慢性副鼻腔炎で14員環のマクロライド系薬を少量長期使用する場合


最後に、この薬に関する知見を一つ。薬はその抗菌作用よりも免疫調整や抗炎症作用に首座をおいて、前述のように長期投与されることが多いのですが、この免疫調整や抗炎症作用の新たなメカニズムが近年の研究で明らかになっております。このことにより薬の免疫調整や抗炎症作用生体に限定した新薬開発が期待されるということで、薬が大量に使用されている現状を打破し対策に貢献すると考えられます。は細菌の進化そのもので、たとえ乱用がなくなっても細菌自身は生存のため改変していきます。乱用の是正で改変スピードを一旦遅らすことができても、新薬がなければいずれ人類は改変した細菌により多くの犠牲を出すことになります。新薬開発に期待しつつ、抗生剤の適正使用に努めていきたいと思います。


3つ目は、EMを少量長期投与しても安全性が高いということ。勿論、胃腸症状 ..

副鼻腔炎が起こる原因としては、まず風邪などのウィルスや 細菌の感染によって鼻腔に炎症が起ります。副鼻腔は鼻腔とつながっていますから、副鼻腔にも炎症が及びます。この状態が急性の副鼻腔炎ですが、急性の場合には自然に治ったり、短期間細菌を叩く抗生物質などの薬物療法で、比較的簡単に治ります。ただ、ここで問題となるのは、副鼻腔粘膜の炎症が長引いた場合で、そうなると本来うみを排出する能力を持った粘膜の働きが悪くなり、粘膜そのものが腫れ上がって鼻腔との交通路をふさいでしまい、さらに炎症が治りにくくなるという悪循環におちいります。この状態が慢性副鼻腔炎、俗に言う蓄膿症です。ひどいときには腫れた粘膜が鼻腔まで広がって、ポリープ(いわゆる鼻たけ)になったりします。
この他にも、ハウスダストや花粉によるアレルギーや、喘息などが副鼻腔炎を治りにくくする場合もありますし、鼻中隔弯曲症や中甲介蜂巣などの骨構造の異常も悪化因子となり得ます。

慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎でマクロライド系抗生物質を少量継続する方法は、「マクロライド少量長期投与療法」と呼ばれ、長年に渡りその有効性と安全性が確認されています。

5-7mg/kg/day (常用量の半量)投与群 28 例 ..

通常、抗生物質は短期間集中投与で効果を発揮しますが、マクロライド少量長期投与療法では、従来の抗生物質療法とは異なるメカニズムで症状改善を目指します。

マクロライド少量長期投与療法は、慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎の症状改善に有効な治療法です。

ライド(エリスロマイシン・クラリスロマイシン)少量を長期にわたって投与する

近年、小児の副鼻腔炎は程度が軽くなってきており自然に治る傾向もあるため、減少傾向にあります。しかし、一方ではアレルギー性鼻炎の合併が60%弱に認められ、滲出性中耳炎などの耳の病気や頑固な咳の原因にもなるために放置できない副鼻腔炎が多いことも事実です。治療は成人の副鼻腔炎とほぼ同様でマクロライド系抗生物質の長期少量投与や抗ヒスタミン剤などの薬物療法が中心となります。ただ、保存的治療で良くならない場合やポリープがある場合、耳や咳などの合併症が良くならない場合は手術が必要となります。一般的には小児の副鼻腔炎は7~8歳をピークとしてそれ以後は治癒傾向にあるために10歳を過ぎても良くなってこないときに手術を考えます。現在では内視鏡下手術により、骨の発育に悪影響を与えない手術もできるようになってきましたが、小児の場合は必要最小限の手術がふさわしいと考えられています。また、術後の治療も重要で、成人以上に完全治癒までの時間がかかるために術後数年間は経過観察が必要です。

