レナリドミドとデキサメタゾン併用療法へのボルテゾミブ追加投与は


再発・難治性多発性骨髄腫の治療においては,プロテアソーム阻害薬や免疫調節薬などの新規薬剤が導入され,治療成績の向上が報告されている。これまでに大量デキサメタゾン(DEX)療法との第Ⅲ相比較試験としては,ボルテゾミブ(BOR)単剤療法,レナリドミド(LEN)+大量DEX 併用療法,ポマリドミド(POM)+ 少量DEX 併用療法が行われており,それぞれの有用性が示された。


多発性骨髄腫に対するダラツムマブ,ボルテゾミブ,レナリドミド,デキサメタゾンの併用

初発症候性骨髄腫患者に対するデキサメタゾン(DEX)投与量の比較は,レナリドミド(LEN)に大量DEX 療法と少量療法を併用したECOG E4A03 試験で行われた。LEN は25 mg を21 日間経口投与し,1 週間休薬した。大量DEX 療法では,従来通り40 mg を第1〜4 日,第9〜12 日,第17〜20 日に投与し,少量療法では,40 mg を第1,8,15,22 日に投与した。そこで,1 カ月のDEX 総投与量は1/3 となる。1 年の中間解析時点で,少量療法の生存割合は96%で,大量療法群の87%に比して有意に良好であった。特に,65 歳以上の高齢者では,少量療法の94%は,大量療法の83%に比し有意に良好であった。これは,大量療法群では感染症を中心とした有害事象による死亡が多かったことによる。また,移植非適応例に対するMP 療法(MEL, PSL)とTD 療法(THAL,DEX)のランダム化比較試験の結果が報告されている。MP 療法では,MEL 0.25 mg/kg,PSL 2 mg/kg の4 日間投与を28〜42 日サイクルで投与した。TD 療法では,THAL 200 mg 連日,DEX 40 mg の第1〜4 日,15〜18 日投与を28 日サイクルで投与した。TD 療法の全奏効割合は,MP 療法に比し有意に高かったが(68% vs 50%),無増悪生存期間(PFS)は同等で,全生存期間(OS)は有意に短かった(41.5 カ月vs 49.4 カ月)。これは有害事象がTD 群で有意に多く,特に75 歳以上の高齢者で発現頻度が高かったためである。以上より,高齢多発性骨髄腫患者には少量DEX 療法が推奨される。

移植非適応の初発症候性骨髄腫患者に対する寛解導入療法は,従来MP 療法(MEL, PSL)が標準療法であった。しかし,サリドマイド(THAL),ボルテゾミブ(BOR),レナリドミド(LEN),ダラツムマブ(DARA)などの新規薬剤が開発され,MP 療法やデキサメタゾン(DEX)に併用する臨床研究が行われた。

デキサメタゾン併用時の奏効率は、024 試験の 1.0mg/m2 投与群では 37%(10/27 ..

65 歳未満の若年者骨髄腫を対象とした自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT)と通常量化学療法との第Ⅲ相比較試験が多数報告されている。9 つのランダム化比較試験による2,411 例のメタアナリシスが報告されている。対象年齢を70 歳までとした試験も含まれているが,HDC/AHSCT はOS で標準化学療法と差はなかったが,PFS で有意に優れていた。OS で差がみられなかったことは再発時のHDC/AHSCT によるサルベージ効果で説明されている。その後,新規薬剤が登場したことにより,現在でもupfront にHDC/AHSCT が必要であるかが検討されている。レナリドミド+デキサメタゾン(Ld)4 コースの寛解導入療法後に,HDC/AHSCT(タンデム移植)群とメルファラン+プレドニゾロン+レナリドミド(MPL)6 コース群にランダム化した第Ⅲ相試験では,PFS 中央値(43 カ月vs 22.4 カ月,p<0.001),4 年OS(81.6% vs 65.3%,p=0.02)ともに有意にHDC/AHSCT 群が優れていた。HDC/AHSCT とレナリドミド+シクロホスファミド+デキサメタゾン(LCD)にランダム化した試験では,PFS 中央値(43.3 カ月vs 28.6 カ月,p<0.0001),4 年OS(86% vs 73%,p=0.004)ともにHDC/AHSCT 群が有意に優れていた。これらの2 つの試験は,導入療法にボルテゾミブが使用されてなかったが,IFM2009 試験では,ボルテゾミブ+Ld(BLd)療法3 コースの導入療法後にHDC/AHSCT を行い,その後2 コースのBLd とレナリドミド維持療法を行う群と,8 コースのBLd とレナリドミド維持療法を行う群にランダム化している。この試験でもPFS 中央値(50 カ月vs 36 カ月)と有意にHDC/AHSCT 群が優れていた。これらの結果より,65 歳未満の若年者においてHDC/AHSCT は,薬物療法単独よりPFS を延長させると考えられ推奨できる。ただし,治療関連死亡(TRM)のリスクが上昇するので注意を要する。

