A群溶血レンサ球菌による耳下腺膿瘍の1例 (小児科 57巻2号)


子どもの難聴の原因として多い病気ですが(就学前に90%の小児が一度は罹患するといわれています)、急性の炎症がないため無症状で気づかれないことも多く、そのままにしておくと難聴による言語や学習への影響、鼓膜の変化が残ることもあります。たとえば急性中耳炎(耳の風邪とおもってください)が起こると、中耳に膿交じりの液体が溜まります。通常は溜まった液体は自然に吸収されたり、耳管(じかん)を通して鼻の方に抜けていったりします。


諸検査の結果から化膿性耳下腺炎、耳下腺膿瘍と考え、入院治療を開始した。 ..

6歳女。自転車運転中に転倒して左頬部を強打した翌日に左頬部腫脹が出現した。近医でムンプスを疑われ、無治療で経過観察されていたが腫脹は続き、抗菌薬(テビペネム・ピボキシル)投与によっても改善しないため、腫脹出現から10日目に当科へ紹介された。諸検査の結果から化膿性耳下腺炎、耳下腺膿瘍と考え、入院治療を開始した。壊死性筋膜炎に対する抗菌薬使用ガイドラインを参考にタゾバクタム・ピペラシリンを選択し、マイコプラズマやクラミジアの関与を考慮してクラリスロマイシンを併用した。入院翌朝も膿瘍径に変化がないため、超音波ガイド下に頬部直上から穿刺を行い、血性膿汁を約10mL吸引した。穿刺翌日に培養でA群溶連菌が検出され、薬剤感受性を確認したうえで入院6日目から抗菌薬をアンピシリン単剤に変更した。結果、腫脹は軽減し、入院15日目に退院となった。その後、腫脹は痕跡を残さず軽快し、神経症状などの後遺症も認めなかった。

薬物療法としてはカルボシステイン(粘液修復薬)の内服が第一選択となります。その他に原因となる病気がある場合はその治療を行うことになります。鼻副鼻腔炎を合併している場合はマクロライド療法(クラリスロマイシン少量長期投与療法)、アレルギー性鼻炎であれば、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬を使用します。

流行性耳下腺炎は,第10週58件に増加し警報発令,第11週は31件にやや減少しました ..

急に発症した感染性の鼻炎、急性副鼻腔炎は風邪の一病態と考えられます。急性副鼻腔炎診療ガイドラインでは、上気道ウィルス感染(風邪)の後に膿性鼻汁が10日以上持続する場合、また5~7日後に悪化する場合は、細菌性急性鼻副鼻腔炎と診断されます。小児は毎年6~8回の風邪にかかり、そのうち5~13%が2次的な副鼻腔細菌感染に陥るといわれます。鼻副鼻腔炎は、中耳炎、気管支炎、肺炎とともに”風邪がこじれた状態”と言えます。

クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。

流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)、突発性発疹 ..

感染症になると、感染した部位で炎症が起こります。この炎症によって発熱したり、身体がしんどくなったりします。クラリスロマイシンは炎症を抑えることで、全身のを楽にする力があります。

クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。

下の写真の様に鼓膜の奥(中耳)に膿が溜まっている急性中耳炎は抗生剤で治療し ..

中耳の滲出液により鼓膜の振動が悪くなって音の伝播がブロックされて聞こえにくくなり、耳のふさがった感じがあらわれます。耳の痛みや発熱はありません。片耳の場合だと気づかないことも多いです。小児の場合は就学前や後に行う健康診断や耳鼻咽喉科を受診した際に見つかったということもあります。両耳では日常生活に支障が生じるほど聞こえが悪くなります。

ムンプスウイルスの飛沫感染が原因で起こる病気です。代表的なのが流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)です。3〜6歳の小児に多いですが大人でも発症することがあり、典型的な症状には片側もしくは両側の耳下腺の痛みや腫れ、発熱があります。


[PDF] 効能・効果,用法・用量,使用上の注意(案)及びその設定根拠

急性副鼻腔炎は全ての年代で起こります。新生児期は上顎洞(ほっぺたの副鼻腔)は小豆大ぐらいで小さいのですが、鼻呼吸が始まり、顔の骨の成長に伴い上顎洞の発育がみられてきます。鼻に菌による感染が生じ、そこから副鼻腔へ感染が広がることは日常よく見られるため、したがって0歳からでも生じます。以前は副鼻腔炎の発達は3歳ごろからと考えられていたため、乳幼児には急性副鼻腔炎は存在しないといわれていました。近年はCT撮影による画像診断の進歩により0歳児でも上顎洞の発達が画像上で確認できます。したがって0歳児でも急性副鼻腔炎は生じることになります。

クラリスロマイシン感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属(腸球菌を除く),ペプト ..

急性中耳炎は発症初期には耳痛、発熱などの急性期症状を認めますが、治療により早期にそれらの症状は改善します。しかし、中耳の滲出液がしばらく貯留していることがあります。この貯留液は75~90%のものが3ヶ月以内に自然治癒し、消失することが多いです。この間は、鼻の状態によっては薬を出したり、鼻処置させていただくこともありますが、基本的に経過観察します。一方でこの間に急性中耳炎をぶり返すことも多いので(風邪をひいた時など)、その場合は抗生剤を投与することになります。3ヶ月以上中耳に滲出液がたまっている場合は、滲出性中耳炎と診断されます。

耳掃除だけで来院される患者さんもたくさんいらっしゃいます。「そんなこと ..

