フォシーガの心不全への効果について、ここまで解説したことをまとめました。


代償機転には、心臓に負担をかけるもの(心筋障害因子)だけでなく、心臓に優しいもの(心筋保護因子)もあります。
心臓に負担がかかりすぎて、代償機転のバランスが心筋障害因子のほうに崩れると、息切れなどの心不全の症状が起こります。


フォシーガと心不全に関連してよくある質問にお答えしていきます。

近位尿細管におけるナトリウム・グルコース共輸送体であるSGLT2を阻害することにより、尿中への糖排泄を増加させ、血糖値低下が期待できます。に用いられてきましたが、蛋白尿減少・腎保護効果や心不全の予防または進行を遅らせることが示され、糖尿病合併の有無は問わず(CKD)に使用できるようになりました。ガイドライン上でも、心不全患者における標準的治療薬の一つとされ、CKDでの推奨度も高くなるなど重要視されています。

心不全になると全身に血液などの体液を循環させるポンプ機能が低下します。
このポンプ機能の低下を補うために、脈拍が増えたり血圧が高くなったりといった様々な変化(代償機転)が起こります。

[PDF] 慢性心不全治療薬としての SGLT-2 阻害薬について

ナトリウム利尿ペプチド(ANP、BNP、CNPなど)は、心不全になるとより多く分泌されるホルモンの1つで、血管を広げたり、余分な水分やナトリウムを尿中に排出させたりして、循環させなければいけない体液量を減少させて心臓の負担を減らします。

心不全は「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなって、生命を縮める病気」です。
坂道や階段での息切れは、年齢のせいではなく心不全かもしれません。

SGLT-2 阻害薬のフォシーガ錠が 2020 年に慢性心不全の効能が追加承認され、翌年にジ

心不全になると循環する体液の量が減り、血圧が下がってくるので、これを修正するために、体液の量を増やして、血圧を上げるような変化がおきます。

2型糖尿病の方を対象とした臨床試験では、フォシーガの服用でHbA1cが平均で0.41~0.45低下したという結果が得られています。また、別の臨床試験では、長期間にわたって安定した血糖コントロールが得られたことが報告されています。
また、インスリンによる治療で血糖コントロールが十分にできていない1型糖尿病の方を対象とした試験では、インスリンとフォシーガの併用でHbA1cが平均で0.36~0.40低下したという結果が得られています。

慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。 4). 慢性腎臓病<末期腎不全又は透析施行中の患者を除く>。 ..

“DAPA Care”は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の臨床プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。またフォシーガは、現在、2型糖尿病合併の有無に関わらず、駆出率が保たれた心不全患者さんを対象として有効性を評価するDELIVER第Ⅲ相試験および急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

標準的な治療を受けている慢性心不全の方を対象とした臨床試験では、フォシーガの服用で心不全関連イベント(心血管死、心不全圧下による入院など)が26%低下しました。
つまり、標準的な治療にフォシーガを追加することで、心不全悪化のリスクや死亡がおさえられ、生命予後が改善される可能性が示唆されたということになります。


SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野

○慢性腎臓病
ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。

心不全患者において、SGLT2 阻害薬(ダパグリフロジンとエンパグリフロジン)は 2 型

○慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

フォシーガ 慢性心不全 作用機序movie | ONO MEDICAL NAVI

5.1. 〈1型糖尿病、2型糖尿病〉糖尿病で重度腎機能障害のある患者又は糖尿病で透析中の末期腎不全患者では本剤の血糖降下作用が期待できないため、投与しないこと〔8.2、9.2.1参照〕。

慢性心不全治療薬の処方動向 フォシーガの慢性心不全患者への使用割合は全処方患者の「10%強」 ..

4). 慢性腎臓病<末期腎不全又は透析施行中の患者を除く>。

[PDF] 心不全患者に対する SGLT2 阻害薬 処方実態調査

対象:食事や運動または使用している血糖降下薬で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者249例
方法:フォシーガ錠5mgまたは10mg(増量時)を 1日1回52週間投与

フロジンプロピレングリコール水和物、以下、フォシーガ)は、標準治療を受けている慢性心不全(以

3). 慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。

米で心不全適応が拡大 左室駆出率を問わず使用可能に | 日刊薬業

フォシーガはインスリン製剤の代替薬ではありません。特に1型糖尿病の方の場合、体内でインスリンを産生できないため、インスリンを中断することはできません。インスリンの投与を中止すると、急激な高血糖やケトアシドーシスが生じるおそれがあるため、自己判断でインスリンの投与を中断しないでください。

効能又は効果において、「ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者

7.3. 〈慢性心不全、慢性腎臓病〉1型糖尿病を合併する慢性心不全、1型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者では、糖尿病治療に精通した医師あるいはその指導のもとで、適切な対応が行える管理下で5mg1日1回から投与を開始し、また、経過を十分に観察しながらインスリン量を調整した後、10mg1日1回に増量すること(5mg1日1回では慢性心不全及び慢性腎臓病に対する有効性は確認されていない)〔7.1、7.2、8.6、9.1.4、11.1.4参照〕。

薬食審・第一部会 フォシーガの慢性心不全の適応追加、承認了承 SGLT2阻害薬で初 ..

