随時血糖(ずいじけっとう):食事時間とは無関係に測定した血糖値
ステロイドホルモンはアレルギーの免疫反応を抑える抗炎症作用により、皮膚炎の赤みやかゆみを抑えます。一方で、ステロイドホルモンには抗炎症作用以外に、血糖値をあげたり、胃粘膜を過敏にしたり、骨粗鬆症を引き起こす作用があり、そのために非常に怖い薬という印象があります。ステロイド内服薬は消化管で吸収され全身に波及するため、こういった全身性の副作用を引き起こすことがありますが、外用薬は皮膚から吸収されるため、血液中に入る量は微量で先ほど触れたような全身性の副作用が起きることは、まずありません。
一般に、ステロイド外用薬の副作用は皮膚にあらわれます。はステロイド外用薬とタクロリムス軟膏の効果と副作用をまとめたものですが、ステロイド外用薬の局所性副作用として、以下のようなものがあげられます。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):過去1~2ヶ月の血糖の平均が分かる数値
副腎で合成・分泌されるコルチゾール(副腎皮質から分泌されるホルモンの一種)の作用が過剰になることで、体重が増えたり、顔が丸くなったり、血糖値や血圧が高くなったりという症状を引き起こす病気を「クッシング症候群」と言います。
副腎のコルチゾールの分泌を調節しているのは脳の下垂体から分泌されるACTHというホルモンです。このACTHが過剰になることでコルチゾールが過剰に分泌された状態を「クッシング病」や「異所性ACTH産生腫瘍(いしょせいさんせいしゅよう)」と言います。一方、コルチゾールが過剰でも特徴的な身体的徴候がみられないものを「サブクリニカルクッシング症候群」と言います。
1965年から1986年の調査では、日本全国で1年間に約100例と報告されていますが、CT検査など、調査機会が増えた昨今では頻度は増加傾向にあると考えられます。
実用的国際共同非劣性試験で,手術時間が 2 時間以上,術後 1 晩以上の入院が予定されている,皮膚切開長が 5 cm を超える緊急性の低い非心臓手術を受ける成人患者 8,880 例を,麻酔下でデキサメタゾン 8 mg の静脈内投与を行う群と,マッチさせたプラセボの投与を行う群に無作為に割り付けた.無作為化は,糖尿病の有無と試験施設で層別化して行った.主要転帰は術後 30 日以内の手術部位感染とした.非劣性マージンは 2.0 パーセントポイントと事前に設定した.
本研究は、糖尿病患者において、化学療法中に制吐薬としてデキサメタゾンを投与された方を対象とし、血糖
修正 intention-to-treat 集団は 8,725 例(デキサメタゾン群 4,372 例,プラセボ群 4,353 例)であり,そのうち 13.2%(デキサメタゾン群 576 例,プラセボ群 572 例)が糖尿病を有していた.主要解析の対象となった 8,678 例のうち,手術部位感染はデキサメタゾン群の 8.1%(4,350 例中 354 例)とプラセボ群の 9.1%(4,328 例中 394 例)に発生した(糖尿病の有無で補正したリスク差 -0.9 パーセントポイント,95.6%信頼区間 [CI] -2.1~0.3,非劣性の P<0.001).表層切開創,深部切開創,臓器・体腔の部位別,および糖尿病を有する患者における結果は,主要解析の結果と同様であった.術後 24 時間における悪心・嘔吐は,デキサメタゾン群の 42.2%とプラセボ群の 53.9%に発生した(リスク比 0.78,95% CI 0.75~0.82).糖尿病を有しない患者では,高血糖イベントがデキサメタゾン群 3,787 例中 22 例(0.6%)とプラセボ群 3,776 例中 6 例(0.2%)に発生した.