敗血症、細菌性心内膜炎、毛のう炎、膿皮症、膿痂疹、せつ、よう、ざ瘡、膿瘍、蜂か織炎、感染粉瘤、ひょう疽、褥瘡、創傷および手術後の二次感染、咽頭炎、扁桃炎、耳せつ、鼻せつ、眼瞼炎、涙のう炎、麦粒腫、乳腺炎、リンパ節炎、骨髄炎、骨膜炎、気管支炎、肺炎、胆管炎、胆のう炎、急性膵炎、腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、副睾丸炎、子宮付属器炎、子宮内感染、子宮旁結合織炎、骨盤腹膜炎、淋疾、梅毒、猩紅熱、中耳炎、歯齦膿瘍、急性顎炎、顎骨周囲炎、智歯周囲炎、歯槽骨炎

治療は、抗菌薬(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)の内服が中心となります。

またそれ以外でも、、、レジオネラ、抗酸菌といった菌による感染症に対しても有効です。これらの菌に使えるは限られているため、クラリスロマイシンは非常に貴重な抗生物質になります。

炎症が起きている状態を指します。耳痛、耳閉感などの症状を引き起こし、鼓膜が破れると耳 ..

タミフル(抗ウイルス剤)バニラアイス、リンゴジュース、では逆に苦みが増します。混ぜるとすればチョコアイスクリームのみ苦みが増しません。 4.カロナール細粒(解熱鎮痛剤)ヨーグルト、スポーツ飲料、果汁ジュースなどで苦みが増します。 5.その他フロモックス、ホスミシンは何も混ぜない方が飲みやすい。セフゾン、ケフレックスは味が良い。 赤ちゃんにハチミツを与えると、乳児ボツリヌス症という病気にかかることがあるので注意してください。 乳児ボツリヌス症とは?1歳未満の赤ちゃんがハチミツなどの食品に混入したボツリヌス菌の「芽胞(がほう)」と呼ばれる、菌の種のようなものを口にしたことで発症する感染症です。神経系や筋肉に麻痺を起こす病気です。 抗生物質以外にも、病院で処方される薬は必ず正しく飲みましょう。薬の飲み方について、ご不明な点や不安に思うことがあれば三国の内科、小児科のファミリークリニックあいにご相談ください。 06-6150-2051

ミノサイクリンやクラリスロマイシンによる適切な初期治療が重症化予防に重要です。

副鼻腔炎では黄色ないし緑色の粘膿性鼻汁、いわゆる 『あおばな』『どろばな』が認められます。年少児では鼻水がのどに流れて、痰が絡む咳を訴えることが多いです。一方、アレルギー性鼻炎の鼻水は保護者により 『透明 』『水っぽい』などと表現されます。起床時のくしゃみ、かゆみによる鼻こすりや鼻出血、目をこする仕草なども認めます。またアレルギー性鼻炎と副鼻腔炎が合併していることもよくあります。

・治療は鼻やのどに原因があることが多いので、副鼻腔炎(蓄膿症)、アデノイド(鼻の奥のリンパ組織)、扁桃腺炎の治療を行います。 ..

クラリスロマイシンは非常に幅広い細菌に対して有効です。溶血性連鎖球菌、、などのグラム陽性球菌や一部のグラム陰性桿菌に有効です。

医療用医薬品 : サワシリン (サワシリンカプセル125 他)

内服治療、鼻の洗浄・吸引、ネブライザー療法が主体となります。内服では抗生剤の服用も重症度に応じて必要ですが、お薬だけに頼るのではなく、こまめに鼻水を吸引する、かませる、鼻を洗浄することも効果的です。
子供の鼻水は日常的によく見られる症状ですが、今、耐性菌の存在やアレルギー体質の増加に伴って治りにくい例も増えています。気をつけなければならないのは、ペニシリン系やセフェム系抗生剤の使用を最小限にすること、そして鼻の洗浄や吸引、マクロライド系抗生剤(クラリスロマイシン)や抗アレルギー剤を上手に使っていくことでしょう。また2歳以下の子供では、鼻水が2週間以上続くと中耳炎を合併する可能性が高いので耳鼻科を受診する必要があります。また鼻水が3ヶ月以上も続く子供の場合、鼻炎やその延長にある蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の治療について耳鼻科できちんと相談することが大切です。

ランソプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン[ランサップ] ..

クラリスロマイシンは重要な抗生物質で、多くの優れた点があります。詳しく説明していきます。

日本ではマクロライド耐性溶連菌が増加しているのでクラリスロマイシンやアジスロマイシンは使わない。

副鼻腔炎を発症してから3ヶ月以上経過したものは慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)と診断されます。慢性副鼻腔炎の場合、クラリスロマイシン(マクロライド系抗生剤)というお薬を少量(通常量の70~50%の量)で長期に服用する治療があります。このお薬は抗菌作用としてだけでなく、鼻の粘膜の免疫機能を亢進させたり、炎症による粘液の排泄機能を高めたりします。これが慢性副鼻腔炎の治療の中で使用される大きな理由でもあります。量を減らして処方するため長期に服用しても耐性菌をつくり難いと言われています。投与期間は3ヶ月とされていますが、2ヶ月の投与で効果がわかるため、効果が低い場合は、他の治療法を検討する必要があります。

酸性により製剤のコーティングがはがれ、苦みが増します。 ・クラリス、クラリシッド、ジスロマック ..

特に2歳未満の幼児では急性中耳炎を反復したり、長引くことが言われています。その危険因子として

病院報 Vol.17(小児外来で使用している抗生物質について(後編))

妊娠中や授乳中の場合にはクラリスを使用できないわけではありませんが、気軽に内服できるわけでもありません。妊娠中に高容量のクラリスを投与すると胎児に心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等の異常が生じる可能性があると動物実験にて報告されています。また、クラリスは母乳にも移行します。病気の種類に応じて、治療を行うメリットと治療を行わないデメリットを比較・検討し、担当医と十分に相談して治療に当たりましょう。