全量とまでは行かなかったようですが1ml当たり50mgのミノキシジルです。



Midori G Asakawa; John M Cullen; Keith E Linder

背景:ヒトでは壊死融解性移動性紅斑(NME)は膵臓のグルカゴン産生腫瘍に最もよく関係する特徴的な皮疹を伴う症候群で、グルカゴン産生腫瘍症候群の一部分と認識される。獣医療ではNME(表皮壊死融解性皮膚炎、肝臓皮膚症候群、代謝性表皮壊死症とも呼ばれる)は、慢性肝疾患あるいは頻度は少ないがグルカゴン産生腫瘍に関連して犬で述べられているが、猫においてグルカゴン産生腫瘍に関係したNMEは過去に報告されていない。

症例報告:6歳去勢済みオスの家猫短毛種が、グルカゴン産生原発性肝臓神経内分泌癌(肝臓カルチノイド)に関係するNMEと診断された。その猫は2週間にわたる嘔吐と食欲不振があり、直径5cmの肝臓のマスが腹部超音波検査で認められた。全身性の虚弱で、痂皮を伴う皮膚病変と四肢に疼痛があった。初診から11か月後に安楽死された。パッドの病理組織学的評価は典型的'red, white and blue'病変で、錯角化角質増殖症、表皮水症性変化と深皮の重度好塩基球増加から構成されることを示した。肝臓のマスは神経内分泌癌と診断された(肝臓カルチノイド)。腫瘍細胞はグルカゴンに対し強い免疫反応を示した。

結論と臨床的重要性:これは1頭の猫のグルカゴン産生原発性肝臓神経内分泌癌に関係するNMEの最初の症例報告である。(Sato訳)


Identification of distinct ligands for the C-type lectin receptors Mincle and Dectin-2 in the pathogenic fungus Malassezia.


育毛系のシャンプーなどにも含まれているようです。 このミノキシジルという成分が、 犬猫に非常に危険であるという論文が発表されています。


T Olivry; K E Linder

オスの去勢済みドーベルマンピンシャーの成犬が、6か月前からの網目の過剰色素沈着と腋窩、胸部、腹部、鼠径部、睾丸上の細かな辺縁の鱗屑を伴う境界明瞭な脱毛斑を呈した。その後、その犬は発熱、嗜眠、明らかな関節痛、末梢リンパ節腫脹、嘔吐、下痢を発症した。関連のある検査結果は、貧血、血小板減少、蛋白尿などと、抗核抗体血清価の上昇が見られた。組織学的に、皮膚バイオプシー標本はリンパ球が豊富な境界型皮膚炎と毛包破壊につながる境界型毛包上皮炎があった。

全体的に見て、それらの症状は慢性皮膚紅斑性狼瘡の独特な脱毛型と一致し、やがて全身性紅斑性狼瘡の発症に関係する。

この珍しい慢性皮膚狼瘡の型は、犬のリンパ球介在性自己免疫脱毛の大リストに加える必要がある。(Sato訳)


Necrolytic migratory erythema associated with a glucagon-producing primaryhepatic neuroendocrine carcinoma in a cat.


Albert Lloret; Katrin Hartmann; Maria Grazia Pennisi; Lluis Ferrer; Diane Addie; Sandor Belak; Corine Boucraut-Baralon; Herman Egberink; Tadeusz Frymus; Tim Gruffydd-Jones; Margaret J Hosie; Hans Lutz; Fulvio Marsilio; Karin Mostl; Alan D Radford; Etienne Thiry; Uwe Truyen; Marian C Horzinek

概要:スポロトリクム症は、ある熱帯および亜熱帯地域においてヒトや動物の重要な皮下真菌感染の1つである。ペットの中で猫は最も感染の頻度が高い。

感染:伝播の主要様式は、植物や土壌から真菌分生子の外傷的播種である。感染した猫との接触は、特にここ10年で大流行しているブラジルのような地方病地域ではヒトへの伝播の主要様式である。

