慢性腎臓病の治療薬フォシーガについて考える【腎臓内科医が解説】


■新しい慢性腎臓病治療薬フォシーガ
もともと糖尿病治療薬として用いられていたフォシーガという薬が、2021年8月に慢性腎臓病治療薬として承認されました。臨床試験で、腎機能の悪化、末期腎不全 への進行、心血管死または腎不全による死亡のリスクを39%低下させ、全死亡の相対リスクも31%低下することが示されました。
慢性腎臓病であれば原因を問わず使用可能です。適応は、末期腎不全(eGFR 25未満)または透析中を除く慢性腎臓病で、10㎎錠を1日1回服用します。


フォシーガ 慢性腎臓病治療薬として米国で承認取得 アストラゼネカ

重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。

第Ⅲ相DAPA-CKD試験においてフォシーガは、CKDステージ2~4、かつ尿中アルブミン排泄の増加を認める患者さんを対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)もしくはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB) との併用で、腎機能の悪化、末期腎不全 への進行、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合主要評価項目のリスクを、プラセボと比較して、39%低下させました (絶対リスク減少率 [ARR]=5.3%, p 9。フォシーガの安全性と忍容性は、これまでに確認されている安全性プロファイルと一貫していました。

フォシーガは世界110ヵ国以上で承認されているお薬で、1型糖尿病、2型糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全に使用できます。 ..

DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無を問わず、CKDステージ2から4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,245人のCKD患者を対象に、10mg投与による効果と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験。日本を含む世界21か国で実施された。主要複合評価項目は、CKD患者における腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義。治験実施計画書およびDMC Charter(データモニタリング委員会の設置目的、役割や責任、運営手順の詳細を規定した文書)に記載してある中止(有効性)のガイドラインでは、有効性と安全性データの全体を評価し、データモニタリング委員会が試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性による試験中止の勧告を検討するとしていた。

フォシーガ は、 および においても2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDの治療薬として承認を取得しており、現在世界のその他の国においても審査が進行中です。フォシーガは2型糖尿病成人患者さんの血糖コントロールを改善する食事および運動療法の補助療法、および1型糖尿病 の成人患者さんに対するインスリンの補助療法を適応としています。また、本剤は2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した慢性心不全の成人患者さんの治療薬としても承認されています。

また、水分量の調節やその他さまざまな作用によって慢性心不全や慢性腎臓病を改善します。

フォシーガは、成人2型糖尿病患者の食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスのSGLT2阻害剤。日本では、2019年3月、1型糖尿病の適応を取得した。フォシーガの臨床プログラムは、終了済みの試験を含め3万5,000例以上の患者を対象とする35件以上の第2b/3相試験から構成されており、これまでに250万患者年以上に処方されている。なお、フォシーガのCKDとしての適応を取得している国はまだない。

7.3. 〈慢性心不全、慢性腎臓病〉1型糖尿病を合併する慢性心不全、1型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者では、糖尿病治療に精通した医師あるいはその指導のもとで、適切な対応が行える管理下で5mg1日1回から投与を開始し、また、経過を十分に観察しながらインスリン量を調整した後、10mg1日1回に増量すること(5mg1日1回では慢性心不全及び慢性腎臓病に対する有効性は確認されていない)〔7.1、7.2、8.6、9.1.4、11.1.4参照〕。

ダパグリフロジン、日本で初めて慢性腎臓病に承認取得/AZ・小野

慢性腎臓病の適応取得の根拠となったDAPA-CKD試験の成績を動画で紹介いたします。

同社は、予定の通り進めていたフォシーガの有効性と安全性の検討の結果、フォシーガによる有益性が当初の想定よりも早期に示されたことから、今回、同試験を終了することを決定した。試験の詳細な結果は、今後の学会で発表される予定。また、同社は、予定を前倒しした申請について、各国の当局と協議を開始する。


SGLT2阻害剤フォシーガ、慢性腎臓病治療薬開発でFDA ..

英アストラゼネカ社は3月30日、SGLT2阻害剤フォシーガ(一般名:)の慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした第3相DAPA-CKD試験について、早期に終了することを発表した。今回の発表は、同剤がプラセボに対して、試験開始当初の想定を上回る有効性を示したことに基づく、独立データモニタリング委員会の勧告によるものである。

慢性腎臓病の進行を抑えるため食事療法や運動療法などを行っても、腎機能の低下が止められない場合がある。その時は薬での治療が必要となってくる。

心臓と腎臓が影響を及ぼし合って互いの機能を低下させる「心腎連関」。糖尿病治療薬として開発されたSGLT2阻害薬が、心不全や腎臓病に対する有効性を示し、治療に新たな展開が訪れています。国内では昨年11月、アストラゼネカの「フォシーガ」が慢性心不全の適応を取得し、12月には慢性腎臓病への適応拡大を申請。日本ベーリンガーインゲルハイムの「ジャディアンス」も慢性心不全への適応拡大を申請中で、慢性腎臓病でも開発の最終段階に入っています。

慢性心不全や糖尿病などの治療に用いるフォシーガ錠、「左室駆出率の保たれた慢性 ..

