2種類に分けられます。1つは水疱ができて、びらんをつくることが多い水疱性膿痂疹、もう1つは炎症が強く、かさぶたが厚く付いた非水疱性、これを痂皮性膿痂疹と言います。

湿疹がかき壊され、びちゃびちゃになった部分をとびひと誤診されることがあります。

小児のとびひの処方箋 | 薬剤師のための皮膚科処方箋 | Medical Tribune

抗生剤を4~7日間内服しステロイド外用剤と抗生剤外用剤の混合薬を患部に塗布します。かゆみの強い方は抗ヒスタミン剤を追加内服します。抗生剤内服中はプールと湯ぶねは禁止となります。

初期段階における皮膚症状はまず直径1-2mm程度の小さな紅斑として出現し、その後急速に特徴的な病変へと変化していきます。

内服薬は抗ヒスタミン剤、ビタミン剤(ビオチン、ビタミンCなど)、漢方薬、抗生剤(ミノサイクリン、クラリスロマイシンなど)が基本となります。

とびひと呼ばれる病気は、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌といった細菌が皮膚に侵入し、水疱やかさぶたを形成する感染症です。

A:昔は子どもの心臓病で最も多かったのがリウマチ熱、リウマチ性弁膜症でした。
アメリカのデータでは、20世紀初頭は10万人あたり年間200人の発生頻度だったのが、1940年代には10万人あたり50人に、現在では10万人あたり0.5人まで減っています。日本小児循環器学会の集計では2014年にリウマチ熱を発症した子どもは、全国で7人でした。リウマチ熱、リウマチ性弁膜症が激減した理由として、二つの要因が考えられています。
まず第一に、そもそもリウマチ熱を起こしやすい血清型の溶連菌が減ったことがあります。溶連菌による急性咽頭炎は今でも子どもによくみられますが、溶連菌の中にもリウマチ熱を起こしやすい型とそうでないものがあります。不衛生な環境で子どもたちが密集して生活していると溶連菌感染が広がっていきます。生活環境がよくなって感染の連鎖が絶たれたことにより、リウマチ熱を起こしやすい血清型の溶連菌が先進国からほぼ消えてしまったと考えられます。溶連菌による急性咽頭炎自体は自然に治ります。もはやリウマチ熱を心配する必要がないのであれば、日本においては、溶連菌感染症を一人残らず見つけて全例に抗菌薬を投与する、という意義はあまりないと言えるでしょう。
第二の要因として、急性咽頭炎に対して抗菌薬による治療が行われるようになったということも関係しているでしょう。いずれにせよ、日本を含む先進国では、リウマチ熱、リウマチ性弁膜症は非常にまれな病気になりました。溶連菌による急性咽頭炎にかかっても、抗菌薬による治療がなされれば、まず心配はいりません。血液検査で血清抗体(ASO, ASKなど)が上昇していることだけを根拠に、リウマチ熱と診断するのは適切ではありません。

症状にあわせて、抗生剤の入った軟膏や飲み薬を使用します。 人にうつるので、家族でのタオルの共有やプールは避ける必要があります。

とびひの部位を洗い流すことはとても大切です。
細菌を含んだ滲出液(じくじくした液)や痂皮(かさぶた)を物理的に洗い流すことになるからです。
とびひが水疱になっていたり、じくじくしているときは入浴は避けたほうがよいです。
1日1回、市販の石けん・ボディーソープを使って患部をやさしく洗い、シャワー浴や掛け湯などで十分にすすぎます。消毒液は使いません。
抗菌外用薬は1日2回ぬり、ガーゼや包帯で患部を完全におおうようにします。