疾患症状:猫の症例の多くは皮膚に複数の潰瘍性結節と瘻管を呈する。リンパ節症、呼吸器症状、全身性播種も起こるかもしれない。

診断:細胞学的および/あるいは組織学的に真菌検出、培養による確認を基に診断する。

治療:治療は第一選択薬としてイトラコナゾールで最低2か月の「全身抗真菌療法」を行う。飼育者の良好なコンプライアンスがあれば予後は良好で、薬剤の副作用は起こらない。

予防:感染した猫との接触は人獣共通の高いリスクを有する。地方病地域への猫の飼育者の旅行は警告し、感染を防ぐために猫を室内に閉じ込めておくことを忠告すべきである。専門家は、皮膚の結節や潰瘍のある猫を触るとき、診断用サンプルを取り扱う時には手袋を着用すべきである。(Sato訳)


Biochemical markers and protein pattern analysis for canine coagulase-positive staphylococci and their distribution on dog skin.

最近の知見で、人間用の発毛育毛剤の成分「ミノキシジル」が犬猫に微量でも命に係わる中毒を起こすことが報告されています。


Hui-Pi Huang; Yu-Hsin Lien

背景:猫でヒゼンダニ感染はまれである。

目的:ヒゼンダニに感染した猫の臨床症状と治療を報告する

動物:次回の凹面、凸面の進行性および非反応性痂皮病変を呈する5頭の猫をこのシリーズに加えた。記録された他の皮膚症状は鼻梁上の痂皮(5/5)、硬くなった足皮膚炎(3/5)、尻尾上の硬くなった病変(1/5)、飼い主の腕および/あるいは大腿の掻痒性紅斑性丘疹(5/5)だった。犬と生活している猫はいなかった。

方法:疥癬(ヒゼンダニ)は深部皮膚掻爬にヒゼンダニを認めることで診断した。1.0%モキシデクチンと10%イミダクロプリドのスポットオン(0.1ml/kg)を2週間ごとに3回投与した。全ての猫は投与時に再評価した。

結果:5頭の猫と飼い主は、最初の投与後に改善し、3回目の投与後臨床的寛解に達した。全ての猫の深部皮膚掻爬は、1回目の投与後ヒゼンダニ陰性となった。研究期間中に臨床的副作用あるいは定期血液検査で異常は見られなかった。治療後6か月にわたる追跡期間中に再感染は報告されなかった。

結論:猫で疥癬はまれであるが、耳介および鼻の痂皮を伴う病変や硬くなった足皮膚炎を呈する猫の鑑別診断に加えるべきである。モキシデクチンとイミダクロプリドのスポットオン製剤は、ヒゼンダニ感染の猫の治療にうまく使用できた。(Sato訳)


Calcinosis cutis in dogs: histopathological and clinical analysis of 46cases.

[Epub ahead of print]
Hutt JH, Prior IC, Shipstone MA.

背景:犬の全身性毛包虫症は重度皮膚疾患で、治療方法が限られている

仮説/目的:犬の全身性包包虫症に対し、ドラメクチン0.6mg/kgの投与は安全で有効な治療と証明すること

動物:1件の一般動物病院で全身性毛包虫症と診断された飼育犬400頭。そのうち232頭は治療が完全で、研究に含めた。
方法:アメリカのテネシー州で1件の一般動物病院で見られた犬の電子カルテを検索し、回顧的研究を行った。全身性毛包虫症と診断され、ドラメクチン0.6mg/kgで週1回の注射により治療した各犬の記録を分析した。

結果:ドラメクチン0.6mg/kgの週1回の皮下注射による治療で94.8%の犬が寛解した。有害事象はまれで、その疑いの2頭(0.5%)が記録されていた。平均治療期間は7.1週間だった。

結論と臨床意義:犬の全身性毛包虫症に対し、ドラメクチン0.6mg/kgの週1回の皮下注射は有効で良好に許容する治療である。(Sato訳)


A pilot study of the efficacy of wipes containing chlorhexidine 0.3%, climbazole 0.5% and Tris-EDTA to reduce Malassezia pachydermatis populations on canine skin.