再発・難治例に対する新規薬剤として,ボルテゾミブ(BOR)やレナリドミド(LEN)が多く使用されている。これらの薬剤は単剤療法としてではなく,主にデキサメタゾン(DEX)との併用療法として用いられてきたが,欧米ではシクロホスファミド(CPA)やpegylated liposomal doxorubicin(PLD),ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬であるパノビノスタット(PAN)などとの併用療法も試みられており,より高い奏効割合が報告されている。

ボルテゾミブ静脈内投与、メルフェラン経口投与およびデキサメタゾン経口投与の併用療法 ..

65 歳未満で重要臓器機能の保持されている初発骨髄腫患者に対しては,効果が迅速で深い奏効を期待でき,かつ自家造血幹細胞採取効率に悪影響を与えない導入療法を施行(移植適応患者:,エビデンスレベル1iiDiv)後,自家造血幹細胞移植を併用した大量MEL 療法を実施することが推奨される(移植適応患者:,エビデンスレベル1iiA)。移植適応患者に対する導入療法としてMEL などのアルキル化剤やレナリドミド(LEN)の長期投与を施行すると,造血幹細胞採取効率の低下につながることが知られており注意が必要である。推奨導入療法としては,高い奏効割合が期待できるボルテゾミブ(BOR)とデキサメタゾン(DEX)併用の導入療法(BD 療法)があり,3〜4 コース施行後に自家末梢血幹細胞採取と保存を行う。より高い効果を期待できる導入療法として,新規薬剤を含む3 剤併用療法であるBCD 療法[BD+シクロホスファミド(CPA)],BAD 療法[BD+ドキソルビシン(DXR)]やBLD 療法[BD+レナリドミド(LEN)]があるが,同時に毒性も増強することに留意すべきである。腎障害を伴っていてもBOR は使用しやすい薬剤である。しかし,肺の間質影や末梢神経障害が存在する場合などのBOR による毒性が懸念される場合には,Ld(LEN+少量DEX)療法,VAD 療法(VCR, DXR, DEX)や大量DEX 療法(high-dose dexamethason:HDD)なども選択肢となる。自家末梢血造血幹細胞は,G-CSF 単独またはCPA 大量療法にG-CSF を併用して採取し,CD34 陽性細胞で2×106 個/患者体重(kg)以上の造血幹細胞を得ることを目標とし凍結保存しておく。わが国においても,CX chemokine receptor 4(CXCR4)とstromal derived factor-1 alpha(SDF-1α)の相互作用を阻害するplerixafor(Mozobil)が承認され,G-CSF との併用でより効率的に造血幹細胞採取が実施できるようになった。また再発時の救援療法としての2 回目の自家造血幹細胞移植に備えて,2 回分の造血幹細胞を凍結保存しておくことも選択肢となるが,使用期限を含めた凍結幹細胞の質的保証体制など施設の現状に合わせた運用が必要である。大量MEL 療法は通常200 mg/m2 を2 日間に分けて投与するが,腎障害がある場合には70%に減量する。2 日目の大量MEL 投与の翌々日に凍結しておいた自家末梢血造血幹細胞を輸注する。早期からの新規薬剤の使用により大量MEL 療法を行うことなく同等の無増悪生存期間が得られるかどうかの臨床試験が複数行われているが,これまでに報告された試験結果からは大量MEL 療法を組み込むことが65 歳未満の患者に対する標準治療である(移植適応患者:,エビデンスレベル1iiDiii)。1 回目の移植後の効果が最良部分奏効(VGPR)未満の患者においては,2 回目の移植(タンデム移植)を実施することで無増悪生存期間(PFS)や全生存期間(OS)の延長効果が得られることが示されている(移植適応患者:,エビデンスレベル2A)。また新規薬剤時代の一部の臨床試験で,染色体高リスク患者に対するタンデム移植のPFS 延長効果が示されている(移植適応患者:,エビデンスレベル2Diii)。しかし最近の欧米の臨床試験では,1 回目の移植後の地固め療法や維持療法として新規薬剤が使用されておりPFS の延長効果,そして一部の臨床試験においてはOS の延長効果も示されている(移植適応患者:,エビデンスレベル1iiDiii)。しかし,いずれの薬剤を用いた場合も至適投与法(投与量,投与レジメンや投与期間など)は確立されておらず,一貫したOS 延長効果が示されるには至っていない。したがって,地固め療法や維持療法は臨床試験での実施が望ましい。日常臨床においての地固め療法や維持療法は,薬剤耐性化や二次がんの発症を含めた有害事象のリスクと患者利益,そして医療経済的な側面をよく考えて,患者ごとに実施するかどうかを決定する必要がある。さらに治癒を目指して,自家造血幹細胞移植後に骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植(ミニ移植)を実施する戦略も試みられているが,現段階では研究的治療の域を出ず,臨床試験としての実施が推奨される(移植適応患者:)。

