相談室2:グレープフルーツ以外に注意すべきかんきつ類:日経DI


ただし最近、基礎的な実験系でオレンジジュースでもグレープフルーツジュースのようにP糖蛋白輸送(薬物排出トランスポーター)を阻害するという報告が見られます。しかし、医薬品に対する影響はグレープフルーツジュースの場合でも、主にCYP3A4によるもので、P糖蛋白輸送阻害の影響は一部のみということが明らかにされています。可能性としては、オレンジジュースや他の柑橘系でもこういった機序で医薬品へ影響する可能性は考えられますが、それほど著しい影響はないと思われます。


におけるシトクロムP450 (CYP) 3A4やP糖タンパク質 (MDR1) を阻害することで ..

でも、これは、ひとつの目安に過ぎませんので、そのような時には主治医の先生か、かかりつけ薬局の薬剤師に相談してください。なお、グレープフルーツジュース中のCYP3A4を阻害する物質については、従来はその苦み成分であるフラバノグリコシド類であるナリンジン、とそのアグリコンであるナリンゲニンなどであるといわれていましたが、否定的な報告もあり、最近ではフラノクマリンやオキシソラレンによる可能性が指摘されています。

一般的にグレープフルーツの果実1/4程度から影響が現れ始めるといわれていますので、少しだからと侮らないことです。特にジュースの場合はかなりの量になりますので気がついたら、ひとまず薬の服用を控えてください。グレープフルーツジュースを飲用した直後から4時間まで、フェロジピンの代謝は著明に抑制されたという報告があります。グレープフルーツジュースの影響はその後徐々に減弱していきますが、24時間後でもCYP3A4に対する阻害作用は残るといわれています。従って、グレープフルーツジュース飲用後、少なくとも4時間はCYP3A4で代謝される医薬品の服用は差し控えるべきです。

通常はCYP阻害薬(マクロライド等)の投与を中止して濃度が低下 ..

てんかん患者の約3割を占める薬剤抵抗性の難治てんかんは抗てんかん薬の多剤併用が必要となる場合が多く,副作用や相互作用の発生頻度が増加する.本研究は小児難治てんかん患者709名を対象としlamotrigine(LTG)の薬物動態解析を目的とした.LTG血漿中濃度はUGT阻害剤であるvalproic acidにより大きく上昇し,その阻害作用は濃度依存的であった.一方,phenytoin,carbamazepineなどUGT誘導作用を有する抗てんかん薬の併用によりLTG血漿中濃度は大きく低下したが,その作用はphenytoinが最も強力であった.本研究で構築したLTG血漿中濃度の推定式はLTG新規導入時のみならず,UGT阻害剤や誘導剤を追加・中止した場合の動態予測にも有用である.本研究成果が難治てんかんの薬物治療において,多剤併用時の薬物動態の変動や副作用発症の予測に貢献できれば幸いである.

クレモフォールELはCYPやトランスポーターを阻害することが知られている製剤添加剤であるが,臨床試験で阻害作用を検討した報告はほとんどない.そこで我々は,CYP3A及びP-gpの基質としてサキナビルを,P-gpの基質としてフェキソフェナジンを用い,健常成人におけるクレモフォールELの阻害作用をopen-label three-phase crossover試験により検討した.経口投与後のフェキソフェナジンのCmax/AUCはクレモフォールEL併用により有意に上昇したことから,クレモフォールELによる消化管でのP-gpの阻害作用が確認された.一方,サキナビルのCmax/AUCはクレモフォールEL 低投与量の併用で有意に減少,高投与量でコントロールと同程度となった.この原因を解明するために平衡透析実験を行った結果,サキナビルはフェキソフェナジンと比較してクレモフォールELが形成するミセルに取り込まれやすく,そのため消化管管腔内でのフリー濃度が減少し,消化管からの吸収が低下したと推察された.製剤添加剤は多くの医薬品に使用されているが,このように医薬品の薬物動態に影響を与える製剤添加剤もあるため,その影響を理解して使用することが重要である.

別表4 CYP の関与する基質,阻害薬,誘導薬の代表例(特に高齢者での使用が想定され注意 ..

マクロライド系抗菌薬の多くは、肝代謝酵素CYPを阻害することが報告されており、ワルファリンやシクロスポリン等の作用を増強することが知られている。
通常はCYP阻害薬(マクロライド等)の投与を中止して濃度が低下すると相互作用は消失するが、濃度が低下した後も相互作用が持続することが報告されている抗菌薬は、次のうちどれか。

前回の基礎から学ぶ薬剤師塾「腎機能低下時に減量が必要な薬~根拠は尿中排泄率だけじゃない~」はむつかしかったというアンケート結果が多かったです。おそらく前半はいつも話している腎排泄性薬物による副作用なので優しかったのでしょうが、非腎クリアランスの低下する薬は「このCYPが問題!このトランスポータが問題だ!」などと言い切ることができないため、まとめにくい内容です。それでもCYP2C9基質は腎不全・尿毒素の影響を受けやすいということがある程度、予測できるようになったことを中心にまとめさせていただきました。

本剤は、CYP2C8/9、CYP1A1/2、3A4及び2C19に対する阻害を示すため、これらの CYP 分子種 ..