中心性肥満(手足は細いのにお腹に脂肪がつく)、満月様顔貌(顔が丸くなる)、野牛肩(背中の上部に脂肪がつく)、皮膚がうすくなる、腹部の赤色皮膚線条(赤い筋ができる)、体幹に近い部分の筋力低下、皮下溢血が特徴的な徴候です。このほかに、血糖値や血圧、コレステロールの上昇、骨粗鬆症、月経異常、うつ症状、感染症なども起こします。
血糖値が高い状態で推移しているようです。 処方薬に含まれるステロイドは血糖を上げる作用もある為、生活習慣を改善しても高い状態が
高血糖や不眠などの一般的な毒性があるにもかかわらず、デキサメタゾンは新規診断多発性骨髄腫(NDMM)に対する寛解導入療法において主要な構成要素である。ランダム化試験のECOG E4A03試験において、デキサメタゾン 40mg 週1回投与が、より高用量の場合と比較して死亡率低下と相関した。しかし、この閾値より低用量へのデキサメタゾン用量減量が、NDMMにおいて無増悪生存(PFS)と全生存(OS)に関してどのような効果をもたらすかについては、充分に明らかになっていない。
ACTHやコルチゾールは朝に最も高くなり、夜間は低くなるため、朝・夕方・寝る前に血液検査を行い、24時間尿中コルチゾール測定やホルモンの動きを確認します。また、寝る前に「デキサメタゾン」というコルチゾールの作用をもった薬を内服し、翌朝には採血を行い、血液中にコルチゾールが足りている状態でも副腎が必要以上にコルチゾールを分泌するかを確認します。
次に、副腎のCT検査で腫瘍の確認を行い、その腫瘍がホルモンを分泌しているかどうかを確認するため、「副腎皮質シンチグラフィ(131I-アドステロール)」という検査を行います。下垂体腫瘍が原因と言われているクッシング病が疑われる場合は、下垂体のMRIで腫瘍の確認を行い、その腫瘍がホルモンを分泌しているかどうかを確認するため、「下錐体静脈洞(かすいたいじょうみゃくどう)サンプリング」というカテーテルの検査を行います。クッシング病では下垂体腫瘍が小さく、特定できないこともあります。
その他、原因に応じて必要な検査を行います。
今まで血糖値が問題なかったのにがんの治療をしていたら急に血糖値が高くなった ..
抗がん剤の副作用に対する支持療法で使われる一方で、がん細胞のアポトーシス(自殺)を誘発することから、白血病などの血液のがんの治療薬として用いられています。
特に多発性骨髄腫では、VAD療法(ビンクリスチン+ドキソルビシン+デキサメタゾン)の1剤として使われています。
6%、絶対差3.7%、95%CI 0.7-6.6)、インスリン増量を要する高血糖が増加した(22% vs.
糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。
主な副作用
ムーンフェイス(顔がむくんで丸くなる)、多毛、不眠、うつ状態、また感染症や高血糖、副腎皮質の機能の低下のおそれもあります。目がかすれて見えにくくなったり、緑内障や白内障を発症することもあります。
ホルモンの変化を調べます。また、糖尿病患者さんと非糖尿病患者さんで、デキサメタゾンの耐糖
現在世界で4億人以上、日本でも1000万人の患者が推定される糖尿病は、高血糖により体中の血管や内臓の細胞が少しずつ障害され、悪化すると心筋梗塞、脳梗塞、足の壊疽などを引き起こし生命の危険にさらされます。
2020年初頭から世界を巻き込むパンデミックとなっている新型コロナウイルス(COVID-19)に糖尿病患者が感染しやすいというデータはありませんが、かかると死亡率が高い事が知られています。糖尿病患者さんは白血球の動きが悪く細菌やウイルスの貪食能力が弱くなるため危険な状態に陥りやすいのです。ただし、厳格に血糖管理を行えば死亡率を大幅に抑えることもわかってきており、日頃からの血糖管理が重要です(図1)。
すなわち3月19日昼までの速効型インスリン(補正分も含めて)を倍量に設定している. B 症例1の血糖経過
安全性評価対象となった392例中332例(84.7%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められました。
主な副作用(10%以上)は、好中球減少142例(36.2%)、貧血104例(26.5%)、血小板減少99例(25.3%)、疲労88例(22.4%)、下痢74例(18.9%)、筋痙縮72例(18.4%)、不眠症56例(14.3%)、気道感染50例(12.8%)、低カリウム血症43例(11.0%)、高血糖41例(10.5%)及び無力症41例(10.5%)でした。
血糖が続き、糖尿病が残存する場合があります。 ≪ステロイド薬の作用時間≫
といった声を聞きます。
詳しい検査のうえでがんと診断されたとき、「どうして」「なぜ自分が」「どうなっていくのか」と不安になったり、「これから自分はどうしたらいいのか」といった疑問を持ったりすることもあるでしょう。
糖尿病の治療中にがんの疑いが見つかった場合、がん治療を行っている病院を受診して今後の方針を相談していきます。がんの種類や進行具合によって治療法は変わります。片方に重点をおいて治療するべき時期はあるものの、がん、糖尿病、どちらの治療も大切です。がん、糖尿病それぞれを担当する医師から話を聞き、治療方針を確認し、医師、看護師、薬剤師などと相談しながら治療を進めていきましょう。
参考:
1カ月以上の投与になる場合、消化性潰瘍、血糖異常、ムーンフェイス、精神症状 ..
