今回紹介したいお薬はクラリス(クラリスロマイシン)というお薬です。
今回は、主に小児に薬を服用させる時に問題となる「苦い薬」について述べます。現在、苦味を緩和するさまざまな甘味を利用した服薬法が活用されています。
和やかで落ち着いた雰囲気で。少しでも飲めたらたくさん褒めてあげましょう。
味覚には、5大基本味の塩味と甘味、酸味と苦味、うま味があると言われます。食べ物や飲み物に含まれる物質が口の中に入ると舌に触れますが、舌には乳頭と呼ばれる多数の突起があり、その中に味蕾があります。この味蕾が味を情報としてとらえて脳に伝達し、脳内で味を認識します。
味を感じられなくて食事が進まないといった方は、味蕾が十分につくられていなくて、味を感じないということがあります。味蕾は代謝回転が速い細胞で、亜鉛などのミネラルが十分に摂取できていないときちんとした味蕾がつくられないことも原因となり、味覚異常を起こします。
また、味覚異常に似た感覚に「におい」がわからないといった臭覚異常も問題になります。現在、猛威を振るっているCOVID-19による感染症では、その所見として味覚・臭覚異常がみられるとされます。
「カレーなどの風味がわからない」といった場合は、味覚異常というよりも臭覚に問題があるのかもしれません。
これらの味覚・臭覚異常は、亜鉛の吸収を妨げたりする薬の服用によっても起こりやすく、味覚障害を起こす薬はたくさんあります。利尿薬のフロセミドや血圧降下剤のACE阻害薬、抗菌薬ではテトラサイクリン系やマクロライド系などです。味覚・臭覚異常を訴える患者さんがいたら、ぜひ最寄りの薬剤師に相談してみてください。
今回述べるのは5つの味覚のうちの苦味についてです。苦味を感じる細胞は子どもに多いと言われていて、大人になるにしたがって
感じにくくなります。実際、子どもは酸味や苦味のある食物を嫌がることが多くあります。これは、本能的に酸味は腐っているかもしれない、苦味は毒かもしれない、というサインを感じ取っているとも考えられています。「良薬口に苦し」と言いますが、薬だから苦くても飲み込みなさい、と子どもに言い聞かせることは容易なことではありません。薬の成分には苦いものが多く、これでは子どもの治療がはかどりません。そこで子ども用にシロップ剤にしたり、薬に甘味を付けたりして、苦味を感じさせないような工夫が必要になります。
味はもちろん、パッケージも気に入っていて楽しみながらおくすりを飲めています。
苦い薬の服用時に苦味を消す方法を「マスキング」といいます。苦味をマスキングするためにさまざまな工夫が施されています。苦いものを感じないように甘いもので味付けをする方法として、甘味料が用いられています。白糖、マンニトール、フルクトース(果糖)、ラクトース(乳糖)などが使われています。白糖は安価で安全性が高く、甘味剤として最も多く使用されています。薬の表面にコーティングして被膜をつくるように塗り付けてある場合もあります。錠剤に塗り付けているものを糖衣錠と言います。甘味料としてサッカリンが使われている場合もあります。以前は膀胱がんの増加が危惧されましたが現在は否定的です。エネルギーが少なく、減量用の甘味料として炭酸飲料などにも用いられています。また、砂糖の100~200倍の甘味を感じるとされるアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)や糖アルコールの1つであるキシリトール、果物などに含まれるエリスリトール、砂糖を加工して合成されたスクラロースや、漢方の成分である甘草が使われたりする場合もあります。苦味を感じる代表的な薬にマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンやクラリスロマイシン、アジスロマイシンがあります。マイコプラズマをはじめ、多くの細菌感染症に汎用され、小児にも使われます。
私たち成人は錠剤やカプセル剤を服用する場合が多く、あまり苦味を感じないかもしれませんが、小児用に細かい粒状の細粒剤や水に溶かして飲むドライシロップ剤が発売されています。これらをうまく飲み込めずに口の中に薬が残ってしまうと強烈な苦味を感じてしまい、服用しなくなってしまう小児も散見します。そこでジスロマックでは、サッカリンなどの甘味料を組み合わせたり、いちご味の矯味料を使ったりして苦味をマスキングしています。
口腔内はほぼ中性(pH6.8程度)ですが、このpHでこれらのマスキング剤が溶け出さないような工夫も施されています。つまり薬が胃内のpHではじめて溶け出すような工夫が行われているのです。