ゲンタマイシン軟膏を塗ることは、実際はワセリンを外用しているのと同じ程度の効果でしょう。
ゲンタマイシン軟膏をつかっているにとびひが治らないのは、抗菌作用が少ないことが原因です。
とびひには殺菌する力が強く、いろいろな菌に効くナジフロキサシン軟膏(アクアチム軟膏)、オゼノキサシンクリーム(ゼビアックスクリーム)が適しています。
かゆみが強いときや湿疹を伴っている場合にはステロイド外用剤を使いますが、必ず抗菌内服薬を併用します。
ステロイド外用剤単独で治療すると、伝染性膿痂疹(とびひ)はむしろ悪化することがおおくて危険です
じくじくがひどい部位は、ナジフロキサシン軟膏を塗ったあとに亜鉛華軟膏を重層して包帯することもおこないます。

妊娠中や授乳中の場合にはクラリスを使用できないわけではありませんが、気軽に内服できるわけでもありません。妊娠中に高容量のクラリスを投与すると胎児に心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等の異常が生じる可能性があると動物実験にて報告されています。また、クラリスは母乳にも移行します。病気の種類に応じて、治療を行うメリットと治療を行わないデメリットを比較・検討し、担当医と十分に相談して治療に当たりましょう。


とびひの患者さんのします。

初期病変は紅斑として始まり、次第に浸出液を伴う紅色丘疹へと変化します。

とびひの方ではこれらの菌が多く増殖している状態です。

クリニックで治療しているに、伝染性膿痂疹(とびひ)が治らない、または悪化している場合はMRSA(Methicillin‐Resistant Staphylococcus Aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が原因菌となっていることが考えられます。
MRSAとは、黄色ブドウ球菌のなかで耐性遺伝子をもち、メチシリンという種類の抗生物質をはじめ、多くの抗生物質に耐性を持つ(薬が効かないもしくは効きにくくなる状態)菌です。
皮膚科では、初診時にMRSAによる伝染性膿痂疹(とびひ)も念頭にいれて細菌培養検査をおこなうことにしています。

とびひ・伝染性膿痂疹の感染リスクを高める要因

とびひ・伝染性膿痂疹の治療では感染をコントロールし、症状の緩和を目指します。

とびひの患者さんのととびひになる可能性があります。

掌蹠膿疱症はウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。ときに、足と手のほかにスネや膝にも皮疹が出ることがあります。皮疹は小さな水ぶくれ(水疱)が生じ、次第に膿疱に変化します。その後、かさぶた(痂皮)となり、角層(皮膚の最表層にある薄い層)がはげ落ちます。後にこれらの皮疹が混じった状態になります。出始めに、よくかゆくなります。また、鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)やその他の関節が痛くなることがあります。足の皮疹は水虫によく似ていますので、診断をはっきりさせるために皮膚表面の角層を一部取り、顕微鏡で調べて、水虫を起こすカビ(白癬菌)がいるかどうか調べる必要があります。 原因として、歯科金属に対するアレルギーが引き金となり掌蹠膿疱症が発症した事例が報告されています。パッチテストで確認することができます。扁桃腺や歯、鼻などに細菌による慢性炎症があると掌蹠膿疱症が生じることがあります。

とびひ・伝染性膿痂疹の原因菌

主にA群β溶血性レンサ球菌(化膿レンサ球菌)によっておこります。
年齢や季節に関係なく発症します。
最初は顔面や手などで局所の小水疱や膿疱として始まり、次に小水疱や膿疱から漏れ出た滲出液(じくじくした液)が厚い黄色痂皮(かひ)(かさぶた)へと変わっていきます。
その後局所に多発したり、からだ全身に広がっていきます。
炎症の症状が強く、発熱・のどの痛み・リンパ節の腫脹などの全身症状を伴います。
治療がうまくいっていないアトピー性皮膚炎のお子様におこりやすいです。

