7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら投与すること。 7.2 肝機能障害 ..
SSRIは、うつ病や不安障害の治療の第一選択薬とされています。
国内でよく耳にするのはパロキセチン塩酸塩水和物(パキシル®)、セルトラリン塩酸塩(ジェイゾロフト®)、フルボキサミンマレイン酸塩(デプロメール®、ルボックス®)、エスシタロプラムシュウ酸塩(レクサプロ®)でしょうか。
性欲減退、勃起不全、射精遅延、無射精などの性機能障害が25〜73%の男性で経験するとされています。またIn vitro、動物およびヒトでの研究のすべてで、SSRI使用が精液の質の低下を示しています。
レクサプロ・パキシル・ルボックス/デプロメール; SNRI:サインバルタ・イフェクサー ..
気分障害の不安や不快気分(いらいらなど)を和らげるのに良く使われるお薬です。ベンゾジアゼピン系抗不安薬(デパス、ソラナックス、ワイパックス、レキソタンなど)が代表的な薬です。安全性が高くて、比較的即効性で良く効くのですが、依存性があるので注意を要します。すなわち毎日連用すると、効きにくくなり、量が増えて、その状態で急に中断すると、不安や不眠、イライラや焦燥感などの禁断症状が出ることです。
そのために患者さんは抗不安薬を急に止めると、禁断症状としての不安や焦燥感が出現して、病気がまだ治っていないと思い、また服用を続けざるをえない状態になります。使う場合は、頓服として投与したり、必要最小限にしたり、充分効果が出た後は、徐々に減らすべきです。
その他、タンドスピロン(セディール)や抗ヒスタミン作用のあるアタラックスも抗不安薬として使われます。
また睡眠導入剤として広く使われている薬(アモバン、マイスリー、ロヒプノール、ハルシオン、ベンザリン、レンドルミンなど)も同じような構造式を持った同じ仲間の薬です。
抗不安薬のほとんどは「ベンゾジアゼピン」と呼ばれる化学物質でできているお薬で「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」と呼ばれます。大量に飲んでも直接命にかかわらないため、安全なお薬として治療に用いられてきました。ただし、下記のような副作用と問題点があるため、症状が安定してくれば、定期服用は減量・中止を目指し、頓服(必要なときに服用するお薬)にとどめていくことが理想的です。
●依存性、●眠気、●ふらつき、●認知機能の低下
このうち依存性には、下記2つのパターンがあります。
■どんどんとお薬の量が増えてしまう。
■やめるのが不安でやめられなくなる。
抗不安薬では、後者がとても多く、良くなっているにもかかわらず減量しようとすると、しんどさを感じ、薬を減らせません。
かといって、量が増えていくわけでもないので「常用量依存」と呼ばれます。抗不安薬の中でより「常用量依存」になりやすいものには、下記2つの特徴があります。
○作用が強い、○作用時間が短い
つまり、効果が強くて即効性のある薬ほどやめにくく感じます。では、どのような抗不安薬の減量方法があるのでしょうか?
当院では、以下のような方法を案内しています。
①漸減法(間隔はそのままで服用量を少しずつ減らす方法)
今服用している薬を少しずつ減らしていきます。
半錠に割った形で処方し、調子のいいときは半錠で試していただくこともあります。薬が必要な時とそうでない時の
区別ができるようになると、頓服扱いに変えていけます。
②変薬
「やめにくいタイプの薬」から「やめやすいタイプの薬」にゆっくり変更します。依存の問題がない漢方薬を追加することもあります。その上で、漸減法を行います。
③主剤の十分な処方
不安症・パニック症はSSRI剤、慢性疼痛は各種抗うつ薬、気分が不安定な時は気分安定薬などが治療の主剤(中心薬剤)です。これら主剤(中心薬剤)が足りていない状態の方には十分な量を処方した上で、抗不安薬の減量を行います。
★抗不安薬には即効性が期待できるという特徴があり正しく使えば非常に有用なお薬です。心療内科の治療では気持ちや症状が落ちつくことで、物事のとらえ方が変わることも少なくありません。また、このお薬があれば大丈夫という安心感も、症状の再燃・悪化を減らしてくれます。正しい理解を深めていただき、より良い治療につながれば幸いです。
レクサプロから性機能障害のないレメロンに変えてもらったのに、ぜんぜん ..