倦怠感、食思不振の原因となっている病態を除外してください。
・貧血
・感染症
・高カルシウム血症
・低ナトリウム血症
・黄疸・肝障害
・口腔内カンジダ症・口内炎(口腔チームに依頼してください)
・脳転移など
が見逃されやすいが治療しうる病態です。
味覚障害があれば、ビタミンB群、亜鉛補給も行ってください。
化学療法のdelayed emasisが疑われる場合は、標準的な制吐対策をしてください。
対症療法としては以下のものがあります。
[PDF] 日本の糖尿病患者における持続グルコース測定 (CGM) の現況
がん治療には、手術療法、化学療法、放射線療法などがあり、糖尿病がある方の場合はがん治療と同時に血糖コントロールを行うことが重要となります。ここでは糖尿病のある方が各治療をするときに気をつけたほうがよい点について、治療法ごとにまとめました。 がんの治療をするのにどうして糖尿病のことまで考えなければならないのか疑問に思われるかもしれませんが、血糖値の上昇はからだ全体に影響します。血糖が極端に高い場合は、がんの治療内容を変えたり、血糖が落ち着くまで治療を延期したりする可能性もあります。がんの治療を安全に効果的に行うため、糖尿病の治療についてもしっかりと確認しておきましょう。
糖尿病患者における制吐薬のデキサメタゾンが血糖値へ及ぼす影響の検討
糖尿病の治療に使われるインスリンの中に速効型インスリンがありますが、超速効型インスリンと呼ばれる製品もあります(ヒューマログ、ノボラピッド、アピドラ)。天然のインスリンのアミノ酸配列を一部変える事で効果の発現を早くして食後高血糖を防いでくれますが、最近ではそれらの製品に血管拡張薬を加える事でさらに効果を早めた製品も登場しています(フィアスプ、ルムジェブ)。食後に打っても血糖を抑えられるようになっており従来食後高血糖を抑えられなかった患者さんに役立っています。
また血糖測定も指先から血液を出して測る血糖測定器に加え、上腕に設置するだけで24時間の血糖を測れる商品が広まってきています(図2)。
このほかに、血糖値や血圧、コレステロールの上昇、骨粗鬆症、月経異常、うつ症状 ..