自家造血幹細胞移植が適応にならない患者さんには、化学療法が行われます。高齢者が中心となることもあり、ボルテゾミブとレナリドミドの両方を含む併用療法は困難な場合も多いので、「レブラミド+デキサメタゾン療法(Ld療法)」あるいは「メルファラン+プレドニゾロン+ボルテゾミブ療法(MPB療法)」が推奨されています。

という内服薬を併用して行います。ベルケイド、レブラミドは、共に腫瘍の増殖を抑えるお薬です。レナデックスは

導入療法として、新規薬剤を含む3剤併用療法が行われます。基本的に65歳未満なので、3剤併用にも十分に耐えられるからです。よく行われているのが、「ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン療法(BLd療法)」で、これを3~4コース行った後に末梢血中の幹細胞を採取します。

上記の4週間を1サイクルとし、投与を繰り返す
※レナリドミド及びデキサメタゾンと併用


本試験は再発・難治性多発性骨髄腫を対象に Weekly ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用療法を实 ..

「エムプリシティ」は骨髄腫細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞)の表面にあるSLAMF7に結合する抗体で、NK細胞に結合することでその免疫作用を活性化するとともに、骨髄腫細胞に結合することでNK細胞が攻撃対象として認識されやすくするという二重の作用機序を持ちます。国際共同P3試験では、レナリドミドとデキサメタゾンの併用療法に上乗せすることでPFSを有意に延長し、奏効率も有意に改善しました。

[PDF] 多発性骨髄腫患者に対する低用量デキサメタゾン併用療法時における

「カイプロリス」の承認取得(16年7月4日)と同じ日、武田薬品工業は新規プロテアソーム阻害剤イキサゾミブを申請しました。「ベルケイド」と「カイプロリス」はいずれも注射剤ですが、イキサゾミブはプロテアソーム阻害剤としては初の経口剤。承認されれば、併用薬のレナリドミド、デキサメタゾンを含め経口剤だけのレジメンが初めて可能になり、利便性の向上が期待できそうです。

併用療法、ボルテゾミブ、シクロフォスファミド、デキサメタゾンの併用療法の治療歴があ

「ファリーダック」は、骨髄腫細胞で異常に活性するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する薬剤です。再発・難治性の患者を対象に行った国際共同P3試験では、「ファリーダック」とボルテゾミブ、デキサメタゾンの3剤併用療法でPFSを有意に延長。完全奏効および完全奏効に近い奏効の割合も有意に高いことも確認されました。

1Vあたり生食1.2mLで溶解し、2.5mg/mLの濃度に調製

これら3つの薬剤はいずれも再発・難治性の多発性骨髄腫に対する治療薬として承認されましたが、「ベルケイド」は11年に、「レブラミド」は15年に、それぞれ未治療の多発性骨髄腫への適応を追加。現在では、これら2剤をベースとした併用療法が治療の主流となっています。

• DBd療法 : ダラザレックス® / ベルケイド® / デキサメタゾン

CTd(シクロホスファミド+サリドマイド+デキサメタゾン)併用療法で,超高齢者や臓器障害のある症例に使う。

併用した化学療法を続けることになります。高齢者や合併症がある患者さんに ..