ヒトでの研究
2007年、TanrikutとSchlegelは、うつ病の診断でSSRIを服用していた2人の患者における乏精子症、運動障害、形態異常の症例について報告しました。その後、SSRI内服中は精液所見が悪く中断後に改善した症例が複数例報告されました。
① パロキセチン塩酸塩水和物(パキシル®)
(Tanrikut C, et al. Fertil. Steril. 2010)
Tanrikutらが行ったベースラインの精液所見およびDNA断片化率(TUNEL法)を35人の健康男性ボランティア(平均年齢34歳、範囲19~58歳)において、精液パラメータおよびDNA断片化に対するパロキセチン塩酸塩水和物(パキシル®)の効果を調べた前向き研究を行いました。ました。試験参加者(平均年齢34歳、範囲19~58歳)には、パキシルが5週間投与し、治療前と1ヶ月のウォッシュアウト期間後を比較検討しました。
精子DNA断片化の有意な増加と関連し、介入前14%から介入後30%に増加しました。精子DNA断片化率が30%以上の男性は、介入前10%でしたが介入後には50%に増加した(OR: 9、95%CI: 2.3-38)。他の精液所見では差は認めませんでした。
② セルトラリン塩酸塩(ジェイゾロフト®)
(Akasheh G, et al. Urology 2014)
早漏患者60名を対象とした報告です。セルトラリン塩酸塩(ジェイゾロフト®)または非薬理学的行動療法で治療された群を比較しました。ジェイゾロフト群には、 25 mg/日を1週間、その後50 mg/日を3ヶ月間投与しました。精子濃度および正常形態率ともに低下、DNA断片化(精子クロマチン分散法)は増加しました(31% vs. 16%)。
③エスシタロプラムシュウ酸塩(レクサプロ®)
(Koyuncu H, et al. Int. J. Impot. Res. 2011)
早漏患者25名を対象とした報告です。レクサプロ®3ヶ月間内服した後、精子濃度(2640万 /mL vs 6890万/mL)、運動率(23.4% vs 58.2%)および正常形態率(23.4 % vs 58.2% )の減少を認めました。
④ SSRI全般での研究
(Safarinejad MR. J. Urol. 2008)
SSRI服用者74名と健常者44名の精液所見および精子DNA断片化(精子クロマチン分散法)を比較した横断研究です。SSRI服用者は、精子数、運動率、正常形態率が有意に低く、精子DNA断片化率も高くなりました。抗うつ薬の使用期間(6-12ヵ月 vs. 1-2年)が長い方が悪影響を及ぼしていました。
ただし、なによりうつ症状が安定していることが大事です。
薬の急な中止や減量はうつ症状の悪化を招く恐れもあるため、心療内科・精神科の医師と相談の上、慎重に決定が必要です。自己判断での薬の中断は決して行わないでください。
岩波院長は「年齢や性別に関係なく、誰にでも起こる可能性がある。昔はパニック障害が知られていなかったこともあるが、オーバーワークが増えている現代の方が起こりやすい面はある」と指摘する。
しかし、セロトニン系に作用することで起きる、嘔吐・下痢、不眠・性機能障害などが生じる可能性があります。
J Vestib Res 27: 191-208, 2017 PPPDは、『浮いている感じ』、『不安定な感じ』が主な症状です。一般的なめまい症に多いです。