蓄膿症と称されていた以前からあるタイプの副鼻腔炎です。非好酸球性副鼻腔炎の中にもいくつかのタイプがあり、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、こどもの頃からの繰り返す急性副鼻腔炎、など非好酸球性副鼻腔炎の成因・病態は様々です。マクロライド少量長期療法(クラリス、ルリッド、エリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質を少量で長期間服用します)が基本的治療ですが、患者様の病態に合わせてアレルギー性鼻炎治療なども併用します。鼻中隔弯曲が原因による副鼻腔炎の治療には手術が必要になることが多いです。また、大きな鼻茸がある場合やマクロライド少量長期療法で改善できない場合は手術適用です。

ライド少量長期投与を最初に報告され、25年間DPBの治療に携わってこ ..

長期間抗生物質を服用することになりますが、安全性は高く、多くの患者さんに有効性を示しています。

治療経過次第ですが、症状が安定していれば、2年を目処にマクロライド系抗菌薬の内服を終了しますが、症状が再燃した場合は内服を再開し、さらに長期間の内服を行わざるをえないこともあります。


投与量は,エリスロマイシン10 mg/kg/day,クラリスロマイシン3 mg/kg/dayとした.

1980年代当初,緑膿菌を主因とする難治性呼吸器疾患に対し,14員環マクロライドの長期投与が患者の病態を著しく改善させる可能性が指摘された。工藤ら1)は,びまん性汎細気管支炎を中心にエリスロマイシンの大規模臨床試験の調査を実施し,これを契機にエリスロマイシンの抗菌活性以外の新たな薬理作用の研究が始まった。現在では,14員環マクロライドであるクラリスロマイシンや15員環であるアジスロマイシンの抗菌作用以外の薬理作用について多数の成果が報告され,マクロライド少量長期療法として各種慢性気道感染症に適応が広がっている。また慢性副鼻腔炎の治療にもマクロライドの長期投与療法が行われ,優れた治療効果を発揮している。そのほか,びまん性汎細気管支炎以外の慢性気管支炎や気管支拡張症,一部の気管支喘息に対する有効性などが報告され,未熟児肺傷害,滲出性中耳炎にも効果があるとの報告が相次いだ。このようにマクロライドは,上気道,下気道を問わず気道粘膜の慢性炎症疾患に対して広く用いられるようになっている。世界有数の治療成績を誇る日本の新生児医療の進歩により,在胎週数の非常に未熟性が強い今までは助からなかった24週未満の児が救命できるようになり在宅酸素療法で退院している赤ちゃんが増えている現状がある。慢性肺疾患(CLD)の赤ちゃんに対して感染予防でのマクロライド少量長期療法を行っている施設もある。また,在宅呼吸サポート療法を必要とする気道病変を有する患者や,気管切開を施行したうえで在宅管理に移行する患者においても使用されることが多くなってきている。ここにマクロライド少量長期療法について解説する。

慢性気管支炎の患者さんに数年にわたりクラリスを少量長期投与しています。 症状詳記をしなくても今のところ査定はされてはいません。

急性副鼻腔炎は抗菌薬による治療を行います。
慢性副鼻腔炎に対しては病態(病状のタイプ)にあわせた薬物を組み合わせます。
慢性副鼻腔炎にはがよく用いられます。これは14印環という構造を持つマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン)を通常量の半量で長期間(2週間から数ヶ月間)服用する治療です。抗菌作用の弱い抗生物質をさらに半量で用いるので長期間服用しても安全です。マクロライド少量長期療法は細菌に対して働くのではなく、鼻・副鼻腔粘膜の慢性の病的状態を正常化し鼻汁や後鼻漏を徐々に改善します。

抗菌薬が用いられるときは通常、アジスロマイシンやクラリスロマイシンなどの薬剤が投与されます。

特に、マクロライド抗生物質は他の薬剤との相互作用が報告されているため、他の薬を服用している場合はその情報を医師に伝えることが大切です。

薬事情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介(2006年1月)