末梢性T細胞リンパ種(PTCL)の重要な治療選択肢の1つであるロミデプシンは、投与するタイミングについて、議論の余地が残っている。九州大学別府病院の山崎 聡氏らは、ゲムシタビン+デキサメタゾン+シスプラチン(GDP療法)後のconsolidationとしてのロミデプシンの安全性および有効性を検討した。Hematology Reports誌2024年5月28日号の報告。 本国内第II相試は、2019年3月〜2021年3月に治療を行った65歳以上の再発・難治性PTCL患者を対象に、PTCL -GDPR試験として実施した。GDP療法を2〜4サイクル実施後、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定(SD)であった場合、ロミデプシンを4週間ごとに1年間投与した。主な結果は以下のとおり。・対象患者は、再発・難治性PTCL 7例(T濾胞ヘルパー細胞起源節性リンパ腫:1例、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫:6例)。・フォローアップ期間(平均は34ヵ月)中の、2年全生存期間(OS)は71%、治療後の全奏効率(OR)は57%であった。・主な有害事象として、好中球減少症などの血液毒性がみられたが、支持療法により改善が認められた。・治療に関連する死亡は認められなかった。 著者らは「ロミデプシンは、移植適応のない高齢者の最初・難治性PTCLに安全かつ効果的に使用可能であると考えられるが、さらなる調査が求められる」としている。(エクスメディオ 鷹野 敦夫)原著論文はこちらYamasaki S, et al.

ボルテゾミブ)やLd療法(レナリドミド+デキサメタゾン)が行われます。

再発難治例に対するプロテアソーム阻害薬としてカルフィルゾミブ(CFZ)[デキサメタゾン(DEX)またはレナリドミド(LEN)およびDEX との併用]とイキサゾミブ(IXA)[LEN およびDEX との併用],免疫調節薬としてサリドマイド(THAL)とポマリドミド(POM)が保険適用されている(抗体薬については参照)。プロテアソーム阻害薬,免疫調節薬,DEX の3 剤を併用する治療はtriplet と呼ばれ,前2 者のうち1 者を省く治療はdoublet と呼ばれる。

デキサメタゾンは、各サイクルの 1、2、3、4、8、9、10 及び 11 日目

デキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはレナリドミドとして1日1回25mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

現在の多発性骨髄腫患者に対する治療としては,多剤併用化学療法,自家造血幹細胞移植併用

Voorhees氏らは、レナリドミド治療抵抗性MMの初回再発に対する経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブ(IXA)とポマリドミド+デキサメタゾン(Pd療法)の併用による有効性および安全性を評価するため、ランダム化第II相試験を実施した。Blood Advances誌オンライン版2024年7月26日号の報告。主な結果は以下のとおり。・Pd療法の全奏効率(ORR)は43.6%、IXA-Pd療法のORRは63.2%であった。・奏効の深さ(最良部分奏効[VGPR]の達成度により測定)は、3剤併用(28.9%)が2剤併用(5.1%)よりも優れていた(p=0.0063)。・進行イベントの75%が発生した後に計画されていた中間解析では、無増悪生存期間(PFS)は、IXA-Pd療法の方が良好であり、事前に定義した優位性の基準を超えていた。・追加のフォローアップ調査では、PFS中央値は、Pd療法で7.5ヵ月(95%CI:4.8〜13.6)、IXA-Pd療法で20.3ヵ月(95%CI:7.7〜26.0)であった(HR:0.437、upper 90% bound:0.657)。・進行時に2剤併用から3剤併用へ移行した30例中26例のORRは23.1%、PFS中央値は5.6ヵ月であった。・全生存期間(OS)は、両群間で差は認められなかった。・3剤併用では、より多くの血液毒性がみられたが、非血液学的有害事象は両群間で同様であった。 著者らは「Pd療法にIXAを追加することで、初回再発時のレナリドミド抵抗性MM患者のPFSが改善し、3剤併用療法の安全性プロファイルも比較的良好であった」とし「本結果は、経口薬3剤による治療に関する第III相試験を支持するものである」としている。(エクスメディオ 鷹野 敦夫)原著論文はこちらVoorhees PM, et al.