猫への曝露が起こったと考えられています。 ミノキシジルが含まれる発毛剤を利用されている方はご注意ください。 Translate post


Andressa G Campos; Bruno Cogliati; Juliana M Guerra; Julia M Matera

背景:毛包の腫瘍は一般に良性の孤立性マスで、切除後の予後は良好である。

仮説と目的:この報告は複数発生した毛芽細胞腫の犬の一例を述べる。

動物:2歳雑種の犬が、直径2cmから9cmで、顔の右側の眼周囲、唇周囲、顎下、鼻部に複数の柔らかい皮膚結節を呈した。3週間後の2度目の診察で顔の同側に新たな結節が観察された。

方法:2回の処置で全ての結節を外科的に切除した。最初に切除した3つの結節を病理組織検査と免疫組織化学検査に提出した。3つ全て毛芽細胞腫と診断された。2度目の診察時、新しい結節と残りの結節をバイオプシーし、同じ診断を得た。新しい腫瘍の成長と今ある腫瘍の大きさを減ずる試みとして、2度目の外科的処置の前30日間、ドキソルビシンとピロキシカムで治療した。全ての結節を切除し、ローテーションフラップで欠損を閉じた。

結果:腫瘍の再発は、術後10か月以内に認められなかった。

結論と臨床的意義:毛芽細胞腫は一般に良性だが、外科切除が必要で化学療法に反応すると思われる多発性腫瘍が存在する可能性がある。著者の知るところでは、これは1頭の犬に見られた多発性毛芽細胞腫の最初の報告である。(Sato訳)


Treatment of canine generalized demodicosis using weekly injections of doramectin: 232 cases in the USA (2002-2012).
Vet Dermatol.


Petra Bizikova

背景:Demodex catiによる猫のニキビダニ症は珍しい皮膚疾患で、併発疾患や全身性免疫抑制に関係することも多い。ヒトや動物でグルココルチコイドおよびタクロリムスのような局所免疫調節剤の使用あるいは腫瘍細胞による局所免疫抑制は、局所ニキビダニ症発症の潜在的引き金と示唆されている。

目的:この目的は吸入マスクでグルココルチコイドを投与する喘息の長期療法の結果、マズルに局所ニキビダニ症を発症した2頭の猫について述べる。

結果:2頭はフルチカゾン調剤チャンバーにさらされたマズル部分にパッチ状脱毛、軽度紅斑、痂皮化および鱗状化が認められた。深部皮膚掻爬でDemodex catiを認めた。フルチカゾンの中止あるいは減量とミルベマイシンの投与で2頭とも2か月以内に臨床症状が解消した。1頭はミルベマイシン投与から7か月で皮膚掻爬陰性が得られた。

結論と臨床意義:吸入グルココルチコイドにさらされる顔面に主に脱毛あるいは他の皮膚病変が見られた猫で、ニキビダニ症を鑑別診断の1つに考えるべきである。吸入グルココルチコイドと皮膚の接触を最小限にすることは、顔面から残存パウダーをふき取ることで達成できる。周囲の部分に接触を避けるには皮膚にマスクをきつく密着させることで可能となる。(Sato訳)


Efficacy of orally administered fluralaner (Bravecto?) or topically applied imidacloprid/moxidectin (AdvocateR) against generalized demodicosis in dogs.
Parasit Vectors.

犬猫にとって毒となる食材を誤って食べてしまった場合や、消化できない危険 ..