苦味のある薬をマスキングしても、上手に薬が飲み込めないと苦味を感じてしまいます。苦いとわかっている薬はさまざまな工夫がなされていますが、もともとそれほど苦くない薬でも子どもは苦く感じやすいため、服用時の工夫が必要です。たとえば、チョコレートを先に食べて口腔内に油膜を張り、舌をチョコレートの被膜を覆うようにしてマスキングするといったことも効果があると言われています。またアイスクリームやヨーグルト、プリンなどに混ぜて薬を飲ませる場合もあります。
このような時に注意したいのは、スポーツドリンクなどの酸性飲料で服薬させる場合です。前述したマクロライド系抗生物質はアルカリ性で、同じアルカリ性の高分子でドライシロップ剤などを服用させやすいように工夫している製剤があります。これを酸性のスポーツドリンクで服用してしまうと、コーティングが破壊されて苦味のある薬が表面に現れ薬自体の強い苦味を感じてしまいます。エリスロマイシンやクラリスドライシロップも同様に、ヨーグルトやオレンジジュース、りんごジュースなどと一緒に服用しない注意が必要となります。同じ抗生物質でもセフェム系と呼ばれるセフゾンは、どんなものでも苦味は感じないようですが、子どもが好むからと言って、酸性飲料で薬を服用させると、強い苦味を感じて薬の服用を嫌がることもあるので注意が必要です。
全ての味をストックしていて、子どもの気分に合わせて飲ませるようにしています!
散剤を服用することが難しい場合に取られる方法を紹介します。1歳児くらいまでだと専用のスポイトに薬をのせて服用させる方法があります。生後半年くらいまでの乳児には哺乳瓶に薬を入れるといった方法もあります。離乳食を始めた子どもにはスプーンにりんご味のソースをのせて、それと一緒に薬を飲ませる方法も行われます。服薬補助ゼリーも用いられますが、前述したように酸性タイプも発売されていますので、錠剤では甘味料が溶け出さないように注意が必要になります。
玉谷キッズクリニックの菅原です。最近、マイコプラズマ肺炎が流行していますが、治療の中心となるのが抗生剤です。しかし、マイコプラズマに対応した最もスタンダードな抗生剤であるクラリスロマイシンの系統にはあるデメリットがあります・・・。それは、とっても苦いことです
クラリスロマイシンDSの子供への飲ませ方 | お薬専門通販のミナカラ
お子様が好きなアイスクリームやお茶などに混ぜるのも良い方法ですが、クラリスロマイシンやアジスロマイシンは酸性の飲食物(ヨーグルト、オレンジジュース、スポーツ飲料、乳酸飲料など)に混ぜるとコーティングがはがれ、苦みを直接感じることになるので気をつけましょう。
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マクロライド系薬剤であるクラリスロマイシン(CAM)は, 塩基性薬剤であるため, 酸性条件で多く溶出し, 苦味を呈する
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クラリスロマイシン DS+ヨーグルト・オレンジジュース等の酸性のもの:苦味増強
牛乳・ヨーグルト:トスフロキサシン、ミノサイクリンなど。カルシウムを含む乳製品などと一緒に飲むと、効果が減少します。
ジュース(特に柑橘類のジュース)・スポーツドリンク:クラリスロマイシン、セフカペンピボキシル、セフジトレンピボキシルなど。苦味がより強くでてしまう。また。これらの薬は、カルボシステインなどの酸性の薬と混ぜて飲んでしまった場合も、苦味がより強くでてしまいます。
甘みが強く、カラメルの苦味によって苦みのある薬をマスクすることもできる。
また、飲み物以外では、アイスクリームやはちみつ、ジャムに混ぜて飲ませる方法もあります。(はちみつは1歳未満には禁忌です)
薬物の苦味をマスキングする方法として、噴霧凝固造粒法が最適な手段である事を提案し、本造粒方法に最適
「クラリスロマイシン」のドライシロップ(クラリスロマイシンDS)製剤は、オレンジジュースやスポーツドリンクなどの酸性飲料で苦くなります。では、「水」で服用するように伝えておけばそれで問題ないかというと、そういうわけでもありません。今回はその薬の苦みについて説明します。