PPPD単独では、がポイントである.Equilibrium Res Vol.79(2)62-70, 2020PPPDの治療は、前述の通り、飲み薬、リハビリ、認知行動療法、の3つが軸です。 PPPDの薬の治療は、主にSSRIという種類の抗うつ薬(うつ病の薬)が使われます。PPPDの治療目的で使われる場合は、うつ病症状がなくても、めまい症状や浮遊感に効く事が多いと言われています。医学論文の報告で多いSSRIは、セルトラリン(ジェイゾロフト®)という、うつ病の薬です。PPPDの半分以上の患者さんに有効と言われています。
PPPDの約半分から3分の2は、SSRIが有効であった.Popkirov S: Curr Treat Options Neurol 20: 50, 2018
PPPDに対するSSRI/SNRIに関しては、抑うつや不安症の有無にかかわらず有効であり、精神作用以外の奏功機序が考えられている.投与量はうつに用いられる量の半量程度で有効とする報告が多い.日本耳鼻咽喉科学会会報 123(2): 170-172, 2020PPPDの治療には、医療者側も『患者さんの訴えを信じること』から必要です。患者さんは、複数の医療機関を受診し、『自分の訴えが信じてもらえなかった失望と不信感』を抱えていることが多いです。信頼関係がなければ、治療がスタートしないこともPPPD治療の特徴です。患者側としても、きちんと信頼できる医師を見つけましょう。
医療者側も、患者の症状(めまい・浮動感など)と機能障害を嘘ではないことを認識することが重要です.Guttorm E: Persistent postural-perceptual dizziness, Tidsskr Nor Legeforen 2019PPPDは、無治療では治りにくい事が知られています。無治療のままだとメンタルを崩し、症状も良くなりません。早めに受診した方がメリットが大きいです。
PPPD は自然軽快することは少なく、無治療の場合、3/4は不安症やうつを続発し長期に症状が持続する.日本耳鼻咽喉科学会会報 123(2): 170-172, 2020『BPPV』は、『良性発作性頭位めまい症(りょうせい・ほっさせい・とうい・めまいしょう)』の略です。頭位めまい症は、『頭の位置を変えると、めまいが起こる病気』です。すべてのめまいの原因の中で、最も多いものとされています。 めまいが治らないからと言って、全員がPPPDとは限りません。『一般的なめまい』の代表の『頭位めまい症』でも、長引くめまいは起こります。しかし、頭囲めまい症の治療があまり効かない場合は、PPPDとして一度診療を受けてみましょう。
BPPV では頭位療法後に眼振が消失しても浮動感がしばらく持続する症例が散見される.それらは頭位療法にて戻した耳石が卵形嚢斑で安定しないため、または半規管に少量の耳石が残っているなどが考えられている.日本耳鼻咽喉科学会会報 123(4): 1143-1143, 2020
パニック障害は10~30代の若い女性に多い病気です。
100人中3人くらいの人が一生のうち1度はかかる病気といわれており、決して珍しい病気ではありません。
しかしながらパニック障害は比較的新しい疾患概念であり、アメリカ精神医学会の精神障害分類であるDSMIIIに登場したのが1980年、WHOの疾病分類であるICD10に登場したのが1992年です。
そのため、まだ正しい知識が医療関係者の間でも普及していないのが現状です。
私は中学生の頃から、かなり重度な強迫性障害、社交不安障害等を発症しました。 ..