Deborah L Simpson; Gregory G Burton; Lydia E Hambrook

背景:壊疽性膿皮症(PG)は珍しい疾患で、著者の知るところでは、査読を経た獣医文献において1症例の報告しかない。

仮説/目的:犬PGの2症例における病歴、臨床症状、診断所見および治療結果を述べること

動物:2008年から2010年の間に獣医委託診療所に来院し、獣医皮膚科専門医によりPGと診断された飼育犬2頭

方法:カルテから関連する情報を回収して分析した。

結果:2頭はプレドニゾロンで治療した;症例1はシクロスポリンと、症例2はアザチオプリンと併用した。症例2は治療に対する病変の反応が非常によく、診断から症例1(81日)より長く生存した(763日)。

結論と臨床意義:壊疽性膿皮症は有痛、表皮壊死性、不規則で青紫色が徐々に広がる境界を持つ皮膚潰瘍の急速な進行で区別できる珍しい疾患である。アザチオプリンとグルココルチコイドは、シクロスポリンとグルココルチコイド(ヒトにおける現在の第一線治療で犬の治療で唯一報告されている)よりも結果が良くなるかもしれない。(Sato訳)


Cat scratch-induced Pasteurella multocida necrotizing cellulitis in a dog.


Francesco Albanese; Eleonora Malerba; Francesca Abramo; Vincenzo Miragliotta; Federico Fracassi

背景:毛周期停止(アロペシアX)は病因不明、頭部と末梢四肢を除く左右対称、非掻痒性、非炎症性脱毛を特徴とする犬の脱毛状態をあらわす。

仮説/目的:この研究の目的は、毛周期停止の未去勢のオスと避妊済みのメス犬の治療で、4.7mgデスロレリンインプラントの効果を前向きに評価することだった。

動物:毛周期停止と確認された10頭のポメラニアン(8頭は未去勢オス、2頭は避妊済みメス)、4頭のイタリアンスピッツ(3頭は未去勢オス、1頭は避妊済みメス)、3頭のミニチュアプードル(2頭は未去勢オス、1頭は避妊済みメス)、2頭のシベリアンハスキー(未去勢オス)、1頭の未去勢オスのチャウチャウを研究した。

方法:各犬に4.7mgデスロレリンを含む皮下の無菌インプラントを設置した。反応があった犬には1年の薬理学的暴露と1年の経過観察を行うため、最初のインプラントから6か月目に再びインプラントした。

結果:16頭の未去勢のオスのうち12頭(75%)で3か月以内に目にわかる発毛があった;どの避妊したメス犬にも発毛は見られなかった。治療に対する全体の反応率は60%だった。副作用は見られなかった。

結論と臨床意義:特発性毛周期停止の未去勢のオス犬に対し、デスロレリンは治療オプションだと思われることが示唆される。デスロレリンは現行の治療および去勢に変わるものである。(Sato訳)


Localized demodicosis due to Demodex cati on the muzzle of two cats treatedwith inhalant glucocorticoids.


少量でも危険!発毛剤の成分「ミノキシジル」ペットに毒性疑いあり


Petra Bizikova; Thierry Olivry

背景:犬の落葉状天疱瘡(PF)の管理は、受け入れがたい副作用に関係することも多く見られる長期の免疫抑制療法を必要とすることもよくある。ヒトの天疱瘡での代替プロトコールである高用量グルココルチコイドパルス療法は、落葉状および尋常性天疱瘡の犬で急速な改善をもたらすことが示されている。

目的:犬のPFの管理でパルス療法の利点をさらに確認するため、疾患管理の最初の3か月の間で、経口グルココルチコイドパルス療法と従来の治療法の結果を比較した。

動物:PF管理の最初の12週間で、経口グルココルチコイド療法を基に、従来群(20頭)、あるいはパルス群(18頭)に振り分けた。

結果:治療の最初の12週間で完全寛解(CR)に達した犬の比率は、従来群(15%;P=0.0063)と比べ、パルス群(61%)で有意に高かった。従来群の犬に与えていた経口グルココルチコイドの最大投与量(中央値:3.2mg/kg)は、他の群のパルス間に与えていた最大量(中央値:1.1mg/kg;P

結論と臨床意義:最初の3か月で完全寛解に達する犬の比率がより高い、パルス間に投与される経口グルココルチコイドの平均最大量がより低い、有害薬剤事象が最小など、経口グルココルチコイドパルス療法に関係するいくつかの利点が示唆される。(Sato訳)


Treatment of canine generalized demodicosis using weekly injections of doramectin: 232 cases in the USA (2002-2012).