緒方:アストラゼネカにとって、循環器・腎・代謝という領域は重要な位置付けで、グローバルで見ても成長ドライバーになっています。互いに密接に関連している疾患だということを踏まえて、主に代謝、心不全、慢性腎臓病、この辺りの薬剤をしっかりと提供することで、疾患の進展抑制、臓器保護、予後改善を目指すという考えでポートフォリオを組んでいます。

心不全を発症した慢性心不全の状態がステージC で、心不全の増悪を ..

矢島:腎不全の患者は、心臓が悪くなればなるほど心血管死や腎不全による死亡が増えるし、逆に心不全が悪くなれば腎臓も悪くなるので、これらは1つの疾患群と捉えていいと思うんです。フォシーガはそれらに対して総合的に効果を示せるようなので、臨床現場で有用に使っていただけるのではないかと期待しています。

新潟大学 猪又教授に慢性心不全患者さんへの指導方法についてお伺いしました。

緒方:循環器、腎、代謝の領域は、お互いに悪影響を与え合うので、慢性心不全に加えて慢性腎臓病の適応を取得することで、より患者の役に立てると考えています。

SGLT2阻害薬は心不全でも腎障害でも頼りになるマルチプレイヤー

心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、重大な症状を引き起こす疾患です。しかし、早期発見・早期治療が行われると、症状を改善し、生活の質を向上させることができます。定期的な健康診断を受け、症状があれば早めに医療機関を受診することが、健康を維持するために大切です。治療には薬物療法や手術療法があり、新しい薬剤や技術が登場し心不全の予後改善に期待が寄せられています。

3) 日本循環器学会・日本心不全学会:心不全治療における SGLT2 阻害薬の適正使用に関する.

矢島:われわれが日本、英国、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの6カ国で約77万人の2型糖尿病患者を対象に行ったリアルワールド研究では、2型糖尿病患者が最初に発症する心血管・腎疾患は慢性腎臓病が最多で、次に心不全が多いことがわかりました。心機能や腎機能を悪化させないため、糖尿病を早期に治療することは非常に重要です。そこはSGLT2阻害薬がすごく役に立てるところですし、心不全や慢性腎臓病を発症した患者についても、心腎連関を意識しながらトータルでケアすることができる。フォシーガは、早期の段階から心不全や腎臓病を発症する後期の段階まで、幅広く患者の役に立てる薬剤として成長させていきたいと思っています。

慢性心不全,慢性腎臓病1日1回10mg,経口投与。 重大な副作用・国内1

フォシーガ錠は5mgと10mgがあり、必要性や用途に応じて量を調整していきます。

慢性心不全の治療目的でフォシーガ錠を使用する場合は10mgを1日1回投与するため、処方医

薬物療法および原因に対する手術療法を組み合わせても治療の難しい心不全に対しては、心臓が収縮するタイミングのズレを電気刺激で修正する心臓再同期療法や、補助人工心臓、心臓移植などの手術が検討されることもあります。近年では再生医療の技術を用いた心筋細胞シートの研究が進み、実用化が期待されています。

慢性心不全の適応追加 AZ/小野薬品、SGLT2阻害剤で国内初 | 日刊薬業

虚血性心疾患や弁膜症など、心不全の原因となった疾患に対して手術療法が有効なことがあります。

虚血性心疾患に対しては、狭窄・閉塞した冠動脈に対する手術を行います。カテーテルを用いて狭窄・閉塞部位を拡げる経皮的冠動脈形成術(PCI)や、外科的に胸部を開いて狭窄した冠動脈に迂回路を作る冠動脈バイパス手術(CABG)が行われます。

弁膜症の手術には、弁膜を修復する方法(弁形成術)と、弁膜を置換する方法(弁置換術)があります。胸部を開き、心臓の拍動を停止させて手技が行われるため患者さんに対する侵襲度が高いものでしたが、最近では小さな切開で行われる手術(低侵襲心臓手術;MICS)や、大動脈弁狭窄症に対してカテーテルで弁置換術を行う経皮的カテーテル大動脈弁置換術(TAVRもしくはTAVI)、僧帽弁閉鎖不全症に対してカテーテルで弁形成術を行う経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip)が登場しました。そのため従来手術に耐えられなかった高齢の患者さんなどに低侵襲で手術を行えるようなりました。

フォシーガ、標準治療を受けている慢性心不全で追加承認-AZほか

5.3. 〈1型糖尿病、2型糖尿病〉本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。