他の病気もそうですが、特に双極性障害はうつ病と比べるとやっかいな病気だけに、早期発見と早期治療が重要となってきます。それは次の2つの意味で重要です。1つは「社会生活上の損失を少しでもくい止めるため」です。特に躁状態では、人間関係を悪化させて職場をクビになったり、金遣いが荒くなって破産したり、離婚したりするケースが多いからです。2つ目は「治らなかったうつ状態が改善する可能性がある」ということです。うつ病の治療薬である抗うつ薬は、双極性のうつ状態にはあまり効かないこともあり、早期発見で治療法を見直して、うつ状態を改善することは可能となります。
Part V: α-Blocker and 5-ARI Drugs
日本性機能学会は「ED診療ガイドライン」にて、薬剤性EDを引き起こす可能性がある薬一覧をまとめています。(出典)上記の薬を服用中の場合は、薬の中止や減量、または他剤への変更によって改善が期待できます。ただし、薬剤の種類によって影響の強さが異なるため、必ず医師と相談してください。EDが気になる場合でも、です。たとえば降圧剤の場合、EDの原因が降圧剤ではなく高血圧そのものであるケースなど、判断が難しいケースもあります。症状がある方は必ず主治医や専門医に相談し、安全な方法で治療を進めましょう。薬剤性EDを発症した場合、下記の方法で症状が改善する可能性があります。詳しく解説します。はとしています。薬剤性EDは薬剤の副作用で起こるため、原因となる薬剤を変更・中止すれば治る可能性があります。とはいえ、何かしらの疾患を治療するために薬を服用しているのであれば、そもそも服用の中止が難しいケースが多いでしょう。恐れがあります。薬剤性EDの可能性がある場合は、必ず主治医に相談しましょう。ED治療薬を服用すると、30分〜1時間ほどで勃起しやすい状態になります。代表的なED治療薬は、下記の3種類です。医師と相談し、生活スタイルに合わせて選びましょう。【医師からのコメント】
薬剤性EDに関するよくある質問をまとめましたものの、ゼロではありません。頭痛薬としてよく使用される非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は、EDを引き起こす可能性がある薬剤として「」に掲載されています。ただし、他の薬剤や関節炎などの交絡因子による可能性が高く、関連性は薄いとされています。です。ただし、過剰に摂取した場合は薬剤性EDの原因となる可能性があります。風邪薬に含まれることが多い「抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミンなど)」は、EDのリスクを高める可能性がある薬剤として「」に掲載されています。鎮静作用や抗コリン作用により血流が悪化するためです。また、鼻詰まりを改善する成分として配合される「プソイドエフェドリン」にも、血管を収縮させる作用があり、EDのリスクを高める可能性があります。現在のところ、。しかし、ワクチン接種後の副反応や体調変化が、一時的に勃起機能に影響を与える可能性は考えられます。現状、ワクチン接種後にEDになった場合でも、それがワクチンによるものか、他の要因(ストレス、体調不良など)によるものかを判断するのは困難です。薬剤性EDとは、常用している薬の副作用として起こる勃起不全です。主に下記のような薬剤が原因となります。
精神疾患の治療に用いられる下記の薬剤は、ED発症と関連があるといわれています。 薬剤, 主な製品名
さて、妊娠中に用いた薬の胎児に及ぼす影響は、大きく三つに分けると次の 1.妊娠初期 2.胎児発育期 3.周産期(分娩前後約2週間の時期)になります。
妊娠初期における薬の使用で、一番の問題になるのは形態異常です。この期間に不注意に胎児の器官を作る際に影響を及ぼす薬を用いると、きわめてまれですが形態異常が起こることがあります。
薬が胎児に最も影響を与えやすいのは、妊娠4か月までで、特に2~3か月までに胎児の重要な各器官はつくられます。
受精してから子宮に着床する前後(排卵後2週間)の受精卵ないし胎芽は比較的抵抗力があり、外からの影響はあまり受けないと言われています。
ただ、この時期に何かの障害を受けた場合にはその障害が大きいと受精卵・胎芽は死んでしまい流産すると言われます。
なお、胎芽とは妊娠20日までの妊卵の状態をいいます。
受精後器官形成期の胎芽が薬の影響を受けた場合、その時期に応じて形態異常を起こす器官が異なり、最終月経から数えて14週間が特に問題になります。
神経系は2~4週間、心臓は3~6週間、四肢は4~7週間目に作られるので、この期間の薬の使用には注意が必要です。
特に受精してから7週までは比較的大きな形態異常が起こりやすく8~16週頃は器官の成長も続きますが、生理・機能の作用の成長段階にあるので、器官の機能障害や比較的小さな異常が起こり14週間を過ぎた後は、少なくとも形態異常についてはあまり心配することはないと言われています。