質問 - 猫がミノキシジル配合の発毛剤を舐めた可能性があります 女性用のものです この場合 水を飲ませるべきか 様子を見るべきか - 。


John H C Hutt; I Craig Prior; Michael A Shipstone

背景:全身性ニキビダニ症は犬の重度皮膚病の1つで、治療オプションに限りがある。

仮説/目的:犬の全身性ニキビダニ症の治療において、ドラメクチンを0.6mg/kgで投与した時の安全性と有効性を証明する

動物:1軒の小動物一般診療施設において、全身性ニキビダニ症と診断された飼育犬400頭。それらのうち232頭が治療を完遂し、研究に含めた。

方法:アメリカテネシー州において1軒の小動物一般診療施設で見られた犬の電子カルテを検索することで回顧的研究を行った。全身性ニキビダニ症と診断され、週1回のドラメクチン0.6mg/kgの注射で治療された各犬のカルテを解析した。

結果:ドラメクチン0.6mg/kgの週1回の皮下注射で治療した犬の94.8%が寛解に達した。副作用はまれで、疑われる2症例(0.5%)が記録されていた。治療期間の平均は7.1週間だった。

結論と臨床意義:犬の全身性ニキビダニ症に対し、ドラメクチン0.6mg/kgの週1回の皮下注射は有効で、良好な許容を示す治療である。(Sato訳)


Topiramate in the management of feline idiopathic ulcerative dermatitisin a two-year-old cat.

猫のピレスロイド系薬の中毒~飼い主に伝えるべき危険性と予防策~


Steve Stoll; Christian Dietlin; Claudia S Nett-Mettler

背景:アロペシアX(毛周期停止)は、ポメラニアンやいくつかの多の犬種において比較的発生頻度の高い発毛障害で、全身症状を伴わない対称性非炎症性脱毛が特徴である。病因と原因は不明である。過去に報告された種々の局所および全身薬による治療成果は不定である。

仮説:極微針穿刺装置を用いた皮膚表層の機械的傷害は、処置部位で長期の発毛を誘発するだろうという仮説を立てた。

動物:アロペシアXと組織学的に確認された2頭の避妊済みメスのポメラニアンの同腹子。デスロレリン、メラトニン、ミノキシジルによる過去の治療は、有意な発毛を引き起こさなかった。

方法:犬に麻酔をかけ、皮膚を極微針穿刺装置で穿刺した。犬は12か月の期間経過観察した。

結果:極微針穿刺後5週間で発毛が始まり、その後、皮膚の色素沈着過剰が減ってきた。12週後には、脱毛していた部分で被毛が90%改善した。処置後12か月目には、被毛状態は安定していた。副作用は見られなかった。

結論と臨床意義:これは、アロペシアXに侵された犬において極微針穿刺が発毛を誘発したという最初の報告である。アロペシアXの多数の犬において極微針穿刺を用いた長期研究を、それらの予備的結果を確認し、さらに皮毛が永続的かどうかを評価するために実施する必要がある。(Sato訳)


Oral glucocorticoid pulse therapy for induction of treatment of caninepemphigus foliaceus - a comparative study.

飼い主様への啓発にもつながるよう、こちらでは猫におけるピレスロイド系薬剤、特にペルメトリンの危険性 ・ ..

eCollection 2014.
Rodrigues Hoffmann A, Patterson AP, Diesel A, Lawhon SD, Ly HJ, Elkins Stephenson C, Mansell J, Steiner JM, Dowd SE, Olivry T, Suchodolski JS.