フォシーガは、2019年8月、米国食品医薬品局より、CKD患者の腎不全の進行遅延、心血管死ならびに腎不全による死亡の予防を目的とした開発に対し、ファストトラック指定されている。また、心不全の治療に対しては、米国食品医薬品局が優先審査品目に指定、欧州医薬品庁では薬事承認審査が進行中で、その他の地域でも同様の審査が進行中だ。なお、日本で承認されているフォシーガの適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」。現時点で、フォシーガにおいて、CKDおよび慢性腎不全の適応を取得している国および地域はない。

2020 年にフォシーガⓇ錠に慢性心不全に対 しての適応が追加になり,2021 年には慢性 腎臓病(CKD)の適応も追加になりました。

重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の血糖降下作用が期待できないため、投与しないでください。

フォシーガとは?(SGLT-2阻害薬:腎臓病の新しい治療薬として)

2021年1月13日: アストラゼネカは、SGLT2阻害薬ダパグリフロジン(製品名: フォシーガ)について、2型糖尿病の有無にかかわらず、新規に発症、又は悪化した成人の慢性腎臓病の治療薬として、アメリカにおいて優先審査に指定されたことを発表した。

通常、成人にはダパグリフロジンとして10mgを1日1回経口投与す

「心腎連関」とは、心機能の低下と腎機能の低下が影響を及ぼし合う現象のことです。心臓と腎臓は密接に関連しており、心疾患で心臓の機能が落ちると腎臓の働きが悪くなることがありますし、逆に、腎疾患で腎臓の働きが悪くなると、その影響で心臓の機能が低下することがあります。心不全患者の生命予後は腎機能に大きく左右されることが知られており、慢性腎臓病の患者では心血管疾患のリスクが高まることもわかっています。

「フォシーガ」、CKDの適応追加 国内初、糖尿病合併の有無問わず

近年,血糖降下薬として使用されているsodium glucose co-transporter 2 (SGLT2)阻害薬が,2型糖尿病を合併した慢性腎臓病(CKD: chronic kidney disease)のみならず,糖尿病非合併CKDに対しても使用が可能となりました。今後,CKDに対するSGLT2阻害薬の使用が増加することが予想されますが,SGLT2阻害薬投与を推奨するCKD患者像や,投与時のさまざまな注意点などの情報を,専門医のみならず一般医家の先生方にも幅広く共有することは,CKD患者の透析導入を阻止すると同時に,副作用や有害事象の発症を未然に防ぐことにつながると考えます。日本腎臓学会では,SGLT2阻害薬の有効性や安全性を理解した上でCKD患者に対してSGLT2阻害薬が適正に使用されるよう,日本糖尿病学会と連携して"CKD治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するrecommendation"を策定しました。日本糖尿病学会が策定している「糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するrecommendation」も参考にしながら,本recommendationをCKD診療に御活用ください。
今後,新たなエビデンスの創出により改訂が必要となる場合には,随時内容を更新いたします。

フォシーガ錠 5 mg、同錠 10 mg_アストラゼネカ株式会社_審査報告書

■心不全にもフォシーガ
フォシーガは左室駆出率が低下した慢性心不全の成人患者さんの治療薬としても承認されています。ガイドラインでは、心臓のポンプ機能の目安となる左室駆出率が40%未満の心不全においてフォシーガの使用が推奨されています。

併している CKD 患者において,SGLT2 阻害薬は良い適応

英アストラゼネカ社は8月27日、SGLT2阻害剤フォシーガ(米国での製品名:Farxiga、一般名:ダパグリフロジン)について、慢性腎臓病()患者の腎不全の進行遅延、心血管死ならびに腎死の予防を目的とした開発が、()よりファストトラック指定を受けたことを発表した。今回のファストトラック指定は、2型糖尿病合併および非合併のCKD患者を対象に付与された。

と考えられる。 2.CKD 患者に対する SGLT2 阻害薬使用における注意点

CKDは、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患です(eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義されています 4。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎です 10。CKDは高い有病率や、心不全や若年死をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与しています。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります 2。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています 11。現在、日本におけるCKD患者数は、約1,300万人と推定されています 6

フォシーガ錠10mgの効果・効能・副作用 | 薬剤情報 | HOKUTO

現在進行中の第3相DAPA-CKD試験は、日本人を含む2型糖尿病合併および非合併のCKD患者を対象に、CKDの標準治療への追加治療としてフォシーガを使用した際の腎転帰および心血管死に対する効果を、プラセボとの比較で検討する試験。

フォシーガ錠10mg(アストラゼネカ株式会社)の基本情報・副作用

心不全も腎不全も薬物治療の中心は降圧薬ですが、近年、心臓と腎臓の両方に対する臓器保護作用を持つ薬剤として注目されているのがSGLT2阻害薬です。

フォシーガ錠10mg|一般的な治療薬【臨床研究情報ポータルサイト】

DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例を対象に、フォシーガ10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した国際多施設共同無作為化二重盲検第Ⅲ相試験です。フォシーガ は1日1回、ACEiもしくはARBによる治療と併用されました。複合主要評価項目は、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、心血管または腎不全による死亡)リスクでした。副次評価項目は、腎機能の複合評価項目(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間でした。試験は日本を含む21カ国で実施されました 1。結果は に掲載されました 1