ただ、妊娠に気づくのは生理が止まってしばらくしてからであり、気づいたときはすでに3か月ということが多いため注意しなければなりません。
この期間に不注意に胎児の器官を作るのに影響のある薬を用いると、きわめてまれに形態異常が起こることがありますが、先天異常は何も薬を服用していなくても、小さな異常も含めてすべての出産に対して3~5%の頻度で発生するといわれています。先天異常の多くは原因不明で、環境などの外因要因が全先天異常の5~10%。薬によるものは1~2%に過ぎないと考えられていますが、この期間はたとえ副作用の少ない薬でも、安易な使用は避けるべきです。
しかし、お母さんの病状を考えてやむをえず薬を用いる場合には、できるだけ安全なものを、効果のある範囲の量を、短期間に限るようにします。受診時や薬剤服用時には、医師、薬剤師に相談し、自分の判断で中止しないようにしましょう。
次に、器官形成期を過ぎた胎児では、薬は母体から胎盤を通過して影響を及ぼします。
薬は胎児の肝臓や腎臓で代謝・排泄されない場合は、再び胎盤を通って母体に戻るため直接の障害作用は少ないと考えられていますが、現在のところすべてがわかっているわけではありません。
例えば抗生物質のテトラサイクリンが骨、歯に影響することがあるとか、カドミウム、水銀などは、母体へ胎盤を通って戻りにくいことから胎児に沈着しやすくなります。
胎盤は胎児を守るために、関所の役目をしていますが、胎児に必要な栄養を通すという仕事上、脳を守る血液-脳関門のように入ってくる物に対して、厳重なチェックはしにくくなっています。
従って、妊婦に用いられた多くの薬は胎盤を通過して胎児に届いてしまいます。よく通過するものには、抗生物質、睡眠剤、サルファ剤、性ホルモン剤、ビタミンAなどがあります。
周産期では、妊娠末期に用いた薬が胎児体内に届いている状態で出産した場合には、生まれた新生児の体内で薬が悪影響を及ぼす可能性があります。
新生児では代謝・排泄の機能が十分ではありませんから、薬の種類にもよりますが、少量でも問題になることがあります。
妊娠期間中でも安心して服用できる薬は、多くあります。
「妊娠している(可能性)がある」、「妊娠を希望している」ことを医師・薬剤師に告げ、安全な薬を選択してもらい、お母さんの健康を第一に考えていきましょう。
他にも、強迫性障害や摂食障害(過食症・拒食症)、社交不安障害(社会不安障害)(SAD ..
2020年の新型コロナウイルス(Covid-19)の流行により、私たちの生活は一変しました。とりあけ全般性不安障害(全般不安症)の人は、新型コロナウイルスによって、もっとも影響を受けたこころの病気であったといえそうです。なぜなら、この厄介なウイルスは目に見えないためどこに潜んでいるかもしれず、また無症状の人であっても感染している可能性があるので、全般性不安障害(全般不安症)の方は、外出して人とすれ違うだけで「感染してしまったらどうしよう」という強い不安を抱いて多くの方が家に閉じこもりがちとなりました。もちろん公衆衛生という観点では、外出を控えることは望ましい行動なのはいうまでもありませんが、全般性不安障害(全般不安症)の方が自宅で過ごす時間が長くなると、ワイドショーなどの新型コロナウイルスのニュースばかり見ることになり、「発熱したらどうしよう」「家族にうつしてしまったらどうしよう」「職場にウイルスを持ち込んだらどうしよう」などと考え、不安が高まりやすくなり、他の対象に対する不安も相乗的に高くなってしまい入院が必要なレベルまで重症化してしまう方がたくさんいらっしゃいました。そのような例があったことから(議論はあるかと思いますが)コロナの外出制限下であっても、全般性不安障害の方は、マスクなど感染予防を行った上で朝の屋外での散歩などは積極的にするべきであると指導させていただいております。当院が推奨する、コロナに負けない生活習慣については、のページをご参照ください。
SSRIやSNRIで出ることのある副作用の胃腸症状や性機能障害、眠気が比較的少ないと言われています。
痙攣・セロトニン症候群※1・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)※2・QT延長・心室頻拍(torsades depointes含む)・倦怠感・異常感・発疹・湿疹・悪寒・頭痛・傾眠・浮動性めまい・あくび・睡眠障害(不眠)・異常夢(悪夢含む)・アカシジア・悪心・口渇(口の渇き)・味覚障害・腹部不快感・下痢・動悸・精神運動不穏・RBC・Ht・Hb減少・肝障害(肝機能異常)※3・排尿困難(尿が出にくい)・頻尿・耳鳴り・多汗症・回転性めまい・血小板増加、血小板減少など
普段の生活機能に支障が起きたときです。まわりから見ても元気がない、自分 ..