背景: 従来の微生物学的技術を使って伝統的に動物の皮膚の微生物集団の変化を評価している。これまでに培養を元にした方法では証明できなかったが、細菌の16S rRNA 遺伝子のシークエンスで人間の皮膚には多様のある様々な微生物がいることが明らかになった。この研究のゴールは犬の皮膚における異なる部位に存在する微生物を記述し健常犬とアレルギー犬の皮膚の微生物を比較することだった。

方法/主な所見: 被毛の生えている皮膚と粘膜表面の異なる部位から健常犬(n?=?12)とアレルギー犬(n?=?6)の皮膚表面のスワブから抽出したDNAを16SrRNA 遺伝子の454-ピロシーケンスを使用した。主座標分析ですべての犬で異なる皮膚の部位でクラスタリングがあることが明らかになった。いくらかの粘膜部と肛門周囲のクラスタリングは被毛の生えている皮膚の部位とは異なった。Rarefaction解析で健常犬から採取したサンプルの間および異なる皮膚部位との間で高い個体差が明らかになった。
粘膜表面あるいは粘膜皮膚境界部と比較すると、被毛のある皮膚から採取したサンプルにおいて、より多くの細菌種と微生物の多様性が観察された。検査した全ての領域において、皮膚と粘膜表面の異なる部位から見いだされた最も豊富な門と科がプロテオバクテリアとオキサロバクター科であった。アレルギーの犬の皮膚は健常犬と比較して菌の種類がより少なかった。アレルギーの犬は健常犬と比較してベータプロテオバクテリア ラルストニアの割合が少なかった。

結論/重要性:培養を元にした従来の方法に比べてより多くの種類と多様性のある微生物が犬の皮膚には存在することが本研究で証明された。我々のシークエンスデータから異なる患者から採取したサンプル間においてより高い個体差があることが明らかになった。細菌種の豊富さの違いは健康な犬やアレルギーの犬の間で見られ、健常犬と比較した場合、アレルギーの犬はより種の豊富さが少なかった。(Dr.Kawano訳)


Canine sterile nodular panniculitis: a retrospective study of 39 dogs.

ミノキシジル錠の副作用を軽減し、発毛作用が得られるように開発されたものが ..


Petra Bizikova; Keith E Linder; Jessica A Wofford; Lisa B Mamo; Stanley M Dunston; Thierry Olivry

背景:後天性表皮水疱症(EBA)は、犬とヒトで珍しい自己免疫性の表皮下水泡形成疾患である。

目的:犬のEBAの臨床的表現型、病理組織および治療結果を述べる。

動物:表皮下の水泡形成とコラーゲンVII自己反応性を基にEBAと診断された20頭の犬

結果:ほとんどの犬は若く(中央値1.2歳)、オスとメスの比率は2.3:1だった。20頭中9頭(45%)は1歳未満で病変を発症し、20頭中11頭(55%)はグレートデーンだった。緊張した小嚢胞および水泡(18/20;90%)と深い糜爛と潰瘍(20/20;100%)は最もよく見られる病変で、主に口腔(19/20;95%)、耳介(16/20;80%)、腋窩(15/20;75%)、肢のパッド(14/20;70%)に見られた。病理組織検査により好中球性血管周囲皮膚炎(17/17;100%)で好酸球を伴わない、あるいは伴うもの(12/17;71%)で伴うものは時折同等(4症例)あるいは好中球を上回った(2症例)。表皮下水泡は炎症を欠き、好酸球を伴うあるいは伴わない好中球、フィブリンおよび/あるいは出血を含んだ。皮膚病変の完全寛解は中央値58日で14頭の犬に見られた。グルココルチコイドは単剤療法(3/14;21%)、あるいは他の免疫調整剤と組み合わせ(11/14;79%)で使用された。プレドニゾンの用量中央値は3mg/kg/日だった。残りの6頭は安楽死された。

結論と臨床意義:犬のEBAは炎症性表現型を伴う表皮下水泡形成疾患で、若いグレートデーンとオス犬に偏りがあった。治療の結果は、過去に想定されたものよりも好ましいと思われた。(Sato訳)


The skin microbiome in healthy and allergic dogs.
PLoS One.

【ミノキシジルは効く?】AGA治療の効果と副作用を発毛のプロが徹底解説!