Bd(BD) | ボルテゾミブ、 デキサメタゾン | レジメン | 適正使用ガイド

*レブラミド®5mgカプセル(レナリドミド)1回5カプセル 1日1回(就寝前,第1~21日,その後1週間休薬),レナデックス®4mg錠(デキサメタゾン)1回5錠 1日2回(第1,8,15,22日)併用

Bd(BD) ボルテゾミブ、 デキサメタゾンのレジメンページ。本 ..

[Epub ahead of print] 多発性骨髄腫(MM)の治療では、早い段階での免疫調節薬レナリドミドの使用により、早期のレナリドミド抵抗性MM患者が増加しているが、このような患者におけるアウトカムは明らかになっていない。米国・ウィスコンシン医科大学のBinod Dhakal氏らは、プロテアソーム阻害薬で治療を行ったレナリドミド抵抗性MM患者における第1〜3選択治療(LOT)の治療パターン、生存アウトカム、予後変数、脱落率について、調査を行った。Blood Advances誌オンライン版2024年8月7日号の報告。 2016年1月〜2022年4月にFlatiron Healthデータベースに登録されたMM患者1万2,767例のうち、選択基準を満たした1,455例を対象に分析を行った。主な結果は以下のとおり。・最も多かった治療は、3剤併用療法であり(41.6%)、レジメンでは、ダラツムマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(DPd療法)が13.2%で最も多かった。・実臨床における無増悪生存期間(RW-PFS)中央値は6.5ヵ月、全生存期間(OS)中央値は44.4ヵ月であった。・RW-PFS中央値は、LOTが1〜3回のいずれにおいても同様であった。・RW-PFSおよびOSの悪化と関連している因子として、ベースライン時の国際病期分類(ISS)ステージIII、ECOGパフォーマンスステータス1、ヘモグロビン値12g/dL未満、high-risk cytogenetics、抗CD38抗体抵抗性が挙げられた。・NCCNガイドライン推奨治療を受けた患者と2020年以降に治療を受けた患者のアウトカムは同様であった。・登録時にLOTが1回のみの患者は561例では、LOT2〜5の累積脱落率が85%、そのうち死亡例が25%であり、60%はそれ以上の治療を行っていなかった。 著者らは「LOTが1〜3回のレナリドミド抵抗性MM患者では、アウトカムが不良であり、利用可能な治療法による病勢進行が速いため、治療を脱落する前に早期段階での効果的な治療を行う必要性が浮き彫りとなった」としている。(エクスメディオ 鷹野 敦夫)原著論文はこちらDhakal B, et al.

デキサメタゾンは75歳以上の場合、BMI<18.5の場合、過去にグルココルチコイドで ..