次に、双極性障害のうつ状態と、単極性のうつ病を区別しなければならない理由のもう一つは、治療に使う薬が全く違うということです。治療方法のところで詳しく説明しますが、大まかに述べると、単極性のうつ病のうつ状態には、一般的には抗うつ薬が使われます。これに対し、双極Ⅰ型、Ⅱ型障害のうつ状態には、抗うつ薬は効きにくく、使用していると躁転を誘発する可能性があるので注意が必要です。双極性障害のうつ状態には、再発予防効果も期待される炭酸リチウムという薬が処方されるのが一般的です。
躁うつ病はうつ状態と躁状態を繰り返すために、現在は双極性障害と呼ばれています。
前頭前野から眼窩前頭皮質、内包、線条体、視床、脳梁膝部(前部帯状皮質に隣接)、側頭皮質に神経繊維を投射し、連絡する機能をもっています。寛解した双極性障害の成人患者さんでは、左側の膝下前部帯状皮質と扁桃体・海馬を連絡する神経繊維が再構築されているという報告があります。
『治らないめまい』は『PPPD』かも? 治療薬はSSRIが効く
さて、1年に4回以上再発をくり返す患者は病相頻発型気分障害を有しており、こういう方をラピッドサイクラーと呼びますが、Greenらの研究によると、ラピッドサイクラー131名のうちVal66Valは101名、Val66Metは29名、Met66Metは1名でしたが、対照者2,100名のうち、Val66Valは1,372名、Val66Metは600名、Met66Metは68名と多型の分布に有意差がありました。Valの遺伝子頻度は、ラピッドサイクラーで88%、対照者で81%、Metの遺伝子頻度はラピッドサイクラーで12%、対照者で19%とやはり有意差がありました。つまり、正常であるはずのValを66番に有するものが双極性障害に多いことになります。同様の報告はMullerらによっても報告されています。つまり機能が高いはずのVal66が双極性障害に有意に多いということですが、Postはこれに関してBDNFの前駆物質であるpro BDNFがBDNFの機能とは逆に、細胞機能を低下させ、細胞死を促す作用があると指摘し、悪玉のpro BDNFによる作用がVal66ではむしろ増強されてしまい、これが双極性障害の発症につながっている可能性を示唆しています。
医療者側も、患者の症状(めまい・浮動感など)と機能障害を嘘ではないことを認識することが重要です.
双極性障害の一般人口における生涯罹患率が0.5~1.5%であるのに対して、双極性障害の患者さんとの関係が親子であれば5~10%と高く、一卵性双生児であれば40~70%ときわめて高いことからみると、遺伝の影響を強く示唆する結果となっています。しかし、連鎖研究でいくつか注目すべき部位が示唆されましたが、その後の追試で否定されたりして、広く認められたものではありません。他方、双極性障害の病態生理と関連すると考えられているモノアミンの酸化酵素や、再取り込みのトランスポーター、BDNFなどの機能性蛋白の遺伝子の多型を標的にした関連研究が数多く行われてきました。興味深い所見では、統合失調症と共通するDisrupted in Schizophrenia1(DISC1)などの遺伝子が、双極性障害にも関連しているという報告もありますが、ここでも一致した所見にはならず、広く認められたものではありません。