グレープフルーツジュースが医薬品と相互作用するのですから、仲間のジュースも相互作用を示すかどうかという疑問がでてくるのは当然です。しかし、オレンジジュースと医薬品の相互作用に関する有害事象の報告は今のところみあたりません。

花粉症などによるアレルギー性鼻炎や湿疹の治療に使用されるフェキソフェナジンは、CYP3A4による代謝ではなく、このトランスポーターOATPを通じて吸収される薬の1つだ。トランスポーターが抑制されると、結果として血液中に入る薬の量が少なくなり、薬が効かなくなる可能性があるというわけだ。


(CYP)3A を阻害し,基質薬物の血漿中濃度を上昇させることが知られている。最

グレープフルーツは多くの医薬品との相互作用があります。自分で勉強していたり、薬局で働いている時に薬情などを見ていても、「グレープフルーツジュースは避けること」と言う記載はよく目につくと思います。しかし、患者さんから「私が飲んでいる薬はグレープフルーツと相互作用はありませんか」と質問されると、即答できないケースもあるのではないでしょうか?グレープフルーツとの相互作用がある医薬品は非常

ムP450 (CYP) 3A 阻害薬であるリトナビルが、 SARS-CoV-2 に対して ..

なお、イチョウ葉エキスには、各種テルペノイド・フラボノイドの他、有害物質のギンコール酸などが含まれています。ギンコール酸は接触皮膚炎やアレルギーを起こす成分であり、ドイツで製造されている前出のEGb761などでは5ppm以下に抑えられています。また、有効成分の組成も、抽出方法の違いから、国内産のものとは多少の相違が考えられます。
以上、安心して摂れるイチョウ葉の選定に関しては、いくつかの視点からの検討が必要なようです。

CYP3A4の阻害剤又は誘導剤を併用している患者においては」ということで ..

2013年、ハーバード公衆衛生大学院の村木氏らは、米国の医療従事者約350万人を対象にした前向き調査の結果、グレープフルーツのほか、ブルーベリー、ブドウ・レーズン、リンゴ・ナシ、バナナを週3回摂取することと、2型糖尿病に罹患するリスクの有意な低下が関連していたことがわかったことを報告した。ちなみに、果物ジュースをよく飲むことは2型糖尿病リスクの上昇と関連していたという。果物がジュースに加工される時点で、食物繊維が減ってしまうことが影響しているのではないかと筆者は考察している。

腎障害がありCYP3A4を強く阻害する薬剤(アタザナビル, クラリスロマイシン ..

一方、イスラエルのヘブライ大学ハダッサ医科大学のGorinstein氏らは、冠動脈バイパス手術を受けた43~71歳の高脂血症患者72人を対象にした30日間のプラセボ対照試験の結果、グレープフルーツとザボンを交配してできたスウィーティーの新鮮なジュースを毎日100mlまたは200ml飲むと、LDLコレステロールが低下したと報告している。

フェキソフェナジン塩酸塩は第二世代のヒスタミン H1 受容体拮抗薬に分類され ..

CYP1A2の遺伝子多型はテオフィリン等の基質薬物の体内動態や薬物応答性の個人差に影響することが示唆されている.しかしながら,酵素活性変化の程度が明らかになっていないバリアントが多い.そこで本研究では,これまでに同定されている20種類のヒトCYP1A2遺伝子多型バリアント酵素におけるフェナセチンO-脱エチル化活性およびエトキシレゾルフィンO-脱エチル化活性の変化を酵素反応速度論的に解析し,機能変化が生じる遺伝子多型を明らかにした.活性低下が認められたバリアントには,基質認識部位やヘム結合領域にアミノ酸置換を伴うバリアントが含まれ,その構造変化が活性変化に大きく影響していると考えられた.また,3次元構造シミュレーションにより,いくつかのバリアントにおいて,アミノ酸残基間の水素結合消失による立体構造変化が酵素活性変化に大きく影響する可能性が見出された.本研究の結果は,患者のCYP1A2の遺伝子型に適した個別化薬物療法の展開に貢献することが期待される.

DIクイズ5:(A)グレープフルーツジュースの影響を受ける降圧薬

一方、相互作用では、①チアジド系利尿薬での血圧の上昇(代謝阻害)②トラゾドン(レスリン)での昏睡状態(GABA 性シナプス増加,CYP3A4 阻害)③ワルファリンの抗血液凝固作用の増強(協力作用)④アスピリンでの前房出血(協力作用)⑤ジゴキシンでの血中ジゴキシン濃度の上昇(原因不明)などが報告されています。
<「食品・サプリメントと医薬品との相互作用」内田信也・山田静雄より>

[PDF] 医薬品インタビューフォーム フェキソフェナジン塩酸塩錠 ..