抗菌薬のクラリスロマイシンは、それ自体にマクロライド系薬剤特有の強い苦味があります。そのため、小児用のDS製剤ではこの苦味を封じ込めるために、特殊なマトリックス構造と水酸化ナトリウムを用いた製剤工夫が施されており、口腔内では苦味が現れないようになっています。そのため、通常はそのまま服用した際にも苦味を感じることはありませんが、酸性飲料に触れるとこの製剤工夫が崩壊し、強い苦味が現れることになります。このことから、クラリスロマイシンDS製剤を服用する際は酸性飲料と混合することは避けるように服薬指導を行います。その際、服用に適した飲料としては「水」を例示することが多いと思いますが、実際に中性飲料である「水」であれば服用に用いても、あるいは薬と混合しても、苦味が現れることは基本的にないことが確認されています。つまり、薬剤師によるこの服薬指導は、子どもの服薬アドヒアランス維持に非常に重要なものと言えます。一方で、服薬の際に用いる飲料を「水」にすれば、それですべての問題を避けられるかというと、そういうわけでもありません。たとえ「水」であっても、混合から3分が経過すると苦味が現れるとされています。これは、苦味を隠すためのマトリックス構造に水が浸透してくると、少しずつ薬が溶出することが主な要因と考えられます。つまり、水で薬を飲む・水に混ぜてすぐに飲むといった服薬であれば問題なくとも、前もって薬を水に混ぜておく・薬を水に混ぜてから、子どもに服薬するよう説得するといった服薬手順になっている場合は、水で飲んでいるのに苦味を感じるという事態を引き起こすことになります。そのため、水で服用するようにという服薬指導だけでは不十分で、水であっても混ぜて3分ほど経つと苦くなってしまうので、薬を混ぜるのは実際に飲む直前に行うことまで伝える必要があります。あるいは、薬を飲んだ後に薬の粒が口の中に数個残ってしまった状態で3分が経過すると、この場合も強い苦味を感じることになります。薬を飲む時というより『飲んだ後』のタイミングで苦味を感じている場合には、薬を飲んだあとにもう1杯、口をゆすぎながら飲んでもらうといった飲み方も、場合によっては効果的です。
クラリスロマイシンDS製剤は、オレンジジュースやスポーツドリンクなどの酸性飲料で苦くなります。では、「水」で服用するように伝えおけばそれで問題ないかというと、そういう訳でもありません。今回はそんな薬の苦みについて説明しました。クラリスロマイシンDS製剤は、水であれば混ぜてすぐに苦くなることはなく、混ぜてから3分ほど経過すると苦味が現れ始めるため、水であっても混ぜるのは服薬直前に!
混合の指示があったが、クラリスロマイシンDSとカルボシステインDSを混合
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すると苦味を生じるため、別々に分包することを提案し、変更となった。 推定される要因
味がわからないことを味覚障害といいますが、その症状はさまざまで舌の一部や片側が、また舌全体が味覚を感じないことがあります。
味覚障害の程度も、濃い味でなければ感じないもの(味覚減退)や、全く味を感じないもの(味覚消失)があります。
さらに本来の味を異なった味に感じること(錯味)もあります。
[PDF] シロップ用クラリスロマイシン クラリスロマイシン錠
食材でも、ちょっと苦味があったりするだけでも、食べなかったりします。それだけ敏感ということが言えます。
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すなわち、マクロは「大きな」という意味、ライドは「ラクトン環」という意味です。この2つの言葉を組み合わせてマクロライドという名前がついているのです。
効成分の苦味を防ぐための製剤設計が施してあるが、酸性飲料で服用した場合には、苦味が発現す
原因として以下のようなものが考えられます。
・薬の副作用(薬剤性味覚障害)
・糖尿病、肝障害や腎障害などの全身疾患
・風邪
・口腔疾患
・放射線治療の副作用
・亜鉛欠乏症(偏った食生活)
* クラリスロマイシンやジスロマック等一部の抗生剤では、酸味の強いジュースや
「クラリスロマイシン」のドライシロップ製剤は、オレンジジュースやスポーツドリンクなどの酸性飲料で苦くなります。では、「水」で服用するように伝えおけばそれで問題ないかというと、そういうわけでもありません。今回はそんな薬の苦みについて説明します。
白色の結晶性の粉末で、味は苦い。本品は無臭である 1)。 (2)溶解性
「クラリスロマイシン」のドライシロップ製剤、酸性飲料を避けて「水」で服用させているのだけど、それでも“苦い”といって嫌がられてしまう…どうして?
クラリス小児用細粒10%, クラリスロマイシン, DS10%, 白色, 無臭, ストロベリー味、後で苦味
また、薬の作用には影響はありませんが、オレンジジュースやスポーツドリンク、乳酸飲料など酸性の飲み物とマクロライド系の抗生剤(クラリスロマイシンなど)を混ぜると薬の苦味が増して飲みにくくなります。お子様に薬を飲ませるときは気をつけてください。