安全性評価対象となった463例(日本人22例含む)中404例(87.3%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められました。
主な副作用(10%以上)は、血小板減少126例(27.2%)、貧血107例(23.1%)、疲労97例(21.0%)、不眠症93例(20.1%)、呼吸困難74例(16.0%)、下痢69例(14.9%)、高血圧62例(13.4%)、悪心57例(12.3%)、無力症55例(11.9%)、末梢性ニューロパチー49例(10.6%)、リンパ球減少48例(10.4%)、発熱48例(10.4%)及び高血糖47例(10.2%)でした。
• デキサメタゾンは血糖上昇や不眠、骨量低下等の副作用を有する
手術を行うときに血糖値が高すぎると、手術後の傷が治りにくく細菌感染しやすくなることがあるため、事前に血糖値を整える治療を行います。それまで食事療法のみだった方も糖尿病の薬が新たに加わることがあり、糖尿病薬を使用している方は種類を変更することがあります。また、がんの治療のため速やかに血糖値を調整することが必要な場合や、検査や手術で食事の摂取が不規則になる場合は、インスリン治療を行うこともあります。インスリン治療のよいところは、手術という身体に大きなストレスがかかるときでも安全に使用できること、投与する量が少量ずつそのつど変えられるため、きめ細やかな調整ができるところです。
一方で、インスリン治療を行うにあたってご本人が積極的に取り組んでいただかなくてはならない点があります。インスリン自己注射の方法()やを覚えること、低血糖、体調が悪くて食事がとれないとき()の対応などについて理解していただくことです。その際には糖尿病診療にかかわる医師や看護師、薬剤師などが説明し、治療をサポートします。
また、糖尿病治療をしっかり行うための準備として、糖尿病のチェックがあります。重度の網膜症があると血糖値が急に低下することで網膜症が悪化することがあります。眼科の受診をしばらくしていない場合には、血糖値をコントロールする前に眼科受診が必要となることがあります。また、腎臓や心臓の合併症も知られていますので、手術に臨む準備としてこれらの慢性合併症の精査を行うこともあります()。
手術前の血糖値のコントロール目標について統一された見解はありませんが、尿ケトン体陰性、空腹時血糖値110~140mg/dL、または食後血糖値160~200mg/dLなどといわれています。
デキサメタゾン抑制試験では、合成糖質コルチコイドであるデキサメタゾン(DEX ..
本CQの背景急性期・遅発期の悪心・嘔吐予防解 説 中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,5‒HT3 受容体拮抗薬とデキサメタゾンによる2剤併用療法を行うが,第1世代の5‒HT3 受容体拮抗薬よりも半減期が長い第2世代のパロノセトロンを選択する場合においては,デキサメタゾンの投与期間を1日のみ投与に短縮(遅発期である2日目以降を省略)することを強く推奨する。なお,第1世代の5‒HT3 受容体拮抗薬を選択した場合のデキサメタゾンの投与期間短縮(ステロイドスペアリング)についてはエビデンスが得られなかった。1 第1世代の5‒HT3 受容体拮抗薬よりも半減期の長い第2世代のパロノセトロンは,単剤投与では第1世代よりも制吐効果が高いことが示されている。このことから,中等度催吐性リスク抗がん薬に対する標準制吐療法である2剤併用療法において,5‒HT3 受容体拮抗薬としてパロノセトロンを選択することにより,遅発期のデキサメタゾンが省略可能かどうか,について研究されてきたため,本CQを設定した。2 本CQでは,中等度催吐性リスク抗がん薬による治療を受ける患者を対象に,デキサメタゾン1日のみ投与とデキサメタゾン3~4日間投与を比較した際の「嘔吐抑制」「悪心抑制」「血糖上昇抑制」「骨粗鬆症抑制」の4項目をアウトカムとして設定し,システマティックレビューを行った。3 本CQに対する文献検索の結果,PubMed 13編,Cochrane 252編,医中誌46編が抽出され,これにハンドサーチ6編を加えた計317編がスクリーニング対象となり,2回のスクリーニングを経て抽出された9編がシステマティックレビューの対象となった。なお,文献の一つに,同じく抽出されているランダム化比較試験のpost hoc解析1)があり,これは予備資料扱いとし,システマティックレビューから除いた。CQ6 77推奨の強さ:1(強い) エビデンスの強さ:B(中)合意率:90.5%(19/21名)アウトカムの設定採択された論文中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,デキサメタゾンの投与期間を1日に短縮することは推奨されるか?推 奨中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,5‒HT3 受容体拮抗薬にパロノセトロンを投与する場合には,デキサメタゾンの投与期間を1日に短縮することを強く推奨する。ⅢCQ6
コルチゾール検査は高血糖・低血糖、高血圧・低血圧、電解質異常(Na、K)や末梢 ..
手術で食事がとれない期間、糖分の多く含まれている点滴をします。点滴から糖分が入る場合には、同量の糖分を口から入る場合と比べて血糖値が上がりやすいと言われており、血糖値をコントロールするためにインスリンを皮下や静脈内に投与することもあります。