CYP誘導、阻害、基質など添付文書の併用注意・併用禁忌の欄には様々な記載があります。併用注意に関しては実務上はほぼ無視されている現状がありますが、実際にはどの程度代謝に影響を及ぼすのかPISCS(ピスクス)を用いて予測できるようにしましょう添付文書の問題点個人的に感じていた、これまでの添付文書の問題点です。・記載箇所がわかりづらい ・排泄経路について一目でわかりづらい ・相互作

フェキソフェナジン塩酸塩は第二世代のヒスタミン H1 受容体拮抗薬に分類されるが ..

薬物代謝酵素のシトクロムP450。通称、CYP(シップ)と呼ばれますが、その中でも多く関与するのがCYP3A4です。CYP3A4で代謝される薬剤が多いことからも、CYP3A4を阻害する代表的な薬剤については要注意薬剤として頭に入れておくとよいでしょう。以下にCYP3A4を強く阻害する代表的な薬剤と併用禁忌薬についてまとめてみました。CYP3A4を阻害する薬剤一覧・併用禁忌薬イト

多くの薬は、主に小腸と肝臓に存在する薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)で代謝されます。 ..

2010年にエストロゲン受容体陽性乳がんの治療薬であるタモキシフェンの添付文書が改訂され,抗うつ薬等のCYP2D6阻害薬の併用によって活性代謝物の血漿中濃度が低下し,効果が減弱するおそれがあることが注意喚起されました.本研究の対象となったトレミフェンは,タモキシフェンと類似の構造をもつ乳がん治療薬であるため,臨床現場からトレミフェンは大丈夫なのか?という声が数多く上がりましたが,トレミフェンの活性代謝物や代謝酵素についての詳細は解明されていませんでした.今回,分析系の開発から着手し,評価に多くの時間がかかってしまいましたが,においてトレミフェンの活性代謝物の生成はCYP2D6の影響を受けにくいということが明らかになりました.今後は臨床レベルでの検証が必要になりますが,このような情報提供によって患者さんや医療従事者の不安が少しでも解消され,薬剤の適正使用に役立つことを望んでいます.

実際、山本氏は、アビラテロン服用患者に小青竜湯エキス製剤が処方された際、フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ他)への変更を提案したという。

こんにちは。薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」の伊川です。マクロライド系の抗菌薬の中で、よく使われるのがクラリス、クラリシッドなどの「クラリスロマイシン」ではないでしょうか。この「クラリスロマイシン」はクセ者で、注意しないといけないのが「CYP3A4阻害」を有することです。併用禁忌を見逃すケースがありますので注意が必要です。実は私が以前、クラリスの併用禁忌を見逃してスルーした経

であり OATP1B1 の基質でもある場合は、リファンピシンによる酵素誘導試験を適切にデザインし、その試験結

高齢化の進展と、それに呼応してのメディアでの健康情報の増加などから、イチョウ葉も衆目を集めているようです。イチョウ葉は、日本では健康食品に分類されますが、ドイツやフランスなど一部の国では医薬品として扱われているものです。期待される効果としては、記憶改善、脳機能障害の改善、そして末梢循環障害の改善です。その効果の程を見てみますと、1997年にLe Barsらが、軽度から重度のアルツハイマー症または脳血管性痴呆症の患者309名に対し、規格基準品であるEGb761を一日120mg、52週間投与した治験では、患者の認知力を測定するADAS-Cogスコア(70点満点)が、プラセボ群(偽薬群)に対してEGb761投与群で1.4ポイント改善し、患者の行動指数を表すGERRIスコアが0.14ポイント向上したと報告されています。

注 2) フェキソフェナジン塩酸塩円形錠とアレグラ錠 60 mg は生物学的に同等で ..

薬物や栄養物質の体内動態に関わる各種トランスポーターに対するフラボノイド類の阻害作用に対する関心が高まっている.小腸の葉酸トランスポーター(PCFT)に対するミリセチン(ワイン等の含有成分)の持続性阻害作用も,その種の事例の一つである.今回,PCFT安定発現細胞を用いてその解析を進めた結果,ミリセチン濃度に依存した強い阻害作用を生じること,ミリセチンによる阻害作用の最大化に60分程度を要すること,ミリセチン除去後の輸送活性回復に90分程度を要すること等が明らかとなった.持続性ではあるが,比較的短時間で輸送活性が回復するという特徴から,可逆的なメカニズムによるPCFT分子の修飾が原因となっている可能性が推察される.引き続き,そのメカニズムの解明を図ることで,PCFTの輸送活性制御機構への理解が進み,PCFT機能に影響するより広範な要因の把握に役立つことを期待したい.