Frane Banovic; Keith Linder; Alison Boone; Sam Jennings; K Marcia Murphy

背景:ヒトでは、猫にひっかかれ、あるいは咬まれたあとに急速に発症するパスツレラ・ムルトシダ蜂巣炎の実態はよく知られており、時に壊死性筋膜炎に進行し、死に至る場合もある。

症例報告:3歳メスの避妊済みホイペットが、胸部腹側を猫にひっかかれ、24時間以内に斑状出血、腫脹、疼痛を発症した。翌日にかけて、疼痛薬剤治療だけで治療している間、病変は出血性嚢胞、広範な皮膚壊死へと急速に進行した。細菌培養でパスツレラ・ムルトシダの大量の発育が見られ、組織学的検査で、顕著な表皮、真皮、皮下の壊死を伴う化膿性皮下脂肪組織炎を示した。特異組織染色で、炎症細胞を伴う中程度のグラム陰性球桿菌混合が強調された。

外科的壊死組織切除、皮膚移植、静脈内抗生物質投与により完全に改善した。パスツレラ・ムルトシダに対する陽性細菌培養と組み合わせ、病歴、臨床所見、組織検査結果、治療に対する急速な反応からパスツレラ・ムルトシダ壊死性蜂巣炎の診断が強く支持された。

結論と臨床意義:ヒトでの猫が咬むことによるパスツレラ・ムルトシダ感染の合併症はよく知られている。著者の知識では、これは猫のひっかき傷から1頭の犬に起こったパスツレラ・ムルトシダ壊死性蜂巣炎の最初の報告である。この症例は、認識できず早期に治療されなければ、パスツレラ・ムルトシダ蜂巣炎の速さとひどさを強調するものである。獣医師は猫にひっかかれた後の全ての局所傷感染の鑑別診断にパスツレラ・ムルトシダを含めるべきである。(Sato訳)


Feline dermatology at Cornell University: 1407 cases (1988-2003).

【危険な抜け毛&頭皮チェック】を。生活習慣の見直しや、抜け毛対策に効果的なシャンプーの選び方についてお伝えします。 CHECK


Jacqueline R Gimmler; Amelia G White; Robert A Kennis; Crisanta Cruz-Espindola; Dawn M Boothe

背景:人の皮膚におけるテルビナフィン(TBF)の濃度と持続は分かっている。獣医療でその使用は増えているが、犬においてその組織濃度と効果に関するデータは限られている。

仮説/目的:(i)犬の皮膚におけるTBFの集積を述べる;(ii)マラセチア性皮膚炎の治療にたいし、TBFの現在使用されている用量を確認するため、マラセチアpachydermatisに対する従来の最小阻止濃度(MIC)結果とともに薬力学的データをまとめる

動物:10頭の健康な飼い犬

方法:犬にTBF(ジェネリック製品、250mg錠剤)30mg/kgを1日1回21日間経口投与(p.o.)した。血清、皮脂、角質層(SC)サンプルを1、5、7、11、14、21、28、35日目に採取した。サンプルの薬剤濃度を高速液体クロマトグラフィーで測定した。

結果:血清、足のSC、胸部のSCと皮脂におけるTBFの関連(平均±標準偏差)パラメーターは、それぞれ:最大濃度(Cmax、μg/mL)23.59±10.41、0.31±0.26、0.30±0.32と0.48±0.25;半減期(t1/2、d)4.49±2.24、6.34±5.33、4.64±3.27と5.12±3.33;最大濃度までの時間(Tmax、d)10.40±6.98、13.20±5.16、11.90±8.62と10.60±3.69だった。

結論と臨床的重要性:それらの結果は、犬の血清に比べ角質層あるいは皮脂でテルビナフィンは高濃度に達することはないと示唆する。全ての皮膚組織(足のSC、胸部SCと皮脂)の平均Cmaxは報告されている0.25μg/mLのマラセチアMIC90をわずかに超えただけで、30mg/kg1日1回p.o.より高い用量が必要かもしれないと示している。(Sato訳)


Canine epidermolysis bullosa acquisita: a retrospective study of 20 cases.