耳鼻科領域を超えての問題は看過できないレベルまで来ており、このまま抗生剤の乱用が続けば年には薬剤耐性菌の感染症で亡くなる人数が癌で亡くなる人数を上回るという試算もあり、世界的に取り込む喫緊の課題であるのは事実です。ですので、抗生剤の漫然とした処方は避けなければなりませんが、慢性の副鼻腔炎や小児に多い慢性の滲出性中耳炎にはクラリスロマイシンやエリスロマイシンといったマクロライド系抗生物質(薬)という細菌の増殖を抑える抗生剤を少ない量で長期間内服するのが有効なのも事実です。ただ、いくら長期とはいえ、さすがに延々と飲み続けるわけにもいきません。過去の報告で週続けてもヶ月続けても効果が同等であったということから、従来ヶ月での効果判定が推奨されてきました。有効であればヶ月までの内服継続は検討されますが、の観点からも効果がない場合は治療方針の転換が必要で、手術療法(鼻の内視鏡手術、小児であれば鼻の奥の扁桃腺であるアデノイドの切除)も選択肢の一つに上がると考えます。

ける改善が見られるということもあるかと思いますが、これより他の薬剤、たとえばクラリスロマイシン、レボフロキ

びまん性汎細気管支炎や慢性副鼻腔炎に対して、や『クラリス』、『エリスロシン(一般名:エリスロマイシン)』などの14員環マクロライド系抗生物質を少量で長期投与する治療方法があります。

1)びまん性汎細気管支炎や慢性気管支炎に伴うクラリスロマイシン不応性の

内視鏡を使用してより安全で低侵襲(傷が少ない)な手術を行っております。手術操作はすべて鼻の穴から行い、鼻茸を切除し罹患している各副鼻腔の病的な粘膜を除去し、各副鼻腔を鼻腔に大きく開放して副鼻腔炎が再発しにくくします。

臥床が長期化すると足腰が弱り,それまでの日常診療に戻れなくなり ..

脂肪細胞が分泌する生理活性物質(アディポサイトカイン)の一種である。アディポネクチンは筋肉・肝臓でのインスリン感受性増強,血管内皮細胞障害の修復作用を介して抗糖尿病作用や抗動脈硬化作用などを示す。肥満の程度が強く内臓脂肪の蓄積量が多いと分泌量が減少して血中濃度は低下し,逆に減量によって増加する。血中アディポネクチンの低下によりインスリン抵抗性が増大して糖尿病を発展させ,動脈硬化も同時に発症・進展する可能性がある。アディポネクチンはメタボリックシンドロームの内因性防御因子である。

治療としては炎症を抑える効果のあるマクロライド系抗菌薬の少量長期内服を行います。 ..

キノロン系の薬のうち、初期に開発されたものをオールドキノロン、それに改良を加えたものをニューキノロンと分類します。
近年使用されているキノロン系は大半がニューキノロンで、腸から血液中へと効率良く吸収される特徴があります。

通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日400mg(力価)を2

クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。

に、クラリスロマイシンとの併用により、相手薬の血中濃度が上昇することから ..

IgEの測定法には,IgEに対する特異抗体を用いて血清中に存在するIgEの総量を測定するRIST法(Radioimmunosorbent Test)と,アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)に対する特異なIgE量を測定するRAST法(Radioallergosorbent Test)やMAST法(Multiple Antigen Simultaneous Test)等がある。アレルゲン特異的なIgE抗体は,肥満細胞や好塩基球に付着しており,アレルゲンが体内に侵入すると,抗原抗体反応が生じ,その結果ヒスタミンなどの化学伝達物質が細胞から放出され,Ⅰ型アレルギー反応(即時型アレルギー反応)が発症すると考えられる。アレルギー性疾患ではRIST法でIgE総量を測定してアレルギー体質の有無や症状の度合いを調べると共に,RAST法やMAST法等でアレルゲンの同定を行うことが重要である。

クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス) – 呼吸器治療薬

クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。