【11.1.1】肺障害〔間質性肺炎(0.2%,日本人:2.5%),急性肺水腫(0.5%,日本人:0.4%),胸水(0.1%,日本人:1.6%),急性呼吸窮迫症候群(0.1%)が発現。国内の臨床試験及び市販後の報告において,本剤との因果関係の否定できない肺障害(間質性肺炎)による死亡例が認められており,海外と比較して肺障害の発生頻度が高い可能性がある。なお,肺障害の対処方法及び可能性のあるリスク因子について臨床試験では確認されていない。急性骨髄性白血病に対し,本剤,ダウノルビシン塩酸塩及び高用量シタラビンの24時間持続点滴(2000mg/m2/日)を併用した海外の臨床試験において,本剤との因果関係を否定できない急性呼吸窮迫症候群による死亡が報告。[1.3.1,1.3.2,8.1,9.1.1参照]〕【11.1.2】心障害〔うっ血性心不全(1.3%),心嚢液貯留(0.1%),心原性ショック(0.1%),心停止(0.1%),心肺停止が発現。また,投与前の左室駆出率に異常の無い患者においても左室駆出率低下が報告。海外臨床試験においてQT間隔延長の報告があるが,薬剤との関連性については明らかになっていない。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験において,本剤群及びデキサメタゾン群で発現した心障害の発現頻度はそれぞれ14%及び12%。そのうち心不全等(急性肺水腫,心不全,うっ血性心不全,心原性ショック,肺水腫)の発現頻度はそれぞれ5%及び4%。[8.2参照]〕【11.1.3】末梢神経障害〔末梢性感覚ニューロパチー(28.2%),神経障害性疼痛(14.8%),錯感覚(8.6%),末梢性ニューロパチー(8.1%),感覚減退(3.6%),末梢性運動ニューロパチー(2.3%),灼熱感(0.4%)が発現。重症の感覚性ニューロパチーも報告。本剤の投与により,感覚障害による末梢性ニューロパチーが主に認められるが,感覚障害と運動障害が混在するニューロパチーの発現例も報告。末梢性ニューロパチーに加えて,起立性低血圧やイレウスを伴う重度の便秘等,一部の有害事象に自律神経ニューロパチーが関与している可能性があるが,十分な情報は得られていない。また,本剤の投与により糖尿病性ニューロパチー等の基礎疾患を悪化させる可能性がある。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験においてGrade2以上の末梢性ニューロパチーを認めた患者では用量調整により末梢性ニューロパチーの改善あるいは回復が51%で認められた。また,海外第II相試験においてGrade3以上の末梢性ニューロパチーを発現した患者又はGrade2のニューロパチーを呈し,投与を中止した患者では,末梢性ニューロパチーの改善あるいは回復が73%で認められた。[7.1.1,7.1.2,8.4,9.1.3参照]〕【11.1.4】ギラン・バレー症候群,脱髄性多発ニューロパチー【11.1.5】骨髄抑制〔血小板減少(39%),好中球減少(34.8%),貧血(21.9%),白血球減少(17.9%),リンパ球減少(10.9%),発熱性好中球減少症(2.8%),汎血球減少(0.1%)が発現。骨髄機能が抑制された結果,感染症(敗血症性ショック等)や出血等の重篤な副作用が発現することがある。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験における重症の出血(Grade3以上)の発現率は本剤群で4%,デキサメタゾン群で5%。血小板数は各サイクルの11日目に最低値に達し,通常は次サイクル開始前までに回復した。血小板数の減少と回復のパターンは週2回投与の8サイクルにわたり一貫しており,蓄積性の血小板減少症は認められなかった。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験において血小板数の最低値の平均は,投与開始前の約40%。[8.5,8.6参照]〕【11.1.6】イレウス(0.7%)〔食欲不振,嘔吐,便秘,腹部膨満感等の症状が現れた場合には適切な処置を行う。[8.7参照]〕【11.1.7】肝機能障害〔ASTの増加(0.7%),ALTの増加(0.7%),γ-GTPの増加(0.6%),ALPの増加(0.5%)及び血中ビリルビンの増加(0.6%)等を伴う肝機能障害(B型肝炎ウイルスの再活性化によるものを含む)が発現。[8.3,8.8,9.1.2参照]〕【11.1.8】低血圧〔低血圧(3%),起立性低血圧(2.2%)が発現。低血圧の機序は不明であるが,一部は自律神経ニューロパチーが関与している可能性がある。[8.9,9.1.4参照]〕【11.1.9】腫瘍崩壊症候群(0.3%)〔[8.11参照]〕【11.1.10】皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)【11.1.11】発熱(12.4%)〔本剤の投与日から翌日にかけて高頻度にGrade1~2の薬剤性の発熱が発現。必要に応じて解熱剤等による処置を考慮。また発熱が持続する場合や呼吸器症状を伴う場合には,肺障害の可能性について注意〕【11.1.12】可逆性後白質脳症症候群〔痙攣,血圧上昇,頭痛,意識障害,錯乱,視覚障害等が発現〕【11.1.13】進行性多巣性白質脳症〔本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し,意識障害,認知障害,麻痺症状(片麻痺,四肢麻痺),言語障害等の症状が現れた場合は,MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与中止〕 日本人における発現率(多発性骨髄腫を対象とした静脈内投与における国内臨床試験,特定使用成績調査及び使用成績調査,並びにマントル細胞リンパ腫,多発性骨髄腫及び全身性ALアミロイドーシスを対象とした国際共同試験(日本人症例のみ)の集計)