とびひ・伝染性膿痂疹における主要な症状を病型

とびひ(伝染性膿痂疹)の治療に使うのは抗生物質です。面積が小さい場合は塗り薬を用います。ゲンタシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシンなどがあります。ゼビアックス油性クリームは1日1回塗るだけなので患児の負担が少ないです。一方、とびひの面積が広い場合は、のみ薬が有効です。セファレキシンやセファクロルなどの第一世代セフェム系抗生物質が基本ですが、検査の結果が通常の抗生物質が効かないタイプの黄色ブドウ球菌(MRSA)による伝染性膿痂疹が3人に1人くらいありますので、検査結果を見て有効性のある抗生物質(レボフロキサシン内服やホスミシン内服など)を投与します。なお、湿疹の二次感染はとびひではないので、湿疹の外用剤を使います。

今回は伝染性膿痂疹、俗に言う(とびひ)についての紹介です。

黄色ブドウ球菌の感染によるものです。
0~6歳までの乳幼児に多く夏におこります。
虫刺されや湿疹部などに感染がおこると、大小さまざまな水疱(すいほう)ができ、淡い紅斑を伴います。
水疱はかんたんに破れてびらんとなり、辺縁を縁取るように拡大していきます。
また、最初の水疱から遠く離れたところにも、あらたな病変が生じてどんどん増えていきます。
これが火事の「飛び火」のように起こるのが「とびひ」という言葉の由来です。
軽いかゆみを伴いますが、発熱などの全身症状はありません。湿疹に合併していると強いかゆみがあります。

とびひ・伝染性膿痂疹の補助的な検査

結節性紅斑とは、主に「スネ」にでる痛みを伴う赤色の皮疹のこと。多くは特発性といって原因不明なこともありますが、続発性のなかで最も多いのは溶連菌感染症によるものになります。(他、サルコイドーシス・ベーチェット病など)数週間の経過で色素沈着としこりを残して治癒しますが、長い時間がかかることと慢性型に移行することがあるので、注意が必要な疾患になります。

伝染性膿痂疹 (とびひ)について

治療として抗生物質で原因のばい菌をやっつける必要があります。そこで、どのような菌なのか、また、どのような種類の抗生物質が有効なのか調べるために、当院では細菌培養検査を行っています。実際に患者さんの皮膚病変から検出された菌に数種類の抗生物質をふりかけてみて、最も効いた抗生物質を次回に投与します。この検査に数日必要なため、1回目の受診では抗生剤の選択は、どうしても経験に基づく処方になります。もし皮疹が治らない場合は、残念ながら処方した抗生剤が効かない耐性菌だったということです。2回目の受診では、どの薬に弱い菌なのか検査結果が判明しているので、適切な抗生物質の選択が可能になってきます。最近は、通常の抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌(MRSA)による伝染性膿痂疹が増えており、細菌培養検査の重要性が増しています。

わかる先生、教えて下さい。今の症状は鼻水と咳、とびひです。

その後の経過に大きく影響してくるため、とびひ・伝染性膿痂疹の早期発見・診断が大切になってきます。

伝染性膿痂疹 『とびひ』 について

とびひ・伝染性膿痂疹では背景にアトピー性皮膚炎や汗疹などの炎症疾患を認めることがあり、することも。

とびひ(伝染性膿痂疹)

一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。

とびひの治療。​家庭でできるケアについて

A:リウマチ熱とは、溶連菌による急性咽頭炎の2~3週間後に、関節痛や心炎、舞踏病を起こす病気です。溶連菌の感染を繰り返して心炎がくすぶり続けると、10年以上たってからリウマチ性弁膜症になります。これを防ぐため、リウマチ熱にかかったら、10年以上の長期にわたって抗菌薬を飲み続けなくてはなりません。舞踏病とは、不随意運動といって手足が勝手にピクついたりして不器用になります。落ち着きがなくなったり、学校の成績が急に下がったりすることで気づかれることもあります。不思議な症状ですが、鎮静薬(フェノバルビタールなど)で症状を抑え、時間がたてば自然によくなります。
溶連菌による急性咽頭炎にかかっても、発症から9日以内に抗菌薬で治療すれば、リウマチ熱は防げます。急性咽頭炎がよくなっても抗菌薬を一定期間飲み続けてもらうのは、リウマチ熱を予防するのが目的なのです。